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February 15, 2010

[ウォルマート] プロクター&ギャンブルと共同でテレビ番組をプロモート

先週末にWSJ誌が報じたところによると、プロクター&ギャンブルとウォルマートが共同で出資してテレビの2時間ドラマをプロモートするそうです。
単なる広告スポンサーとしてではなく、プロモートする、つまりコンテンツの内容に影響を及ぼすという点で取り組みが新しく、報道されたようですね。

目的は、ほんとうに家族向けのテレビドラマが近年見当たらなくなってしまったのだが、視聴者はこれを求めているということが調査で分かっており、二社が共同で投資してこのニーズに応える、となっています。

投資費用は450万ドル、両社の比率は明らかになっていないのですが、P&Gの方がかなり多いようで、対等というわけではなさそうです。
ですからこの日記のタイトルも本当はP&Gを頭に持ってこなければならないのかもしれないのですが、迷った結果、流通ブログなのでウォルマートとしました。

番組のコマーシャルはもちろん二社のみ、また番組内で商品が出てくるシーンを使うそうです。ウォルマートの場合はPBのグレートバリューでしょうね。

ちなみに番組名は"Secret of the Mountain"4月にNBCで放映予定です。


さて、ウォルマートはここ数年広告予算をかなり上げているんですね。もともと売上高に対する広告費率は極めて低く、上げたと言っても他社と比べるとそれでも低いのですが、しかし分母が大きいですから予算自体はかなり大きい。
参考までに2008年度の広告費は11億ドルで小売業界では1番、アメリカ全体では9位ぐらいではないかと思うのですが、昨年はさらにこれが上がったんじゃないかと言われてます。

またその使い方も昔に比べると洗練されてきていて、これはマーケティング担当役員のステファン・クィンがメーカー出身であることと無関係ではありません。

さらにメーカーとの共同広告をウォルマートは増やそうとしているのですが、ブランド主体としてウォルマートを従とする作り方で、メーカーからお金だけ取って小売主体のコマーシャルを作る業界でよくあるやり方を大きく変えています。

今回のテレビドラマのプロモートも、このマーケティング戦略変更の一環なのかなと感じています。


【追記】
明日より某小売企業の研修が来米し一週間ほどコーディネートです。セミナーが3回、少々ハードなスケジュールなので更新している時間が少なくなりエントリーが乱れると思いますが、ご容赦ください。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:42 AM | | トラックバック (0)

December 24, 2008

[ウォルマート] 集団訴訟で和解、2億5000万ドルを費用計上へ

ウォルマートが集団訴訟63件について和解しました。すべて賃金をめぐる訴訟で、法律で定められた休憩を与えていない、残業を強いた、残業代を支払っていない、といった内容です。
和解金の総額は今のところ未定で、最低でも3億5200万ドル、最高でも6億4000万ドルと見積もられています。そのため、第4四半期に2億5000万ドルが費用計上されます。

同社は同様の訴訟に対する和解金として、05年にカリフォルニアで1億7200万ドル、06年にペンシルバニアで1億7200万ドルを支払ってまして、今回が最初というわけではありません。
またウォルマートだけではなくて、大手スーパーマーケットなどこの類の訴訟で和解金を支払っている企業は少なくないというのが現状です。


この時点で63件について一気に和解した理由は、来年に議会で議論がはじまる新しい法案に対する準備だろうという見方があります。この法案は組合の結成を現状よりも容易にするもので、民主党が政権を握った結果実現化する可能性が高まっています。
ウォルマートは法案成立に強く反対していて、反対勢力の中心となっています。

法案を議論しているときに係争中の訴訟を引き合いに出されると不利になるため、いまのうちに和解して重箱の隅をつつかれるのを避けようというわけですね。和解金という費用がかかりますが、法案が成立して支払うコストを考えたら戦略的に負けを選ぶ方が得策とふんだわけです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:44 PM | | トラックバック (0)

December 22, 2008

[ウォルマート] チリ最大手のD&Sを公開買い付け

ウォルマートがチリ最大手のD&S(Distribucion y Servicio)社を買収する予定であることを発表しました。株式公開買い付けによる買収で、火曜日から買い付けを開始、もし全株の50.01%の買い付けに成功しなければ買収は断念するとしています。

D&Sの年商は30億ドル、店舗数は185店舗、チリ最大の小売企業です。
昨年、業界2位のファラベラを買収することで合意したのですが、独禁法にひっかかり当局の許可が得られず破談となった経緯があります。大株主であるイバニェズ一族は株を手放したい意向で、しかし国内に売却先が見あたらず、そのためウォルマートとの話が進んだようです。
ちなみにカルフールがチリから数年前に撤退、そのときの店舗の売却先がD&Sでした。

ウォルマートによる中南米進出国はアルゼンチン、ブラジル、コスタリカ、エルサルバドル、ガテマラ、ホンデュラス、メキシコ、ニカラグア、プエルトリコで、今回の買収が成立すると10カ国目となります。


そう言えば、西友のカレジッスキーが買収について言及したとかいうニュースを先日目にしました。日本の小売企業の株価は一部の好調企業を除いてお買い得価格となってますから、言われなくても、買収を考えているであろうことは容易に想像がつきます。

例えばイオンの時価総額は現在6940億円です。ウォルマートの07年度末のバランスシート上の現金等価物の総額は55億6900万ドル、とりあえず1ドル=100円で換算とすると5,569億円となります。1,000億円ほど足りないのですが、実は06年度末の数値は77億6,700万ドルで、前年は上回るキャッシュを手元に持っていたことになります。

現実論としてこういう買い方はありえませんが、ここで言いたいことは手持ちの現金で買う買わないではなくて、そのくらいの"体力差"がついているということです。

イオンが三菱商事の出資をあおいだ理由の一端が分かるように思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:51 PM | | トラックバック (0)

December 15, 2008

[ウォルマート] 景気後退が変える消費行動

ウォルマートCEOのリー・スコットがテレビのニュース番組に出演、ミシガン州の州知事やグーグルCEOのエリック・シュミットらと経済や政治についてディスカッションしました。

そのコメントの中で、私の注意を引いたものをいくつか引用します。


☆食品の購買量がどんどん増えているのだが、とくに冷凍食品が売れている

食品が増えているということはたぶん、外食を控え食材を買って料理する人が増えているということだと理解しました。そして、冷凍食品が売れているという点に注目したい。私は最近この分野に注目してまして、セミナーでもこの点に触れることが多いのですが、私の感じていることを裏付けるコメントだと思います。


☆消費者の最大の関心事は雇用である

つまり現在、消費を左右しているのは雇用情勢だということですね。


☆調剤は増えているが過去のような増加率ではない。そして傾向として見えるのはセルフトリートメントだ。食品の買いだめ傾向が強まっていて家で料理をする人が増えている。事実、残り物を上手に利用しようとする人が増えている。つまり、消費者は消費行動を変えているのである。

景気後退によって買い物パターンが変わりつつあるということを、ウォルマートとして実感しているという意味だと思います。


変化を上手に捉えられる小売企業は好調を維持し、気づかない小売業は衰退する。
大変な時期ですが、これを好機とみなせるかどうかが、勝負の分かれ目なのだと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:14 PM | | トラックバック (0)

December 10, 2008

[ウォルマート] サービス残業訴訟で和解、5,425万ドルを支払い

ウォルマートがミネソタ州でサービス残業に対する団体訴訟で和解し、5,425万ドルを支払うことで合意しました。対象となる従業員は1998年9月11日から2008年11月14日までにウォルマートとサムズで働いていた人で、10万人が対象となります。

現在ウォルマートは全米各州で同様の訴訟を76件抱えているそうです。


このサービス残業訴訟、ウォルマートは何回も訴えられてお金払ってますし、ウォルマートだけじゃなくてスーパーマーケットやドラッグストアなどあちこちの企業が和解金を支払ってます。

ウォルマートの場合、この問題を解決するためのシステムを導入したような記憶があるのですが、でもやっぱり機能していないようですね。
サービス残業は、とりわけ小売業界では日本でも問題となることが多いのですが、アメリカでも同じ課題を抱えているということです。

#####

追記:ウォルマートがクリスマス直前あたりから99ドルのiPhoneを売るんじゃないかという噂が流れてます。店員が漏らしているようで、信憑性は高いというのがメディアの判断です。これ、本当だとすると、すごくおもしろいですよね。いろいろ考えさせられるネタです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:48 PM | | トラックバック (0)

December 4, 2008

[ウォルマート] 死亡事故の遺族が提訴

一昨日にエントリーした死亡事故の遺族がウォルマートを提訴しました。原告側は、十分なセキュリティ体制の欠落に加えて、ウォルマートによる集客を刺激する独特なマーケティングと広告テクニックに責任があると主張しています。

在庫数限定の売り切りゴメン型の手法でお客を煽ったことに責任の一端があるという意味ですね。


この件、訴訟は不可避だと思ってたのですが、マーケティング手法がやり玉に挙がるとは思ってもみませんでした。

よくあるやり方に過ぎなくて、ウォルマートが一方的に糾弾されるのもどうかなと思うのですが、人が亡くなってますし、難しいケースですね、これは。

おそらく和解するんじゃないかと思います。


今年はウォルマートに強い追い風が吹いた年でしたが、最後の最後にケチがついてしまったような印象です。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:18 PM | | トラックバック (0)

December 2, 2008

[ウォルマート] オープニングにお客が殺到して店員圧死

ブラックフライデーの初日の朝、ロングアイランド(ニューヨーク郊外)のウォルマートで開店を待ちきれないお客数千人が入り口ドアのガラスを割って殺到し、押しとどめようとした男性の店員が倒されてお客に踏まれて圧死するという痛ましい事件がありました。

開店は朝の5時だったのですが、深夜の時点で500人以上が列を作っていて警察が整理をするような状況だったそうです。
死亡した店員の他に4人が病院に運ばれています。


殺到したお客は、ウォルマートがブラックフライデー用に用意しているスペシャルプロモーションが目当てでした。
そのくらい、歳末商戦初日の販促は魅力があるということを意味していますね。50インチのプラズマテレビが798ドル、サムスンの10.2メガピクセルのデジカメが69ドル、などなど、激安商品を数量限定でマーチャンダイジングしていました。

ウォルマートの集客力に驚いてしまうのと同時に、お客に踏まれて亡くなった店員を思うとやりきれない気持ちになるニュースですね・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:38 PM | | トラックバック (0)

November 25, 2008

[ウォルマート] スキャンエラーで140万ドルのペナルティ支払いに合意

スキャンエラーとは、値下げ販促をしていてチラシや店頭でその価格を表示してあるにも関わらず、レジでのスキャン価格がプロパー価格となっていて、お客が不利益を被ることを意味しています。

カリフォルニア州当局が州内164店舗についてランダムチェックを2005年12月から実施(期間は不明)、平均すると一人あたり8.40ドルも余分に支払っていることが判明、今年の初頭に州が提訴し、ウォルマートが和解を受け入れました。

ウォルマートは140万ドルのペナルティを支払い、スキャンエラーについての苦情を受け価格をチェックする店員を別途選任します。また今後オーバーチャージが見つかった場合はアイテム1つにつき3ドルを返金、3ドル以下の場合は無料とするプログラムを導入するそうです。


こういうエントリーを書いたことがあります。
スキャンエラーの比率

2003年の同様の訴訟で、アルバートソンズは185万ドルを支払ってます。今回のニュースとともにカリフォルニアでの話でして、たぶん他州でもたまに発生しているのだろうなと思ってまして、この件はアメリカでは決して珍しいことではないと思ってます。

このときアルバートソンズが取った措置は今回のウォルマートと同じで、店員のエクストラ作業でカバーするというものでした。


日本ではたぶん電子棚札になってしまうのですよ。一方アメリカで電子棚札を使う企業は非常に少ない。
なぜかというと、導入費用に対するROIが低いからに他なりません。店員にエクストラで支払ってやってもらった方が安く済む。また棚札に価格以外のいろんな作業情報を表示して見える化していることも理由の一つだろうなと思ってます。

導入している日本のスーパーマーケット企業はテクノロジーベンダーに乗せられちゃっている気がすごくしてるんですが、そう感じてるのって私だけなんでしょうかね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:06 PM | | トラックバック (0)

November 22, 2008

[ウォルマート] リー・スコットの退任

昨日の朝のニュースでリー・スコットが退任することを知り、エントリーしたかったのですが、研修コーディネートで時間の余裕がなくて、載せるのが遅くなってしまいました。

後任はマイケル・デューク、2月1日からCEOに就任するそう。リー・スコットは取締役会の中に設けられているExecutive Committee(執行委員会)のチェアマン、およびアドバイザーとして留任するそうです。


さてこの人事、かなりのサプライズでした。後継問題はここしばらく取りざたされてきたのですが、リー・スコットの年齢は59歳、あと数年経営しながら後継が決まっていくのだろうというのがおおかたの見方でした。

マイケル・デュークは58歳、スコットとほとんど代わりがない。スコットがあと数年働いて引退する年になると、デュークも同じく引退する年齢となる。後継としての能力は十分だけど、年齢的にCEOの可能性はないだろうと言われてました。

もう一人、レースを走っていたのがエデュアルド・カストロ・ライトで、年齢は53歳。年齢的にはぴったりで、たぶんこの人がCEOになるのではないかと思っていたのでした。


リー・スコット、疲れちゃったのでしょうかね。
この人、2000年に就任以来アンチウォルマートキャンペーンや訴訟への対応ばかりで、「経営者となってこういうことをすることになるとは思ってもみなかった」、というコメントを聞いたことがあります。
景気後退というこの時期に業績を維持するという功績を花道にしたのかなと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:09 AM | | トラックバック (0)

October 31, 2008

[ウォルマート] 大統領選への絡み方

日本人は支持政党について自分の立場を鮮明にアピールするということはあまりないですが、アメリカ人は比較的はっきりと自己を主張する傾向があります。我が家の近隣の何軒かには、自分がどちらに投票するかを表明した小さな看板が立てられていたりして、いかにもアメリカらしい風景だなと感じ入ってます。

これは個人にとどまらず、企業単位でもどちらを支持するかを表明することが多い。
ウォルマートは歴史的に共和党寄りなのですが、しかし、今回ははっきりとどちらを支持するかを明確にはしてないように思います。

ただ、選挙戦のサポートをネットでしていて、おもしろいので、紹介しておきます。まもなく選挙が始まりますし。
"投票しましょう"というメッセージを動画で提供しているのですが、候補二人の短いスピーチも掲載されてます。

まずこれがそのページ。
Election 2008

以下、小窓で動画を貼り付けます。
こういうことを日本の企業がやるということは、未来永劫ないような気がしますよね。

【Your Vote Matters】

【オバマ】

【マケイン】

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:24 PM | | トラックバック (0)

October 29, 2008

[ウォルマート] 新規出店ペース減と既存店改装ペース増

ウォルマートがアナリスト向けのカンファレンスを月曜日と火曜日に開催し、来年に向けての政策が発表されました。恒例です。

○来年の国内設備投資額は63〜68億ドルで今年度の58〜64億ドルから微増、出店ペースを減らして、その分既存店の改装に力を注ぐ。

○来年の海外設備投資額は48〜53億ドルで、今年度の45〜48億ドルからこれも微増。投資の分配を、イギリスやカナダと言った成熟市場から、ブラジルやインドといった開発途上国へを今後5年間シフトさせる。

詳しくは流通eニュースに書くつもりですが、トーンは明るく強気と言ってもよく、景気悪化という経済環境が同社にとっての追い風になっていることをうかがわせています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:36 PM | | トラックバック (0)

October 23, 2008

[ウォルマート] 中国のサプライヤーに新取引ルール

ウォルマートが中国で取引先を招待してカンファレンスを実施、リー・スコットがスピーチで、取引先に対して法令と規制順守を求める新取引ルールを設定することと、アメリカで導入している環境対策を中国にも移入することの、2つを明らかにしました。

コンプライアンスに関する取引ルールは来年1月から導入をはじめ、2011年にはグローバルベースに拡大するとのこと。

また環境対策については、既存店については2010年までに30%の省エネを実現し、新規店舗についてはエネルギー消費量が40%少ないプロトタイプの導入を進める。


資料によると、ウォルマートは中国からおよそ90億ドルにのぼる商品を調達しているそうです。確か数年前にアメリカ全体の総取引量の10%を占めているという話を聞いたことがあります。


ここ数年、中国商品の問題が次々浮上してます。
もしここで、ウォルマート規模の企業が動くことで中国のサプライヤーが変わるとしたら、たいしたことだなと思います。日本も間接的にその恩恵を被ることになるのかもしれない。

ただニュースでは、カンファレンスに出席していたサプライヤーによる懐疑的なコメントが掲載されていたりして、楽観するわけにはいかないんでしょうが。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:12 PM | | トラックバック (0)

October 20, 2008

[アメリカ流通視察] ウォルマートの底力

現在ダラスに滞在中です。ウォルマート
昨日は午前中がセミナーで、午後店舗を視察、今日は一日店舗を見て回りました。

いろいろ発見があったのですが、ひとつ驚いたのは、ウォルマートの中~高所得層を狙ったプロトタイプが繁盛していたことでした。この店、平日の午前中にしか行ったことがなく、すいている時しか見たことがないため、けっこう新鮮でした。

ウォルマートは新たな市場を開拓するためにこのプロトタイプを開発したわけです。これが繁盛しているということの意味を考えると、ウォルマートの底力を感じざるを得ません。

ただし、食品ゾーンにお客は入ってましたが、ホームファッションなどの今ウォルマートが本当に売りたいゾーンは混雑しているというほどのものでもなく、本来の目的を達しているのかというと、どうかなとい気がしないでもないですが。


明日はベントンビルへの移動です。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:04 PM | | トラックバック (0)

October 17, 2008

[ウォルマート] 労使結成を前に部門を閉鎖

カナダのケベック州の店舗で、ピット形式でタイヤとオイル交換サービスを提供するTire&Lube部門の店員が組合結成を決め、その直後の今日、部門が閉鎖されたそうです。
ウォルマートは2005年に組合結成を決めた店舗そのものを閉めてしまうという荒業やってますが、今回は部門です。
相変わらず組合に対する姿勢は強固で、どうやらここだけは絶対に譲れないようですが、ここまで徹底していると逆に気持ちがいいところがあります。

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追記:ウォルマートネタをもうひとつ。
ウォルマートのPBがパテントを侵害しているとしてナイキが提訴したというニュースが紙面に踊ってます。俎上にあがっているのはShoxという名称のスニーカーです。
NBメーカーがPBを問題視して提訴するというのはよくあることでして、今回のように表面化しないだけでとりたてて珍しいことではありません。たぶん両社ともに大きな企業なので、今回はメディアが興味本位で取り上げたのでしょう。
これ、取引の力関係が背後にあったりして、とてもグレーな領域ではあります。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:33 PM | | トラックバック (0)

October 7, 2008

[ウォルマート] 歳末商戦に向けて値下げを開始

先週の10月1日からウォルマートが歳末商戦に向けて値下げを開始しています。まずはバービーなどの売れ筋の玩具からで、10アイテムを10ドルに設定。例えばPlay-Doh Magic Ice Cream Setは、定価14.88ドルが10ドルで、3割以上の値下げとなってます。

昨年は10月2日に玩具12アイテムを下げてますから、2アイテムほど少ない。

昨年のやり方を見る限り、これから数週間以内にさらに値下げすることでしょう。

ロールバックは13週間値下げ価格を固定しますから、今から下げて、ちょうど年末に値下げ期間が終わるというわけですね。随分気が早い価格プロモーションではありますが、ウォルマートのEDLP戦略をベースとすると、今から下げてしまうことに何の矛盾もないわけです。

またクリスマス専用のクリスマスショップの設置もそろそろ開始するそうです。今店内はハロウィーンプロモーション真っ盛りですが、隅っこのほうに小さく売場を作ってしまうのでしょうね。


ホームデポは9月16日に1,200アイテムを値下げしてます。

たぶん今年は業界全体で価格プロモーションが激しくなることでしょう。効果が出るのかどうかは、いままさにニュースとなっている金融危機がどこまで沈静化し、この問題が消費者にとって過去のものになるかどうかにかかっているのですが・・・。


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追記:マーケットサイド、米国業界誌のほとんどが沈黙してます。ざっと眺めたところコンビニ業界誌が速報載せてるぐらいで、メジャーなところはまったく書いてない。ウォルマートが緘口令でもしいているのか、みんな忘れちゃってるのか・・・なぜなのかは不明。ウォルマートによる10年ぶりの実験店なんて、こんなにおもしろいネタは他にないと思うんですけどねえ。業界誌の知人にメールでもしようかと思ったのですが、まあ、たいしたことではないので、やめておきます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:47 PM | | トラックバック (0)

October 6, 2008

[マーケットサイド] 10月4日にグランドオープン

マーケットサイド10月4日のグランドオープンに行ってきました。
店員に確認したところ、2日の木曜日には全店舗ソフトオープンしていたとのこと、前回のエントリーでは前日の3日と書いたのですが、実はグランドオープンの前々日の2日にはオープンしていたことになります。

また営業時間は朝7時から22時までで、営業時間どおり4日の7時にはオープンしていたのですが、グランドオープンのセレモニーは10時からでした。

セレモニーは、店長の司会で、市長のスピーチ、学校などの周辺公共施設や組織への寄付、等々でした。

ネイバーフッドマーケットの店頭セレモニーのときは、前CEOデイビッド・グラスや、役員だったトム・コグリンのスピーチがあったのですが、今回はなし。当時ウォルマートは業界では有名でしたが、メディアバッシングが始まる前で、一般的にはそれほど知られておらず、だからトップがスピーチできたのでしょうね。いまやったら、全米の注目を浴びてしまうし、セキュリティ上の問題もあるでしょう。
ネイバーフッドマーケットの1号店が本社から近かった、というのもあるかもしれませんね。

さてフォーマットですが、まったくのミニスーパーマーケットです。
違いはやはりEDLPであることにつきます。オープンニングにもかかわらず、気持ちの良いくらいに値下げは一切なし。

本社の戦略&マーケティング担当副社長と話すことができたのですが、やはり価格戦略はEDLP、チラシも打たないとのこと。
このあたりが肝になるだろうな、と思ってます。
いろいろ考えることがあるのですが、ブログではこの辺までとして、詳しくはチェーンストアエイジ誌に書く予定です。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:04 PM | | トラックバック (0)

October 3, 2008

[マーケットサイド] 本日全4店舗ソフトオープン

IMG_2712.jpg10月4日オープン予定だったウォルマートによる実験店マーケットサイド4店舗が、前日の今日、すべてオープンしました。いわゆるソフトオープン、グランドオープンの前に開けてしまい、公式オープン日にトラブルがないよう万全を期すというわけです。
昨年のフレッシュ&イージーのときも1店舗先行オープンさせましたね。

ただマーケットサイドは全店舗オープンさせてしまいました。マーケットサイド

現在フェニックスにいるのですが、Mesa店のみ先行オープンという情報を事前に得て、実際に開いているのを確認し、ついでに他の店も行ってみたら全店舗開いていた、というわけです。
ちなみにいまのところアメリカの流通業界メディアには、すでに開いているというニュースはまったく出ていません。

完全なるミニスーパーです。ボンズのザ・マーマーケットサイドケットの廉価バージョン、といったところでしょうか。ただ店頭を見た限りではたぶんやはりEDLPなので、普通のスーパーマーケットとは価格戦略が異なることになる。
またフレッシュ&イージーとはポジションが少々違うように思います。

まだ情報が十分ではないのではっきりとは言えません。
書き始めると長くなりそうなので、今日はここで終わりとします。

明日、グランドオープンニングを見に行きます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:44 PM | | トラックバック (0)

September 29, 2008

[ウォルマート] レジ袋の使用量2013年までに33%削減

2013年までにレジ袋の使用量を33%削減させるイニシアチブを発表しました。グローバルレベルです。米国内25%、海外50%だそうで、この数値の差がどこから来ているのかは不明。

これによって、90億個のレジ袋が削減され、これは原油にして年間678,000バレル、CO2排出量にして年間29万トンに匹敵し、年間に5万3,000台の車を削減するに等しい、としてます。


レジで提供するレジ袋の数を減らし、お客に対しては再使用やマイバッグの使用を促す、ということを実施するそう。いまのところ特に何か特殊な取り組みをするようなことは書いてないのですが、いったん目標を設置したことでこれからいろんなアイディアが出てくるのかもしれませんね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:20 PM | | トラックバック (0)

September 4, 2008

[ウォルマート] スマートネットワークの導入開始

ウォルマートがインストアTVのネットワークを利用して本格的にコマーシャルを流し始めたのは99年のことでした。このアップグレード版であるスマートネットワークの導入をオフィシャルにリリースしました。数週間前から情報は出ていたのですが、公的な発表です。

バージョンアップのポイントが何かというと、モニターごとに異なるコンテンツを流すことにあります。各モニターへのデータの流れをインターネットプロトコルに変えたのが2006年、これによって技術的にはすべてのモニターに異なるデータを流せるようになった。

私は自分のセミナーで、たぶん近い将来すべてのモニターで異なるコンテンツを流し始める、日本の小売業も早急にベンチマークすべきだ、ということを言ってきました。でもただまだ先のことだろうと思っていたので、ちょっとびっくりしてます。

もう一つのポイントは、主要エンドにもモニターを設置して、流すコンテンツと販促商品とシンクさせることにあります。日本の場合、各メーカーがそれぞれバラバラに持ち込んでバラバラにコンテンツを垂れ流すというカオス状態となっていたりしますが、これをシステマチックに実現してしまうわけですね。さらに結果を評価する仕組みも作る。
ちなみにこれ、エンドやカテゴリーのロケーション管理ができてないと実現不可能でして、そういう観点からすると日本で同じことができる小売企業は希少と言えます。

約2,700店舗に設置されているトータル2万7,000個のモニターを集中管理する。2010年までに完了するそうです。


このシステムに興味をお持ちの二社からのご依頼で本件についてのレポートを書いたこともありますが、日本でもこれから少しずつ広がって行くことでしょう。デジタルサイネージ自体はすでに普及してますが、小売企業の一括管理下によるネットワーク化と、各モニターのコンテンツとプロモーション評価指標を連動させるということは、いかなる日本の小売企業もできてません。

アメリカでもこのレベルはウォルマートだけです・・・ウォルマートの進化は止まりません。


本件、書くことが多いので、流通eニュースにまとめようと思ってます。

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追記:クローガーがウォルマートを追ってます。ラルフスのデジタルサイネージをご参照ください。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:15 PM | | トラックバック (0)

August 28, 2008

[ウォルマート] マーケットサイドのファザード

Marketsideウォルマートがまもなくオープンさせようとしている新フォーマット、マーケットサイドのファザード写真が公開され話題となっています。4店舗のうちの1店舗が位置するフェニックスのメサ市が、建築基準関係のページで公開したもので、ウォルマートが公的に使っているものではありません。

店舗サインは紫が基調、壁面はウッディでシックな色合いで少々地味かもしれませんが、これはショッピングセター全体全体とのコーディネートも関係ありそうですね。

ファイナンシャルタイムズ紙が関係者の情報として、長期的には1,000~1,500店舗、100億ドル規模の可能性があるとウォルマートが考えていると報じ、ウォルマートが単なる憶測に過ぎないとコメントするなど、いろんな情報が行き交っている状況です。


どうやら来月中にはオープンする模様。そろそろ本社に確認取ろうと思ってます。前回の新フォーマットはネイバーフッドマーケットで、もう随分前のことでした。マスコミの耳目を集める前だったのですぐに教えてくれて、オープニング日に視察に行ったものですが、今回はかなりガードが固いようでまだ公開されていないようです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:39 PM | | トラックバック (0)

August 25, 2008

[ターゲット] 増収減益で来年の新規出店ペースを減速

先週の19日にターゲットが第2四半期の決算を発表したのですが、売上高5.6%増、最終利益7.6%減の増収減益でした。既存店成長率は0.4%減。半期でも5.3%増の7.5%減で増収減益となり、業績の悪化が鮮明となってきています。
この業績の悪化から、来年の出店ペースを90〜95店から、70〜75店へとスローダウンするとしています。

その前の週にウォルマートも第2四半期の決算を発表しているのですが、売上高10.4%増、最終利益高16.8%増、既存店成長率4.5%増で、絶好調。半期でも売上高10.3%増、最終利益高12.0%増、既存店成長率3.7%です。

ここ数年ターゲットが絶好調で、ウォルマートが徐々に勢いを失う、という図式が定着していたのですが、ここにきて完全に形勢が逆転された感があります。好景気時に強いターゲットと、不況に強いウォルマート、といったところでしょうか。


さてこのターゲットですが、対策として'Expect More. Pay Less.' のPay Lessサイドに焦点を当てるとしています。ウォンツとニーズの、ニーズを強化する。ただそうすると荒利益が犠牲になる可能性が強い。
楽観はできないでしょう。
ターゲットがどう巻き返すのかは注目に値すると思ってます。

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追記:先週一週間研修コーディネートで店を見てまわったのですが、ウォルマートとターゲットの店舗の完成度は相変わらず高かったです。また、フレッシュ&イージーは2店舗ほど視察しましたが、けっこうお客が入っていて、お店によるとは思うのですが、徐々に起動に乗りはじめている印象を持ちました。テスコはやっぱりあなどれませんね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:47 PM | | トラックバック (0)

August 14, 2008

[ウォルマート] ブラジル事業に10億ドルを投資

ここ数日興味深いニュースが多く、どれを載せようか迷っているんですが、今日はお約束のウォルマートにしました。

来年度のブラジル事業への投資額を10億〜11億2000万ドル(16億〜18億レアル)に増額し、拡大戦略を取ると発表しました。予定している新規の店舗数は80〜90店舗、今年の予定が36店舗なので、出店数を2倍近くに増やすわけです。

ウォルマートはブラジルには95年に進出し、現在は318店舗を所有、今現在の詳しい数値は持ち合わせませんが、たぶん国内の順位はPão de Açúcar(発音が分かりません・・・)、カルフールに次いで3位だと思います。

今回の10億ドルという投資額は、ブラジルでの10年近くにわたる事業歴で最大だそう。昨年まで3年間の投資額が19億ドルですから、確かにかなりの増額ということになります。

ブラジル国家の成長性と、経済社会の安定性と、ミドルクラスの成長が、投資増額の理由とのこと。海外事業における中南米のポジションはウォルマートにとってもともと非常に高いということがその背景にあります。メキシコに次ぐ成長エンジンを作ろうということなのでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:30 PM | | トラックバック (0)

July 21, 2008

[ウォルマート] デルと共同で取り付け修理サービスを実験

名称は"Solutions Centers by Dell"、大型テレビやコンピューターなどを自宅で取り付けたり修理するサービスを有料で提供するプログラムで、ダラス地域の15店舗で実験をすでに開始しています。

たとえばコンピューターにメモリーを増設するサービスは29〜99ドル、一方ベストバイのギークスクワッドによる同等のサービスは39〜139ドルとなっていて、若干安めに価格が設定されています。


この分野、ベストバイのギークスクワッドとサーキットシティのファイヤードッグが知られています。双方ともに成長分野として注目されているのですが、サーキットシティの業績が悪く今度どうなるか予断を許さないという状況の中、隙間を埋めようとするようなウォルマートの着眼点はなかなかすばらしい。
デルにとっても、儲け云々よりもデルという名称の露出が増えることに大きな価値がありそうな気がします。

また競争が激しくなってくることは消費者にとっても良いことで、そう考えるとこの取り組み、悪くないように感じます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:40 PM | | トラックバック (0)

July 17, 2008

[ウォルマート] 農産物を地元農家から調達

農産物を地元農家から可能な限り調達することで、資源の節約をはかるプログラムに取り組むことを7月2日に明らかにしていたウォルマートですが、16日にオクラホマ州でキャンペーンを開始しました。

名称は'Locally Grown' プログラム、イベントには州知事も出席するなど内外の注目を浴びています。すでに全米ベースで調達の切り替えを図っていて、他の州でも今後イベントが開催されるかもしれません。

市場総額4億ドル近い農産物がローカル調達となる目論見で、ロジスティックスが短くなる結果、年間でディーゼル燃料が11万ガロン、走行距離67万2,000マイルが節約され、140万ドル分のコスト削減につながる、としています。


この地元農家戦略、ホールフーズやウェッグマンズなどもともとやっている企業が多数あり珍しいことではないのですが、ウォルマートという食品小売全米ナンバーワン企業が踏み込んだことにインパクトがあり、また調達先は集約することのみが効率につながるとという考え方を主軸に据えてきた企業だけに、戦略転換が持つ意味が大きいというわけです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:59 PM | | トラックバック (0)

June 30, 2008

[ウォルマート] ロゴをリニューアル

ウォルマートがこの秋からロゴをリニューアルするようです。現在使っている、"Wal★Mart"、の★を取って一文字とし、白い文字色にオレンジ色のバックグランドで、最後に小さなスターバーストがくっついた意匠となるそう。

店頭ロゴについては全店舗を一気に変えるのではなく、新規店舗から徐々に変えて行きます。

目的はイメージチェンジですね。
昨年9月にブランドマントラを"Always Low Prices"から"Save Money. Live Better."へ変更していますが、このイメージチェンジの一環として、ロゴも変えるわけです。
'Always Low Prices'から'Save Money. Live Better.'へ


もともとウォルマートのロゴは、"Wal-Mart"でした。このハイフンがサム・ウォルトン逝去後、★に変えられた。亡くなったサム・ウォルトンが★になってみんなを見守っているという思いが込められたと言われてます。

でも店頭に関して言うと全店一気に変えたわけじゃないので、いまでも古い店舗は一世代前の"Wal-Mart"となっていて、★型と2種類が混在してます。これに、新しいタイプが徐々に加わって行き、おそらく古い"Wal-Mart"が改装されるたびに新しいロゴに置き換わっていく、ということになるのでしょうね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:56 AM | | トラックバック (0)

June 26, 2008

[ウォルマート] マーケットサイドのホームページ始動

おとといエントリーしたマーケットサイドですが、ホームページがオープンしました。

このサイトで求人を開始していて、来週の月曜日からインタビューを始めるようです。
現在ネット上で公募しているポジションは4つ、マネジャー(店長)とアシスタント・マネジャー(副店長)というのは、まあ普通なのですが、ミールスペシャリストとパントリーコントローラーというのがおもしろい。

直訳すると、前者が食材専門家、後者は食料在庫管理者、なのですが、職の説明を読むと、前者はフロア担当でお客と接点を持ち、後者は荷受やインボイスなどどちらかというと後方担当、という感じです。

これをサービス担当とか後方担当とか、直接的な表現にせず、専門家やコントローラーのように、働いている人のプライドをくすぐるようなかっこいい名前にしているところがいいですね。

たとえばトレーダージョーズは、店長はCaptain、つまり船長で、以下店員の役職はすべて船乗りの名称なのですが、ウォルマートもその手のおもしろみを求めているのかもしれません。
このように、職位によくある普通の名称をつけない軽妙さが、日本の小売企業には欠けているように感じるのですが、どうでしょう。


それと、ウォルマートであることについていっさい触れてません。プレミアム型になるかもという見方を裏付けるものではあります。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:46 PM | | トラックバック (0)

June 24, 2008

[ウォルマート] マーケットサイド開発担当役員が辞任

デイビッド・ワイルドという人なのですが、イギリスのハルフォーズという小売企業のCEOとして転出してしまうことが分かりました。
この人についてちょっとだけ書いたエントリーがありました。
ウォルマートがコンビニに進出?

このワイルドは元テスコの上級幹部で、その後に独ウォルマートのプレジデントとなり、本社に異動して新フォーマット開発担当となり、そしてステップアップして本国に戻るということですね。

これがマーケットサイドの開発にどう影響を与えるのかはまったく不明。ウォルマートは人材の宝庫ですから、暗礁に乗り上げるということはありえませんが。
ちなみに1号店のオープンは当初夏ごろとなってましたが、いまは秋じゃないかと言われ始めてます。突然オープンしたりするので、アンテナ張ってようと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:19 PM | | トラックバック (0)

June 20, 2008

[ウォルマート] 新フォーマット"マーケットサイド"はプレミアム型?

'ミールソリューションをお客に提供する'という、ウォルマートがほのめかしているコンセプトと、地元でのリクルート広告の表現、'プレミアムフレッシュ/コンビニエンスなフォーマットで忙しい消費者にユニークなソリューションを提供する'という表現によって、同社が開発する予定である新フォーマットが低価格型ではなく、プレミアム型になるのではないかという見方が浮上してきています。

ふたを開けなければ分かりませんが。
もしプレミアム型だとすると、フレッシュ&イージーよりも、セイフウェイのザ・マーケットとバッティングしそうです。

ウォルマートにプレミアム型は難しいでしょうね。
技術的なことはとりあえずおき、'ウォルマート'というイメージがまったく違う。ウォルマートであることを一切出さなければいいのでしょうが、そうすると知名度の課題が出てくる。ゼロから立ち上げることになるので、売れるようになるまで時間がかかるかもしれない。

ただウォルマートという企業は、とにかく考えるより先にやってみて、改善して、だめならすぐにやめる、という社風を持った会社ですから、本当にやってみるのかもしれないですね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:32 PM | | トラックバック (0)

June 18, 2008

[ウォルマート] 今年度の設備投資予算を下方修正

ウォルマートが今年投資する予定だった設備投資予算を下方修正しました。昨年の時点では135億〜152億ドルとしていたものを、130億〜140億ドルとします。
およそ10億ドル程度の下方修正ですね。

スーパーセンターの積極的な出店戦略にブレーキをかけるというのは規定路線となっているので、驚くようなニュースというわけではありません。
この結果余裕が出てくるキャッシュフローをどう使うのかには興味があるところです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:02 AM | | トラックバック (0)

June 9, 2008

「大きく変わるウォルマートの音楽CD販売戦略」Vol.12,No.24

アメリカ流通eニュース

 WSJが報じたところによると、伝説のロックバンドであるAC/DCの新アルバムをウォルマートが独占販売するようだ。このプランに合わせて、ウォルマートが音楽CDの販売戦略を大幅に変えるのではないかというストーリーが掲載されている。
 ウォルマートによる音楽CDの独占販売は増えつつあって、例えば昨年末にイーグルスがLong Road Out of Edenを自身のホームページとウォルマートだけで販売し、一週間で70万枚を売り上げたというニュースをブログに書いた。このアルバムは昨年のベストセラー3位にランキングされている。
 その後はジャーニーが同様の販売戦略をとって成功し、今回は'3匹目のどじょう'ということになる。
 音楽レーベルがウォルマートに独占販売させる理由は当然ウォルマートの販売シェアが非常に高いというのもあるのだが、一つには音楽の販売市場が大きく変わりつつあって、その中で新しい売り方を模索しているからである。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:40 PM | | トラックバック (0)

[ウォルマート] 株主総会開催、景気悪化をチャンスに

恒例のウォルマートによるお祭り型の株主総会が先週の金曜日に開催されました。
今年のトーンは非常に良いものとなっていて、景気悪化が悪化して各社業績を落としている中で、成長率が落ちているとは言うもののプラスをキープしている数少ない企業としての同社の現状を表したものとなっています。

以下、CEOのリー・スコットのコメントから気になるものを4つほど抜粋します。

『"Saving Money"はいつも我々の一部だった、"Living Better"もいまや我々の一部となった』
◆これは、企業文化にまで踏み込もうとした同社の業革シンボルであるブランドマントラの変更が、もうすでに定着したということを言おうとしています。
変えたのは昨年9月、そのときの記事がこれです。
'Always Low Prices'から'Save Money. Live Better.'へ

『ウォルマートのユニークなポジションは、今の経済状態の中だけではなく今の時代の中で成功するものである。多くの小売企業の中で、明日の世界でリードする最も良いポジションにいるのだ』

『世界は変わった。人々の我々に対する期待も変わった。そしてその変化に追いついた。二度と繰り返すことはないだろう』
◆これはたぶんウォルマートたたきで標的にされたことを念頭においているものと思います。

『世界中の政府リーダーと会い、消費者が今直面している問題の解決について話し合っている』
◆政治的なことはあまり前面には出さなかった企業ですが、上手にアピールしています。


また会長のロブ・ウォルトンは、『16年前に父のサム・ウォルトンが目にした最高の時を目前にしたウォルマートと、私がいま目の前にしているウォルマートは何もかわりがない』と言っているのですが、スコットのスピーチのごとく変わったんだけど、でもロブ・ウォルトンは変わっていないという、このあたりが結構深いなと私は個人的に感じてます。


【リー・スコットによる基調スピーチ】
イントロではいまだにサム・ウォルトンを引き合いに出している。人心を結集するという一つの技術として見ることができるのですが、まったくぶれず一貫性を持ち続けている点がすばらしい。


【会長のロブ・ウォルトンによる総会開始宣言】
このロブ・ウォルトンは63歳、義理の息子のグレゴリー・ペンナーを後継にするのではという憶測が流れ始めてます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:02 PM | | トラックバック (0)

June 5, 2008

[プロクター&ギャンブル] コーヒーブランドを売却

P&Gがフォルジャーズを中堅食品メーカーのJMスマッカーズに売却することを発表しました。売却額は29億5000万ドル。
知らない方も多いと思うのですが、フォルジャーズは年商16億ドルを売る大きなブランドで、インスタントコーヒーとしては全米最大です。ところが、プレミアムコーヒーのブームでスターバックスなど近年この分野に参入してくるブランドが増えて、成長が頭打ちとなってました。

P&Gは年間4~6%の成長が見込めないブランドの売却を検討していて、フォルジャーズもそのスロー成長ブランドの一つでした。スピンアウトして企業として独立させることを考えていたようですが、買収先が見つかったわけですね。

IMG_1824.jpg次はプリングルスに手をつけるのかどうか、です。

左の写真はウォルマートのPBサムズチョイスですが、オーガニックとフェアトレード版で、プレミアムクラスとなります。ウォルマートでさえこういうPBを導入しているというわけです。

 

さて、成長が遅いブランドを売却し、どこにリソースを投入するのかと言うと、HBCということになります。とくにビューティケアとパーソナルケアに成長性を見出していて、ライバルのユニリーバも同様の戦略にシフトし始めています。
ユニリーバによる洗剤事業売却の衝撃

このことはメーカーに限った話ではありません。これから伸びるし、利益も取れますし、小売業界もHBCに成長性を見出し強化している企業が多い。
ターゲットは言わずもがな、例えば最近のウォルマートのビューティケア売場のバージョンアップは驚くべきものがあります。本社近くの店舗では、画期的な売場を実験したりしてます。
クローガーのマーケットプレイス型のプロトタイプもビューティケア売場をかなり強調している。

日本の大手小売企業が食品だけにしか目が行っていないのと対照的なんじゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:52 PM | | トラックバック (0)

May 14, 2008

景気は後退しない?

ウォルマートが第1四半期の業績を発表しました。売上高10%増、最終利益高6.9%増、既存店成長率2.9%増で、決して悪くない数値です。今年の見通しについて、甘くは見ていない的なコメントがあって先行き不透明感は払拭できないものの、第2四半期の既存店成長率の予測は0〜2%程度でマイナスではなく、こちらも決して悪くはありません。

9日にエントリーしたように、大手企業の4月の既存店成長率はプラスが多かったですし、実際、商務省発表による4月の小売売上高(自動車除く)は前月比0.5%プラスで、消費はマイナスというわけではないようです。

一方、WSJ誌の一面にマクロ経済の記事が掲載されているのですが、景気の後退はなさそうだという論調で、トーンが変わってきているのを感じます。
エコノミストの予測によると、第1四半期と第2四半期のGDPは0.6%増、第3四半期と第4四半期は1.2%増で、プラス成長となってます。


日本も含めて悪いところを煽るような記事がマスコミに踊ってますが、考えているほどは悪くないんじゃないでしょうかね。
ただトンネルは長いという印象はすごく強いですが。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:08 PM | | トラックバック (0)

May 6, 2008

[ウォルマート] 薬剤の値下げプログラムを拡大

ウォルマートがジェネリック処方薬を値下げしたのは06年9月のことでした。
ウォルマートがジェネリック処方薬を値下げ

これはかなり大きな影響を及ぼし、直後にターゲットがマッチングさせただけではなく、多くのスーパーマーケットが同様の値下げに踏み切りました。私が住んでいるエリアのスーパーマーケット、調剤に決して力を入れているわけではないラルフスですらいまや4ドルをうたい文句にしているくらいです。

そのウォルマートがプログラムの拡大を発表しました。

300アイテムにつき、90日分の処方を10ドルとする。また乳がんや更年期障害など女性に特有の病気に対するジェネリックの30日分処方を9ドルとする。さらに、1000アイテム以上のOTCを4ドルとする。


この値下げプログラム、他社への影響を見れば分かるように一定の効果を上げています。売上も伸びているのですが、少なくともヘルスケア分野でもプライスリーダーなのだという印象を消費者に与えることには成功している。

今回は時期が良いですよね。インフレが進行し食品の値上げが続いているいま、薬を下げますというメッセージがネガティブに受け取られるわけがない。

それと、今回はOTCを値下げしていますが、これがどう影響するのか、興味がわきます。健康保険に加入している場合いずれにしても患者負担金が発生するためジェネリックの値下げは保険加入者にはメリットが少なく、だからドラッグストア企業のほとんどが追随しなかったのですが、OTCは財布を直撃します。ドラッグストアがどう動くか、動かないのか、興味津々です。


そしておもしろいのは、直後にターゲットがマッチングを発表したことです。
ターゲットはファッション性の高いディスカウンターですが、こういうニーズ商品についてはアグレッシブにウォルマートと価格勝負します。ここに、ターゲットの強さの本質があるのです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:42 PM | | トラックバック (0)

April 22, 2008

[ウォルマート] 売上高米ナンバーワンをキープ

フォーチュン誌が恒例の売上高ランクを発表、ウォルマートは昨年に引き続き1位をキープしました。
ウォルマートは02年にトップとなり、一昨年の2006年に合併で大きくなったエクソンモービルに抜かれた時を除き、ずっと1位をキープしています。
業績は、売上高3787億9900万ドル(前年比7.9%増)、最終利益127億3100万ドル(前年比12.8%増)、でした。

本日の為替レートの1ドル=103円で日本円に換算すると、売上高39兆162億9700万円、最終利益1兆3112億9300万円、となります。103円というのは円高レートですので、生活レートにすると50兆円ぐらいの価値はあるんじゃないでしょうか。


参考までに、リストから小売企業を抜き出すと以下のようになります。

1、ウォルマート
2、ホームデポ
3、CVSケアマーク
4、クローガー
5、コストコ
6、ターゲット
7、ウォルグリーン
8、シアーズホールディング
9、ロウズ
10、セイフウェイ

分かっていたことではあるのですが、CVSが3位に躍進したのが目につきます。ウォルグリーンも7位で一つ順位を上げました。
CVSが入ってきたことで消えた企業がアルバートソンズ。スーパーマーケットが消え、ドラッグストアが伸びる。
日本のドラッグストア業界人にはぜひ夢を持っていただきたい。


10位以内に純粋な食品小売企業は2社だけですね。
一方日本のGMSの本質がスーパーマーケットであり、またコンビニの本質が外食(またはグローサリーストア)であることを考えると、日本とアメリカの大きな違いが見えてきますよね。
なぜアメリカではこうなったのかということについては講演やセミナーでよく話しているのでここではおきますが、なぜ日本ではそうなのかということは一考に価すると思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:05 PM | | トラックバック (0)

April 7, 2008

[アップル] ミュージック販売ボリュームで1位に

1月と2月の二ヶ月間の売上高で、アップルがウォルマートを抜いて1位となりました。
NPDグループの調査によると、市場シェア率は以下の通りとなってます。

アップル:19%
ウォルマート:15%
ベストバイ:13%
アマゾン:6%
ターゲット:6%

こんな記事をエントリーしたばかりでした。
[アップル] ミュージックリテーラー2位へ浮上
アップルは一気に売上を伸ばしているという印象です。

NPDによると、一枚もCDを買わなかったティーンエージャーが、06年の38%から昨年にはおよそ半分になっているそう。当然彼らはネットでダウンロードしているわけです。

先週のこの記事にもつながるわけです・・・
[ウォルマート] 音楽CDに新たな価格体系の導入検討

店頭でCDを買うという行為が過去のものとなりつつある。この市場の大変化をいかに新たなビジネスチャンスとするのか。
ほんとうにこの市場、激変という表現がぴったりマッチすると思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:58 PM | | トラックバック (0)

April 3, 2008

[ウォルマート] 音楽CDに新たな価格体系の導入検討

ウォルマートが音楽CDに新しい価格体系の導入を検討しているようです。

◇15〜20の売れ筋は10ドル、残りは12ドル。
◇過去のCD(英語でカタログと呼ぶ)は9ドル、7ドル、5ドルの3つ。
◇9.88ドルや13.88ドルといった端数をやめる。

この価格体系はDVDを参考としているとのこと。売り上げが落ち続けているカテゴリーで、何か新しい解決法を考え出さなければならないと、ウォルマートの幹部は説明してます。


ただどうやら、レーベル(またはメーカー)側は100%OKしていないようで、導入までにはまだ時間がかかりそう。ウォルマートとの流通戦略を超えて、音楽CDビジネスそのものにかかわる話だという主張もあり、簡単に決まる話ではないようです

この価格体系が導入されないにしろ、なんらかの解決法が見つからない限り、ウォルマートは音楽あCDから完全に撤退するんじゃないかという観測もある模様。
このビジネスは大きな転換期を迎えているといって間違いないでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:17 PM | | トラックバック (0)

March 7, 2008

[ウォルマート] RFIDをアイテムレベルへ

来年の10月31日までに、デソト(テキサス州)という地域にあるサムズの配送センターに入荷するすべてのアイテムに、RFIDを貼り付けることをメーカーに義務付けることが明らかになりました。
アイテムレベルの前に、今年の10月にまずケース単位での貼り付けを完了するそう。アイテムベルも業界初ですが、ケースレベルでも業界に先駆けることになる。

また2月1日に執行された新ルールでは、パレットレベルにRFIDが貼り付けられていない場合、ひとつあたり2ドルのペナルティが課される。今年の秋までには同様のルールが配送センター4つに拡大され、09年1月31日には全配送センターに適用され、ペナルティはひとつ当たり3ドルになるそうです。


MWCの場合、お客が商品を手にする瞬間まで商品がパレットに乗ってます。メーカー出荷段階の荷姿のまま、お客に商品が提供される。
そして、取り扱いアイテム数が少ない、商品サイズがMWC用で大きくパレット上に乗っているアイテム数が相対的に少ない。
こんなことを考えると、普通のフォーマットよりもRFID化が楽だと言うことができそうですね。だからウォルマートはサムズから手をつけているのでしょう。


調査によると、RFID市場が年内に10億ドルを超えて12億ドルになるだろうと言う予測があります。これを引っ張ってるのが国防省とウォルマートなのだそう。
それと、RFIDタグがまだ高くてなかなか普及しないというジレンマがあるわけですが、トッププライオリティがコスト問題からイノベーションに移りつつあるとしてます。つまり、コストとういハードルはそろそろ越えつつあるというわけですね。


ゆっくりだけど、確実に進んでる、これがRFIDの進化の現状ということになりますが、とりわけウォルマートはその進化の波の先端に乗っかって進んでいます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:02 AM | | トラックバック (0)

March 3, 2008

「ターゲットとウォルマートの決算比較で見えてくること」Vol.12,No.10

アメリカ流通eニュース

 年初の2月から3月にかけての時期を決算期としている小売企業が多く、ここにきて第4四半期と通年の業績を発表する企業が相次いでいる。予想していたことではあるのだが悪化している企業が多く、景気の鈍化にともなう消費マインドの冷え込みを明示するような結果となっている。
 とりわけウォルマートと比較した場合のターゲットの数値が気になった。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:36 PM | | トラックバック (0)

[ウォルマート] 現役バイヤーによるブログの開設

ウォルマートが昨年の8月に新しいブログを立ち上げていたことをNew York Timesが報じました。
Check Out

まったく知りませんでしたよ、これ。
宣伝せず、クチコミで広がることを期待しているようです。


内容は商品部の社員10人が、商品や、環境問題や、消費動向や、いろんなことについて自由に書くというものです。
何が画期的かというと、ライターに書かせるとか、エージェントに任せると言うことをせず、第一線の社員が生の声を載せている点にあります。どうやら会社が手をいれることもせず自由に書かせているらしい。

やらせではなく、商品部の現役バイヤーの手による本当のブログを、企業としてた立ち上げたという点に、私はけっこうびっくりしてます。

最近のエントリーを見てみると・・・ニューヨークで開催されたトイフェアの話、2GBのノートブックを500ドル以下で開発しているという話、などなど。
トイフェアネタでは気になった玩具を写真つきで紹介してますが、バイヤーの視点が垣間見れて実におもしろい。
ノートブックは、たぶん業界では既知のことだから書いているんだろうけど、現時点で商品開発しているものをここで紹介しちゃってるんだから、驚きます。


ネット戦略、ウォルマートはとにかく先へ先へと進んでいて、誰も追いついていない印象が強い。

このバイヤーブログ、いろいろ考えてしまいますねえ。
消費者が手にできる情報が、かつてなく広がり、深くなり、スピードアップしている。商品、店舗、サービス、といったものの評価を消費者があっというまに手にできる時代です。

何が起きるのか。
小売業だけではなく、卸も、メーカーも、よく考える必要がある。
そして、これ対応する体制を整えて行かねばならない。

どこかで執筆してみたいと思ってます。


>>先週予告したターゲットのファッションショー、ここにアップしました。
ターゲットのバーチカルファッションショー

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:25 PM | | トラックバック (0)

February 29, 2008

[ターゲット] ファッションを売るために必要なもの

モデルを使わないファッションショー、というタイトルでで昨年11月にエントリーしたターゲットによるファッションショーですが、映像を見つけたのでアップしておきます。昨日少々暗いビデオを載せましたので、これで相殺しようと思います(´・`)

ターゲットのファッションショーは、ブランディング(またはマーケティング)の一環です。
ウォルマートと同列のディスカウントストア業態に属する企業ですが、コアコンピタンスがまったく異なる。差別化とはこういうことなわけで、必ず同質化競争に陥る日本の小売企業は参考とすべきポイントだと考えています。


ターゲット主催の、もう一つおもしろいファッションショーもYouTubeで見つけたのですが、これはR2Linkに載せようと思ってますので、乞うご期待!

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:47 PM | | トラックバック (0)

February 27, 2008

業績悪化が目立つ決算数値

昨日から今日にかけて、大手小売企業が数社、第4四半期と07年度の決算数値を発表しました。
ちょっと数値が並んでしまいますが、以下のとおりまとめてみます。

ノードストロム、
Q4:売上高 -4.4%、最終利益高 -8.6%、既存店成長率 -0.7%
通年:売上高 3.1%、最終利益高 5.5%、既存店成長率 3.9%

ターゲット
Q4:売上高 0.8%、最終利益 -8.1%、既存店成長率 0.2%
通年:売上高 6.5%、最終利益高 2.2%、既存店成長率 3.0%

ホームデポ
Q4:売上高 1.5%、最終利益 -27.5%、既存店成長率 -8.3%
通年:売上高 -2.1%、最終利益高 -23.7%、既存店成長率 -6.7%

ロウズ
Q4:売上高 -0.3%、最終利益高 -3.4%、既存店成長率 -7.6%
通年:売上高 2.9%、最終利益高 -9.5%、既存店成長率 -5.1%

オフィスデポ
Q4:売上高 1.0%、最終利益 -85.2%、既存店成長率 -7.0%
通年:売上高 3.3%、最終利益高 -31.3%、既存店成長率 不明


まず目立つのがホームデポでして、通年での売上減は初めてなのだそうです。減収減益で既存店成長率もマイナスですから、かなり悪いです。競合のロウズと比較しても、悪さが目立ちます。住宅不況という外部要因と、マネジメントのつまづきという内部要因と、ダブルパンチを食ってるわけで、苦戦はしばらく継続することでしょう。

次にノードストロム、通年ではすべてプラスですが、第4四半期にガタっときている。
[ウォルマート] 強い低価格イメージが意味するところ
ここでも書きましたが、昨年半ばぐらいから中所得層以上に影響が出始めたんじゃないかという仮説にマッチします。

同じことがターゲットにも言えます。ウォルマートよりも対象とする所得層が高く、そのため第4四半期に影響が出たと見ることが可能じゃないかと思います。
また戦略戦術の失敗もいくつか指摘されてもいるのですが、詳細は省きます。


ここでウォルマートを業績を記してみます。ターゲットと比較して下さい。

Q4:売上高 8.3%、最終利益4.0%、既存店成長率 1.4%
07年度:売上高 8.6%、最終利益 12.8%、既存店成長率 1.6%

ターゲットは通年での既存店成長率が上回っているだけで、あとはすべてウォルマートの後塵を拝しています。
少なくとも、ウォルマートにはマイナス成長という数値が存在しません。ここ数年ターゲットは絶好調でずっとウォルマートを凌駕してきましたが、ようやく逆転したという印象じゃないでしょうか。

おととい書いたエントリーのように、ウォルマートの業績は決して悪くはないんです。
景気の不透明感が増してきている中、強い企業と弱い企業の差がこれからどんどん出てくるような気がします。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:42 PM | | トラックバック (0)

February 26, 2008

[クローガー] インストアTVネットワークを開始

KTVと呼ぶ店舗向けのTVネットワークの開始を発表しました。

○各リージョナル本社にスタジオを設置しブロードキャスト用のスタッフを雇う
○対象は社員、顧客、ベンダー、コミュニティ
○ライブ、またはオンデマンド形式、オリジナルのコンテンツを放映スケジュールに従ってブロードキャストする
○ポータブルカメラを利用して、例えば地域イベントを撮影するなどスタジオの外にも出てゆく

対象が4つある点がおもしろい。いろいろなテーマでコンテンツを作り流してゆくというわけです。あるときは売場にあるモニター向けかもしれないし、あるときはバックルームの店員向けかもしれない。

これからコミュニケーションツールとして映像がどんどん使われてゆくと思います。例えばイントラにしても、電話やメールに加えて映像をどんどん使ってゆく時代になるでしょう。そのために、リージョナル本社別にスタジオを作るという時代になってきている。
設置コストやデバイスなどトータルとしての管理費が安価になってきたというのもあるでしょうね。

ちなみにインストアTVで最も進んでいるのはウォルマートです。

もう一つちなみに、日本では各メーカーがモニターをバラバラに店内に設置しており、当然映像にも統一感がまったくなくて、それがどんどん増える傾向にあり、私は個人的に日本の店舗状況はカオス化しはじめているように感じてます。

ウォルマートやクローガーのように、そろそろ小売企業側がイニシアチブを取ってコントロールするときが来ているように思うんですが、どうなんでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:49 PM | | トラックバック (0)

February 25, 2008

[ウォルマート] 強い低価格イメージが意味するところ

シティグループの投資家向けシンクタンクがおもしろい調査結果を発表しています。

「ウォルマートのEDLPメッセージは強く一環しており、厳しい市場環境において消費者に共鳴を与えている・・・なんと87%の消費者がウォルマートが最低価格を提供していると答えている」
「低価格に加えてワンストップショッピング環境を提供しているというイメージもあるが、ターゲットはベーシックニーズのディスティネーションとして認知されていない。これが、ターゲットの既存店成長率が12月にマイナス5%、1月にマイナス1.1%だったのに対して、ウォルマートが二ヶ月続けてプラスを記録した理由の一つだ」


ウォルマートは戦略転換でわずかに方針がぶれましたが、ロープライスリーダーであることにこだわり続けると昨年末の決算でスコットがコメントしているとおり。再び低価格志向へ戻りました。この低価格志向にこの企業は何年こだわり続けているのか、ということをふと考えてしまいました。
途中若干ぶれるけど、必ず戻る。
一貫したメッセージを長年にわたって発信し続けることが、お客をしてウォルマートは安いという安心感を与える源泉であるわけです。


ところでターゲットの数値の落ち込みは要注目かなと思ってます。
ダラーゼネラルやウォルマートの伸びが鈍化し始めたのは原油の高騰が目立ち始めた06年の頃からでしたが、ウォルマートの業績を見る限り鈍化傾向は止まったように感じます。07年度の決算におけるリー・スコットのコメントも一昨年に比べるとかなり明るいトーンでした。
一方ここに来て、ターゲットの業績に悪化傾向が見えてきている。

このことから、中心顧客が低所得層である企業群に真っ先に影響が出たが、これがひと段落し、いまは中所得層以上を中心顧客としている企業群に影響が出始めた、という仮説が立ちます。


偶然こういう記事を目にしました。
西友売却か超大型買収かウォルマートに迫られる決断

「既存店売上高は2007年度通期でわずか1%の伸びにとどまった。前年度の1.9%の伸び率から約半減した。」とネガティブな書き方をしているのですが、いまや果たしてこの見方が正しいのかどうか。ひょっとするといまだ1%も伸びているという表現の方がいいのかもしれない。
「中流層以上を対象にする競合と比べてもウォルマートの業績の伸びの鈍化は明らかだ」とありますが、ウォルマート以外にも伸びの鈍化傾向が今は出てきてますから、現段階で相対評価するならば、ここまでネガティブなトーンで書くのはどうかなとも思います。半年くらい前ならばこの評価は正しかったので、少々鮮度が悪いかもですね。


なんとなく、景気悪化傾向の中、ウォルマートに追い風が吹いてきているのかもしれないなという気がしてます。
コモディティではいまだに圧倒的な支持を獲得しているわけだから、弱いファッション領域をなんとかできるかどうかが今年の業績のカギなんでしょうね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:30 PM | | トラックバック (0)

February 20, 2008

[ウォルマート] わずか3ヶ月間で売上高1,000億ドル超え

ウォルマートが第4四半期および通年の業績を発表ました。

第4四半期:売上高8.3%増、最終利益4.0%増
07年度:売上高8.6%増、最終利益12.8%増
既存店成長率:年間1.6%増

この数値をどう読むかはメルマガの方に書くつもりです。

一つだけここで特筆しておきたいのは、第4四半期の売上高が1,062億6,900万ドルで、初めて1,000億ドルを超えたことにあります。現行為替レートだと約10兆円。最近いろいろ言われてますが、わずか3ヶ月間でこれだけの金額を稼ぎ出すということに対して、やはりシンプルに敬意を表さざるをえません。
さらに、これだけ稼ぎ出しながら増収増益、増収の方は下げ傾向にありますが、増益の方は二桁ですから。

ちなみに年商は3,745億2,600万ドル、現行レートで41兆円超。為替を生活レートで考えると、50兆円を超える価値はあると思います。
日本の平成20年度の一般会計概算要求額は約85兆6918億円、ウォルマートの売上高は日本の国家予算の半分を超える規模なのだと考えると、その大きさが実感できるというものじゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:20 PM | | トラックバック (0)

February 19, 2008

[ウォルマート] 新フォーマットのロゴ

Marketsideウォルマートが今年の夏にフェニックスで開発する予定の新フォーマット、マーケットサイドのロゴが商標登録されました。右下にグリーンの文字でmarketsideとあり、左側にはフレッシュフードがスタイリッシュにデフォルメされて3つ積み重なってます。 ウォルマートにしては、けっこうしゃれたロゴじゃないでしょうか。

ウォルマートという文字がこれに加わるのかどうかは不明。むかし、ネイバーフッドマーケットにはウォルマートという文字はいっさい使われていなかったのですが、ウォルマートの知名度を使うほうが得策と考えて実験途上で加わった経緯があります。
今回の新フォーマットでどうするのかは興味をそそるところです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:27 AM | | トラックバック (0)

February 18, 2008

「ウォルマート、第4四半期に10兆円超え」Vol.12,No.08

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが第4四半期および通年の決算を発表した。全米最大規模でしかもコモディティ販売をメーンとする業態であるため、ウォルマートの業績はアメリカ経済の基礎体力を色濃く反映しているとも言え、その決算は毎度のことながら内外の注目を大きく浴びる。
 決算発表をざっと読む限り、昨年来立てて来た戦略が良い方向に向かっているためか、そのトーンは楽観的とはいえないものの悪いものではなかった。ただ経済そのものに対する見方はかなり不透明で、アメリカ経済に明るい兆しはいまだ見えてこないようだ。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:08 PM | | トラックバック (0)

February 15, 2008

[ウォルマート] ブルーレイ支持を表明

ウォルマートがブルーレイ支持を決めました。今後数ヶ月をかけてHD DVDアイテムを店頭から引き上げてゆくとのこと。

先週はベストバイが同様の発表をしてます。世界最大のリテーラーと、全米最大の家電リテーラーが相次いで決めたことで、HD DVDの敗退は決定的となったのではないでしょうか。
ちなみにNetflixというDVDのネットレンタル最大手企業もブルーレイ支持を先週発表してます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:23 PM | | トラックバック (0)

February 11, 2008

[ウォルマート] インストアクリニックの新強化戦略

先週発表されたリリースによると、ウォルマートが自社名を使ってのインストアクリニックの展開を始めるそうです。サービス自体は他社に委託するが、名称を'The Clinic at Wal-Mart'で統一するとのこと。
ウォルマートの店内ではすでに77ヶ所でテナントがクリニックを展開中、2010年までに400ヵ所まで増やすそうです。

名称をウォルマートにしつつのこの委託戦略を英語でコブランデッドと呼んでいるのですが、理由はどうも、ローカルごとに実績と信頼を持っている各病院に委託して行こうとするためのようですね。冠をウォルマートとすることで統一感を出し、しかしサービス事業者の名前をサブブランドとして出すことで安心感を出す。
また最近インストアクリニックに対するメディカルグループからの反発もあり、ローカル病院と組むことでこれをかわす狙いもあると思います。

すでにローカル病院の手によるインストアクリニックが成功している模様で、これを土台としてます。
またAOL創業者スティーブ・ケースが所有しているチェーンクリニックとしてのレディクリニックともコブランデッドをするそうです。


ウォルグリーンやCVSはインストアクリックを買収し、子会社として自社展開しようとしてますが、ローカル病院と手を組むウォルマートのやりかたはすでに存在する医療サービスを上手に利用するものですから、なかなか優れたやり方だと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:51 PM | | トラックバック (0)

February 5, 2008

[ウォルマート] 国際食品安全イニシアチブ(GFSI)を採用

自社開発のプライベートブランドと一部の生鮮について、食品安全マネジメントのグローバル規格であるGFSI(Global Food Safety Initiative)を採用すると発表しました。アメリカの食品リテーラーとしてははじめてだとのこと。

食品に関する安全規格は世界に複数存在しています。英国のBRCやアメリカのSQFなど。しかしバラバラに存在していると効率が悪いので一つにまとめて行こうとしているのがGFSIです。ちなみに日本が採用しているISO22000はまだこのGFSIから認証を受けていないそうです。


日本ではちょうど事件が起こって意識が高まっているところですが、アメリカでも実は問題が起こってます。最近ではカリフォルニアで狂牛病に感染した牛が流通したのではないかというニュースが流れたばかり。でも、食品業界による圧力か、または単純にアメリカ人の食意識が低いのか、日本のような大きなニュースになるということがありません。

そういう中で、ウォルマートが動き出したというのは、価値があるのでしょう。

ちなみにGFSIをサポートしているのはウォルマートの他に、カルフール、テスコ、メトロ、ミグロ、アホールド、デレーズ、だそうです。日本の小売企業の名前がないですね。また、欧米がアジア抜きで標準化をどんどん進めていく、という図式でしょうか・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:18 PM | | トラックバック (0)

February 1, 2008

[ウォルマート] パッケージング・スコアカードの公式使用を開始

ウォルマートは昨年来、パッケージング・スコアカードというプログラムの実験をしていました。どういうものなのかは、こちらをお読み下さい。
ウォルマートのパッケージング・スコアカード

昨日、実験段階を終えて実用段階に入るという発表がありました。
公表資料によると、参加サプライヤー数は6371社、アイテム数は97,000だそうです。2013年までにパッケージの総量を5%を減らすことを目標としています。


アメリカの商品は、日本の商品よりももともと無駄が多いと思ってます。例えばサプリメントなどは、けっこう大きなボトルなのに中身はかなり少ないということは茶飯事。たぶん商品を目立たせたいからなのでしょう。
ですから、5%減らしたとしても、日本から比べると・・・という気がしています。

とまあシニカルに見てはいるのですが、この努力は買いたい。基準がもともと大きく無駄が多いアメリカで、その基準を変えることの出来るのはウォルマートくらいしかいないでしょうから。

またこのスコアカードがバイイングにどう影響するのかは興味のあるところです。
環境スコアカードをマーチャンダイジングに生かす
影響が出てくることは必須であるわけですが、その出方に注目したいと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:19 PM | | トラックバック (0)

January 24, 2008

[ウォルマート] リー・スコットの政策スピーチ

ウォルマートは毎年この時期に店長クラス7000人を集めての大規模な会議を開催します。期間は2日、その後の2日間にはサプライヤーも集まります。

ここでのCEOのリー・スコットによる政策スピーチから、二つのテーマ(または戦略)がメディアに掲載されました。


1つ目はサステナビリティ、または環境に対する取り組み。リップサービスではなく長期戦略として真剣に取り組んでいて、企業規模が大きいだけに経済インパクトも少なからずあるということは、何回かリテールウェッブでもエントリーしてきました。

興味深いのは、行政が頼りにならない以上我々がやらなければならない、という趣旨のことをスピーチで言っていることです。アメリカは環境イニシアチブについてはヨーロッパや日本の後塵を拝していて動きが遅いのは衆目の一致するところで、だからウォルマートとしてやらなければならないことがある、というわけです。
その意気やよし。
さらに、いつの日かハイブリッドや電気自動車を販売し、駐車場でチャージできるようなサービスを提供することもあるかもしれない、と言っている。これについてはビジョナリーなコメントとして理解すべきだと思うのですが、ウォルマート流のモノを売っていればいいんだというスタンスから少し違うところからの言葉で、なかなかおもしろいですね。


2つ目は、PBM(Pharmacy Benefit Management)の領域に参入する可能性をほのめかしていることです。アメリカの健康保険や医療システムを知らないと分かりづらい領域なのですが、PBMとは、ごくごく簡単に言うと、調剤薬局、保険会社、被保険者、製薬メーカー、の中間地点に立って調剤に関する様々なニーズを処理するサービスのことです。
現在大手三社に収斂されているのですが、、けっこう利益を上げていて、医療コスト削減の流れとちょっと反していて、批判が少し出始めています。
ウォルマートはここに機会がある、と言っているんですね。

社員数が非常に多いですから、自社の社員の調剤を管理するだけでも大きな規模となります。このサービスに、賛同する他社を加えていければ、たぶんビジネスとして成立してしまうだろうなとは思います。もともと調剤売上高全米4位という企業ですから、それほど難しいことではないように思います。

そしてこれも、社会貢献なのだ、という文脈でスコットは語っている。


最近アンチウォルマート運動が下火になっていて、つい数年前のような批判的なメディア露出がほとんどないのですが、こういった戦略的な取り組みが功を奏していることは間違いないように思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:12 PM | | トラックバック (0)

January 21, 2008

[ウォルマート] ジョン・メンザーの引退

ジョン・メンザー(56)が3月1日をもって引退することが発表されました。メンザーの現在の役職名はVice Chairman, Chief administrative officerで、副会長という役職になっていますが取締役会には名前を連ねておらず、会長(または日本的な表現では取締役会議長)のロブ・ウォルトンの補佐というわけでもなく、実質的にはCEOのリー・スコットの直下にポジションしています。
またCAOとは、後方支援オペレーションをすべて統括するという役職です。

メンザーがウォルマートにCFOとしてやってきたのは95年のこと、当時ウォルマートは財務問題が出てきていたときで、これを立て直したのでした。その後国際事業のトップとなったのですが、このときは拡大してゆくために必要な資金調達で大きな役割を果たしました。
その後国際事業部から国内に戻ったのが05年、その後のことは過去、何回か記事にしました。
あげ足取りはしたくないのだが・・・
ジョン・メンザーの異動

国内に戻ってきてから、少しずつ少しずつ荷が軽くなってきた印象があります。
56歳という若さでの引退が彼の意思だったのかどうかは、ここではおきます。

この人事で、スコットの次が誰かがかなりくっきりと絞られてきました。カストロ・ライト、ハーカート、マクミロン、の3人。国内のスーパーセンターとディスカウントストアを統括しているというポジションを考えるとやはりカストロ・ライトが最短距離にあるようです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:35 PM | | トラックバック (0)

January 17, 2008

[ウォルマート] 伝説の会議の縮小

ウォルマートは毎週土曜日の朝7時半から9時半まで、毎週欠かさず店長を出席させての営業会議をやってまして、これをサタデーモーニングミーティングと呼んでいます。サム・ウォルトンが創業当初から実施していたもので、週末の稼ぎ時に突入する直前に意見交換して営業に生かそうとしたものです。
本部人員が稼ぎ時の土曜日に休むなんてとんでもない、というデモンストレーション的な目的もあったようですね。

いろいろな意味でこの会議の価値は大きく、ウォルマートの文化を象徴するような位置づけにまでなっています。

これがウィークリーから月に一回の実施へと変更されると報じられました。
会場は社内の会議室ではなくて、近隣の高校の講堂を使う。
店舗網が巨大となり参加すべき社員数が増大したため、効率を良くするためにたくさんの人数を月に一回集めるというやり方にするということだそうです。


このニュースを読んだときは、少々驚きました。
土曜日の朝7時半から毎週営業会議をやるという、この行為そのものがウォルマートの文化であると言っても過言ではないわけですから。ウォルマートも変わったなあ、と。
ウォルマートが持っている基本的な価値観が変わりつつあることの表れなのか、それともただの手順の変更に過ぎないのか。これがどういう意味を持つのかは、長期的に見ていかねばならないでしょうね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:25 PM | | トラックバック (0)

January 14, 2008

[ウォルマート] 新フォーマットの名称はMarketside

本日複数のニューソースが報じているところによると、ウォルマートが夏までにの新フォーマットをフェニックスエリアにオープンさせるようです。名称は表題の通りマーケットサイド、店舗面積は20,000sqf(563坪)。ウォルマート広報のコメントもありますし、すでに手当てされているロケーション4ヵ所の住所も分かっているので、開発するのは確実みたいですね。

この4つのロケーションはもともとドラッグストアのセブオンで、CVSに売却されたあとに手放されたもののようです。20,000sqfというのは昨今のドラッグストアの典型的な店舗面積ですので、マーケットサイドの狙いがなんとなく分かってきますね。
フレッシュ&イージーは10,000sqfで、こちらはドラッグストアではなくて中小の商業施設の居抜きを狙っているものと推測できます。

ネイバーフッドマーケットの開発は98年のことでした。オープニングセレモニーを取材しにベントンビルまで行ったのが昨日のことのようです。以来10年弱が経過、ウォルマートとしては久しぶりの新フォーマットの開発ということになります。
あのときは前CEOのデイビッド・グラスがスピーチをしたのですが、今回はリー・スコットが来るのかな? 前回よりもメがディアの注目が格段に集まっていますから、セキュリティ上の問題でやらないかもしれませんね。
スケジュールが合うようだったら、オープニングに行ってみたいと思っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:58 PM | | トラックバック (0)

「ウォルマートが新フォーマットを開発、名称はマーケットサイド」Vol.12,No.03

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが小型店舗を開発する可能性があることは、アメリカの流通業界では昨年から指摘されてきた。昨年初頭にテスコの幹部をヘッドハントし、新業態開発部門のトップに据えたときから俎上にあがり、その後も様々なメディが報じてきたものなのだが、ようやく開発することが明らかとなった。複数のニュースソースが報じたところによると、アリゾナ州のフェニックスに今年の夏をメドに実験を開始するそうだ。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:58 PM | | トラックバック (0)

December 19, 2007

[コストコ] CEOの報酬は最低レベル

コストコのCEOジム・シネガルの06年度の報酬が、ストックオプションも含めたトータルで320万ドルだったことが報じられました。コストコの期末は8月末で、こういった書類の提出がちょうど今ぐらいの時期だから情報として出てきたものです。

大手企業の報酬の中間値は830万ドルなので、320万ドルというのはかなり低いという論旨。またS&P500社においても最低ランクになるだろうとのこと。

基本給は35万ドルで前年と変わらず。
この基本給は、コストコという企業のサイズからすると異常に低いのですが、シネガルが店長の給料の2倍以上は取らないというタガを自分ではめているということは有名な話であります。取りすぎると社員のモチベーションが下がるからですね。

取締役会としてはもうちょっと取って欲しいのだが、これ以上もらってもモチベーションやパフォーマンスが高まるとは思えない、というシネガルの意思を尊重している、と書いてありました。


シネガルは創業者として、現在の株価で1億6500万ドルという自社株を大量に保有していて、まあいわば資産家であるわけで、そういう意味では100万ドルや200万ドル多くもらったところで、モチベーションにはつながらないのだろうとは思います。ただ米国大手企業の経営者が報酬を取りすぎていることが矢面になっている今、やっぱり彼のスタンスは尊重したい。

こういう経営者の下、社員のモチベーションが下がることはないでしょう、たぶん。


ちなみにウォルマートのリー・スコットの基本給は130万ドル、報酬総額は1570万ドル。
ターゲットのロバート・ウルリッチの基本給は170万ドル、報酬総額は1820万ドル。

話はすっ飛びますが、西友の外人CEOおよび外部から来たCOOとCFOの報酬と、店員の給与の差を知りたいところです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:36 PM | | トラックバック (0)

December 11, 2007

[ウォルマート] 中国での成長を年率30%と予測

ウォルマートが中国事業の成長率を年間30%以上と予測していることが明らかとなりました。100店舗目の開店許可を当局から得たことを祝うための席上で発表されたようで、この席には米国商務省長官のカルロス・ギティエレスといった要人も招かれていたようです。

中国での店舗数は現在94、今年一年間の新店数は24でした。


とうとう100店舗に達するというわけですが、今後しばらくは30%の成長を見込むという強気の見通しからは、中国事業が健全な状態にあることをうかがわせます。イギリス、カナダ、メキシコに次ぐ4つ目の海外事業の柱に育つのも時間の問題という気がしてきました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:16 PM | | トラックバック (0)

November 19, 2007

グローバルマーケターズ100社、06年度も1位はP&G

今年で21年目となるAdvertising Age社によるグローバルマーケターズ100社が発表されました。最低3カ国で営業している企業に限定したグローバルランキングです。

昨年のエントリーはこちら。
グローバルマーケターズ100社、1位はP&G

昨年のトップ100社による総支出は978億ドルで前年比1.1%増、その前の5.1%増から大きく落ち込んでいます。大手米国企業、具体的にはゼネラルモーターズやジョンソン&ジョンソンらによる支出カットが影響しているのだそう。

1位はP&Gが断トツで85億2000万ドル(前年比4.1%増)、6年連続の1位で、2位のユニリーバを大きく引き離しています。1位と2位の差が非常に大きく、大きなM&Aが2位以下の企業にない限りおそらくここしばらくは1位を維持することになりそうな勢いです。

小売業界では、シアーズホールディング31位、ウォルマート46位、アルディ81位、カルフール87位、イケア91位、がランクインしてます。このアルディ、広告とは無縁に見える企業なのでけっこう意外です。

日本市場だけに限ると当然自動車と家電メーカーが上位を占めるのですが、昨年いなかったセブン&I7位、イオン9位と、小売企業2社が顔を出しているのが印象的でした。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:10 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)

November 13, 2007

[ウォルマート] イーグルスの独占販売で70万枚

イーグルス@ウォルマートイーグルスがLong Road Out of Edenという新譜を自分たちのホームページに加えてウォルマートで独占販売し、一週間で70万枚を売上だことがわかりました。ビルボードが扱う通常の販売チャネルではないため、当初はブリットニー・スピアーズのBlackoutが35万枚で一位だったのですが、ポリシーを変更後イーグルスが一位になったということです。


ウォルマートはもともと、ガース・ブルックスという有名なカントリーシンガーと契約していて、この人のCDはウォルマートでしか買えません。ブルックスは録音などの作業もすべて自前でやっていて、レコードレーベルと一切契約していないアーチストです。
今回のイーグルスのヒットで、ウォルマートの販売力がさらに際立ったように思います。


6月にはポール・マッカートニーがスターバックスでアルバムの販売を始めたことは記憶に新しいところ。また来週にはスパイスガールズがビクトリアズシークレットで独占販売を開始するようです。

アメリカではたぶんこれから、レコードレーベル中抜き現象が増えてくるんじゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:56 PM | | トラックバック (0)

November 9, 2007

[ターゲット] 年末商戦に期間限定プロモーション

ターゲットが歳末商戦用に期間を限定した価格プロモーションを実施するそうです。期間は感謝祭の翌週、商品は20アイテム、爆発的に売れたエルモの新バージョンといった玩具や、ソニーのビデオプレーヤーといったエレクトロニクスが含まれています。
ウォルマートが二度にわたるロールバックと5品目のみの大幅値下げ販売を実施したことは記事としました。ターゲットも対抗してきたというわけです。

この他にも、限定的なプロモーションを実施する企業としては、ベストバイがあげられます。今週末の日曜日の夜に、優良カード会員だけを招待する特別プロモーションを実施する予定。


ウォルマートのEDLPが喧伝されてますから、日本の業界人には「アメリカ人は日本人のようにハイローが好きではない、だからEDLPが普及している」と考えている人が少なくありません。知識人にも非常に多い。
でもそんなことはありえないことが、この一連のプロモーションを見れば分かるでしょう。だいたい、クーポンを一生懸命切り取って、わざわざ店にもって行って、数十セント安くしてもらって喜んでいる人たちなんですから。

EDLPとは売り方(買い方)のオプションであって、好きとか嫌いとか、民族性とか、そういうこととは関係ない次元の話です。
これからそういうことを言う人がいたら、間違ってますよと、そ〜っと教えてあげましょう。


話は変わりますが、本日のロサンゼルスタイムズが、フレッシュ&イージーをトレーダージョーズとラルフスのブレンド、と表現してました。新聞記者にこういう発想があるとは思えないので、たぶん業界関係者から聞いたのでしょう。
昨日の記事で書いたとおり、理解するポイントは、店舗運営やMDの設計思想はアルディやトレーダージョーズと一緒だが、客層は絞っていない(つまり普通のスーパーマーケット・・・ラルフス等)という、2点にあると私は見ました。
紙面を読み、私と同じ見方をしている人がいるということに、ちょっと驚いたのでした。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:54 PM | | トラックバック (0)

November 2, 2007

[ターゲット] モデルを使わないファッションショー

適切な日本語訳が思い浮かばず、無理やり訳しました。
Model-less Fashion Show、というものをターゲットが2日間限定で実施するそうです。日時は11/6と11/7、場所はGrand Central Terminal's Vanderbilt Hallなので、マンハッタンのグランドセントラルですね。
モデルがいないという意味は、ホログラムを使ってイメージを作り上げてショーを演出するということのようです。世界初のModel-less Fashion Showと、大々的に謳ってます。
当然出てくる商品はすべて、アイザック・ミズラヒに代表されるデザイナーの手によるPBです。

ターゲットはこういう注目を浴びる何かをやるのがものすごく上手です。
ターゲットのポップアップストア、英国版

このファッションショーが売上に直結することはありません。目的はブランドイメージを作ることにある。こういう上手なマーケティングの積み重ねで、ターゲットのブランドイメージができあがっている。
ほとんど、メーカーによるブランディングに近いか、それ以上のことをしているのがターゲットです。

食品や日用品を売る企業でここまで洗練されたマーケティングを駆使している企業は、日本には存在しないし、アメリカにもいないと思います。

昨日のウォルマートによる単品価格訴求と比較すると、両社の違いがよく理解できることでしょう。


ターゲットはこういうイベントをマンハッタンでよくやります。歩行者が多いからでしょうね。ロサンゼルスに住んでいる私は、同社のイベントを残念なながらいままで一度も見たことがないのです(涙)

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:37 PM | | トラックバック (0)

November 1, 2007

【ウォルマート】 歳末商戦の突入宣言

ウォルマートが歳末商戦突入を宣言しました。
本日、ホームページにて目玉商品の特別価格を公開、明日の8時から販売を開始するとプレスリリースで発表したものです。
商品は、乗用玩具(フィッシャープライス、$144.72)、薄型TV(サンヨー50インチ、$998.00)、ラップトップPC(エイサー、348.00)、DVD(3タイトル、$14.96)、DVDプレイヤー(東芝、$98.97)、5品目です。

ウォルマートは今年、先手を打つ戦略に出ています。
まず10/02に商戦用にピックアップした玩具12アイテムの価格を下げ、10/18には昨年よりも20%増しの15,000アイテムを下げ、そして今回は特別価格による4品目のみプロモーション、というわけです。
3ステップで、ドンドンドンと、花火を打ち上げる感じです。

ただよく考えると、驚くようなことではないことが分かります。
ウォルマートの値下げ、ロールバックは3ヶ月間価格を維持します。仮に12月末に終了するロールバックの場合、10月1日に始めることになるわけで、つまり歳末向けの値下げが10月に始まったとしても決して特別なことではないわけです。ウォルマートはこれをあえて大げさにアピールしていると見ることはできる。

ただしアイテム数は増えていることは確かです。
また、目玉商品を選び、前日に価格を公開するという、期待を膨らませるという今までにない手法もとっていて、ユニークではあります。


疑問は、こんなに早く始めて、効果があるのだろうかということでしょう。
通常アメリカの歳末商戦は感謝祭からクリスマスまでの1ヶ月。こんなに早くにお買い物スィッチが入るのかどうか。

現在メーカーさんの研修で店舗を視察して回っているところなのですが、多くの店舗がクリスマスデコレーションをはじめていて、どうやら早打ちするのはウォルマートだけではないようです。
アメリカの小売企業の景気に対する不安を感じるのは私だけでしょうか。


>>このエントリーの続きは、クリスマスセール開始@ウォルマート、に載せています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:15 PM | | トラックバック (0)

October 30, 2007

【サムズ】 食品のネット販売をテスト

メンバーシップホールセールクラブのサムズクラブが、グローサリー商品のネット販売のテストを開始するようです。生鮮をのぞく加工食品と、紙製品などの非食品も含み、現在対象となっている商品のアイテム数は750〜1,000となってます。


成否を占うのが難しい試みですね、これ。

メンバーシップホールセールクラブというビジネスモデルの一つのカギは、宝探しにあります。お客もそれを楽しみにし、小売側はそれによって客単価を上げる。これがたぶんネットだと難しい。

それと、キャッシュ&キャリーから離れることで、作業コストが上がってしまうかもしれない。

でも、サムズ価格でネットで買えるというのは、魅力ではあります。


ウォルマート本体も近いうちに食品のネット販売を始めるかもしれませんね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:44 PM | | トラックバック (0)

October 25, 2007

【ウォルマート】 カンファレンス2日目

一昨日に引き続き、昨日も証券アナリスト向けのカンファレスがありました。
さらに出てきた情報で気になるものをまとめておきます。

◇国内については、長期的な観点では、今後リタイヤして年金で暮らす人がどんどん増えてゆくので、低価格政策には大きな機会がある。
>>低所得層には、資産は持っているけど年金だけでやって行きたい、お金を使う意欲はない、という人たちも含まれます。これ、けっこう見過ごされている視点なんですね。ダラーゼネラルやファミリーダラーといったバリューDSもこの層に支持されてます。ウォルマートもこの層を狙うと明言したわけです。ただ同社の場合、店が大きすぎます。つまり、高齢者は歩き回りたくないので、小型店志向なんですね。ハードルはあります。

◇海外については大きな成長を見込んでいるが、成長のほとんどは中国、カナダ、メキシコとなる。とくにメキシコ、中央アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、中国と行った途上国に期待を寄せている。

◇海外への設備投資は、今年度が10億ドル増えて45億ドル、来年度が53億ドル、再来年度が58億ドルと、年々増やしてゆく予定。

◇ロシアへの進出を考えている。

◇「西友を100%子会社化し非上場とすることは、非常にチャレンジングな市場において、する必要のあることをフレキシブルに自由にやれることになる」(リー・スコット)

◇日本事業をドイツ事業と比べると、市場が細分化されていること、好立地が多いこと、この2つが異なっている。


いろいろ書きたいことがあるのですが、残りは流通eニュースに書こうと思っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:43 PM | | トラックバック (0)

October 24, 2007

【ウォルマート】 来年度以降の営業戦略を発表

ウォルマートが恒例のアナリストミーティングを昨日と今日に分けて開催中でして、これに合わせて今後の成長戦略をリリースしています。今日もカンファレンスがあって、いろいろまだ出てきそうですが、とりあえずメジャーな戦略が出揃ったので、ハイライトをまとめておきます。


◆「設備投資を押さえ気味にしつつ、営業キャッシュフローの改善につとめる。この戦略によってフリーキャッシュフローが増え、戦略的な買収の原資となり、配当と株の買い戻しで株主へリターンできる」(トム・シューイーCFO)
>>これが今年の戦略のすべてをおおっているトーンです。設備投資を押さえ(つまり新店を減らし)、営業キャッシュフローを増やし(つまり既存店をてこ入れし)、増えたフリーキャッシュフローを使って、戦略的買収をし(つまり海外に投資し)、配当と買戻しで株主を満足させる、ということです。

◆今年度の設備投資額は150億ドル(昨年は157億ドル)、その後2年間の設備投資額は140〜150億ドルとなる予定。
>>今年度のオリジナルの予算は170億ドルでしたので、20億ドルも下がったことになります。また内訳を見ると、国内投資を減らしつつ、海外投資を増やしてゆく、という構成となっています。

◆今年度のスーパーセンター新店数は195(昨年度は281店舗)、その後の2年間は140〜170となる予定。

◆今年度の増床率は6%(昨年度は8%)、その後の2年間は5〜6%となる予定。

◆今年度の売上高成長率は9%(昨年度は12%)、その後の2年間は5〜8%となる予定。


証券アナリストの反応はと言うと・・・
ウォール街が期待していたものよりも成長戦略の減速が少なかったことと、低い国内成長が海外への投資の大きさ(つまり西友)で相殺されてしまったこと、が指摘されています。
このため、株価は一日でおよそ3%下落しました。


株式という観点から見ると、ウォルマートは今、成長株のままでいるのか、それとも安定株となるのか、揺れ動いていて、これがアナリストをじらせています。
一般論としての業績は決して悪くないのですが、成長企業としてはもはや受け入れられなくなってきていて、だからいろいろ批判を受けているわけです。
ちなみにウォルマートの株価は2000年ごろからずっと平行線で上がっておらず、これがいろいろ言われる最大の要因となっています。


ところで昨日、西友について、週刊東洋経済からコメントを求められ取材を受けました。来週号に掲載されるそうです。西友についてはあちこちで私の考えを書いてきてますが、ここで2つだけ書いておきます。

ウォルマート幹部からはシステムやら物流やらへの投資がどうのというコメントばかり目につくが、人材に対する投資はどうしたのか?

カレジッスキーは、現場に火をつけるチアリーダー役に徹する必要があるんじゃないのか?


いろいろ書きたいことがあるんですが、今日はここまで。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:50 PM | | トラックバック (0)

October 17, 2007

【ウォルマート】 依然RFIDにコミット

先週末にWSJ誌がウォルマートに対してシニカルな記事を掲載していることをエントリーしました。
ウォルマート時代の終焉?

この記事の中に、ウォルマートはRFIDイニシアチブをやめた、というような文面がありました。メーカーに対する影響力が薄れてきたという論旨の中で出てきた言葉なのですが、推進すること自体をやめたのか、メーカーに対して協力要請することをやめたのか、文脈がいまひとつクリアではありませんでした。前者なら少々驚きです。

これに対して、ウォルマートの幹部が業界の展示会でのスピーチでRFIDの価値について強調する発言をしています。RFIDによって欠品問題が10%改善するだけで2億8700万ドルの売り上げ増につながり、これほど効果的な仕組みはないという論旨です。

ただ、RFIDの導入にROIを見出せないサプライヤーが少なからずいて、メリットを見出してもらうよう彼らと協働しなければならない、ということを付け加えており、強気でサプライヤーに要求していた以前のスタンスとは若干のシフトを感じます。

一歩後退、といったところでしょうか。
たぶん、WSJ誌の論旨は後者だったのでしょう。
メーカーに対してRFID装備をごり押しすることをやめて、投資に対する効果が出るような仕組みづくりを一緒に考えようというスタンスに変わったということのようです。

WSJ誌はネガティブな論調でしたが、RFIDは必要だろうというコンセンサスは業界全体にあり、時間をかけて進んでいくものと理解するのが正しいと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:30 AM | | トラックバック (0)

October 15, 2007

【ウォルマート】 環境スコアカードをマーチャンダイジングに生かす

先週ウォルマートがサプライヤーの幹部250人を招いてカンファレンスを開催しています。テーマはサステナビリティ。ここでCEOのリー・スコットが、環境スコアカードは現在はボランタリーベースなのだが −− つまりスコアカードの成績が何かに影響を与えるということはないのだが、2〜3年以内にはバイヤーが商品を選択する際の一つの指針となるだろうと語っているようです。

チラシやエンドといった陳列優位置を失うかもしれない、とまで言っている模様。消費者デマンドが大きいといったウォルマートを納得させるようなものがあればいいが、なければアソートしない、そう。

環境スコアカードの結果がおそらく品揃えに影響を与えるだろうということはずっと言われてきていたことなのですが、ここまではっきりと公式の場で言明するのは始めてなのではないでしょうか。

ウォルマートのサステナビリティイニシアチブは、確実に進んでいます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:44 PM | | トラックバック (0)

October 5, 2007

ウォルマート時代の終焉?

昨日のWSJ誌が、「Wal-Mart Era Wanes Amid Shits」というタイトルで、ウォルマートの時代が終わりに近づいているという大きな記事を載せていました。
サブタイトルは、「ライバルは低価格に対抗する戦略を見つけた、世界は変わった」です。

要約すると、ターゲットやクローガーなど競合企業が戦略シフトによって戦い方を変え、そのためウォルマートの成長ももはや終わりに近づいている、という内容です。全体をおおおっているトーンはウォルマートに対してネガティブな印象が強く、これを読んだらおそらく普通の人は、「ああ、ウォルマートがもう終わりなんだな」と思うことでしょう。

でも、詳しく読むと、流通の素人が書いているなということがよく分かるんですよ。例えばペプシがFuelsophyという新しいエネジードリンクを今年の初頭に出したのですが、チャネルとして選択したのがホールフーズでした。これをもって、ウォルマートの影響力がなくなってきた、と言おうとしている。
しかしながら、これは商品特性とウォルマートの対象顧客が合致しないからに過ぎないわけですよね。

一面に掲載されているグラフが売上高成長と株価で、売上高が伸びているのに株価は2000年ごろから平行線でして、これをあえて並列させて見せているのは、株価を問題視しているんだな、ということが感じられる。つまるところ、株価が上がっていないから、もう終わりだ、と結論付けているのかな、とも思えてしまうわけです。

もうすぐ恒例のアナリストカンファレスがあるので、それを見込んでの意図的な過激な記事、ということかもしれませんねえ。株価をなんとかしろというメッセージをこめているような気がする。


そう言えば、90年代にウォルマートがV字回復したときは、ウォール街による批判がきっかけでした。買う価値がないと言われて、奮起した。ただ今回は回復しなければならないほど業績が悪いわけでもないですからねえ。
世界最大の売上規模を持ちながら、昨年度末の時点で売上高成長率9.3%増、当期純利益率3.3%、総資本営業利益率12.5%、ですから。
これで、株価が上がらないという理由だけで「終わりだ」と言われてしまうわけです。日本の流通業界の数値平均からすると、少々厳しすぎるかなという気がしないでもないです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:24 PM | | トラックバック (0)

October 2, 2007

メーカーに恩恵が薄い? ウォルマートの環境イニシアチブ

先週ウォルマートに関して、衣料用洗剤を濃縮型に絞るウォルマートと、ウォルマートによる温室効果ガス排出量削減イニシアチブ、という関連する二つの記事をエントリーしました。

双方ともにウォルマートによるサステナビリティイニシアチブなわけですが、ここでウォルマートは'Win-Win-Win'という表現を使っているようです。小売、メーカー、そして消費者の三者がWinする、という言い方です。

これに対してAdvertisingAge誌がシニカルな見方を記事としています。総体としてのエネルギー消費量の削減をメーカーに迫るウォルマートのイニシアチブはメーカーによる大きな初期投資を必要とするのだが、それによって達成されるコスト削減分のご利益のほとんどはウォルマートに行ってしまう、という主張です。
P&Gだけでも2億ドルの投資が必要となるんじゃないかと言う見方があるのですが、メーカーに対するリターンは大きくはないだろうとしています。


この記事を読んで、物事は複眼で見る必要があるなとあらためて感じました。

ふと思ったことです。

日本の小売企業はメーカーに対して協賛金による支援をなにかにつけて要請するのですが、金銭をダイレクトにねだるやり方はもう時代遅れではないかと思っています。そろそろこのあとあと禍根を残しがちなやり方から、ウォルマート流のナレッジで支援を要請するやり方に進化したほうが良い。

今回のサステナビリティイニチアチブも、メーカーが投資し、ウォルマートがリターンを得るのであるならば、'ダイレクトにお金をねだらない実に巧妙な支援要請戦略である'と言うことができるわけです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:13 PM | | トラックバック (0)

September 28, 2007

ウォルマート、ジェネリック値下げフェーズⅡ

昨年9月に開始して内外の大注目を浴びたウォルマートによるジェネリック処方薬の値下げですが、27日にフェーズⅡに入ることがリリースされました。
対象とする処方薬の数の増加と、ジェネリック新薬の値下げと、2つが骨子となってます。

このイニシアチブ、大手スーパーマーケットやターゲットなど追随する企業が後を絶ちませんでしたが、ドラッグストア企業は完全に無視しており、反応は両極端でした。

ウォルマートにとっては客数アップなどポジティブな結果が出ているようで、それがこのフェーズⅡにつながったわけです。

宣伝効果も抜群じゃないでしょうか。
ウォルマートもちゃんと計算してます。プレスリリースには、フェーズⅠの導入以来お客にとって $613,581,3698.70の節約につながったとか、これを州別に細かくブレークダウンしたりしています。この笑ってしまうほどの細かい数値を載せるのも、大向こうを意識したことだと思います。

環境イニシアチブと立て続けという点も、意図的なものを感じます。
こういうことは、ポンポンと続けて出したほうが注目を浴びやすいですから。

今回は各社がどう出るのか、楽しみなところです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:57 PM | | トラックバック (0)

September 27, 2007

衣料用洗剤を濃縮型に絞るウォルマート

ウォルマートが衣料用洗剤カテゴリーで濃縮型しかマーチャンダイジングしないことを明らかにしました。来年の5月までにはウォルマートとサムズ全店で実現することをコミットするとしています。

これは環境イニシアチブの一環です。これによって、4億ガロン以上の水、9500万ポンド以上のプラスチック樹脂、1億2500万ポンド以上の段ボールを節約できるとする。水だけでも、1億回のシャワー分にあたるそう。

ウォルマートが売る衣料用洗剤のシェアは全米の25%を占めていて、ウォルマートが動くことによるインパクトが大きいカテゴリーなのですね。
ウォルマートにおいて他に選択肢をなくすということは、市場に与える影響は凄く大きい。大きな決断だと思います。

この結果は環境にいいだけではなく、棚の上のスペースが広がることも意味してますね。環境を訴え、スペース効率も高まる。これで売れ行きが落ちなければ、ウォルマートにとっては最高の取り組みとなるわけですが・・・。
ウォルマートは戦術転換で有名。やっぱり売れなかったのでやめます、にならないことを祈りましょう。


ところで、ニューヨークタイムズがコラムでこのウォルマートをほめているらしい。同社の環境に対する取り組みは、米国政府やまして中国政府よりも先んじている、カリフォルニアに肩を並べるほどだ、というような趣旨のようです。

一昨日、こういうエントリーを書きました。
ウォルマートによる温室効果ガス排出量削減イニシアチブ

ここで私は、京都議定書をウォルマートが批准すればよかったんじゃないかと冗談交じりに書きましたが、コラムの執筆者と言おうとしていることの本質が同じで、笑ってしまいました。
米国政府の遅い対処にイライラしている人はけっこういるということです。


そう言えば、食品労働組合によるウォルマートバッシングも鳴りをひそめてきましたね。ニューヨークタイムズが賞賛しはじめてしまうと、重箱の隅もつつきづらいことでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:09 PM | | トラックバック (0)

September 25, 2007

ウォルマートによる温室効果ガス排出量削減イニシアチブ

ウォルマートが新たな環境イニシアチブを発表しました。Carbon Disclosure Project (CDP)というNPOとパートナーを組んで、サプライチェーン上における特定商品のエネルギー消費量を測り、温室効果ガス排出削減を目指すそうです。

まずコモディティに属する7分野の商品を提供する25〜30メーカーを選択し、商品製造から配送に至るまでのエネルギー消費量を測定。しかるのにち、温室効果ガス排出量を削減する手段についてメーカーとともにパイロットテストを実施するとしています。

CDPは機関投資組織が中心となって運営されている非営利団体で、企業活動と温室効果ガス排出量を関連付ける取り組みをしています。誤解を恐れずにごく簡単に言ってしまうと、株価と当該企業のグリーン度を関連付ければ、各企業はもっと環境に積極的になるだろうということだと思います。

このCDOは、サプライヤーによるエネルギー消費量を測定後、その数値を温室効果ガス排出量に変換するそうです。


ウォルマートはパッケージング・スコアカードの実験をしてまして、来年から本格的にスタートします。
ウォルマートのパッケージング・スコアカード
これとの関連性は不明。


このイニシアチブをイメージアップのためのただのリップサービスと見るか、本気で環境を心配してと見るかは、異論があるでしょう。ホールフーズが生きたロブスターの販売をやめたときに、ロブスターの'quality of life'のためとして動物愛護を訴えていましたが、実際は儲からないという現実的な理由もあったことと同じです。

とりあえず、環境問題にうといアメリカですから、ウォルマートと言う巨大な企業による取り組みが与える他企業への影響を考えると、意味のあることでしょう。

京都議定書の議決からアメリカは離脱しましたが、ウォルマートが単独で批准すればよかったんじゃないでしょうかね(笑)
GDP換算で、世界で7位とか6位の国家予算レベルにランクされる企業ですから。アメリカがいなくても、ウォルマートが批准するだけで十分機能してしまうように思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:51 PM | | トラックバック (0)

September 17, 2007

'Always Low Prices'から'Save Money. Live Better.'へ

ウォルマートが企業キャッチフレーズを、あの有名な'Always Low Prices'から、'Save Money. Live Better.'へ変更することを発表しました。

日本の小売業界ではあまり意識されていないことなのですが、アメリカの小売企業はそれぞれキャッチフレーズをつけています。英語ではタグラインとも、モットーとも呼ばれます。
またブランディングの世界では、マントラと呼ぶ人もいます。

自社のミッションを端的に表現する言葉をかかげ、戦略戦術すべてのよりどころとする。お客にもメッセージを伝え続けることで、自社がいったいどういう会社なのかを分かってもらおうとする。

マーケティング担当役員(CMO)ステファン・クィンのコメントが分かりやすいかもしれません。
「'Save Money. Live Better.'はタグライン以上のものだ。4つの重要な単語に我々のミッションを集約している」。


'Always Low Prices'は19年間使用したそうです。

低価格を前面に押し出すことをやめた。
この変更は、ウォルマートがいま指向している戦略転換の象徴だと考えて良いでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:49 PM | | トラックバック (0)

August 28, 2007

ウォルマートの新フォーマット開発

先週の21日にエントリーしたウォルマートによる新フォーマットの開発プランについて、実際に検討しているということをウォルマートが正式に追認しました。

開発チームを編成するために雇用も開始している模様。

この雇用条件の中に、'M&Aの可能性を査定できる能力'という項目があったため、買収も視野に入れていると経済紙が書き、これをウォルマート広報があわてて否定するといういきさつがありました。


ウォルマートは過去、買収というものをほとんどせずにあの規模となった企業です。きわめて強い企業文化を持っており、そのため買収してもスムーズに統合できないという見方が多い。一方海外では買収を繰り返していて、そろそろ国内でも買収するんじゃないかという見方もある。

たぶん自社開発するんじゃないかというのが、ぼくのヨミですが、根拠はあまりありません。ただの憶測です。
どちらにしても、小型フォーマットを検討していることは確実となったわけです。

物流はたぶん昔傘下だったマクレーンを使用し、店舗網がクラスター化できたら自社物流にする、といったところでしょうか。小口配送用の専用配送センターを作る、なんてことも考えられる。

考え始めるとキリがないですね(笑)

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:54 PM | | トラックバック (0)

August 21, 2007

ウォルマートによる小型フォーマットの実験

8/17付けのWSJ紙が、ウォルマートが小型フォーマットの開発に動いていると報じました。開発チームがサンフランシスコに'潜伏'して、2タイプについての可能性を探っているとのこと。

1つ目は、高所得層を狙ったグローサリーをメインにしたコンビニエンスストア。
2つ目は、ヘルス関連サービスと商品を扱うフォーマット。

来年早々にはテストを開始する、としてます。

2つ目ですが、同紙のニュースソースが、'ウォルマートは5年以内にヘルスケアカンパニーとして1番を目指している'、とコメントしてます。
ドラッグストアをやるという噂もかなり前からあって、これもあながちありえない話ではない。ただ文面を読むに、インストアクリニックのようなサービスをメーンに据えたフォーマット、というような気もします。


ちなみに今年の3月に、こういうエントリーを載せました。
ウォルマートがコンビニに進出?
業界ではすでに俎上に上がっていたことなのですが、WSJ紙が報じたことで、俄然、信憑性が出てきましたね。


>>本日より出張のため、エントリーが若干遅れますが、ご容赦下さい。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:09 AM | | トラックバック (0)

August 15, 2007

ウォルマートも下方修正

西友が6年連続で赤字を計上する見込みであることを発表しましたが、本体のウォルマートも通年の見込みを下方修正しました。

第二四半期の結果は、売上高8.8%増、純利益高4.1%増と増収増益だったのですが、既存店成長率が1.7%増と低調。リー・スコットは、一見すると良い結果に見えるが、基本的なパフォーマンスは我々の期待に達していない、としてます。

一株利益しか数値が手元にないのですが、通年の予測は、一株あたり3.15〜3.23ドルから、3.05〜3.13ドルへと修正されています。


増収増益率と、既存店成長率の、大きな数値の乖離は、ひょっとすると古い店が相当悪いような感じがしますね。新店効果で全体の数値は強いが、既存店が足をかなり引っ張っている、という印象がある。

ウォルマートのオーバーホールは時間がかかってます。

西友も同様。
いつ孝行息子になるのでしょうね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:26 PM | | トラックバック (0)

August 9, 2007

ウォルマートによるSNSプロモーション

ウォルマートがMySpaceに次ぐ米SNS大手のFacebookを使って、新学期セールの販促展開を始めることを明らかにしました。同社は一度オリジナルのSNSを立ち上げたのですが見事に失敗していまして、既存インフラを利用する戦略に変えたようです。

'Roommate Style Match'というグループをFacebook内に作り、参加者は質問に答えてゆくと最後に推奨商品のリストが出てくるという仕組みだそう。自社サイトとリンクさせ、ネットでも買えるし、'Site to Store'つまりネットでオーダーして店舗で受け取る、という選択肢もある。

Facebookは学生向けのSNSで、新学期セールで狙うべき層が集まっています。またティーンエージャーによるウォルマートに対するイメージは、決して悪くありません。
意外に高いウォルマートのブランドイメージ
そういう意味では、この取り組みは悪くない。Second Lifeに仮想店舗を作るよりはよほど効果があると思います。

10月31日までサービスを提供するそう。
結果が楽しみです。

>>SNSをご存じないかた、私が立ち上げた我が国流通業界初のSNS、R2Linkにぜひご参加いただき、体験してみて下さい。今のところオープン登録制です!!

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:06 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)

August 7, 2007

ウォルマート、インドの合弁事業で正式調印

昨年11月にインド進出を発表しながら、その後左派政党の反対にあって遅れていたウォルマートとインド企業バーティ・エンタープライゼスが合弁事業で正式調印しました。

小売ではなくて、小売企業に対して商品と供給するキャッシュ&キャリーを展開するとのこと。
外国資本による複数ブランドを販売する小売を同国が禁じており、そのためウォルマートは合弁を選択したわけですが、左派政党による反対にあったため、卸事業でビジネスを開始することを選択したわけです。

JVの比率は50対50。
調子が良いときはいいのですが、どちらかが主導権を握れないので、いったん不調に陥ると、または意見に食い違いが出ると、デッドロックに乗り上げる非常に微妙な比率です。

とりあえずこれでウォルマートは、次の大きな新市場に橋頭堡を作ったということになります。

インドは零細小売業が主体です。
P&Gなどのアメリカの巨大メーカーが、この小さな店舗に力を入れ始めている、という記事を最近どこかで目にしました。

気候も暑いですが、市場も熱くなってきました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:30 PM | | トラックバック (0)

July 30, 2007

なぜウォルマートは日本で幸せを見つけられないのか?

フォーチュン誌が非常に良い記事を掲載しています。
タイトルは『Why Wal-Mart can't find happiness in Japan』。

気になったところをわずかだけ抄訳抜粋します。

1)米国内は成長が飽和化し始めており、国内成長への偏りすぎを回避する必要があり、日本での失敗は許されない。

2)04年に1500人の大幅解雇をしたが、もともと日本の文化に馴染まない上に、外国人の手によるものというネガティブな意味合いが加わってしまった。

3)Always low pricesというモデルは開発国では受け入れられるが、高品質の他にないような商品に対して高額を支払う日本のような国ではうまくいかない。

4)基本的な疑問は適正なマネジメント体制をウォルマートが作っているのかということだ。日本で成功している米国企業のほとんどは、たとえばマクドナルドのように、上級管理職を日本人とし、権限委譲を行っている。しかしウォルマートはイギリス人やカナダ人などの外人チームに頼っている。カレジッスキーも日本語をしゃべらない。

5)ウォルマートの海外事業は中央集権型モデルだ。カレジッスキーの仕事はベントンビルの命令通りに仕事をすることにある。

6)カレジッスキーは学習中であることを認めている。

総体として、基本的に日本での課題をよく整理した文意であると思いました。

4〜6は、アメリカの流通メディアでさえも今まで出てこなかった論旨なのですが、私はこれが問題だとずっと思っており、ようやくアメリカ人も分かったか、という気がしました。
海外事業のトップが本社の意向を伺いながら仕事をすると、現場との乖離が起きて、必ず失敗します。これは基本中の基本でして、日本企業がアメリカに出てきて失敗するのも、このケースがほとんど、20年以上アメリカにいて、これが理由で撤退していった日本企業を一杯見てきてます。

さらに、新任のCOOも小売業の外からですね。CEOが日本語をしゃべれず、日本でのビジネスを学習中で、そしてCOOもこれから学習するというわけで、どうやって経営するのか、大変だろうなあと思います。

いまの西友に必要なのは、小売の現場を良く知っていて、落ち込んだ現場を元気付けられるチアリーダー型の経営者でしょう。マイクロマネジメント型ではないと思う。
とりわけ企業再建には通常のマネジメント能力とは異なるものが求められるわけでして。
このあたりを、ウォルマートは分かっているのでしょうかねえ・・・?

ちなみに3はちょっと違うなあという気がしてます。日本人はモノを見る目が成熟していて、価値のない低価格はアピールしない、という表現が正しいように思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:10 PM | | トラックバック (0)

July 26, 2007

ウォルマートのアパレル担当役員が辞任

アパレルとホームファッションの商品担当役員だったクレア・ワッツが先週辞任しました。

この人はもともとリミテッドにいた人で、ウォルマート入社は97年、ここ数年の戦略転換にのって出世を続けてきました。ニューヨークオフィスの開設、メトロ7、マーク・アイゼン、ジョージME、といった新ラインの開発、といったことに責任を持っていた人だそうです。

新しいアパレル戦略がうまく行かず、在庫が積みあがってしまったことは何回かエントリーしたと思います。
辞任の直接の理由については書かれていないのですが、この責任を取ってやめた、ということでしょう。日本なら異動(または降格?)で済むところですが、アパレルのエキスパートとしてやってきて、責任者となって失敗すると、やめるしかないわけでしょうか。いろいろ考えてしまいます。

価格レンジを上に広げすぎてしまった反省で、レンジをせばめ、低価格帯を重視する、基本に戻るということをウォルマートは最近言い始めてます。ユニクロのように、価格は安いけど、そこそこファッショナブル、こういう商品戦略を取る必要がこの企業にはありそうです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:54 PM | | トラックバック (0)

July 24, 2007

ウォルマートがネット販売2.0へ進化

ネット販売2.0という表現は私が勝手につけた表現です。

今までのネット販売はいわばカタログだったわけですね。リテーラー側が提示し、お客が見て買う。情報の流れは一方通行でした。ところがアマゾンが、消費者に商品評価をさせてしまうシステムを作って成功してしまった。ユーザーがサイト構築に積極的に参加してしまうという意味で、ウェッブ2.0型の新しいパラダイムを作った。

つい最近まで、ネガティブな評価が増えるのを恐れて、大手リテーラーはこの仕組みを横目で眺めてきました。しかし、ぼつぼつと取り入れる企業が出てきて、うまくいってしまい、保守的な業界にも少しずつ浸透し始めています。

私の知る限り、ターゲット、ホームデポ、ロウズ、ウォルグリーン等が商品レビュー&レーティングのシステムをすでに取り入れてます。これに、ようやくウォルマートも重い腰をあげたということです。

この商品レビュー&レーティングのシステムについては、いろいろ分かってきていることがある。ポジティブな評価の方が多いこと、ネガティブな評価は潜在的な問題点を洗い出す有効なツールになること、評価を知ってからかうので返品が減ること、などですね。

実は現在東京にいるのですが、昨日の講演のテーマが『流通小売業界とウェブ2.0』、このあたりの話をさせていただきました。

ナレッジのあり方が劇的に変化しています。今まではつかむことができなかった情報を、ネットを使っていかに表出させてすくいだせるか、これがこれからのテーマとなっていくことでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:24 PM | | トラックバック (0)

July 2, 2007

アップル、ミュージックリテーラーとしてのシェア3位へ

NPDというリサーチ企業の調査によると、アップルのシェアが10%となり、アマゾンの6.7%を抜いて3位となったことが分かりました。1位はウォルマートの15.8%、2位はベストバイの13.8%だそうです。

アップルという企業の革新性というものを思わず考えてしまいます。いまやあたりまえになりつつありますが、ハードとしてのプレーヤと、ソフトとしてのミュージックを、ネットでつなげてしまうという、それまで思いもつかなかったことを普及させてしまったわけです。
iPhoneの投入で、また新たな何かが起ころうとしているようにも感じます。

ちなみに専門店としてのアップルは、単位面積あたりの売上高が全米一番。
最近私はイノベーションということをいろいろ考えているのですが、アップルこそイノベーティブな企業と言う名称がふさわしいと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:40 PM | | トラックバック (0)

June 22, 2007

ウォルマートによる金融事業、次の一手

ウォルマートが銀行業参入を断念でエントリーした通り、ウォルマートの金融事業参入は業界からの反発により反故になりました。そのとき私はたぶん別の方法を模索していると書きましたが、なるほどそういう方法で入ってきたか、というニュースです。

20日のリリースによると、やろうとしていることは2つあります。チェックの現金化サービスと、プリペイド方式によるビザカードの発行。

前者の名称はマネーセンターで、来年末までに1000店舗に導入する予定。これは日本人にはよく分からないサービスではないかと思いますが、アメリカには銀行口座をあけられない人が一杯いまして、小切手で給料をもらうことになり、これを手数料を取って現金化するビジネスがあるんですね。低所得層のエリアに行くと、あちこちにCheck Cachingと書いた看板を掲げる小さな店が一杯あります。
これをウォルマートが低い手数料でやると言うわけです。また請求書の支払い代行や送金代行なんてことも一緒にやるようです。

後者も対象は同じなのですが、こちらはクレジットカードをもてない人たちに対して、事前にお金を預託させ、これを信用としてクレジットカードと同様の機能を持ったカードを発行すると言うものです。
普通の銀行もおなじようなことをやっているんでが、口座の開設が前提となるので、口座を持てない人にとっては朗報でしょう。

なるほど、こういう切り口から入ってきたのかと、ちょっとうなりました。支持層をちゃんと理解し彼らにソリューションを提供している点がウォルマートらしい。これなら銀行業界も文句の言いようが無い。

ところで最近知ったのですが、クローガーのカード事業は、住宅金融までやってるんですね。アメリカの小売企業、けっこう金融事業に力を入れてます。

クローガーが銀行とのパートナーシップでやっている点が、自分で作ってしまおうとしたウォルマートとの違いといったところでしょうか。
ウォルマートにはこれ以上高い手数料を取られたくないというモチベーションがありましたから、パートナーを組むということはオプションには入っていなかったんでしょうねえ。

>>来週再び一週間の出張となります。今回はボストン→シカゴ→NY。エントリーのペースが乱れるかもしれませんが、ご容赦下さい。先週の出張の模様はR2Linkにアップしてありますので、興味のある方はのぞいてみて下さい。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:23 PM | | トラックバック (0)

June 3, 2007

ウォルマートが出店をさらに減速

明日は早朝から遅くまで出てしまい記事のアップができないので、速報も兼ねて今日載せてしまいます。

一昨日の金曜日にウォルマートが株主総会を開催しました。いつものことならがお祭り型だったようです。もともと田舎までなかなか来てくれない投資家に喜んでもらうために始めたものだったのですが、今は完全にフェスティバル状態です。
ほぼリアルタイムでホームページ上で閲覧することができるのですが、どうやらジェニファー・ロペスが今回は出たようで。イオンの株主総会に浜崎あゆみが出演するようなものかな(^^)

'出演'する幹部たちのテンションも相当高い。
社員のモチベーションを鼓舞しようとする意図が良く分かるのですが、僕はすばらしい手法であると思ってます。洋の東西を問わず、人間というものはこういう雰囲気の中でやる気が出てくるものだと思います。

さて表題の件です。
昨年10月に出店スピードの減速を投資家カンファレンスで発表した同社ですが、さらに減速するそうです。その時点で、07年に265〜270のスーパーセンターを作るとしていたのですが、これを190〜200とする。また来年から3年間の出店ペースを年間約170とする。

この結果、今年の設備投資額は予算の170億ドルから155億ドルに減じる。この余裕を株の買戻しや配当の増額に当てる。

またファッション強化に急ぎすぎたことを認めて、価格志向に軸足を戻す、とも言っています。

さてこの減速、ウォール街からのプレッシャーに負けたということもあるのだろうし、既存店のてこ入れに本格的にシフトしようと考え直したのかもしれない。ずっと強気で来たいただけに意外ではありますが、こうせざるをえなかったとも言えます。

リー・スコットはCEOへの就任以来、サプライヤーを巻き込んでのオペレーションの効率化という点において大変な功績のあった人だと僕は考えています。今回ロブ・ウォルトンがスコットをバックアップする発言を再びしているようなのですが、当然のことだと思います。

ただ株価だけ低迷していて、投資家からの受けが悪い。数値を見れば明白なのですが、ROIがずっと横ばいで、これが株価低迷の根本的な理由だと思ってます。株の買い戻しや余計な資産の整理など、オペレーションの効率化とはちょっと違うことをこれからしなければならないでしょう。

成長企業が成熟企業になる、その第一歩を踏み出し始めたような印象を僕は持っているのですが、皆さんはどう感じているのでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:43 PM | | トラックバック (0)

June 1, 2007

エースハードウェアのコアコンピタンス

JDパワー&アソシエーツという調査会社があります。消費者調査をベースとした車のランキングが有名ですね。
この会社が、ホームインプルーブメント企業のサービスランキングを発表したのですが、1位はエースハードウェアでした。
対象は、昨年一年間にホームインプルーブメント商品かサービスを購入したことのある16,239人。店員、商品、サービス、施設、価格、販促、レジ、に対する満足度をレーティングしてランキングしたとしてます。

満点は1000点。
エースハードウェア:812
メナード:801
ロウズ:798
コストコ:784
トゥルー・バリュー:776
平均点:773
ホームデポ:757
ターゲット:757
シアーズ:756
ウォルマート:721
Kマート:693

001CB930.jpgエースは日本であまり知られていないかもしれません。小売業主体のコーオペラティブ・チェーンで(卸売業主体がボランタリーチェーン)、調べてみたら昨年度末で4600店舗。それぞれの店舗にオーナーがいて、コアコンピタンスである細やかなサービスでしっかりビジネスを成立させています。ウェアハウス型ばかりにスポットライトが集まりがちですが、こういうフォーマットもしっかりお客の支持を得ているわけです。消費者のニーズというものは、一つですべてを満足させることは不可能だということが良く分かります。

ホームデポのランクの低さとロウズの高さは、ああやはり、という感が否めない。やめたナーデリは結局これをおざなりにしてきたわけです。

ちなみにエースは本社に行ったことがあります。サンスターが受け皿となって日本に出るとき(確か2000年)、チェーンストアエイジの編集長らと一緒に行って社長のお話を伺ったのが懐かしい。そのとき、メーカーが主体となってリテールをやるなんて、うまく行くとは思えないと正直に言ってしまい、場の空気を壊したことを覚えてます。
結局サンスターは失敗しました。

それと、本社訪問のあとに、紹介された郊外の店舗に行ったときのことも鮮明に覚えています。1000坪ぐらいの店内に、HBCが置いてあった。なるほど、田舎のハードウェアストアってこういう役割も担っているんだよね、ホームデポばかり見ててもアメリカの小売業界は完全には理解できないよね、ということが良く分かったのでした。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:00 PM | | トラックバック (0)

May 29, 2007

ウォルマートがくしゃみをすると・・・

本日のWSJ誌がウォルマートをネタとしていたのですが、タイトルは「Wal-Mart Sneezes, China Catches Cold」、つまり『ウォルマートがくしゃみをすると、中国が風邪をひく』、でした。ウォルマートの衣料が不振に陥っていることはすでに記事にしましたが、これが中国の衣料製造業者に影響を及ぼしているという内容で、ウォルマートからの発注が止まってしまって困っている工場の様子が描かれていました。IMG_0213.jpg

ウォルマートの中国からの輸入量は全米輸入量の10%を越えているという話もあり、ウォルマートが不振に陥ると確かに中国に影響は出ることでしょう。グローバリズムの進行具合はこんなところで実感できるというわけですが、ウォルマートレベルになると影響も大きい。

右の写真はロサンゼルスのディスカウントストアで先週撮ったものです。黄色いのがクリアランス、結構目立ちました。ただ店舗によってはクリアランスを全然していない店もあります。売り切ったのか、または最初からメトロ7やジョージMEを置いていなかったのか。偏りがあるようです。

こういう失敗を糧にしてしまうのがウォルマート流、しばらく在庫過多で苦しみそうですが、どう乗り越えられるのかにこれからは注目じゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:44 PM | | トラックバック (0)

May 25, 2007

デルがウォルマートで店頭販売

数日前に家電部門のアソート強化を発表したウォルマートですが、デルのPCがこの戦略に加わりました。投入開始日は6月10日、サムズも含めた3500店舗以上、700ドル以下のデスクトップ型2アイテムだそうです。

ダイレクトモデルで一世を風靡してきたデルですが、ここ数年若干かげりがみえてきてます。ヒューレットパッカードが復調してきたのに加えて、一般消費者向けで苦戦し始めたことの2つが原因です。

一般消費者にはプロユーザーのようなスペックを入れ替えて好みに組み立てるというニーズがあまり無くて、店頭で実際に見て買いたい人の方が多いとされてます。
数年前の年末商戦でウォルマートがHPとの共同企画で格安ノートブックを販売したように、ネットで迷わなくても店頭で安く手に入ってしまう環境になってきているのも理由かもしれません。
デル、というブランドがそろそろ普及しきってしまい飽きられてきた、というのも理由の一つじゃないかとも個人的には思ってます。出張で空港に行くと、セキュリティポイントでみんなのカバンから出てくるPCのほとんどがデルで、食傷気味なのは私だけじゃないんじゃないでしょうか。

まずデルの顧客とウォルマートの顧客がマッチするのか。
またダイレクトモデルにどういう影響を及ぼすのか。
そして他のリテーラーで売るのかどうか。

うまくいくのかどうか、興味深いです。

参考までに、アソート強化発表時にスカイプ売場を作るということを強調していたので、見てきました。写真つきでアップしてます。
ウォルマートのスカイプ売場

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:54 PM | | トラックバック (0)

May 22, 2007

ファッションが売れないウォルマート

すでにあちこちのメディアが報じていたことなのですが、ウォルマートがMark Eisenというメトロ7に次ぐ2つ目のファッションラインを大幅に縮小することを昨日公式に発表しました。

このライン、アンテーラーの元デザイン役員だった人の手によるもので、GeorgeMEという名称で昨年から販売されていたものです。すでに3000店舗で扱っているのですが、この取り扱い店舗数を今後減らしてゆくとのこと。減らす店舗数は明らかにしていません。

WSJ誌が報じたところによると、このアパレルの不振と、ホームデコアとアウトドア商品の売れ残りによって、在庫が昨年対比で10.3%も膨らんでいて、夏ごろまでこの在庫が尾を引くだろうとしています。

ちなみにこのGeorgeMEの前に導入したラインがメトロ7ですが、こちらは1500店舗まで一気に増やしたのですが、現在は1000店舗以下にまで減っているようです。

Mark Eisenの失敗はどうやら単純で、この人をウォルマートの顧客が知らないということのようです。一部の人には良く知られている有名なデザイナーを雇ってファッションラインを作ったが、自分のコアとなるお客はその人をまったく知らない。
これでは売れませんねえ・・・。
デザイナーをしっかりプロモートしなければならなかったのに、やらなかったということなのですね。価格帯も上が70ドルだそうで、ウォルマートでこの金額を払うなら、たぶん私なら他へ行ってしまう。

ウォルマートによるファッション強化戦略の苦戦が続いています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:18 PM | | トラックバック (0)

May 21, 2007

「キャッシュサイクルから見えてくること」Vol.11,No.21

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが過去およそ20年間やってきたことが、アメリカの流通業界に大きな変革を促してきたということに対しては、異論をさしはさむ人はいないだろう。ただいったいそれが何だったのかという具体的な話になると、いろいろな意見が出てきそうだ。全方位で突出した何かを成し遂げてきた企業であり、それぞれの領域でそれぞれの価値を持っているからである。
 だからすべての活動がここに収斂されているのだという本質的なところについては、なかなかよい説明が無かったのではないだろうか。
 日ごろお世話になっている方からお送りいただいた本を最近読んだのだが、この点が良く見えてきたような気がしていて、今回はこれをテーマとして書きたい。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:39 PM | | トラックバック (0)

May 8, 2007

ウォルマートによるソーラーパワーの実験

ウォルマートによる使用エネルギーをソーラーパワーに転換するプロジェクトは、今年の初頭に外部に漏れて表面化しています。『ソーラーパワーへの大転換

これがようやく公式プロジェクトしてリリースされたのですが、とりあえずカリフォルニアとハワイの22店舗に導入するそうです。結果を見て、4000店舗に導入するかどうかを決めるとのこと。
ウォルマートはすべての使用電力を代替エネルギーに転換することを目標としていて、このソーラーパワーの実験もその一環となります。

紙面によると、太陽発電のほうが化石燃料よりも総合するとコスト高だが、カリフォルニアとハワイは州による補助が他州よりも多く、また晴天が多くて日照時間が長いので、この2州が選ばれたのだろうとしています。
反対運動が根強いカリフォルニアでの市民感情の懐柔、という理由もありそうな気がしていますが・・・。

そう言えば、衣料のコールズもカリフォルニア州内80店舗中の64店舗をソーラーパワーに変えると発表したばかりです。
風力発電を選択する小売企業もあります。『ホールフーズ、自然エネルギー、そしてブランディング

米国リテーラーのサステナビリティへの取り組みは確実に進んでいます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:24 PM | | トラックバック (0)

May 7, 2007

「ウォルマートをめぐる新たな論調、サムズと日本事業を売却?」Vol.11,No.19

アメリカ流通eニュース

 一般メディアで書かれる最近のウォルマートに対する論調が、労使問題などに対する批判的なものから、営業活動そのものに対する懐疑的な内容に変わってきている。ロバート・ナーデリがCEOになってからやめるまでの株価のパフォーマンスと、リー・スコットがCEOになってから現在に至るまでの株価のパフォーマンスを比較すると、スコットの方が悪いという事実があり、彼の手腕に対する物言いが増えてきているのである。
 株価が悪いから経営内容が悪い、とは言えない。スコットに対する評価は、業界においては低くない。投資サイドからの言い分に過ぎないのだが、論調に新たな芽も出てきているのでここで少しまとめておきたい。

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投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:35 PM | | トラックバック (0)

April 30, 2007

「企業による社員監視はどこまで許されるのか」Vol.11,No.18

アメリカ流通eニュース

 3月初頭、ウォルマートがセキュリティの責任者を解雇したのだが、この人物が自分の仕事の中身をウォールストリートジャーナル紙に語ってしまい、波紋をよんでいる。解雇された理由は、同社の広報担当役員とニューヨークタイムズ紙の編集者の電話での会話の内容を盗聴したことだったのだが、つまり社員の活動をひそかに監視する機能が存在していることが白日にもとにさらされて、彼がいったい誰をどこまで監視していたのかに話題が集中している。
 大企業が社員を監視することはもはや当たり前で驚くにあたらないとする見方もあるのだが、はたしてどこまで許されるのか、いろいろ考えてしまう事例である。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:34 PM | | トラックバック (0)

April 27, 2007

サムズ、店舗の組織を改変

DSCF4687.jpgウォルマート傘下のMWCフォーマット、サムズが26日に、店舗レベルにおけるフルタイムマネジメントの組織を改変する予定であることを明らかにしました。
リリースによると、下位レベルのマネジメント職を5つ減らし、その代わりに高位のマネジメント職を3つ新設するとしています。

現在580店舗ですから、およそ1000人が職にあぶれる、という計算ですね。このうち250人は会社を辞めて、ウォルマートへの異動など他のポジションへ移ることになるとしています。いちおうサービスレベルの改善のためと言っているのですが、明らかに経費削減でしょう。縮小均衡に陥らなければ良いのですが。

さてこのサムズ、大げさな表現を使うといまだ迷走中です。コストコを真似て一般会員向けへの転換を志向し、しかしうまく行かずビジネス会員向けに逆戻りし、いままたMDを'女性向き'に変えるなど一般会員志向に戦略が戻ってます。
この件、一度記事にしました。「サムズが女性にフォーカス」
コストコが強すぎるというのが、サムズにとってのつらさかもしれません。いつも比較されてしまう。コストコは超繁盛フォーマットですから、ある意味比較されるほうがつらい。

再びビジネス会員向けに戦略を戻すかもしれません。サムズが一貫性を保つにはもうしばらく様子を見守る必要があると思っています。ひょっとしたら、売却というオプションもあるかもしれない。

 

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:24 PM | | トラックバック (0)

April 20, 2007

ヘレン・ウォルトン逝去

サム・ウォルトンの未亡人、ヘレン・ウォルトンがベントンビルの自宅で逝去されました。87歳でした。
ヘレン・ウォルトンが田舎の生活を好み、そのためサム・ウォルトンが出店先として田舎を選択し、結果として田舎に大きな市場があることに気づいて、田舎のドミナンスを戦略として成功したのがウォルマートです。
そういう意味では、いまのウォルマートを作ったきっかけはこのヘレンさんにあったと言っても過言ではないわけです...。
ご冥福をお祈りします。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:34 PM | | トラックバック (0)

April 18, 2007

意外に高いウォルマートのブランドイメージ

少々古いニュースなのですが、ティーンエージャーのブランド意識の調査がWSJ紙2/15号に載っていました。

『好き'Like'、またはとても好き'Love'だと答えたティーンエージャーの比率』

         2003 2006
ターゲット   60%  76%  +16
ウォルマート  70  69   -1
リーバイス   57  62   +5
トミーフィル  42   46   +4
ノーチカ    24   32   +8
グッチ     21   30   +9
アルマーニ  15   27   +12
ティファニー  17  20    +3

(13〜18歳のティーンエージャー1000人への調査)

結構驚きました。
グッチやティファニーといったプレスティージブランドを抑えて、圧倒的に人気のあるのがターゲットで、その次がウォルマートなんですね。

これを日本に当てはめてみると、グッチやティファニーよりも、イオンやヨーカ堂のイメージの方が良い、ということになるのですが、ありえないのではないでしょうか。
アメリカにおいてディスカウントストアが果たしている役割のようなものが、よく分かる調査結果じゃないかと思っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:58 PM | | トラックバック (0)

April 16, 2007

ウォルマート、売上ランク1位に返り咲き

大手企業の売上でランクする有名なフォーチュン500が発表されたのですが、ウォルマートがエクソンモービルをおさえて1位に返り咲いたことが分かりました。売上高は3,511億ドルで前年比11.2%増、エクソンモービルは3,473億ドルでした。
ただし最終利益に関して言うと、エクソンはウォルマートの3倍なのだそうで...小売業は儲からないなあ...。

ウォルマートは過去6年間のうちに5回1位にランクされていると書かれていました。'ウォルマートがとうとう世界最大になった、我々も夢を持とう!'なんてことを言っていたのがもう6年も前のことになったのですね。
ちなみに昨年エクソンが1位になったのは、原油の高騰で売上が急増したことが理由でした。

ウォルマートに対して最近批判が多いのですが、とりあえずは、小売業が世界で一番売っているということを、我々日本の小売業界人は心にいつも留めておいて良いと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:04 PM | | トラックバック (0)

April 12, 2007

ターゲット、2011年に2,000店舗を目標

昨日ターゲットがアナリスト向けのカンファレンスを開催し、これからの成長戦略を説明しました。

・現在の1,502店舗から、一年間に100店舗ずつ増やしていって、2011年には2,000店舗となる。
・今まで店舗が無かったアラスカ州とハワイ州に進出する。
・最終的には3,000店舗を目指したいが、実質的には2,500店舗ぐらいが上限だと考えている。従ってあと10年間は今の勢いで成長を持続できる。
・あと10年間は成長できるので海外進出には今のところ関心はない。カナダには買収で進出したいと考えているが、積極的には考えていない。
・中国やインドへの進出は、5〜10年後にもっと中〜高所得層が増えてからのほうが、わが社の戦略に合致すると考えている。

昨年末にシンクタンクが予想を出していましたが、ほぼあたりでした。
「ターゲットの売上予測、2010年には950億ドルに」

ちなみに同時に発表された3月の既存成長率は12%増、ウォルマートが4%増でしたから3倍の成長率でした。ターゲットはスィートスポットをヒットしたような感があります。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:52 PM | | トラックバック (0)

April 2, 2007

ジョン・メンザーの異動

ウォルマートの上級管理職に異動がありました。ジョン・メンザーが国内ウォルマート事業の統括という役割をとかれて、Chief Administrative Officer(最高管理責任者)というタイトルが追加され、商品調達やシステム、人事、不動産、金融など、バックオフィス関係をすべて統括することになりました。

この結果、ウォルマート事業部門の統括責任者であるエデュアルド・カストロ・ライトはCEOリー・スコットの直轄に置かれることになります。

リリースには、「It makes sense that the company's largest operation reports to the CEO directly」、つまりCEOが最大の事業部門の責任者とダイレクトにつながるのは当然だ、と書いてあります。

この人事が何を意味しているのかにつて、いろいろ考えてしまいます。メンザーがどうして異動したのか。現時点においては、はっきりした理由は分かりません。

WSJ誌はスコットの後継としてカストロ・ライトを真っ先に書いており、そのあとにサムズのトップのダグラス・マクミロン、そしてメンザーとクレイグ・ハーカートが続いていました。国際事業部門に移ったマイケル・デュークは抜けていた。

スコットは現在58歳、メンザーは57歳、スコットが引退を考えるときは、メンザーも引退が近い。一方のカストロ・ライトは52歳、マクミロンはたしか30後半か40前半だったと思います。

人事を予想するのは、なかなかおもしろいものがありますね(^^)

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:40 PM | | トラックバック (0)

March 26, 2007

「保守層につぶされたウォルマートによる銀行構想」Vol.11,No.13

アメリカ流通eニュース

 およそ2年越しで銀行業務への参入を目論んでいたウォルマートが、正式に断念するステートメントを今月中旬に発表した。設立申請以来銀行業界から強い反発を受け、こういうテーマでは史上初となる公聴会が議会で開かれるまでエスカレートしていたのだが、つまらないミステークがリークされるにいたってあきらめざるを得ない状況に陥ったようだ。
 一消費者として言うと、ウォルマート銀行がもしできていたら、価格が少し安くなっていたかもしれないと思っている。理由は天井知らずで高騰しているカードの手数料である。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:07 PM | | トラックバック (0)

March 19, 2007

ウォルマートが銀行業参入を断念

先週末にウォルマートが、銀行業務への参入を取りやめるリリースを出しました。

おととし、ILC(産業金融会社)と呼ばれる金融サービスの設立をFDIC(連邦預金保険公社)に申請していたのですが、銀行業界から反対論が巻き起こり、議会で公聴会が開かれるまで問題が大きくなっていました。

問題とされているのはローカルの地銀がやられてしまうのではと言う懸念で、金融インフラに影響を与えかねないという論旨ですね。ウォルマートは窓口業務は一切しないとしていたのですが、ウォルマート店内に展開しているインストアバンクの新たなリース契約書に、ウォルマートによる銀行業務の可能性を留保する条項があり、これがすっぱ抜かれ、やむなくとうとう公式に断念を発表したという経緯です。

以下今までの私の記事をコピーしておきます。
「ウォルマートが銀行をもちたい理由」
「ウォルマート銀行への反対論と賛成論」
「ウォルマート銀行はロビーに負けるのか?」

実はNYタイムズは社説で支持しています。
本件、私は経済界と議会の保守層につぶされたと見るのが妥当だと思ってます。

ウォルマートは、目的は手数料にあるとしてますが、ビザとマスターの独占で手数料がうなぎのぼりに上がっていて、リテーラーが団体訴訟を起こすレベルにまでなっている。ウォルマートが銀行を持てば、ここに風穴を開けることが可能だったのかもしれない。
でも風穴を開けられたら困る人たちがいる。

もちろん反対論のように、ウォルマートがアメリカの金融システムを壊してしまうという可能性も否定はできない。

個人的には、これはやってみなければ分からないことで、試してみても良かったんじゃないかと思うわけですね、一消費者としては。独占による手数料の高騰が、売価に反映されているわけですから。
ウォルマートが約束を守らなかったら、免許を取り消せば済むことなのですよ。

ウォルマートはたぶん別の方法を模索している思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:23 PM | | トラックバック (0)

March 14, 2007

復調の兆しが見えてきた大手スーパーマーケット

クローガーが第4四半期と通年の業績を発表しました。通年で売上高が15%増、純利益高が36%増と、双方ともに二桁成長でして、ここ数年調子が悪かったスーパーマーケット業界としてはかなりの良い数値でした。

コメントによると、主要商圏44ヶ所のうち36ヶ所、ウォルマートスーパーセンターと競合する32商圏のうち26商圏で、シェアが上昇した、とのこと。ウォルマートに負けていないということを強調しています。

今年初頭に「クローガーCEOが好調を強調」という記事を載せましたが、手ごたえを感じていたのでしょうね。

また、昨日に銀行主催でNYで開かれたカンファレンスではセイフウェイのCFOが、ライフスタイルプロトタイプへの改装の結果が好調で、シカゴのドミニックス、テキサスのランドールズとトムサムも調子が上がっている、という趣旨のことを言ってます。また買収も視野に入れていると発言している。

同じカンファレンスでスーパーバリュのCEOノッドルは、アルバートソンズ店舗の改装で3〜5%の既存店の成長を見込んでいると語っています。

三社ともに好調を強調していて、これがほぼ同時に出てきたことにおもしろさを感じてます。ウォルマートの既存店成長率の低下とも重なっている。
底を打った、という表現が良いのでしょうか。一方的にやられてきた感のある米大手スーパーマーケットですが、反撃の糸口を見つけたというような印象を持っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:31 PM | | トラックバック (0)

March 12, 2007

ウォルマートのパッケージング・スコアカード

ウォルマートは現在、Sustainable Packaging Expositionという展示会を開催しているのですが、これに合わせてパッケージング・スコアカードが順調に進みつつあると言うリリースを出しました。

パッケージング・スコアカードとは何かと言うと、商品のパッケージがいかにサステナブルかということをチャート化し、スコアカード(または成績表)化する、というこころみです。
SKUとPOSデータをベースとしたベンダースコアカードが有名ですが、これと同じことをパッケージでもやろうと言うこと。サステナビリティ・イニシアチブの一環とされてます。

本件についてはメルマガで書いたので省きますが、項目は9つほどあるようです。

昨年の9月に導入が発表され、2月からテストが始まり、来年からはこのスコアカードを利用しての商談がはじまります。また今回のリリースによると現状では、2,268ベンダーが参加し、117商品が登録されているとのことです。

メーカーで最初に呼応したのがユニリーバで、パッケージを小型化する濃縮液体洗剤の新商品を作り、これをリー・スコットがVPIで取り上げて売るということをして、社内で注目を浴びたことがあります。スコットはおそらく取り組みの象徴として選んだのだと思ってます。

参考までに、Sustainable Packaging Expositionとはパッケージベンダーによるサステナブルな商品の展示会で、今回で2回目、こういうのを自社でホストして実施している点も本気度と表れとみて良いのでしょうね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:16 PM | | トラックバック (0)

March 2, 2007

ウォルマートがコンビニに進出?

ウォルマートのNew Business Developmentという部署の上級副社長に、デイビッド・ワイルドという前テスコ幹部が就任しているそうです。'新ビジネス開発'という部門であること、テスコの前幹部であることから、テスコが今年の後半から進出を開始するコンビニ型SMに対抗する小型フォーマットをウォルマートが開発するのではないかという見方を、PlanetRetailという調査会社が報じました。

この件、今のところただの憶測に過ぎませんが、なかなかおもしろい見方だと思ってます。
例えばジャイアント・イーグルが、ジャイアント・イーグル・エキスプレスというコンビニエンスストアフォーマットの開発を決めるなど、ここに来てアメリカでは俄然コンビニに注目が集まっていて、ありえない話ではない。
攻撃は最大の防御、といったところでしょうか。

ただテスコがそう簡単にアメリカで成功するとは思えないという見方も業界には多い。多額の投資プランを発表しているため、出る前から成功するような印象を持たせてしまっていますが、そう甘くはないというわけですね。

テスコの動向に、ウォルマートもからんできました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:28 PM | | トラックバック (0)

February 26, 2007

ウォルマートの業績、国内の既存店成長率は1.9%

少々遅くなりましたが、ウォルマートが通年の決算を発表しましたので、まとめておきます。

               売上高   売上高前年比    既存店成長率
ウォルマートストアズ  226,294     7.8%         1.9%
サムズクラブ       41,582      4.5%         2.9%
インターナショナル    77,116     30.2%
トータル          $344,992    11.7%         2.1%

純利益高は$3,940で前年比9.8%増でした。
予想を超えるサプライズがあったようで、株価は直後から上昇しています。

第4四半期のウォルマートストアズ(つまりサムズを除く国内ビジネス)の売上の伸びは6.7%、営業利益高は11.3%、この営業利益の伸びが予想以上に高くて株価が上がったということのようです。ただし既存店成長率は1.3%ですから、物価を調整するとほぼ横ばいに近くなってしまう。
昔のようにどんどん伸びた時代は終ったとみていいように思います。

そして、これを海外事業が補っているというのが現状であることは、数値を見る限り間違いないところです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:04 PM | | トラックバック (0)

「西友カレジッスキー発言とカスタマー分類」Vol.11,No.09

アメリカ流通eニュース

 西友CEOのカレジッスキーが業績発表の席で、証券アナリストによる「EDLPは今後どうするのか?」という質問に対して、「それはもはやBuzz Wordだ」と答えたのだそうだ。ウォルマートはEDLPを企業哲学にまで刷り込んでいる企業であり、つまりEDLPとは非常に高い位置にある企業戦略であり、これをBuzz Wordとしてしまう真意をはかりかねている。

続きを読む "「西友カレジッスキー発言とカスタマー分類」Vol.11,No.09" »

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:29 PM | | トラックバック (0)

February 20, 2007

チャールズ・ウォルグリーン二世逝去、享年100歳

2月10日に逝去されたという訃報がありました。この方は創業者のご子息ですが、つい最近まで存命だったということに少々驚いてしまい、記事とした次第です。

1939年に社長となり、63年に退いて76年まで会長職にあったそうです。
1950年代に調剤以外のフロントエンドの完全セルフ化を推進、60年代にはシカゴから全米へと拡大を図るなど、近代化と成長に大きな構成のあった人です。

この方の子息、つまり創業者の孫に当たるチャールズ・ウォルグリーン三世は現在会長で、そして現CEOは一族ではありません。しかし4代目が上級管理職におり、かなり高い確率で近い将来この4代目がCEOになると私はみています。

一族経営にはデメリットもありますが、メリットも一杯あります。ウォルグリーンの成長の要因には、血族による求心力というものが一つあるのかもしれないと、今回の訃報でふと思ったのでした。
そういえば、ウォルマートもロブ・ウォルトンという創業者の子息が会長で、似通ったところがありますね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:04 PM | | トラックバック (0)

February 15, 2007

サムズが女性にフォーカス

オーランドで開かれているカンファレンスでサムズの役員が、女性客の取り込みを考えていることをコメントしました。

サムズは強敵コストコの後塵を拝すること、もう10年近くになるのでしょうか。一店舗あたりでコストコはサムズのおよそ1.5倍近く売るため、どうしても比較されてしまいます。

DSCF4687.jpg一度コストコを模倣しようとして、ダメで、方向転換して基本に立ち返り法人向けにフォーカスを絞ることを決めたのが数年前で、これはおおよそうまく行ってます。
ただやはりコストコの恐ろしいくらいの繁盛ぶりを横目で見て、対象顧客を拡大しないと追いつけない、ということでしょうか。
法人顧客を相手にしつつ、女性を取り込むということは簡単なことではないでしょう。
(写真はロゴを一新したベントンビルの新プロトタイプ)

店内をこざっぱりさせた新プロトタイプをベントンビルに作り、これを水平展開させるようですが、それだけではダメでしょう。MDをどう変えるのか。アパレルや生鮮をアップグレードするのか

言うはやすし、行なうは難し、じゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:51 PM | | トラックバック (0)

February 12, 2007

「パッケージング・スコアカードでパッケージの効率化」Vol.11,No.07

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートのCEOリー・スコットが、英国皇太子が主催するPrince of Wale's Environment Programmeで環境イニシアチブについて講演した。聴衆は英国大手小売企業の幹部である。スコットはこの講演で、取り組んでいる環境運動を「サステナビリティ360」と命名していることを明らかにした。社員、サプライヤー、そして消費者とを、360度全方位に巻き込んで行くという意味だろう。
 米国小売業界の環境に対する取り組みはイギリスや日本に後れを取っており、現状におけるウォルマートに対する評価はイオンやテスコよりも低い。しかしウォルマートという超巨大企業が真剣に取り組み始めたのだというインパクトが大きいわけで、だから英国皇太子がスコットに話をさせたというわけだろう。
 ウォルマートの最終的な目標は、消費エネルギーをすべて自然エネルギーとする、廃棄ごみをゼロとする、環境循環型の商品だけを売る、と言われている。規模が大きいだけに、これが本当に達成されたら確かに大きな成果になるだろう。
 この3つに絡んでいるのが商品パッケージなのだが、同社はサプライヤーに対してパッケージング・スコアカードまで作ってのコラボレーションを要請しているのである。

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投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:17 PM | | トラックバック (0)

February 8, 2007

ウォルマートの性差別訴訟

女性が不当に差別されているとして7人の女性によって訴訟が起こされたのが01年、これが団体訴訟として一度認可されたのが04年、ウォルマートが不服を申し立て審議が続き、6日に団体訴訟としてカリフォルニア州で最終的に認められました。

98年からウォルマートで働いたことのある全女性従業員、160万人が対象となり、米国史上最大規模の団体訴訟になるそうです。

ウォルマートは、差別は個別に発生しているものであり、訴訟も個別に起こすべきだと主張してました。一方原告側は、組織だって行われていたと主張していた。
3人の裁判官は、2対1で後者を支持したのだそうです。

経緯を読むにまだまだ先が長そうで、ひっくり返ることもあるようなので、これでウォルマートが多額の和解金を支払うということにはならないようです。

企業対労働者という視点で見ると、企業にとっては一部で発生した問題が団体訴訟となってしまう道を開いてしまうもので受け入れがたいものでしょう(ただし今はカリフォルニアだけですが)。
労働者にとっては、労働環境を改善する道を新たに開くことを意味しているので喜ばしいことかもしれません。

ひたすら規模を追求してきたウォルマートですが、訴訟の規模も大きくなってしまうというのは皮肉かもしれません。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:47 PM | | トラックバック (0)

February 7, 2007

ウォルマートの動画ダウンロードビジネスのインパクト

サイトからの有料動画ダウンロードサービスを2月6日に公式に開始しました。ベータ版です。テクノロジーパートナーはHP。

本件、「アップルが開けたパンドラの箱」でも書いているのですが、ウォルマートとターゲットが大手配給会社とかなりの摩擦を起こしていました。配信価格と原価をどうするか、DVD価格との調整をどうするかという、大手配給会社側に大きなハードルがあったのですね。
おそらくいろいろありそうな気がするのですが、表面的には解決した模様です。ほぼ全大手配給会社と提携し、現在は3000タイトル、これからどんどん増やすとしています。
価格は7.50ドル〜14.88ドルというレンジで、新作から旧作まで幅広く提供するとのこと。DVDとダウンロードのバンドル販売もあります。

ウォルマートは全米のDVD販売市場の40%を占めているそうで、だから一気にここまでこぎつけることができたと言えます。アップルはディズニー、アマゾンはパラマウントなど、動画ダウンロードを提供している他社は一部の配給会社としか契約できていませんから、ウォルマートは一気に先頭に踊り出たと言えるでしょう。
アップルによって音楽ダウンロード市場でドミナンスされてしまった失敗は今回は犯さないという強い意図があるとも言われてます。

ウォルマートが家電DSのベストバイに先駆けた点も、ある意味凄いことだと思ってます。

市場としてはまだ小さく今後伸びるかどうかも不透明ではあるのですが、レンタル市場とか、PC市場とか、様々な市場への影響を与え、そして影響を受けるビジネスと思われ、とても興味深いニュースだと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:36 PM | | トラックバック (0)

February 5, 2007

サステナビリティ360

ウォルマートのCEOリー・スコットが英国皇太子が主催するPrince of Wale's Environment Programmeで環境イニシアチブについて講演しました。
取り組みにつけたれた名称はサステナビリティ360...これは全方位的なアプローチという意味でしょう。消費者、サプライヤー、社員、商品、コミュニティ、すべてにかかわるのがサステナビリティ360、だと。

例えば、Global Innovation Projectsという名称の取り組みでは、社員とサプライヤーにいかに自然エネルギーを使うかということを考えてもらう。

こういうプロジェクトをいくつか並行させて行くようです。

ウォルマートが環境問題の本場イギリスで取り組みについて講演するというところに、同社の本気度が伺えると思ってます。

ちなみに今回のスコットのスピーチ原稿はすべてネットで公開中。こういうことは以前なかったことでして、栄誉ある講演なので特別に公開したのか、はたまた単純にイメージアップのためなのか・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:10 PM | | トラックバック (0)

January 30, 2007

ウォルマートが上級管理職を大幅異動?

ウォルマートは現在毎年恒例の社内カンファレンスをカンザスシティで開催しています。店長クラスが7000人集合、期間は今日と明日の2日間。また水曜日と木曜日には主要サプライヤーが招かます。

さて、本日どこからか漏れたと思われるニュースによると、ウォルマートの社史で最大の人員異動が実施されるようだとのこと。
ウォルマート事業部門のカストロ・ライトが海外事業に転出し、後釜にサムズのトップのマクミロンがつく。サムズのトップには店舗営業トップのパット・クーランが異動する、等々。
マクミロンは40歳、非常に評価の高い人です。またクーランがサムズの責任者となると、ウォルマート史上初の女性のトップとなります。

ウォルマートは人をどんどん動かす企業なので珍しいことではないのですが、過去例を見ないほど、という表現を聞くと興味を持たざるを得ません。

正式発表あったら、載せたいと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:53 PM | | トラックバック (0)

January 29, 2007

ウォルマート、ファッションショーに参加せず

ニューヨークで年2回開催されるNYファッションウィークという有名なファッションショーがある。ここに05年の9月から参加してきたウォルマートが、2月のイベントに参加しないことを表明した。

ウォルマートがおととし初めて参加したときは、時期を合わせてボーグに8ページの広告を掲載し、メディアの注目を集め、いわば鳴り物入りであった。
マーケティングを強化するという戦略転換の一環だったのだが、その後衣料の成績が依然芳しくないことは、すでに何回か書いている。

不参加の理由はつまびらかになっていないのだが、効果がないと判断したのかもしれない。トップの異動も含めて、ウォルマートのファッション戦略はいまだ流動している。
ちなみに次は9月だが、参加不参加は未定だそうだ。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:17 PM | | トラックバック (0)

January 24, 2007

ウォルマート、ジョン・フレミングが異動

マーケティング担当役員のジョン・フレミングが、マーチャンダイジング担当役員へと動き、マーケティングのトップにはフレミングの下にいたステファン・クィンが昇格するという人事が発表されました。
マーチャンダイジング部門には5つのセクションがあり、ファーマシー&オプティカル(検眼)を除く4つを統括するとのこと。

ウォルマートのマーケティング戦略の行方は・・・』で書いたようなスキャンダラスなニュースがあったのですが、これがフレミングとクィンに及ぶのは必定と言われていました。最悪の場合は解雇もあるだろうと。

しかしウォルマートは別の選択肢を選びました。
ターゲット出身のフレミングが商品部のトップになることがどういう影響を持つのか。
この人事にはいろいろ考えさせられます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:46 PM | | トラックバック (0)

January 22, 2007

ウォルマート銀行はロビーに負けるのか?

ウォールストリートジャーナル誌によるとネブラスカ、テキサス、コロラド、カンザス、メインの各州が、金融企業以外による銀行業務を禁止する規制案を議会に提出し、これで規制を検討している州はトータルで10州になりました。
ウォルマートによる金融業参入を想定した規制案です。

ウォルマートはトランザクション手数料を節約するために自社で運営したがっているのですが、ローカルの銀行がやられてしまうと言うロジックで反対されている。

あくまでも印象ですが、流れとしては規制の方向に向かっているように思います。
そしてこれも個人的な見方ですが、おそらく銀行ロビーがよほど強いのだろうなと私は感じてます。保険ロビーが強くて公的保険システムがなかなか認められないこと、ガンロビーが強くて銃規制がまったく進まないことと、同じじゃないかなと思うわけですね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:29 PM | | トラックバック (0)

January 18, 2007

スターバックスCEOの一日

フォーチュン誌が『How I Work』というタイトルで、大手企業の社長の働き方連載しています。昨年10月号にスタバのCEOの働きぶりが掲載されたのですが、なかなかおもしろかったので抜粋して紹介します。

ちなみにこのジム・ドナルドというCEOは、サム・ウォルトンが亡くなる6ヶ月前にパスマークと言うスーパーマーケットからスーパーセンターの店長として移籍した経験を持っている人で、当時のサム・ウォルトンの言葉を引用しています。
「もしビジネスで何が間違っているのか知りたくなったら、現場に聞け」。

*****R2Link用コンテンツ*****

本文を読みたい方はR2リンクへ!

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:23 PM | | トラックバック (0)

January 17, 2007

ウォルマートが70店舗を集中開店

ウォルマートが1月の一ヶ月間に、70店舗を開店させることを発表しました。
内訳は、スーパーセンター63店舗、ディスカウントストア5店舗、ネイバーフッドマーケット2店舗。このうち46店舗が新店で、22店舗がDSフォーマットからSucフォーマットへの転換。

社史上の記録だそうです。
1月はスローなシーズンですから、新店をここに集中させるということでしょうか。私の記憶上、ウォルマートは新店を一時期に集中させるということをしてこなかったような気がするので、戦略の転換を感じます。

なおターゲットはもともと集中させる戦略を持っていて、例えば昨年10月6日の一日に、全米で59店舗を同日開店させるということをやってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:03 PM | | トラックバック (0)

January 15, 2007

「ベストバイの好調を引っ張った薄型TV市場」Vol.11,No.03

アメリカ流通eニュース

 家電ディスカウントストアのベストバイが歳末商戦で既存店成長率7%増という、予測を超える非常に強い数字を残している。第3四半期に赤字を計上してしまい苦戦中のサーキットシティでさえ4.2%増であった。小売全体では予測を下回った企業が半分を超え、とりわけ天候が影響した衣料が不調だっただけに、突出した数値と言える。
 家電協会によると、歳末商戦全体の売上高に対する家電関連商品の総売上高は、一昨年の21%から4%アップして4分の1に達したと見込まれている。いまや家電は業態横断的なホット部門なのだが、とりわけこの成長を引っ張っているのが薄型TVである。

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投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:05 PM | | トラックバック (0)

チャールズ皇太子がリー・スコットを招待、環境イニシアチブで

皇太子が寄付で設立した'ビジネスと環境'プログラムの一環で、イギリスのスーパーマーケット企業の上級管理職向けに講演してもらうためだそうです。当然テスコやセインズバリーなど、イギリスの主要チェーンが聴衆として想定されている。

ウォルマートの環境イニシアチブはリップサービスではなくて、かなり本格的です。だからこそ、英皇室がスポンサーするプログラムがウォルマートCEOを招聘するというわけです。

例えば自然エネルギーへの大転換なども考えているようで、企業規模が大きいですからもし実現すると世界最大の自然エネルギー使用企業となる、という話もあります。これは公的発表ではないのでとりあえずR2Linkのほうに載せるつもりです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:49 PM | | トラックバック (0)

January 8, 2007

「レイバースケジューリング最適化システムの本質は?」Vol.11,No.02

アメリカ流通eニュース

 我が国でレイバースケジューリング(LS)がブームになったのは80年代後半から90年代初頭にかけてであっただろうか。LSの本質とは小売の店頭作業に工業経営的な思想を持ち込むことであり、小売業を単なる商店から産業へと昇華させてゆく過程において不可欠の取り組みであったろう。
 しかし、非常に大きな成果を上げたという話はあまり聞かない。
 アメリカではこのLSをさらに一歩進めて、スケジューリング・オプティマイゼーション・システム(LS最適化システム)と呼ばれる自動算出システムの導入がここ数年盛んなのだと言う。

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投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:03 PM | | トラックバック (0)

January 4, 2007

明暗分けたウォルマートとターゲット

両社の12月の既存店成長率の公式報道が今日あったのですが、ウォルマートの1.6%増に対して、ターゲットが4.1%増で、やはり明暗がくっくりと分かれました。
ウォルマートは当初フラットとなる予想を立てていたため、プラスになったことが好感して好意的な報道が多いのですが、しかしウォルマートの歳末商戦としてはやはり低く終ったなという印象を私は持っています。

ちなみに1.6%という数値は全業態の平均値で、業態別ではウォルマート事業が1.3%増、サムズが3.5%増でしたので、スーパーセンターとディスカウントストアフォーマットに限ってみると、ターゲットとはさらに差が広がります。

参考までに、既存店成長率ではないのですが、ICSC(International Council of Shopping Centers)によると、歳末1ヶ月間のチェーンストアの売上高は前年比で3.1%増でした。

なお細かい数値はR2Linkに載せておきます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:54 PM | | トラックバック (0)

December 21, 2006

テスコが中国合弁事業の経営権を取得

出資比率を50%から90%へ引き上げるそうです。
ウォルマートがトラストマートの買収プランを発表したばかりですから、中国市場をめぐる欧米リテーラーの戦いがヒートアップしてきました。

ウォルマートは海外事業の売上高を全体の3分の1とするという目標を立てています。一方のテスコは今後5年から10年以内に利益の半分以上を海外事業からはじき出すことを目標としています。

テスコのCEOテリー・リーヒーはイギリスの紙面で、中国、インド、そしてアメリカが今後重要になると言明してます。文脈を読むに、アメリカ市場に対しても非常に強いスタンスと言うか自信を感じます。

テスコ対ウォルマート、アジアではこれにカルフールが加わるわけですが、欧米大手リテーラーのシェア争いに激しさが増してきました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:56 PM | | トラックバック (0)

December 12, 2006

ウォルマートのマーケティング戦略の行方は・・・。

ウォルマートは昨年半ばから戦略を大転換し、マーケティングを重視する方向性を打ち出しました。(この件についての詳細は省きます。)

広告を刷新するためエージェンシーの切り替えを決め、来年1月に契約が切れるのにあわせて数社にビッドさせ、ドラフトFCBという企業と契約したのですが、突然契約を破棄し、最ビッドを始めました。
年間契約額が5億8000万ドルですから、小さくない。

またこの契約破棄を発表する数日前に、ビッドを仕切ったマーケティングのジュリー・ロームという女性と、部下を一人解雇しており、そのいきさつについての憶測などが飛び交い、スキャンダルの様相を呈し始めています。

ウォルマートはロームの解雇の理由を一切明らかにしていませんし、ローム自身も噂を否定しているのですが、ドラフトFCBのパーティ接待を受けてしまったことが原因という見方が濃いようです。またロームと部下の男性が関係を持っていて(ロームは既婚で子持ち)、これも規律に触れたという見方もあります。

エージェンシーが見込み客を招いてパーティを催すことはよくあることなのだそうですが、通常は責任者は軽く出るだけで関与しないのだそうです。ロームも顔を出しただけだとコメントしているのですが。

ウォルマートはサプライヤーからガム1枚でももらわないことが社風で、米国企業中最も規律が厳しいと言われてます。ランチであってもおごられてはいけない。ましてはパーティなど・・・というわけです。

真相は藪の中、はっきりしたことは分かりません。
まあ、倫理規律に触れてウォルマートを解雇された人は一杯いますから、これ自体は珍しいことではない。

憶測が流れているのは、広告戦略の行方です。

ロームという女性はダイムラー・クライスラーから1月に引き抜かれた人なのですが、非常に斬新な広告を次々とヒットさせて、36歳という若さながら出世街道を駆け上ってきた女性です。
ウォルマートでもすでに新しいタイプの広告を作って、受けは結構良かった。
この女性が解雇されたことで、ウォルマートの広告がこれからどうなるのかという憶測がいろいろ流れている。

価格にこだわる昔ながらのマーケティングに戻すのか、または当初の予定通りにイメージ戦略を強化するのか。新イニシアチブはなかなか効果が出て来ていませんから、ロームの解雇は戦略のリセットを意味しているんじゃないのかという憶測が出てくるのも無理はないわけです。

私はたぶん変えないだろうと思っているのですが・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:19 PM | | トラックバック (0)

December 11, 2006

ウォルマートの顧客数

ウォルマートが一週間の総来店客数を報じました。
米国内:1億2600万人
海外:4900万人
トータル:1億7500万人

米国の人口がおよそ3億ですから、およそ2週間強で全米のすべての人たちがくまなくウォルマートを訪問する勘定となります。

そして世界の人口は約65億6200万人ですから、およそ40週間で世界中の人が一回はウォルマートを訪問する計算となるわけです・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:26 PM | | トラックバック (0)

December 8, 2006

ターゲットの売上予測、2010年には950億ドルに

これはRetail Forwardというシンクタンクによる予測数値です。05年度が526億ドルですから、この5年くらいで2倍に成長するだろうという見込みを立てたというわけです。
店舗数は現在の1,500から2,000に増えているだろうとしています。

ちなみにこの時点でウォルマートは5000億ドルになっているだろうという予測もしています。
1ドル120円換算で、60兆円(+_+)

ちょっと強気過ぎる気もするんですが、両社ともにまだまだ成長は継続するということは確かでしょうね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:21 PM | | トラックバック (0)

December 4, 2006

明暗分けたターゲットとウォルマート

両社が11月の業績を先週発表したのですが、ターゲットが相変わらず好調なのに対してウォルマートが今ひとつで、明暗を分けました。

既存店成長率がターゲットは5.9%増、ウォルマートは0.1%減、ウォルマートはこの10年以上マイナス成長がなかったそうです。また過去40ヶ月中39回ターゲットが成長率で上回っているとのこと。

さらにウォルマートは12月に0〜1%増という低い既存店成長率予測を出しています。この月に少なくとも2%増の数値をはじき出さないと第4四半期に1〜2%という数値にならないようで、つまり四半期ベースでもマイナスとなる公算が高まってきました。

'ウォルマート、業革の成果いまだ出ず'、といったところです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:16 PM | | トラックバック (0)

November 30, 2006

ウォルマートがインドに進出

ウォルマートが地元企業とのパートナーシップでインドに進出することが明らかになっています。相手はバーティ(Bharti)という企業で、バーティが店舗運営を行い、ウォルマートはシステムなどを提供する、という内容のようです。

インドは中国に次ぐポテンシャルの大きな小売市場として注目を浴びていて、ウォルマートはここ数年進出の機会を虎視眈々と狙ってきていたのですが、外資による単独進出に規制があり、そのため現地企業とのジョイントベンチャーという形式となったようです。

ちなみにバーティはテスコとも交渉していたが、店舗展開について両者の戦略が食い違い、結局ウォルマートに決まったという話があるようです。まもなくカルフールが地元企業との合弁を発表するという噂もあるようです。

資料によるとインドは小売企業上位5社で市場のわずか2%を占めているに過ぎず、これがグローバルリテーラーをしてインド参入を急がせている理由となっています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:32 PM | | トラックバック (0)

November 21, 2006

ジェネリック価格をめぐっての戦い、ターゲット対ウォルマート

何度かトピックをを立ててきたネタですが、今回はターゲットが全ファーマシーで4ドルジェネリックの提供を始めると発表しました。ウォルマートは1月中に全店舗での展開とする予定でしたから、先駆けたことになります。
ただしターゲットの場合は全店舗にファーマシーがあるわけではないので、店舗数ベースではウォルマートのほうが圧倒的に多い。

ターゲットはウォルマートが値下げに踏み切った直後に追随していまして、両者デッドヒートの様相を呈しています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:13 PM | | トラックバック (0)

November 15, 2006

クィーンメリーをひっくり返せるか?

「ウォルマートのイメージを変えることは、クィーンメリーをひっくり返すようなものだ」
これはブランドコンサルタントのコメントです。
クィーンメリーとはイギリスの豪華客船のことで、つまりそれほど難しいということを言いたいわけです(^^)

発表された第3四半期の業績によると、売上高12%増、純利益高11.5%増、増収増益なのですが、既存店成長率が1.5%増でウォール街の期待を裏切りました。

理由は昨年来取り組んでいるハイエンド消費者取り込みイニシアチブがうまく行っていないからのようです。メンザーは、メトロ7が期待はずれで推移していることを認めています。

イメージを変えようとするマーケティング戦略は正しい。データもウォルマートらしく十二分に分析している。しかし店頭に行くとそれだけのものがない、これが問題だと指摘する人がいます。

これは鋭いかもしれません。確かに店頭に行って、アパレルが魅力的に見えるかというと・・・。

イメージが先行し、お客が実際に店に行って落胆する。これは、最も避けなければならない失敗です。
ウォルマートはこのかなり初歩的なミステークを犯しつつある可能性がある。
一度落胆したお客は、なかなか戻って来ません。

これを避けるために、セイフウェイは店頭のオーバーホールから開始し、もう大丈夫となってから大々的な広告を打ち始め、いちおうの成果を収めつつあります。

増収増益ですから苦戦とは言わないものの、取り組み中のイニシアチブについては苦闘中、といったところでしょう。

このウォルマート、玩具100アイテム、家電100アイテム、アプライアンス50アイテムですでに値下げを発表、いまだ感謝祭も終わっていないのに他社に先駆けてすでに歳末モードに突入しています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:24 PM | | トラックバック (0)

November 10, 2006

民主党の勝利でウォルマート株が下落

民主党が中間選挙で勝利しましたが、ウォルマート株価が下落しまして、この2つをつなげる論調があって、おもしろいので取り上げてみました。

ウォルマートは歴史的に共和党寄りで、政治献金も共和党に偏ってきました。
共和党員が州知事の州では、店舗数が多いという話もあるくらい。

だから共和党が負けたことで、ウォルマートのビジネスに今後影響が出てくる可能性があり、これが株価に反映された、というわけです。
アンチウォルマート運動を展開している組合のバックは民主党ですし、風当たりは強まる可能性はあるでしょう。

でもビジネスへの影響は未知数としか言いようがない。
だから株価が落ちたという記事が出てくるところがおもしろいなと思ってます。それほどウォルマートは共和党寄りだということなのでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:09 PM | | トラックバック (0)

November 7, 2006

ウォルマートの子供向け玩具サイト

ウォルマートが子供向けのサイトをオープンしたのですが、物議をかもしています。
Wal-Mart ToyLand

2人のキャラクターが主役なのですが、ベルトコンベヤーに玩具がどんどん流れて、Yesをクリックすると「欲しいものリスト」に載せられて親にメールが送られ、Noをクリックすると「いらないリスト」となってトラックで捨てられる。

ここまでやっていいのかという批判が、子供を狙った広告に反対する団体を中心にして巻き起こっていて、広告業界で物議をかもしているというわけです。

アメリカでは子供を狙う広告を問題視するトレンドがあり、タバコが好例だし、最近ではジャンクフードが批判されてます。
日本ではあまり聞かないですよね。
アメリカに住んでいてたまに日本に行くと、明らかにティーンを対象としたタバコの広告を目にして驚くことがあるのですが、問題として一般に認識されていないから、あまり気にされないのかな、なんてことを思います。

このサイト、良い悪いは別として、ウォルマートがこれを作ったということに私は面白みを感じています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:59 PM | | トラックバック (0)

November 4, 2006

ベントンビルで思ったこと

二泊三日でベントンビルに滞在しました。
いつもここに来て思うことは、このアメリカに典型的な田舎町から世界最大の小売企業が生まれたということ。そして世界最大の小売企業がこの田舎町にいまだに本社を構えているということです。
アメリカの流通業界を革新し、今でも革新を引っ張っている人たちがここに集まっているんだということを、本社に立ってみて思うと何事かを感じざるを得ません。

商品部の元幹部と会いました。彼には何度も会って繰り返し話を聞いているのですが、そのつどやはり感じるものがあります。今回は、サム・ウォルトンという人は骨の髄まで商売人だったんだということを確認しました。

サム・ウォルトンは別に革新を起こそうとしたわけではありません。
とにかく、良いものを、安く、一杯売ろうとした。
その過程で、常識にとらわれることなく、「良いものを、安く、一杯売る」ためにはどうしたらいいのかということを考え続けた。

これが結果としてアメリカの流通業界を変える革新へとつながったわけだけど、彼自身は別にそんなことを志向したわけじゃなくて、単に結果としてそうなった、ということに過ぎない。

いかなるビジネスにもコアコンピタンスというものがあります。
いつのまにかそこから逸脱してしまう人がとても多い。名誉を求めて協会活動に専念する、できたお金で遊興にふける...。これがビジネスの成長を阻害しダメになって行く。そんな例は枚挙に暇がないですよね。

だいそれたことは考えず、与えられたことをコツコツと一貫継続させること。
小売企業ならば、「お客さんにとってどうなの」ということをすべての戦略戦術で問い続けること。当たり前のことなんですけどね。

自戒を込めて。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:40 PM | | トラックバック (0)

November 3, 2006

日本ハムの優勝と外人マネジメント

日本ハムが優勝しました。監督は外人。
ロッテもバレンタインで優勝した。
日産も外人でよみがえった。

外人社長が日本企業を経営できるかと、私は日本で多くの人に質問しているのですが、ほとんどがノーです。外人に日本人をマネジメントできるわけ無いだろと。

これはたぶん半分正解、半分不正解だと思います。
だって、たぶんみんな職人でほんとうに使いづらそうな野球で、外人監督が日本人プレーヤーを管理しきっているわけですから。

経営ってただ数字をいじっていればいいわけじゃなくて、一番大切なのは人間管理だと思います。だから顔つき合わせてのコミュニケーションがとても大切となる。ここに言葉や文化のハードルがあると、なかなかコミュニケーションが取れなくなる。だから外人には無理だということになる。
こういう人には、「日本は特殊だ」というほとんど論拠の無い意識が見え隠れするようにも思える。
(日本が特殊なのではなくて、文化というものはそれぞれがユニークなのです)

ただこれはハードルだけど、越えることは不可能じゃない。

外人だとしても、お前らと一緒に苦労したいんだという意思を一貫して示し、部下たちの懐に積極的に飛び込んでいけば、言葉が通じなくても何とかなるもんです。外人であっても自分の意気に感じてもらえれば、やる気をだしてもらえる。
これ、机上の空論じゃなくて、ほんとうです。ここで実名は引けませんが、日本から駐在員として外国に行って、その地の言葉がしゃべれないのにもかかわらず、部下たちと毎晩飲みに行って、業績を上げることに成功した人を私は知ってますもん。

西友のカレジッスキー、どうやって日本人を使うのかについて、ヒルマンやバレンタインにノウハウを聞きに行くといいんじゃないだろうかと、強く思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:34 PM | | トラックバック (0)

October 30, 2006

「ウォルマート、来年の出店ペースを減速」Vol.10,No.44

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが毎年10月恒例となっているアナリストや投資家向けのカンファレンスを開催した。現状説明や来年のビジネスプランが発表されるため、注目度がいつも高い。
 先週末、ウォールストリートジャーナル紙が株式面の1面に大きく、「Investors to Wal-Mart: Slow Construction pace(投資家からウォルマートへ:建設ペースを遅めよ)」という記事を掲載している。強気の設備投資で新店とリモデルを強化しているが、売上が伸び悩んで強気の投資に見合うリターンが出なくなってきている、そろそろスローダウンして、配当など別のリターンを増やせ、というような文脈であった。
 こういう記事が出ること自体アメリカならではなのだが、ウォルマートに対するメッセージ記事がカンファレンス開催の前週末に掲載されるということは、このカンファレンスに対する注目度が非常に高いことを意味している。
 さて、今回発表された来年のプランだが、キーワードはウォール街期待通りの'減速'であった。

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投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:37 PM | | トラックバック (0)

October 27, 2006

リー・スコット、日本事業の継続を明言

ウォルマートネタが続きますが、ご勘弁のほど。
カンファレンスでリー・スコットが日本へのコミットを明言しました。
実際のコメントの抜粋ではないのですが、公表されている情報を元にして要約します。

 「これから5年間日本に対して、必要とされるリソースをうまく配置しなければならない」。
「ウォルマートの創業者サム・ウォルトンがこのアメリカで成し遂げた戦略を、日本に適用する最良の機会だ。この目標を現実化するために、今後5年間日本において、配送ネットワークと店舗に投資を継続する」。

つまり日本事業は5ヵ年計画なわけですね。過去この点についてここで書いたことがありますが、リー・スコットは現在57歳で、5年後は62歳で引退を考える年です。いろいろな意味で、2012年前後はウォルマートにとって節目となりそうな気がしますね。

「日本とまったく同じ市場は確かに他にはない。日本の状況は他と異なっている。ドイツでは手ごわい低価格志向のリテーラーがいたが、日本にはそういう競合がいない」。

ドイツについてはアルディを念頭においているのでしょう。やはりアルディに勝てなかったというわけですね。もちろん日本には大黒天物産やオーケーのような低価格志向のリテーラーはいますが、中堅の域を出ていないから手ごわい競合というわけではまだない、ということを言いたいんでしょうか。でも・・・手ごわい競合だと思いますけどねえ。

 「複雑なトランザクションや配送慣行といった日本にユニークな構造を改善できれば、圧倒的な低価格を提供できるようになって、日本の消費者の支持を獲得できる」。

上記のコメントと重ねると、やはりロープライスを指向したいわけです。

 「来週日本に行って、店舗視察をし、どう前進するか話し合うつもりだ」。

 だそうです。リー・スコットが来週日本の西友店舗に出没しますので、西友の現場の皆さん、言いたいことのある人はどんどん伝えましょう(^^)

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:20 PM | | トラックバック (0)

October 26, 2006

ウォルマート、来期の投資規模を縮小

アナリストや投資家を招いての毎年恒例のカンファレンスで、ウォルマートが来期の投資プランの縮小を発表しました。この件は流通eニュースにしようと思っているのでここでは詳しくは書きません。

先週末にWSJ紙が、「Investors to Wal-Mart:Slow Construction pace(投資家からウォルマートへ:建設ペースを遅めよ)」という記事を載せました。投資に対するリターンが低下してきているから、そろそろ出店ペースをダウンして、その分配当なりなんなりでリターンを増やせ、という内容でした。
この記事にはちょっとうなりました。
そして、翌週、投資家の要求に応えたのか、偶然なのか、スローダウンの発表となったわけです・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:48 AM | | トラックバック (0)

October 25, 2006

ウォルマート対スーパーマーケット、ジェネリック価格をめぐっての戦い、その2

HEバットに次いで、ウェッグマンズも100アイテムにつき値下げすると発表しました。

私の視点ですが、アメリカにはナショナルチェーンを凌駕する強いリージョナルスーパーマーケットが4社あります。パブリックス、HEバット、ウェッグマンズ、ジャイアント・イーグルでして、そのうちの2社が相次いでウォルマートの攻撃を受けてたったというわけです。

偶然ではないでしょうね、これは。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:20 PM | | トラックバック (0)

October 24, 2006

ウォルマート対スーパーマーケット、ジェネリック価格をめぐっての戦い

すでに2度ほど記事として載せましたが、ウォルマートがジェネリック薬を値下げし、ターゲットが追随し、ウォルグリーンとCVSはだんまりを決め込み、そしてウォルマートが展開州と品目数を拡大した、というのが今までの展開でした。

新たに展開する州にテキサスが含まれているのですが、サンアントニオに本拠を置くHEバットが反撃ののろしを上げました。詳細はというと・・・
My H-E-B RX Rewaersという名称のカードを発行し、使用すると500種類を5ドルに値下げ。
カード会員には、優先的な調剤スケジュール、無料の簡単な健康診断、メールでの情報提供などを提供。

ウォルマートの値下げ攻勢を受けて立った、最初のスーパーマーケット企業がHEバットということです。

ちなみに参考までに、ジェネリックとは日本だと業界用語でゾロ品、または後発医薬品と呼ぶそうですね。日本では普及が進まず、厚労省が大手のチェーンストアに聞き取りを実施する予定と聞いています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:32 PM | | トラックバック (0)

October 23, 2006

ウォルマート中国の責任者、ジョー・ハットフィールドが引退

後釜は香港資本のデアリーファーム・インターナショナルの北アジア地区董事をつとめる陳耀昌、交代は来年2月の予定だそうです。

やめた後は中国オペレーションの顧問として残るそうですが、基本的には辞任のようです。

ハットフィールドは社歴32年。古いアニュアルレポートに幹部として名前が出てくる、サム・ウォルトンと一緒に仕事をした残り少ない幹部の一人です。記憶では、リー・スコットよりも初期段階ではランクが高かったような。年齢はスコットよりも4歳くらい年上ですね。

96年の中国進出直後、運営がうまく行かず、ハットフィールドが着任して建て直し、成長モードに乗せた。サム・ウォルトンの薫陶を受けた人ですから、現場で考える人だったようで、周囲の評価も結構高い。

評価が高いだけに、やめてしまうのはもったいないですね。
10年も駐在して、アジアに疲れたのかな(笑)
赤字が続いている日本事業をヘルプしてもらうといいのになんて考えるのは、私だけでしょうか・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:21 PM | | トラックバック (0)

October 19, 2006

ウォルマート対ドラッグストア、ジェネリック価格をめぐっての戦い

9月21日にジェネリックの値下げを発表したウォルマートですが、他州への展開を早くも開始しました。
もともとはフロリダ州から開始し、来年中に他州へ広げるとしていたのですが、お客からのリクエストが多いので、展開を急ぐとしています。今のところ拡大予定は14州、フロリダを加えると15州となります。
(27日に記事を投稿しているので、ご参考までに。「ウォルマートがジェネリック処方薬を値下げ」)

また処方薬の種類も、219種類から314種類へと増えてます。

この発表は今日のことなのですが、ウォルグリーンも対抗して同時にコメントをリリース、再び値下げしません宣言しました。ウォルマートの値下げは単なるプロモーションに過ぎないという文脈で、なぜ値下げしないのかの6か条つきです。
ウォルマートという社名を名指ししているところが、かなり意識しているというか、意味深というか・・・。
本件、かなりヒートアップしてきました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:00 PM | | トラックバック (0)

October 18, 2006

ウォルマートが中国でローカル企業を買収?

100店舗を中国で展開する台湾資本のトラストマートを買収するという噂が出ています。買収総額は10億ドルの予定。
WSJ紙等の経済紙も報じているのですが、両社はまだ口を閉ざしています。また政府当局の規制もあるようで、成立するかどうかはまだ不透明です。

もし買収するとなると、ウォルマート中国の店舗数は150店舗近くとなり、小売市場シェアは0.7%となってカルフールの0.6%を抜くこととなります。
トラストマートは97年に台湾資本によって創業された企業ですが、ハイパーマーケットの流行に乗ってとりあえず業容を拡大し、一定規模になったら売却することをもともと想定していたようです。
カルフールも買収テーブルに参戦した可能性が指摘されています。

トラストマートは低価格志向の強い企業で、ウォルマートとのマッチングはとても良いだろうとう評価なのですが、果たして・・・。

ちなみにもう一つ、ウォルマートはトルコでも買収に動いているという情報が流れています。韓国、ドイツと立て続けに撤退しましたが、グローバルでの拡大戦略に変更はないと見て良いでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:11 PM | | トラックバック (0)

October 16, 2006

ウォルマートに7800万ドルのペナルティ

ペンシルバニア州の裁判でウォルマートが課されたペナルティの額です。日本円にするとおよそ100億円近い。
休憩時間に労働させたことを訴因とする団体訴訟の結果なのですが、98年から06年までに一度でも働いたことのある18万7000人が対象で、労働期間により50ドルから数千ドルがそれぞれに分配されるとのことです。

ウォルマートは現在7つの団体訴訟を抱えているそうなので、同様のペナルティがこれからどんどん課される可能性は高そうですね。

メディアはおおよそ、「やっぱりウォルマートの敗訴」で「イメージダウンにつながる」という論調です。まあ、当たり前の反応でしょう。

実は大手リテーラーをターゲットとしたこの手の訴訟は日常茶飯事で、ウォルマートに限らず、あらゆる小売企業がやられてます。大企業は訴訟を長引かせるよりは和解金を支払ってしまったほうがいいと判断するケースが多いこと、それと支払えるお金を持っているからです。
訴訟を起こすほうもこのことは十分に分かっていて、取れない会社を狙ったりはしない。

またイメージダウンなんてことを言うけれど、消費者というものはこの程度のことはすぐに忘れてしまうものです。

まあですから、このペナルティそのものは、そう大げさに取る必要はない。

私がふと思ったことは、これも結局大企業が持つ宿命的なコストアップ要因なのだろうなということです。先鋭的なコンセプトとローコストを武器に新興企業が勃興し、高経費で肥満した既存企業を駆逐し・・・これがずっと繰り返されるというのがマクネア理論でした。ウォルマートもシアーズやKマートという超有名企業を倒してきたわけですが、このウォルマートがいまや倒される側となっている。

ウォルマートの販売管理費率は確実に上昇し始めています。
歯止めをかけることができるのか。
こういう訴訟を聞くにつけ、私は思わずマクネア理論を想起してしまうのです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:46 PM | | トラックバック (0)

October 10, 2006

ウォルマートがマーケティング部門に新設した部署は・・・

ウォルマートは昨年からマーケティングをかなり強化しているのですが、この強化に伴って3つの部署を新設したそうです。
Brand Management, Category Marketing, Insight and Customer Strategy

この中でもBrand Managementというセクションがいかにもという感じです。メーカーがブランドを管理するように、リテーラーも店舗ブランドを管理するというわけです。

このあたりのイニシアチブを引っ張ってるのが、チップスメーカーのフリトーレイから来たステファン・クィンという人でして、メーカー的な手法をウォルマートに適用しようとしているわけです。

ウォルマートがやろうとしていることについてはセミナーで話をしていますが、少しずつ記事にもして行こうと思っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:34 PM | | トラックバック (0)

October 9, 2006

「アップルが開けたパンドラの箱」Vol.10,No.41

アメリカ流通eニュース

 アップルがビデオダウンロードのサービスを、ディズニーとのアライアンスで開始したことはご存知のことと思う。動画を持ち歩く時代がもうすぐそこまで来ている。アップルはiTuneで音楽の買い方を変えるという大きな変革をもたらしたわけだが、今度はおそらく動画の買い方を変えるだろうと言われている。
 この動きに対して不快感を表明しているのがウォルマートとターゲットである。アップルは新作を14.99ドル、旧作を9.99ドルで販売しようとしているのだが、これはDVDの平均仕入れ価格よりも安く、卸価格が不公平だという主張である。
 ターゲットが大手配給会社に対して、公平な価格が提供されなければ棚のシェアを見直すという内容の文書を送り、このことが紙上で報じられるなど、テンションはすでに公のものとなりつつある。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:28 PM | | トラックバック (0)

September 27, 2006

ウォルマートがジェネリック処方薬を値下げ

アイテム数は291、30日分の処方を4ドルとするそうです。フロリダ州タンパの65店舗で実験し、段階的に店舗を増やして行くとしています。
流通eニュースに書きましたので、詳しくはここではおきます。

この直後に、ターゲットが追随することを発表しました。

一方ウォルグリーンとCVSは、この値下げが自分たちの業績にはまったく影響を及ぼさないことを強調するコメントをリリースしています。かなりベーシックな薬であることと、恩恵を被るのは健康保険を持っていない人たちで、ドラッグストア2社のお客のほとんどは健康保険所持者だから問題ないというわけです。私もたぶん影響はないだろうなと思います。

ただ、勝負あった、じゃないでしょうか。
ディスカウントストア2社は薬の価格を下げるという強力なメッセージを投げかけた。ところがドラッグストア2社は保身型のコメントに終始している。たいして影響無いなら、うちも下げますでいいのに。

アメリカの調剤ビジネスは、ドラッグストア、スーパーマーケット、ディスカウントストア、メンバーシップホールセールクラブと、いわゆる日常の商業に属する業態の間で、極めて激しい競争状態にあります。'業界'や'規制'に守られたビジネスではもはやありません。
その上、健康保険という特有なシステムに縛られるので、実に複雑なビジネスとなっています。

今回の値下げ、一番影響を被るのはインディペンデントの家族経営のファーマシーでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:45 PM | | トラックバック (0)

September 25, 2006

「ウォルマートがジェネリック処方薬を大幅値下げ」Vol.10,No.39

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートがジェネリック処方薬の値下げを21日に発表したのだが、多くの全国紙が一面で掲載、ドラッグストア企業や製薬メーカーの株価が大きく下落するなど、非常に大きなインパクトを持って迎えられた。
 ウォルマートは否定しているのだがイメージアップ戦略の一環という見方もあり、そういう意味では大成功だったようだ。このイニシアチブが今後どういう意味を持ってくるのか、考えてみたい。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:21 PM | | トラックバック (0)

ウォルマートにとってのダイエー買収

ビジネスウィーク誌のオンライン版がが西友の記事を掲載しました。「Japan: Wal-Mart's Looking for a Partner--Again」
(購読者しか読めない記事だったら、ごめんなさい)

要約すると、ダイエーを買収できるかどうかはウォルマートにとって非常に重要で、できなかったら撤退もある?、というような内容です。アメリカのメディアにこういう記事はずっとなかったので、そろそろ出始めたな、煙が出てきたな、などとちょっと感じました。

文脈の背景にあるのは、規模を拡大するしか西友/ウォルマートに道はないというロジックです。EDLPも規模が必要、としっかり書いてあります。
しかしながら、日本という国の流通業界では、規模があまりモノをいわないんですね。メーカーの取引制度、きわめて優秀な卸ネットワーク、などなど、その原因は多い。
だから、米英のように上位集中がなかなか発生しない。
自分たちの物差しでしかモノが見えない欧米人は、こういう見方をどうしてもしてしまいがちです。

この記事読んで感じたことは、「ダイエー買えなくて規模を大きくできなかったから、日本事業は失敗しました」と、言い訳になってしまい、それをアメリカ人は簡単に納得してしまいそうな点です。いろいろな情報を総合するに、ウォルマート本社、またはリー・スコットは日本の現場のことをあまり知らないようで、「そうか、やっぱりダイエー買えないから失敗だな」と合点してしまいそうな気もしてます。
ウォール街もウォルマートの再建手腕が問題なのではなくて、外部要因だったと、納得してしまいそうな気がする。

しかしながら、しつこいですが、西友の復活は規模じゃなくて、カレジッスキーの再建手腕にかかってるんです。規模が大きくできないから日本では無理でした、という言い訳は、できれば彼からは聞きたくないところです。

テスコは、シーツーネットワークに投資して、水面下にもぐってしまいました(笑)
規模がどうのこうのなんてコメント、この企業からは、またはこの企業に対しては、ぜんぜん出てきません。テスコって、日本の事情を実はよ〜く知っているような気がしてるのは、私だけでしょうか・・・。
ひょっとするとこの企業、アメリカでやったように、日本人家庭にホームステイして調査したのかもしれないなあ・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:14 PM | | トラックバック (0)

September 20, 2006

LAダウンタウンから最も近いウォルマート・スーパーセンター

9月13日に、ロサンゼルスダウンタウンからおよそ10マイル(16キロ)のローズミードという町に、スーパーセンターがオープンしました。DSCF4509.jpg
右の写真は数ヶ月前にチノ・ヒルズという町で開店したスーパーセンターで、こちらはダウンタウンから40マイル(60キロ)くらいの場所にあり、ローズミード店が開店する前はこちらがもっとも中心に近いスーパーセンターでした。

ローズミード店にはまだ行っていないのですが、チノ・ヒルズのほうは新型プロトタイプです。価格帯まで詳しくは調査してませんが、MDをざっと見たところアーバン向けに手を加えている印象が強くする店です。

民主党が強く、組合活動が功を奏した地域では出店が規制されてますが、マジョリティではありません。すでにカリフォルニアには19店舗、徐々に、徐々に、店舗は増えてゆくことでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:01 PM | | トラックバック (0)

September 17, 2006

消えるレイアウェイ

ウォルマートがレイアウェイ(Layaway)を年内に終了するそうです。

レイアウェイはアメリカ独特のシステムです。頭金の支払いで商品をお取りおきするもので、所得の低い層を対象としてかなり昔から存在してきました。一般的には30日間商品をキープするそうです。
現代はクレジットカードなど様々な支払手段がありますが、昔はなかったので、こういうやり方があったわけです。

手持ちの現金が十分になくて、'頭金置いていくから、今度来るまで取っといて'的なもののチェーンストア版です。日本でもたぶんかなり昔にはあったのでしょうし、顔見知りのご近所の小さなお店では今でも通用しそうな気がしますが、一般的にはとうの昔に消えてなくなってますし、チェーンストアには存在しません。

大手リテーラーだと、ウォルマートとKマートがこのシステムを今まで維持してきました。しかしニーズが減ってきて、人員を置くことのコストがかさばってきたため、とうとうやめることを決めたというわけです。
Kマートは続けるそうです。

アンチウォルマート陣営は、'サム・ウォルトンの伝統が消えた、これが田舎の小さな企業ではなくなってしまった証拠だ'、などと発言してます。でも、こういうシステムを今までチェーンストアが持ってきたこと自体、私には驚きでして、やめるのは当然かなと思います。

ちなみにウォルマートの場合、通常レイアウェイのために1店舗あたり3人を配置するそうで、3,256店舗ですから、1万人近い人がこのために働いている計算になります。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:48 PM | | トラックバック (0)

September 14, 2006

ウォルマートがRFID店舗を拡大

年内に500店舗を追加して、トータルで1,000店舗超とするそうです。それとシステムはEPC Global Gen2のタッグに統一して行くそうです。

ウォルマートだけ一生懸命先を走って、あとはなかなかついてこない、という状況ですねえ。
最近おもしろい表現を読みました。「ウォルマートは業界を変えるだけではなくて、世界を変えてしまう」
あまりにもサイズが大きすぎて、イニシアチブが業界内だけにとどまらないということなのですが、だからバッシングの対象となるという文脈で使われていました。
RFIDもウォルマートがこれだけコミットし続けるとなると、他も追随せざるを得なくなってくるのかもしれないですね。でも基本的に、みんないまのところ遠巻きに眺めている印象です。

ついでながら、ウォルマートのGDSについてはあまりニュースになりません。こちらはウェッグマンズが走ってて、「ウェッグマンズによるGDSトライアルの成果」で書きました。8月にもウェッグマンズを主役として、FMI(食品マーケティング協会)とGMA(グローサリーメーカー協会)がからんだパイロットテストの結果が出てます。

RFIDとGDSは車の両輪でして、双方が一緒に進展してはじめて本当の成果が出てくるのです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:22 PM | | トラックバック (0)

September 12, 2006

コールズ・マイヤーがバイアウトオッファーを拒否

先日投稿した、KKRを代表とする金融グループによる豪コールズ・マイヤーに対するバイアウトオッファーが、7日に正式に拒否されました。オッファー金額が低すぎるという理由です。
WSJ紙の文脈からは提案された金額が低すぎるという根拠が薄そうで、あるアナリストは、今後同社は株主に対してその根拠を示さなければならない、これでこの案件が終わりになるということはないだろう、という見方を示していました。

さてここで、欧米で敵対的買収が本当に主流であるならば、KKRグループは勝負をしかけることでしょう。でも力技でねじ伏せるやり方はおそらく、やらないと思います。敵対的買収は、主流じゃないですから。
まず同社のバリュエーションを取締役会が示し、これに対して株主がどう反応するのか、これを見て、KKRは次の手を打つのではないでしょうか。

ちなみに先日の投稿では書きませんでしたが、この案件が出る直前に、ウォルマートがオーストラリアで動いているという噂が流れてます。かなりありえる話じゃないかなと。どこかの時点で、なんらかの形式で、ウォルマートが参戦してくる可能性もあるかなと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:15 PM | | トラックバック (0)

September 7, 2006

好調小売企業、ウォルマート、アルディ、テスコに共通するのは・・・

先日ヨーロッパに詳しい矢矧晴彦さんと議論する機会があり、好調なウォルマート、アルディ、そしてテスコに共通点が意外に多いということが分かりました。

細かい点はここではおいて、ざっくりと、この三者がゲルマン民族圏の企業であるという点に私は興味を持ってます。

アメリカに最初にわたってきた移民はイギリス人でしたが、その後に大量に渡ってきたのはドイツ人でした。ですから、米国白人の多くがイギリス系かドイツ系という特徴がある。

さて、イギリス人がアングロサクソンと呼ばれているのはご存知だと思いますが、これは二つの言葉の集合体で、もともとはアングル人とサクソン人という民族名から来ていて、この2つの民族はドイツの片田舎からイギリスに移民した人たちなんですね。
(西暦499年と言われている)

つまりおよそ1500年前のイギリス人とは、ドイツ人だったわけです。

ウォルマート、アルディ、テスコと、グローバルで業績のいい小売企業がすべてゲルマン民族というのは、どうしてなんだろう、何か理由があるのだろうか、といま私は考えているんです。

文化的な共通点をあえてあげれば、質素なところかな。アメリカ人をして質素と言うことに対して反論のある人もいるでしょうが(笑)、都会のアメリカ人は別にして、大多数を占める田舎人たちの生活は質素そのものではあります。
その象徴が、食、でしょう。
食に関して、この三国のひとたちが総体的にあまりこだわりを持たない人たちであることについては、異論はないでしょう。

質素を旨とする文化が、すべてをシンプルに、という企業文化というか、運営哲学というか、ビジネスモデルにも表現されている、のかもしれないなどと考えてます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:40 PM | | トラックバック (0)

September 1, 2006

ウォルマート店舗に認証済みシーフードが登場

同社がオーガニック商品を品揃えし始めたことは、何回か記事にしました。ウォルマートのオーガニックアパレルでは、オーガニックをイメージアップに使おうとしている、というような意見を載せたのですが、その後いろいろな資料を入手するにつけ、ウォルマートは環境問題に本気で取り組み始めたような印象を持っています。
まあ確かに、小手先のことをやったところで、アンチ陣営の矛先をかわすことなどできませんしね。

認証済みシーフードの仕組みとは、MSCという持続可能(サステナビリティ)な方法で水揚げされた魚介類を認証するNGO組織があり、この組織がスタンダードを満たしている水産会社にお墨付きを与え、この水産会社が卸すシーフードには認証シールが貼られ、消費者が認知する、ということになります。
ここで言うスタンダードとは、取り過ぎない、海洋環境にダメージを与えない手法を使っている、といったことだそうです。

ウォルマートは今後3〜5年以内に、取り扱っている北米産のシーフードについてはすべて認証済みにするとしています。

この取り組みが注目されている理由は、ウォルマートは単に市場に出回っている認証済みシーフードを買うのではなくて、MSCによる認証水産会社を増やす努力を自身がしている点にあります。つまり他のシーフードサプライヤーに対して、MSCの認証を取るよう薦めているわけです。または取れない水産会社は使わない、ということになるのでしょう。

最終的には200〜500アイテムを認証済みにし、これはホールフーズが現在揃えている18を大きく上回るそうです。またホールフーズはサプライヤーに対して認証を取るよう薦めるという取り組みはしていません。

MSCの最終目標は、農産物のオーガニック基準の水産バージョンにすることにあるそうで、ウォルマートはその支援をしていると表現することもできます。

ちなみにMSC(Marine Stewardship Counsil、海洋管理協議会)とは、World Wildlife Fundという自然保護団体と、このページをスポンサーしていただいているユニリーバさんとのジョイントベンチャーで、97年の設立、ロンドンに本拠があるのだそうです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:48 PM | | トラックバック (0)

August 28, 2006

スプラウツ・ファーマーズ・マーケットが拡大基調に

DSCF3948.jpgスプラウツというスーパーマーケットが存在します。本社はアリゾナ州で、カリフォルニアとテキサスに店舗を所有、サイトで見る限り店舗数は現在18店舗ですから、いわゆるローカルチェーンです。

フォーマットは店舗名の通り、ファーマーズマーケット(市場)のような雰囲気を再生した、生鮮青果をドンとメインに据えたものです。店舗面積は500坪くらいじゃないかなと思います。

最初にこの店舗を見たとき私は、トレーダージョーズの生鮮青果強化拡大バージョンと理解したのですが、どうやら'ホールフーズ・ライト'というニックネームがついているようで、なるほどホールフーズの小型版という見方もあるのかと、笑ってしまいました。
要するにニッチフォーマットなのですが、チェーンストアに対するアンチテーゼとしてこういうニーズというか、市場は必ずあるわけです。

さてこの企業が、テキサス州のダラス・フォートワース商圏に30店舗を建設することを発表しています。'テキサスに進出して一年だが既存店が絶好調なので・・・'という趣旨のコメントを幹部がしてるのですが、この商圏がウォルマートスーパーセンターの進出によって既存スーパーマーケットがやられっぱなしであることを考えると、実におもしろいです。

消費者のニーズを100%満たせる唯一のフォーマットなど存在しません。どんなにスーパーセンターが強くとも、その強さとは旧態依然とした既存のスーパーマーケットフォーマットに対してのもので、ちょっとフォーマットをひねれば、やられることなく逆に繁盛店が作れるという良い例じゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:26 PM | | トラックバック (0)

August 21, 2006

「ウォルマートによる環境問題への取り組みインパクト」Vol.10,No.34

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが昨年から大きな変革に取り組んでいることについてはここで何回か触れたと思うが、その一つが環境や社会貢献といった側面の強化である。リー・スコットの言葉を借りると'headline risk(メディアの見出しリスク)'、つまりアンチウォルマートグループによる批判的な記事によるリスクを回避するための取り組みの一つである。
 例えばアパレルPBのジョージにオーガニックコットンを使ったベビー服を投入したり、オーガニック食品のアソートメントを増やしたり、環境に取り組むパイロットストアを2つ建設したりと、目に見える変化は出てきている。しかしウォルマートの過去を見る限り、このあたりについては、持続性のない、ただのリップサービスのような気がして、あまり私は興味がなかったのである。
 しかしFortuneがカバーストーリーで取り上げたことで、実はかなり本気であることが分かってきた。巨大なウォルマートが動くと、わずかな変化でもアウトプットが大きなものになるのである。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:10 PM | | トラックバック (0)

August 18, 2006

ウォルマートが10年ぶりの減益

15日に発表された四半期決算によると、売上高は845億2000万ドルで前年比11.3%増、純利益高は20億8000万ドルで-25.7%で、、増収減益となったことが明らかとなりました。減益の理由はドイツ撤退コストを計上したからで、撤退がなければ予想通りの増収増益でした。

同社はこの減益にも関わらず、通年予測の下方修正はしておらず、つまり今回の損失を上回る利益を上げる見込みがあるのか、またはもともと撤退コストを織り込んで見込みを立てていたのか、どちらかということになります。

過去減益を記録したのは96年の第4四半期で、70年の上場以来減益はこの一回だけなので、今回は10年ぶり2度目の減益ということだそうです。
ウォルートは95年に成長がスローダウンし、96年の減益もそのためなのですが、このとき即座に業務改革に取り組み、すぐにV字回復しています。これを引っ張ったのが新フォーマットとしてのスーパーセンターであり、商品部トップとして在庫削減など商品政策で功績のあったリー・スコットでした。

今回の減益は、現在のウォルマートがそのときの状況に近いことを示唆してます。同じように、昨年から業務改革に取り組んでいますし。
人間の配置も非常に似ています。当時のデイビッド・グラスと同じ役目にあるのが現在のリー・スコットであり、そしてリー・スコットとほぼ同じポジションにいるのがジョン・メンザー、当時リー・スコットとともに次期CEOと言われたボブ・マーチン(海外事業)と同じところにいるのがマイケル・デューク、というわけです。

再来したこの成長の踊場を乗り越えられるのかどうか、再び取り組んでいる業革が果たして成功するのか、誰もが興味津々といったところじゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:01 AM | | トラックバック (0)

August 17, 2006

あげ足取りはしたくないのだが・・・

日本の業界誌でちょっと気になる記事を読みました。内容に間違いがある。
アメリカの情報を仕事として収集し、しかも長くこっちに住んでいる私が読むと、アメリカに関する記事には明らかに間違っているものがよくあります。ただ枝葉の場合が多くて、いつもは読み飛ばすことにしています。
ただ今回のはちょっと気になってしまいました。書くかどうか迷ったのですが・・・思い切って載せてしまいます。

雑誌名や執筆者は伏せます。
ウォルマートに関する話です。

記事によると・・・
「今年の株主総会の席で会長のロブ・ウォルトンが、CEOのリー・スコットに一ヶ月の休暇を勧めた。この発言は創業家によるクビを意味するのではないかとささやかれている」
「そして後任はジョン・メンザー氏、だという」

私の過去の記事を読んでいる方はご存知のとおり、スコットは4月の時点で1ヶ月の長期休暇を取ることを決めてます。そして彼は本当に5月に1ヶ月間休んで充電した。
そして株主総会は翌6月でした。

つまり、上記記事が本当だとすると、スコットは休暇をとった直後に再び1ヶ月の休暇をとれと、ロブ・ウォルトンに株主総会で言われたことになる(笑)
そんなこと、ありえないですよね。執筆者はおそらく、情報を完全に読み違えている。

そしてこれを延長するかたちで、「クビを意味するのではないかとささやかれている」、とまで書いている。いったい誰がささやいているのでしょう(笑)
情報ソースが不明。
創業一族がスコットをクビにしようとしているという話は、少なくとも私が持っている情報にはないです。

株主総会においてはこの記事の内容とはまったく逆のコメントをロブ・ウォルトンはしています。要約すると、'スコットは長い休暇を取るに値する、彼のおかげでウォルマートはさらに成長した、もし同じようにこれから27年間頑張ってくれたら、また長い休暇をあげようじゃないか'と冗談まじりに、もっと頑張ってくれと言っている。
これに対してスコットは、'27年後の休暇はエキサイティングですね、コミットしましょう'と、冗談で返しています。
これが事実です。

次に「後任がメンザーだという」としているんですが、これについても情報ソースが不明。

昨年国際事業の責任者のジョン・メンザーと、国内事業の責任者のマイケル・デュークが入れ替わりました。これはウォルマート流の典型的なやりかたで、2人を競わせようとしている。
古くはデイビッド・グラスとジャック・シューメーカー、最近ではリー・スコットとボブ・マーチン。
国内も海外も現時点はOKだけど、将来の安定的ないっそうの成長という観点では問題を抱えている。ポンと入れ替えて、頭をリフレッシュして、解決策を見つけ出すことを上が期待している。
そしてこういう難題を解決できたほうを、次のリーダーとして期待している。

たぶん結果は3〜5年はかかります。このとき、スコットは60歳を超えている。おそらくその時点で、どちらかを選び、スコットは引退するのではないか、と私は現在考えています。

スコットの引退の可能性を報じるメディアはたしかに多いんです。長期休暇がその証拠だというわけですね。ただ本人も広報も、現時点では否定しきっています。
そしてメンザーが後継に決定しているなどどいう噂は、私は聞いたことがないんです。可能性は高まったし、この時点で国内事業の責任者になったことで頭一つ抜けた感はあるけれど、それはデュークとの一騎打ちが終わった後で、そのためには国内部門のてこ入れの成功が必要なわけです。

あげ足は取りたくないんですけど・・・気になってしまって・・・正確な情報をと思い書いてしまいました。悪意はまったくないので、もし万が一この文章で不快な思いをする方がいたら、謝っておきます<(_ _)>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:13 PM | | トラックバック (0)

August 9, 2006

メディアによるウォルマートニュースの温度差

ウォルマートネタを続けます。
同社が最低時給を上げることを発表しました。対象となる1200店舗で平均すると6%のアップだそうです。ただし同時に昇給に上限値を設けるので、総体としてはプラスマイナスゼロの模様。

私はウォルマートの待遇問題についての興味を完全に失ってます(笑)
ウォルマートよりも待遇の悪い小売企業なんてごまんとあって、さらに小売に限らなければ、もう数え切れないくらいでして、ウォルマートだけがたたかれる必要は本来ないと私は思ってます。スケープゴートになってしまったとしか言いようがない。
またネガティブキャンペーンには組合や民主党といったバックアップがあり、出される情報にはバイアスがかかっている可能性が極めて高い。

それと、我々に必要なことは米国企業のベストプラクティスのベンチマーキングにあって、こういうことを根掘り葉掘り知る必要なんてないわけです。

今回このネタを俎上に上げたのは、新聞による同じニュースの扱い方の違いに興味を持ったからでした。
LAタイムズはビジネス面の1面で大々的に報じているのですが、WSJ紙はパーソナルジャーナルという言わば社会欄の2ページ目の下のほうにちょっとだけでした。

LAタイムズって、民主党寄りだったのかもしれませんねえ。民主党は労働組合をバックアップしていて、ウォルマートに対してきつくあたる傾向があります。そう言えば、スーパーマーケットのストライキのときも、LAタイムズは非常に細かく報じてました。
一方のWSJ紙は共和党寄りか、または私と同じような見方なのかもしれない。

ということで、ウォルマートの待遇問題はメディアによっても温度差があり、つまりそういうレベルのトピックに過ぎず、我々日本人がこと細かく気にする必要のない事案であることが分かると思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:16 PM | | トラックバック (0)

August 8, 2006

アルディに負けた独ウォルマート

ウォルマートがドイツでうまく行かなかった理由として、ドイツ人は余計なサービスを必要としておらず、アメリカ的なスマイルを受け入れなかった、などと書くメディアがこちらには多い。

欧州に詳しいコンサルタントの矢矧晴彦さんは、そんなことはないと、一蹴してました。
つまり、価格に見合った価値をドイツのお客も求めているわけで、いくら店員が笑ったところで、価格が納得するものでなければ、お客は来ないというわけです。
これは別にドイツだけではなくて、日本でもアメリカでも一緒でしょう。

結局のところ、独ウォルマートはアルディとの価格競争にに負けたということの一言につきると思ってます。

では、なぜ負けたのか。それを知るには、アルディという企業を知らなければならなりません。
業態としてはボックスストアなんて呼ばれていますが、フォーマット名はさておき、実は矢矧さんに教えていただいたアルディの'べからず集'を知り、つまりビジネス運営上やっていはいけないことのリストをアルディは作っているのですが、読んで分かったのはこれはもうウォルマートと同じじゃないかということなんですね。
簡単に言うならば、難しいことをせずに、すべてを徹底的にシンプルにする、ということを根本ポリシーとしている。それによって、低価格を実現するわけです。
ウォルマートとまったく一緒(笑)

拙著で記しましたが、アメリカにおいてウォルマートはダラーゼネラルを最大の競合企業とみなしています。その理由については拙著を読んでくださいね(^^)v
そしてダラーゼネラルとアルディって、同じ業態に属しているんです。
つまり、ウォルマートにとってアルディは、もともと正面からぶつかる相手であるわけです。

ウォルマートはドイツ企業を買収したわけですが、これをウォルマート型モデルに変えたかったのだが、なかなかうまくいかなかった。企業文化にまで立ち入らなければならない領域ですから、生半可なリーダーシップではうまく行きませんから。
そして仮にうまく行ったとしても、しかしそこにはすでにウォルマートと似た哲学で成功している既存企業が存在した。

独ウォルマートの失敗って、こういうことなんでしょうね、たぶん。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:44 PM | | トラックバック (0)

August 7, 2006

「ウォルマートがドイツで失敗した理由」Vol.10,No.32

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートがドイツからの撤退を決めたことはご存知のことだろう。日本では韓国撤退直後に、次は日本か、と色めきたったようなのだが、私は撤退するならば次はドイツしかないとブログで書いた。その後ドイツの赤字店舗の閉鎖が発表されたので、退却まで踏み込まずリストラ程度で終わらせるのかなと思っていた矢先の撤退決定であった。
 No25で書いたが、おそらくデュークのプライオリティはポートフォリオの見直しによる海外事業の強化にあるものと思っている。回収の見込みの立たない赤字事業(この場合は国家)に見切りをつけ、見込みのある事業には投資を増やして収益を上げる、ということである。メンザー時代は、日本への進出や、イギリスやメキシコの成長で、海外事業全体を大きく成長させたが、どちらかというと地固めにプライオリティを置いていたような気がしている。デュークに期待されているのは、固まった体制を土台としての飛躍であろう。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:05 PM | | トラックバック (0)

August 6, 2006

メトロの成否は?

私はヨーロッパの事情に詳しくなくて、メトロがウォルマートのドイツ店舗を買収した理由とか、メトロの置かれたポジションなどをあまり理解していなかったのですが、この件につき興味深い記事がWSJ(8/01付)紙に掲載されています。

メトロは複数のフォーマットを持っていて、キャッシュ&キャリー事業は調子がいいが、ハイパーマーケット事業(RealとExtra)は業績が悪いのだそうです。だから、買収するのはウォルマート側だと周囲は考えていて、今回のディールは皆を驚かせた、というわけです。

メトロの意図は、規模を大きくすることによって、物流や取引を強化したい、ということなんですね。しかし、ドイツの専門家の意見はかなり懐疑的で、あまり効果はないんじゃないかという見方が多いようです。

私はウォルマートが失敗した直接的な理由はアルディだと書きました。要はメトロのハイパーも苦戦しているわけで、それだけアルディがドイツでは強いということです。
ウォルマートもメトロも苦戦している。ウォルマート撤退の理由は、ウォルマート固有の理由というよりも、アルディなんだ、と考えたほうがよさそうです。

例えばこのままメトロがハイパーをてこ入れできず、ハイパー事業をすべて売却、なんてことが今後あるかもしれない。そのときに、ウォルマートが手を上げたりする、なんてシナリオをふと思ったりしてしまいました。
アルディが強い限り、あり得ないかな(笑)

実は先週一週間、某大手メーカーさんの米国研修にコーディネーターとして参加したのですが、欧州に詳しいコンサルタントの矢矧さんが同行され、実に興味深い議論をさせてもらいました。
流通業はグローバルに理解していかないと、やはり片手落ちなのだということを実感しました。
欧州に片足を置いてみていろいろ考えたことを、少しずつアップしたいと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:45 AM | | トラックバック (0)

August 1, 2006

ウォルマートのドイツ事業失敗のお値段

ウォルマートのドイツ撤退情報第二弾です。

モルガンスタンレーの予測によると、ドイツ事業失敗の総コストは25億ドルに達するのだそうです。メトロへの売却額の予測は試算評価額よりもかなり低い2億5000万ドルで、まあ、焼け石に水のようなもののようです。
(これはあくまでも予測で、ウォルマートは詳しい数値を公表していません。)

25億ドルとは、1ドル120円換算で3000億円です(笑)
これには損失として計上予定の10億ドルの撤退コストが含まれているのですが、それでもウォルマートは06年の業績目標を達成するだろうとのこと。
やはり巨人、規模が違う。
確かにドイツは赤字を垂れ流してきましたが、ウォルマート自体はずっと大きな黒字を計上してきたわけです。85店舗の売却など、たいしたものではない、ということですね。

ちょっとだけ感じることは、Retail is detail的なマインドがどんどん薄れているんじゃないかということですね。つまりこれだけのサイズになると、100店舗規模のスクラップなんて確かにたいしたものじゃないわけだけど、結果として、1店舗ずつ考える、1アイテムにこだわる、という文化が失われていくんじゃないかなと。

マクネア理論が実証されるときが来るのだろうか、なんてことをふと思いました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:19 PM | | トラックバック (0)

July 30, 2006

ウォルマートがドイツから撤退

すでに日本でも報道されていると思うので事実については詳しく書きませんが、ドイツからの撤退をウォルマートが決めました。全店舗をメトロに売却しての完全退却です。
韓国からの撤退時に、次は日本ではなくてドイツだろうと予測したばかりで、こういうふうにヨミがあたるとうれしいです(^^)v

資産の評価額よりも安く売ったようで、「ウォルマートは撤退を急いだ」のだそうです。文脈からは叩き売りしたような印象があるのですが、なぜなんでしょうね。マイケル・デュークに課せられた使命はボブ・マーチン時代の清算にあるというのが私の見方で、とすると就任時からドイツ撤退は決定事項だった、叩き売りでも何でもとにかく売ると決めていた、と見るのが妥当なんでしょう。

ウォルマートがメトロを買うと言われたりしていただけに、逆パターンになったのは結構意外でした。

資料によると、ドイツの来年の予測売上高は、イギリス、メキシコ、カナダ、日本、ブラジル、中国に次ぐ7位にまで落ちているんですね。01年に4位だったので売り上げが急速に落ち続けている。これだけ落ちれば、売却を考えるのは妥当というものです。

失敗の理由はいろいろ言われています。アルディ等のハードディスカウンターに勝てなかったのが直接的敗因ですが、遠因はインタースパーの買収にあったと私は思ってます。ウォーコーフの有能な人材がインタースパーを嫌って流出してしまったというのは有名な話です。ちょっと言葉が悪いですが、悪貨が良貨を駆逐してしまった。
立て直せると思って買った企業が重荷になってしまったという意味では、アルバートソンズとアメリカンストアズに似ているかもしれません。

この結果ウォルマートはヨーロッパにアズダのみという状況となりました。東ヨーロッパへの進出機会はかなり低くなったと考えられます。ただこれをもってしてウォルマートはヨーロッパから永久に消えると考えるのは早計です。カジノが売却を考えていて、ウォルマートが交渉を持っているという噂もあり、大きな利益を出している企業だけに再びヨーロッパに投資、ということはありえなことではありません。
このことは、韓国撤退のときにも書きましたね。

さてここで皆さんの興味は日本をどうするかということだと思います。
中国、南アメリカ、そしてインドに力を入れようとしていることは確実なのですが、日本については今ひとつ戦略がクリアでないことは確かです。

少なくとも、日本では投資額を増やしたばかりではあり、まだしばらくは格闘しようという意思は持っていると私は思ってます。私が経営者であれば、お金をつぎ込んですぐに撤退するということはしません。

これも以前書きましたが、日本に進出している米国企業の多くが日本で大きな利益を上げているという事実があります。例えばコカコーラは利益の2割を日本ではじき出しているという話があるのですが、マクドナルドなど日本で利益を稼いでいる米国企業は数多い。

いっぽう例えば、ユニリーバやネスレなどドイツでの商品戦略を大幅に見直している大手企業が多いのですが、どうもドイツという国は他とかなり異なっているようです。逆に言うと、ドイツより日本のほうが米国企業にとっては与しやすいような気がする。
日本特殊論を語る日本人は多いですが、ドイツの方が特殊なようで、そう考えると、ドイツから撤退するのは分かるが、日本から撤退するのは...?と見られて、ウォルマートの海外事業の評価ががくっと落ちてしまう可能性が高い。
従って、そのポテンシャルと、周囲の評価を考えると、日本からはそう簡単に引くことはできないだろうと私は考えているのです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:02 AM | | トラックバック (0)

July 29, 2006

ウォルルマートがニュースのRSS配信を開始

ウォルマートがニュース配信をRSSとしました。

私はウォルマートのプレスリリースを、同社のサイトで登録して自動配信してもらっていたのですが、突然RSS形式に切り替えるというメールが届いて、それ以来ブロードキャストがなくなりました。

指示に従ってサイトに行ってみると、すでにブログ形式をかなり取り入れて、情報の配信のしかたがかなり変化していることに気づきました。社員のブログもあったりして、業界では最も先を進んでいるんじゃないでしょうか。

同報メール(ブロードキャスト)がプッシュ型だとすると、サイトでの情報掲示がプル型、RSS配信はその中間と言うことができるでしょう。

受け手から見た場合、、RSSは情報の切れ端をまず見ることができて、どれを詳しく読むか取捨選択することができる。
これはいろんな意味で便利です。迷惑メールも含めて受信メールが幾何級数的に増えて、読まずに捨ててしまうメールが多い中、RSSで知りたいものだけを見ることができるというのは助かります。

また情報発信側としては、メールアドレスを登録してもらい、データベースを管理して・・・とコストがかかるブロードキャスト型よりも、RSS型の方が容易に仕組みを作れるメリットもあります。

例えばP&Gは商品のダイレクトな情報ではなくて、カテゴリー別にソリューション型の情報をすでにRSS配信しています。ストーニーフィールドという乳製品メーカーは、ブログ自体を持って情報発信しています。

ということで、RSSは情報発信手法として今後主流になって行くと思いますので、皆さんもそろそろ準備されると良いでしょう。

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投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:45 AM | | トラックバック (0)

July 25, 2006

インストアクリニックと米国医療システムの破綻

ウォルグリーンがインストアクリニックの拡大を発表しました。年末までに、アトランタ、シカゴ、ラスベガスで、各都市12以上の店舗でインストアクリニックを展開するとしてます。各都市ごとに、別々の企業とパートナーを組む模様。

流通ニュースCVSの買収RediClinicと記事にしてきましたが、リテーラーによるインストアクリニックのテナント展開は、完全なトレンドとなってます。

さて、前回のウォルマートの記事で、アメリカの健康保険システムは破綻していると書きました。細かい説明は省きますが、一つだけ指摘すると、健康保険を持っていない(または持てない)人が人口の約15%もいるという事実です。医療の不公平が常態化している。

実を言うと、リテーラーによるインストアクリニックの展開も、つまるところはこの壊れた医療システムに起因しているんですね。つまり、様々な理由で思ったとおりの医療を受けられない人たちが結構いて、リテーラーが彼らのニーズの受け皿として機能を果たし始めているというのが、私の見方なんです。

ということで、ウォルマート店員の福利厚生問題も、リテーラーによるインストアクリニックも、根っこの本質は同じところにあるのです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:35 PM | | トラックバック (0)

July 24, 2006

ウォルマートがメリーランド州規制訴訟で勝訴

ここで言うメリーランド州規制とは、1万人を超える社員を雇う企業は給与総額の8%を健康保険に支出しなければならないという、メリーランド州が独自に制定した州規制のことです。

ウォルマートはメリーランド州で16000人を雇用しているのですが、多くの店員が健康保険に加入しておらず、州の公的福祉保険のやっかいになっていて、ウォルマートにそのコストを負担させることを目的として規制が成立しました。昨年末に州議会を通り、州知事が拒否権を発動したにもかかわらず、議会が拒否権発動を無効にして成立した経緯があります。

ちなみに州知事は共和党、議会の与党は民主党で、共和党対民主党の色合いが濃厚。
もう一つちなみに、ウォルマート店舗が多い州の知事は共和党という事実がありまして、反ウォルマート運動は民主党寄りなんですね。

この規制に反対して、ウォルマート等の大手リテーラーを代表してRILA(The Retail Industry Leaders Association)が地裁で訴訟を起こし、地裁の裁判官は、州独自のこの規制は州間の公平感を欠くとして違法という判断を下し、リテーラー側が勝訴したのでした。
労働者の福利厚生に関する規制は州別ではなくて連邦レベルで扱われなければならない、という論旨です。

表面上は協会の勝訴ですが、実質的にはウォルマートなので、表題では「ウォルマート勝訴」としましたし、米メディアのほとんどもそう捉えています。

メリーランド州議会は控訴するようで、ひょっとするともう一つ上の連邦最高裁判所までもつれこむ可能性もあるかもしれません。

この問題、本質はアメリカの健康保険システムの破綻にあるというのが私の見解でして、ウォルマートは単にスケープゴートになっているだけだと思っています。国が動かないから巨大企業であるウォルマートを狙うのがもっとも効果的、というわけです。

蛇足ですが、今回判決を下した地裁の裁判官はウォルマートのケースを取り扱うことが決まった直後に、持っていたウォルマート株をすべて売却したそう。日銀の福井総裁も見習うといいんじゃないでしょうかね(笑)

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:26 PM | | トラックバック (0)

July 17, 2006

ウォルマートがオーガニックキャンペーンを開始

ウォルマートがオーガニックの広告プッシュを開始しました。予算数百万ドルを投入し、TV、ラジオ、オンライン、チラシ、インストアとすべてを利用して、オーガニックを宣伝しはじめた。

キーワードはこれ。
"Introducing Organics at the Wal-Mart price"、価格の安さを強調しています。

オーガニックはいわばプレミアム商品でして、スーパーマーケットとしてはウォルマートのような価格志向型フォーマットとの差別化の武器であったわけです。ウォンツ型の粗利益を稼げる分野と言う事もできる。
ここに、ウォルマートが切り込んできたわけで、スーパーマーケット側は対応を考えざるを得なくなるかもしれません。

またこのオーガニックという領域であまり強い存在感を示していないターゲットが今度どうするのか。

オーガニック戦争の火蓋が切って落とされた、というような印象です。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:34 PM | | トラックバック (0)

「インストアTVネットワークが持つポテンシャル」Vol.10,No.29

アメリカ流通eニュース

 今回は前回のトピックの中で出てきた、店頭でのTVネットワークについて簡単にまとめておこうと思う。日本ではあまり触れられていない分野だと思うし、テーマが違うので私も書いたり話したりすることがないのだが、実はかなりの規模であることと、使い方次第では非常におもしろいツールになると思われるのである。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:16 PM | | トラックバック (0)

July 10, 2006

「店頭広告の一般メディア化を指向する米国流通業界」Vol.10,No.28

アメリカ流通eニュース

 PPAI(Promotional Products Association International、国際販促物協会)という販促物を作る、または使う企業の協会が、インストア広告調査(In-store Advertising Study)というベンチマークスタディを主催し推進しようとしているのだが、主要企業であるウォルマートとP&Gが6月に委員会から脱退することを表明した。理由は明らかになっておらず、様々な憶測が流れている。
 興味深いのは、店頭をメディアと捉えて、テレビやラジオ広告と同等の測定基準を作ろうという、このベンチマークスタディの目的である。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:14 PM | | トラックバック (0)

July 4, 2006

コカコーラ・ボトラーとウォルマートの熱き戦い

コカコーラのボトラーがゲータレードの物流問題で、コカコーラ本体を相手として訴訟を起こしているそうです。

コカコーラは、店舗に商品を直送する典型的なダイレクトストアデリバリー(DSD)メーカーです。ウォルマートはゲータレードを自社物流網に乗せたい意向があり、コカコーラ本社がこれを受け入れた。しかしボトラーが反発して、契約違反として本体を訴えたというわけです。

コカコーラ本社による裁判所での証言によると、DSDをやめてDC配送にしたらゲータレードの仕入れボリュームを2倍にする、しかし今のままのDSDを維持するならばPBを導入する、とウォルマートはコカコーラに迫ったのだそうです。

背景を理解するために必要な知識は2つ。
まずコカコーラには資本関係の無いボトラーが数多くいて、彼らの店舗直配体制をコカコーラ本社は簡単にはコントロールできないことです。

2つ目は仮説として、ウォルマートがDC配送を迫るということは、ボトラーによるDSDに対してウォルマートが不満を持っているのではないかということです。仕入れボリュームを2倍にするということは、DC配送にすればそれだけ売れると見込んでいるからに他なりません。たぶんボトラー配送には欠品が多いのではないでしょうか。

この件、詳細は流通eニュースに書きます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:47 AM | | トラックバック (0)

June 28, 2006

ウォルマートのオーガニックアパレル

ウォルマートがアパレルにオーガニックをを置き始めました。

DSCF4302.jpgこの写真は、スーパーセンターの主通路上の島陳列、PDQと呼ばれる即陳ディスプレーを使ったもので、Feded GloryというPBです。

導入するということについては発表していて、知ってはいたものの、実際に商品を見て、軽く驚きました。正直なところ、今までのウォルマートとは違う商品です、これは(笑)

オーガニックのアパレルとは、オーガニック素材(具体的にはコットン)を使って作られたアパレル、ということになります。
食品の場合実際に体の中に入れるため、健康に良いというご利益があるわけですが、アパレルの場合体内に入れるものではなく、では何がご利益なのかというと、環境に優しいという一点のみです。
つまりオーガニックアパレルを買うという行為は、環境に貢献するという極めてソーシャルな意識のみで成立するものであるわけです。

ウォルマートはこれを、イメージの改善に使いたいわけです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:44 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)

June 26, 2006

「コカコーラの物流システムに変革を促すウォルマート」Vol.10,No.26

アメリカ流通eニュース

 コカコーラのボトラー50社が、コカコーラを相手取って訴訟を2月末に起こしている。理由はウォルマートがコカコーラのDSD物流に対して変革を迫り、これを受けざるを得なくなったコカコーラがボトラーに対して変化を要請したのだが、受け入れを拒んだボトラーが訴訟で対抗しようとしたものである。
 6月1日にはコカコーラ社が法廷で、ウォルマートからの要請の一部を証言したのだが、メーカー物流に対してさえも効率化を迫るウォルマートの姿が浮き彫りとなった。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:09 PM | | トラックバック (0)

June 20, 2006

「ウォルマートは売価を上げずに従業員の給料をアップさせることができる」というスタディ

タイトルがちょっと長くなりましたが(笑)
これはEcoomic Policy Instituteという研究所が発表した研究結果で、つまり、純利益高(日本で言うところの最終利益高)を下げてその分を店員の給料に回せば、売価を上げずとも、給料を上げることができるということを言おうとしています。

現在の3.6%から2.6%へ下げると20億ドルがういて、それを給料や福利厚生にあてられる、と主張しています。

個人的には、この程度のことは誰でも分かっていることで、何をいまさら研究結果として発表する必要があるんだろうかと思うのですが、この研究