November 16, 2009
[ウォルマート] サプライヤーへの支払いを短縮して金融支援
ウォルマートが金融収縮を背景として、衣料サプライヤーに対して支払い短縮化のオプションを提供し始めました。通常の支払いサイトは60~90日で、これに対して10~15日間のサイトを提供。目的は商品の安定供給を確保するためですね。
資金繰りがたいへんなこのご時世に、ウォルマートの衣料サプライヤーは一息ついていることでしょう
適用を受けられるサプライヤー数は1,000社以上、他の分野のサプライヤーに拡大する予定は今のところないとしています。
小売業というものはすべからく、支払いを長くすることで回転差資金を出して、無利子のファイナンスをサプライヤーから受ける、というのが通常の商慣行なわけですね。
今回のウォルマートのプログラムはその逆で、支払いを短くしてサプライヤーに対してファイナンスを提供しているというわけです。
ウォルマートのサプライヤーに対する姿勢というものが垣間見れるニュースだと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:40 PM | | トラックバック (0)
October 30, 2009
[ウォルマート] 小型フォーマット強化をコミット
先週のカンファレンスで小型フォーマット強化へコミットしたようです。報じているのはPlanetRetail、CEOのマイケル・デュークのコメントを引いているのですが、それよると'新たな革新的なフォーマットを導入する'となっていて、それが既存のネイバーフッドマーケットやマーケットサイドをバージョンアップしたものなのか、またはまったく別のフォーマットの投入を意味しているのかは、今のところ不明です。
先週、ベントンビルの隣町のロジャーズのネイバーフッドマーケットを見ました。オープンしたばかりの新プロトタイプなのですが、ごく簡単に言えばフレッシュをかなり強化していて、従来のコストコントールを重視したフォーマットと一線を画していました。
正直言うと、なるほどこうするのかと、ちょっと驚いた。
たぶん大都市圏への参入を考えてのことなのでしょう。
別フォーマットとしては、ヒスパニック向けのスーパーメルカドがうまくいっているので増やすプランがあることを、カストロ・ライトが明言してます。
それとデジタルメディアへのコミットもコメントしていて、来週中にFacebookでイニシアチブを立ち上げる模様。'デジタルでの存在はこれからかなり大きくなる'と言ってるのですが、これはこの5年ぐらい継続している家電/エンターテイメント強化と連動しているように思います。
我が国の大手チェーンストアは食品と衣料の呪縛から解き放たれることができないでいるように感じているのですが、一方ウォルマートはここ数年家電が最重要だとしていて、対照的だなとずっと思ってます。
<追記>
本日より再び出張で、いまはカナダのトロントにいます。カナダの流通は人口が少ないので小売企業のバラエティは限定されていますが、アメリカやヨーロッパとはまた違う小売企業が存在して非常におもしろいんです。
ちなみに今回の目的はショッパーズ・ドラッグ・マートです。
これからまたしばらくアップデートのリズムが崩れますがご容赦ください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:05 AM | | トラックバック (0)
October 27, 2009
[ウォルマート] ウィークリーの値下げ販促プログラムを開始
先週の水曜日、投資家カンファレンスの初日におそらく合わせてのことだと思うのですが、新しいプロモーションを始めました。
ウィークリーで商品を変えて値下げを実施する販促プログラムです。期間は年末まで。
選択商品の数は少なくて、先週公的に発表されていたのは、牛ひき肉(精肉)、バナナ(青果)、ビタミンC(サプリメント)、Bakugan Traps(玩具)、ボードゲーム(玩具)、口紅(ビューティケア)、6つだけです。
こういう作業コストが上がることはやらないのがウォルマートの基本的な企業ポリシーですね。
ですからまあ、哲学の根幹に関わる販促プログラムではあるわけです。
今の時期、お客のアテンションを引くためにはやらざるを得ないというわけですが、これが本当にウォルマートにとって良いことなのかどうかは、結果を見ないと分からないところではあります。
ちなみにカンファレンスでは、来年の設備投資など戦略的な発表はいろいろありましたが、戦術的には言及されなかったようです。例えば小型店舗に対する注力という表現はあるのですが、ネイバーフッドマーケットやマーケットサイドをこれからどうするのかという具体的なところには踏み込んでいませんでした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:19 PM | | トラックバック (0)
October 20, 2009
[ウォルマート] 小型フォーマットへ注力か?
ウォルマートがこれから小型フォーマットへ注力しはじめるという記事をファイナンシャルタイムズ紙が報じました。
ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスといった人口が密集した大都市圏での展開を視野において、これからの成長エンジンにするとしています。
記事によるとネイバーフッドマーケット専用の組織を作り、店舗運営やバイヤー集め始めているそうです。
ただ新聞が報じたことなので100%確実という話ではありません。今週後半にウォルマートは投資家向けのカンファレンスを開催するそうで、そこでこの件についてのアナウンスがあるかもしれません。
ネイバーフッドマーケットは1998年に開発されたフォーマットですが、10年が経過した現在いまだ150店舗に過ぎません。ラスベガス、フェニックス、ダラス商圏といった限定商圏のみでの展開で、それ以外の地域ではほとんど増加していません。
増やしていない理由はROIの高いスーパーセンターへリソースを集中するためということになっているのですが、繁盛モデルになっていないことも理由の一つでしょう。店舗のアソートやプライシングがスーパーセンターを援用したに過ぎなくてスーパーマーケットとしてのおもしろさをいまだに作れていないのですが、結局リソースをこちらに振り向けていないため進化できないでいるのだと思っています。
ただし売り上げが低そうな店舗では店員が非常に少なく、アソートメントや陳列方法など現場をざっと見る限り、低売上高でも利益が出せるよう作業コストのかからないオペレーション構造を持っているのではないかと私は推測しています。
もともとスーパーセンターの成長の限界を見越して開発されたものなのですが、ようやく頭打ちに現実感が出てきたため、本腰を入れ始めようということなのでしょう。
10年越しで別フォーマットを強化し始めるというのも、ウォルマートならではという感じはしますね。
ちなみにネイバーフッドマーケット1号店のオープニングセレモニーに私は参加しまして、当時の経営陣のデイビッド・グラスやトム・コグリンのスピーチを聞いたものです。あれからもう10年が経ったのかと軽い感慨がこみあげてきました。
本日はそのベントンビルに来ています。
明日はProject Impactのモデル店舗を見に行く予定です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:38 PM | | トラックバック (0)
October 17, 2009
[ウォルマート] ネットでアマゾンと価格勝負
10/16付けのウォールストリートジャーナル誌が、ウォルマートとアマゾンの価格マッチングについて記事にしています。
10/15にウォルマートが発刊前だけど有名な書籍10冊を予約してくれた人に対して、価格を10ドルに値下げするプロモーションを開始。
これに対してアマゾンがすぐに価格マッチさせ、同じ本を10ドルに値下げ。
ウォルマートはすぐに反応し、翌日の朝までに9ドルに落とすと発表。
これにアマゾンも対応して9ドルに値下げ。
そして10/16の午後の時点では、ウォルマートはすべて8.99ドルとしていて、アマゾンよりも1セント安く売っています。
定価が22~35ドルというハードカバーで、完全に赤字販売、ロスリーダーです。
この新刊本をロスリーダーにすると言う売り方は、流通が再販制度で守られている日本ではあり得ないことです。
ウォルマートはネット販売に本腰を入れてますね。
アマゾンと戦おうとしている。
アマゾンは当初ネット業界のウォルマートになると言っていたのですが、もう越えてしまったように思います。これに対してウォルマートが真剣に勝負を仕掛け始めた。
ウォルマートがネット販売に注力し始めた理由は数日前に書いたとおり、プロジェクトインパクトで店頭アソートメントを絞っている分をネットで補完しようとしているのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:53 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
October 15, 2009
[ウォルマート] カルフールのアジアと南米事業に買収提案
ウォルマートがカルフールのアジアと南米の事業に対して買収提案をしたが、提案価格が安かったためカルフールが断ったという記事を、フランスの経済誌がブログでエントリーしたようです。両社ともにコメントしていないので確証はありません。
一方、カルフールが中国から撤退するという噂が流れていて、カルフール中国の広報が中国のメディアに否定するコメントをしているようです。店舗数と売上高でウォルマートとRT-Martに抜かれたことが噂に拍車をかけている。
この2つ、ほぼ同時にニュースになっていて、カルフールが海外事業に対して何らかのアクションを起こしていることは確かなような気がしますね。
1月にCEOがネスレから来た経営者にバトンタッチされ、以来かなり大胆な施策を打っているようで上半期は赤字だった模様。こういう場合、早期に結果を出さないとまずいですから、大きな戦略的転換がなされる可能性が高まります。
しかし、もり仮にウォルマートが買収するとなるとグローバル流通の図式がまた大きく変わることになり、そんなわけでこのニュースに目が止まってしまったのでした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:47 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)
October 13, 2009
[ウォルマート] ネット販売にヘルス&ビューティケアを投入
ウォルマートがヘルス&ビューティケア商品と消耗雑貨の一部をネット販売に投入しました。
ネットを見ると中分類は、ビューティ、ダイエット&ニュートリション、ホームメディカル(介護用品)、インファント&チャイルドケア(おむつ等のベビー用品)、マッサージ&スパ、メディスン・キャビネット(薬)、パーソナルケア、ファーマシー(調剤)、ビタミン&ハーブ、となっていて、必要とされる分野はほぼすべて網羅されています。
とうとうここまで来たのか、という印象を持ちました。
およそ10年近く前にネット販売に参入、ネット向きとされている家電やスポーツ用品から参入し、一方単価と荒利益が低いHBCやグローサリーは避けてきたのですが、とうとうHBCを扱うまでに至ったというわけです。
ふと気づいたのですが、ベータ版と称してすでに食品も取り扱ってまして、これで主要な部門はすべてカバーしたということになります。ただしこの食品、宅配はしておらず、ネットで注文して店舗で受け取るSite to Store扱いということになるようです。
またすでにエントリーしましたとおり、マーケットプレイスで外部ベンダーの商品も扱い始めてますから、取り扱い範囲は極めて広範囲になりました。
ウォルマートは明らかにネット販売を強化しているのですが、理由の一つは店頭でのアソートメントの削減にあります。リアルで減った分をバーチャルで補完する、という戦略であるわけです。
ところで、先週末から昨日にかけて、東海岸まで足を伸ばして出張し、ウォルマート関係者に取材をしてきました。チェーンストア誌での執筆用でして細かいことは書けませんが、やはり実際に人に会って得る情報は貴重だなとあらためて実感しました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:50 PM | | トラックバック (0)
October 9, 2009
[ウォルマート] DVD売場を縮小?
ウォルマートが売れ筋DVDを陳列するディスプレーを撤去する予定であるという記事を、今週初頭ウォールストリートジャーナル誌が報じました。
記事の文面がクリアでないため、どの程度を、そして何を、どう縮小するのか、といったことがよく分かりません。
またウォルマートがコメントしているわけではないので、真偽は定かではなく、実際に売場を確認するまでは100%信じることはできません。
ただDVD市場について考えると、これはありえるだろうなというニュースです。
記事に掲載されている事実をいくつか。
◇ウォルマートは全米DVD売上高の3分の1を占めている。
◇今年の上半期、DVD市場は前年比13.5%減の54億ドルとなった。
◇同じ時期に、DVDレンタルは8.3%伸びて34億ドルとなった。
◇デジタルダウンロード(アマゾンとアップル)は21%伸びて9億6,800万ドルとなった。
単純に、市場の減少に合わせて売場を縮小する、ということなのかもしれませんね。
ただ売場の拡縮って面倒ですからけっこう放置してしまいがちでして、もしそうならば、ウォルマートのアクションの早さは相変わらずということになります。
紙面では現在進行中のプロジェクト・インパクトの一環と書いてあったのですが、それもあるのでしょうが、現在の売上とこれからの予測と、これに合わせてしゅくしゅくと売場を変えているに過ぎないのかな、という気がしています。
アナリストのコメントが印象的でした。
「ウォルマートはもはやDVDとブルーレイが集客要素にならないと見なしていることを示唆している、と我々は考えている。」
目的来店性は確実に少しずつ弱くなってきているんでしょうね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:54 AM | | トラックバック (0)
October 5, 2009
[ウォルマート] 火蓋を切った歳末商戦、10ドル玩具を拡大
昨年ウォルマートは歳末に、10アイテムに限定して大幅値下げし10ドルで提供するプロモーションを実施しました。
10月に入り今年も同じプロモーションを始めたのですが、今年は100アイテムに拡大しているようです。
競合企業が同じ商品をウォルマート価格よりも安く売っていたら、価格マッチすることも表明しています。
昨年はバービーなどの売れ筋を40%程度値引いていました。こちらがその時の写真です。ウォルマートの玩具10ドル販促
7月から8月にかけての新学期セールでは70シートのノートを破格の一冊15セントで売って目玉にしていた企業ですから。1割や2割ではインパクトがないですから、たぶん今年もたぶん4割程度の値引きはやっていることでしょう。
まだ歳末なんて早いじゃないかと思う方も多いでしょうが、年末までもうすでに3ヶ月を切っています。ウォルマートのロールバックは3ヶ月間継続しますから、10月に始めるというのは特別早いというわけでもなく、彼らの通常の販促プロセスにのっとったものなのです。
ただ、値引率が大きい。
トイザラスがポップアップストアで勝負をかけてます。
シアーズも玩具売場を設置する。
玩具を中心として、歳末商戦の火ぶたが静かに切られました。
<追記>
モバイル用のインターフェースを用意しました。こちらのサイトでMovableTypeの簡単なカスタマイズ方法を見つけ、やったらできたものです。
crema design
黒野さん、ありがとうございました。
URLはこちら。
鈴木敏仁のRetailweb
ぜひご利用ください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:04 PM | | トラックバック (0)
September 1, 2009
[ウォルマート] マーケットプレイスでネット販売を拡大
ウォルマートがネット販売で新たな取り組みを開始しました。アマゾンやeベイがやっている他のリテーラーの商品を自社サイトを通して販売する手法で、ウォルマートはマーケットプレイスと呼んですでに稼働中。リリースによると100万近い新商品の取り扱いを開始したとなってます。
売るのはウォルマートですが、配送や返品など販売以降の処理はすべて他社が行うので、ウォルマートが関与するのは決済だけ、利ざやを稼ぐ商売ですね。
この手法、著名企業にとっては取扱商品を拡大できるメリットがあり、無名企業にとっては無名という理由で買いづらいハードルを打破できるメリットがあります。
ただゲートウェイとなる企業にとっての課題は、他社のサービスクォリティの管理が難しいという点にあります。アマゾンもこれにはかなり苦労してきていて、かなりのノウハウがあるんですね。例えばお客と他社は直接やりとりできずアマゾンサイトのメッセージ機能を使わなければならないのですが、これはアマゾンが内容をモニターするためにあります。
こういう小さな積み重ねが結構あって、だからうまく行っているわけです。
ということで、表面的には簡単そうに見えるけど、実は奥が深い。まあウォルマートの資本力にすれば、そのくらいのハードルは簡単に乗り越えてしまえそうですけどね。
<追記>ビューティ360の4号店がオープンしたので週末に見に行ってきました。メンズのパーソナルケアに高級ブランドが並んでいるのは確認できたのですが、ディオールやエスティーローダーのようなプレスティージブランドは確認できませんでした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:16 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)
August 19, 2009
[ウォルマート] ハードキャンディの販売開始
ハードキャンディというコスメラインをご存じでしょうか。私は知りませんでした。
ハイエンドのブランドで、セフォラレベルのリテーラーが販売しているそうです。
ウォルマートがこの会社と取引を開始、専用商品を開発してもらって9月から販売を開始するそうです。価格帯は5~10ドルで平均は6.40ドル、対象年齢層は18~35歳。
NYマンハッタンの高級ホテルで商品のお披露目、内覧会をやったようで、トレンディ雑誌を中心としたメディアが集まったそうです。
中~高所得層の消費者を獲得して市場を広げたいという、ここ数年ウォルマートが取り組んいる戦略の一環ということになるのでしょうが、昔のウォルマートを思い出すと確実の感があります。NYの高級ホテルを使うなんて、サム・ウォルトンには思いもつかないイベントでしょうね。
ウォルマートのビューティ、売場を見れば分かりますが本当に良くなってきました。
追記:明日より休暇です。26日まで更新をお休みしますが、ご容赦ください。リフレッシュして戻ってきたいと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:17 AM | | トラックバック (0)
July 24, 2009
[ウォルマート] コスト・サプリメント・イニシアチブが持つ意味について
先週の20日、アドバタイジング・エイジ社がウォルマートのコスト・サプリメント・イニシアチブについて記事を掲載していました。
メーカーのマーケティング予算はざっくりと大きく2つに分類することができますね。消費者向けのコンシューマーマーケティングと、流通向けのトレードマーケティングです。ウォルマートがはじめた今回のイニシアチブは簡単に言うと、メーカーの総売上高に占めるウォルマート比率にきっちり沿ってウォルマートに対する流通販促費を支出せよ、とするものです。
ウォルマートが求めているのは、共同テレビ広告(ウォルマートの広告だけどNB商品も一緒に販促する)、インストアTV、それとネット販売のバナー広告です。
つまり、メーカーがこれらのMeasured Media(広告効果を計測可能なメディア、チラシや値下げ販促へのリベートなどは効果を計測できないので含まない)に対して予算を割いているとして、そのうちウォルマートに拠出する金額を売上比率にきっちり沿って支払ってちょうだい、とするものです。
まだこの件について関係者と話をしたわけではないので詳しくは分かりませんが、このイニシアチブの結果、コンシューマーマーケティング予算として計上しているものがトレードマーケティング予算へと移ってしまう可能性があります。またひょっとするとウォルマートへの流通販促費が増えてしまい他を削らなければならなくなるうメーカーもいるかもしれません。
ということで、広告業界としては非常にアグレッシブなイニシアチブだとして、記事が掲載されたのでした。
たぶんウォルマートとしては、公平に支払ってよ、ということを主張しているに過ぎないのでしょう。
さてこのイニシアチブの本質が何かというと、ウォルマートはもはやNBメーカーを掌中に置いてしまっているということなんですね。
ウォルマートのお客はこうだからこういう商品を開発すべきだ。
こういうパッケージがウォルマート向きだ。
配送はこうした方がいい。
ウォルマートはメーカーに対してアドバイスをします。
つまり製造から棚の上に至るまでのコスティングがウォルマートの意図に沿っているわけですね。
ここにマーケティング予算が加わったに過ぎません。
このイニシアチブを知って想起した言葉です。
「ウォルマートはトヨタである」
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:28 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)
July 21, 2009
[ウォルマート] 商品の環境負荷度を表示するエコラベルを導入へ
遅くなりましたが、先週ウォルマートが発表したエコラベル(worldwide sustainable product index)についてまとめておきます。
発表したのは7月16日、サプライヤー1,500社を招いて開催されたサステナビリティ・マイルストーン会議(Sustainability Milestone Meeting)においてでした。
簡単にまとめると、全商品の製造から廃棄に至るまでの環境負荷を総合的に評価測定し、レーティングし、消費者が分かるようにラベル表示する、というものです。
実施までに3つのステップを踏むことを想定しています。
1、世界中の10万以上のサプライヤーに対してアンケートを実施する。質問は4つの分野に分類されている。エネルギーと天候、原材料の効率性、天然資源、市民とコミュニティ。質問の内容は温室効果ガス排出量といった一般的なものから、水の使用量や廃棄物量など新たな質問が含まれる。
2、大学、サプライヤー、リテーラー、NGO(民間団体)、政府組織からなる産学協同のコンソーシアムを結成し、原材料から廃棄に至るまでの商品ライフサイクルに関する情報を網羅したグローバルデータベースを構築する。名称はSustainability Index Consortium、ウォルマートが資金を供出して設立し、全流通企業を招待する。またテクノロジー企業と共同でオープンプラットフォームを作る。
3、できあがったデーでベースを元に、各商品のサステナビリティ度をシンプルなレーティングに置き換え、消費者に分かりやすいようにラベルを貼り付ける。
重要なポイントはこのエコラベルを自社のみで実施するのではなく、製配販に関わる世界中のすべての企業に参加を呼びかけている点にあるでしょう。
アメリカを代表するリーディング企業は、ゼネラルモーターズやゼネラルエレクトリックといった製造企業から小売のウォルマートに移行したと言っても、もはや過言ではないのかもしれないと感じました。
参考までに、英語となりますが以上のプロセスの概要は以下の資料で参照できます。
Sustainability Index Fact Sheet
15 Questions for Suppliers
またこの会議の様子はビデオキャストされています。
こちらはダイジェスト版。
Sustainability Milestone Meeting
またキーパーソンによるスピーチをすべて個別に見ることも可能です。
とりあえずマイケル・デュークのスピーチを。
余談ですが、ダイジェスト版を見て分かる通り、会議の最初に相変わらずちゃんとウォルマートチアやってるんですよね。ウォルマートという企業の社風を感じ取れると思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:41 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
July 8, 2009
[サムズクラブ] メキシコでアップルの販売を開始
メキシコのウォルメックス傘下のサムズがアップル売り場の展開を始めました。1つ目をすでにオープン、8店舗で売ると言うことです。
資料によるとiPodだけではなくてPCのマックもようです。
アメリカでは、販路を広げたいがブランディング上ウォルマートで売ることに慎重なアップルと、PCも含めてアップル商品を幅広く取り扱うことで客層を広げたいウォルマートの目論見が重なり、どうするかを両社が協議しているところです。
このメキシコでのニュースは、両社のグローバルレベルでの取り組みの一環なのでしょうね。たぶんアメリカと流通環境が異なるので、サムズでPCも販売OKとなったのでしょう。
ウォルマートがアップル商品を取り扱うというニュースはこれからも続くだろうと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:11 PM | | トラックバック (0)
June 17, 2009
[ウォルマート] 2009年度版のサステナビリティレポートをリリース
ウォルマートが環境問題への取り組みについてのレポートをリリースしました。
タイトルは'2009 Global Sustainability Report'、サマリー版はこちらからダウンドーロできます。
2009 Global Sustainability Report Executive Summary
また全編を見てみたいという方はこのメインページからアクセスする必要があります。
Global Sustainability Report
今までもレポートは公開しているのですが、おそらく最初のもっとも本格的なレポートなのではないでしょうか。
全部で111ページ、企業概要からはじまり、CEOのマイケル・デュークのメッセージ、ミッション、環境、ソーシャル(サプライヤーの倫理コンプライアンスや社員の健康保険制度など)、という構成となっています。
興味のある方は詳しく読んでいただくとして、いまウォルマートが環境イニシアチブ(サステナビリティ360)のゴールとして設定しているのは次の3つなんですね。
1、100%自然エネルギーでまかなう。
2、ゴミをゼロとする。
3、資源と環境にサステナブルな商品(つまり持続可能な社会づくりをサポートする商品)販売する。
これに向かって様々なコミットメントを策定し、進捗状況をチェックし、そしてそれらをまとめているのが今回のレポートということになります。
例えば1について10、2つについては9つ、3については17のコミットメントがあって、それぞれについてどの程度達成しているのかを詳しく説明しています。
このレポートを見ると、ウォルマートはまた1つ別の世界へと突入し始めているなということを実感しますね。競合他社とまったく別の土俵に行きつつあるように感じます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:20 PM | | トラックバック (0)
June 5, 2009
[ウォルマート] 株主総会を開催、海外事業は買収を強化
今日は株主総会でした。4時間のカンファレンスで、新CEOのマイケル・デュークを中心とした幹部のスピーチに加えて、お約束の芸能人のパフォーマンスが盛り込まれたいつものお祭り型総会だったようです。
衣料の独占ライセンス契約を結んだばかりのマイリー・サイラスや、バスケットのマイケル・ジョーダンも登場したらしい。
さて資料を整理して気になるところをピックアップしておきます。業績がよいので基本的に明るく積極的なトーンがスピーチのベースに流れていました。
◇景気後退が消費の買い物に根本的な変化をもたらした。節約はもはや消費者にとっては当たりとなっている。これから、経済が好転してもお客をつなぎとめることができるよう取り組んでいかねばならない。
◇150億ドルの株式買い戻しを実施する。
◇女性が働きやすく昇進しやすい組織とするために、世界中から女性幹部14人を選んでグローバル委員会を立ち上げた。
◇海外ではさらに積極的に買収機会を探す。
◇実験中のマーケットサイドは景気という悪環境があるためしばらく拡大は延期して4店舗で実験を継続する。
驚いたのは、Twitterを使って総会を生中継したことです。
ウォルマートはとにかく何でもやることが早い・・・。
これがメーンのつぶやき。@Walmartmeeting
そしてこれが画像です。walmartmeeting
期間限定?のビデオキャストはこちら。ShareholderMeeting
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:32 PM | | トラックバック (0)
June 1, 2009
[ウォルマート] インドで1号店をオープン
ウォルマートが先週の30日に、インド北部のパンジャブ州で1号店をオープンさせました。もともとは週の前半にオープン予定だったのですが暴動が発生して延期、いつオープンするか不明というコメントがあったのでここにエントリーするのを控えていました。
外資に対する規制から地元のバールティ・エンタープライズとの合弁による進出で、合弁企業名はバールティ・ウォルマート・プライベート、オープンした店舗名はベストプライス・モダン・ホールセールとなっています。
フォーマットはキャッシュ&キャリーの卸売りで、これも外資から地場の中小小売業者を保護する規制があるため卸売りしか選択肢がないから。アイテム数は6,000、そのうちの90%がローカルから調達した商品ということになっています。
今後3年間で10〜15店舗を開店させる計画だそうです。
店内はどんな感じなんでしょうね。
機能的にはサムズに近いようですが。
インドには昨年イギリスのテスコが現地のタタ・グループとの合弁で進出を決めてますし、フランスのカルフールも参入を考えているようです。ドイツのメトロはすでに5ヶ所展開してます。
成長するインド市場にグローバルリテール資本が集まり始めてます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:05 PM | | トラックバック (0)
May 21, 2009
[ウォルマート] サーキットシティ廃業後のシェア獲得を目指して家電売場のリモデルを実施
ウォルマートが今週いっぱいをかけて、スーパーセンター2600店舗を含む全3500店舗の家電売場を変えているようです。まだ実際には見てなくて、たぶんメジャーな改装ではないと思っているのでここに載せるかどうか迷ったのですが、記事が目立つのでエントリーしておきます。
これはウォルマートバイヤーによるブログです。
Introducing Walmart Wireless...
携帯電話の売場の変更について書いてます。
まず売場名をConnection CenterからWalmart Wirelessへと変更。
次にメーカー別に色分けするなどして分類を分かりやすくした。
最後に店内で選択できるプランの数を増やした。
それとアップルの売場をオーバーホールしてようで、これは今後商品ラインアップを増やすための下準備じゃないかという話が出ています。
アップルはイメージが合わないという理由で昔はウォルマートを敬遠していたのですが、数年前から少しずつ供給を始めている。今のところモバイルデバイスだけなんですが、マックの供給を考えているんじゃないかというんですね。
とまあこういう話はさておき、今回の家電強化の目的は、サーキットシティの廃業によって宙に浮いた売上を奪うためと言うのがもっぱらの評判です。こういう動きの早さがウォルマートの面目躍如です。ターゲットにはこういう話はまだ出ていませんから。
ちなみにウォルマートの家電強化は実は今に始まったことじゃありません。
ターゲットも家電には高いプライオリティをつけている。
だから、専門業態の中で弱体化していたサーキットシティが負けちゃったという図式がある。
では日本の総合業態企業が家電をめいっぱい強化しているかというと、そういう話はあまり聞かず、だから日本では専門業態が強いのだろうというのが僕の見立てです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:42 AM | | トラックバック (0)
May 8, 2009
[ウォルマート] 月次業績レポートの発表を中止
きのうは大手各社による月次の業績発表の日で、悪くない数値が並びまして景気の悪化もそろそろ底を打ったんじゃないかという論調が大勢を占めました。
中でもウォルマートによる5%の既存店成長率が強い印象を残しました。規模が大きいですから、ウォルマートの数値は消費動向のバロメーターとしても機能します。
さてこのウォルマート、この業績発表と同時に、来月から月次報告をやめて四半期ベースに切り替えることを明らかにしました。
「ウォルマートは長期的な成功をベースとして経営されている・・・カレンダー上のシフトのような単発的な要因によって数値上短期的な不安定感を生み出すような問題を減らすことができると思う」(トム・シューウィーCFO)
これに対するアナリストたちのコメントがおもしろい。
みんなこぞって反対してます。
ウォルマートは先行指標である、消費動向が分からなくなる、この景気悪化の時期に悪いメッセージを投げかけたものだ、等々。
数値分析で食べている人たちにとっては痛いでしょうね。
ただ、短い期間の数値を見て右往左往する人たちが減るということは良いことです。
アナリストの反応は、ウォール街の悪弊に毒された短絡的な反論でしょうね。
私はもともと四半期ベースの数値にもあまり興味がありません。昨年は毎月各社の既存店成長率を掲載しましたが、景気悪化の状況を把握したかっただけで、今年はやめました。各企業の業績は年次で見れば十分で、あとは店頭をじっくり見ていれば、何が起こっているのかおおよそ分かってしまうものです。
ちなみにこの数年、月次報告をやめる企業が少しずつ増えてます。資料によると、5年前の87社がいまは34社に減っているそう。トレンドとしては減る方向にあるようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:44 PM | | トラックバック (0)
May 7, 2009
[スーパーバリュ] 新CEOにウォルマートのクレイグ・ハーカート
スーパーバリュが現CEOジェフ・ノッドル(62)の後任に、ウォルマートのクレイグ・ハーカート(49)を選任するという人事を発表しました。就任日は未定、円滑に交代するためにノッドルは会長職にしばらくとどまるそうです。
このハーカート、聞いたことのある方も多いと思います。現在は北も南も含めたアメリカ大陸全体の海外事業を統括している部門のCEOですが、その前はインターナショナル事業部門の上級副社長兼COOだった人で、西友買収後に日本で名前が知られた経緯があります。彼の転出後のポストを埋めたのがカレジッスキーでした。
ハーカートはウォルマートに移る前はアルバートソンズ、そしてアルバートソンズに買収される前のアメリカンストアズでキャリアを積んだ人でした。つまり、現在スーパーバリュ傘下にある企業群に昔いたというわけですね。
アルバートソンズ系の人たちと言語が通じる。
そして、スーパーバリュと競合するウォルマートでの経験がある。
スーパーバリュとしてはこの上ない適任者ということが言えると思います。
ハーカートが転出する理由は定かではありませんが、インターナショナル事業部門のCEOに42歳のマクミロンが異動し、さらにキャリアを上げていく可能性がウォルマート内では低くなったからという説明が一番しっくりきますね。
そう言えば、いまジョン・メンザーはマイケルズのCEOです。
"ウォルマートスクール"ですね、これは(笑)
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:18 PM | | トラックバック (0)
May 4, 2009
[ウォルマート] PBM(調剤給付金管理)プログラムの実験を終えて拡大へ
ウォルマートは昨年の9月からキャタピラー社をクライアントとしてPBMプログラムの提供を実験してきたのですが、実験段階を終えて他の組織へと拡大することを明らかにしました。
PBM(Pharmacy Benefit Management)とは簡単に言うと保険会社や大企業の調剤に関する処理プロセスを代行するビジネスです。詳しく説明するとアメリカの保険システムから説き起こさなければならないのでここでは省きますが、大手ドラッグストア企業は別事業として傘下に持っていますし、CVSが買収したケアマークはこの業界の大手でした。
ウォルマートは調剤売上高でライトエイドに次いで全米4位ですから、このビジネスをてがけかない方がおかしいんですね。ということで今回の事業の拡大そのものは取り立てて珍しいことではないのですが、やろうとしていることがPBM業界に影響を与える可能性があるんです。
PBM企業はクライアント(つまり大手組織)との契約で使う調剤価格をAWP(Average Wholesale Price)という業界参照価格をベースにして決めるのが慣習なのですが、ウォルマートはこれをしないと宣言してます。そのかわり、ウォルマートが支払ったインボイスプライスに経費と利益を乗せたシンプルな価格をクライアントに提示する。透明性を高めようというわけです。
業界参照価格には実はいろいろなコストが含まれていて、調剤コストがアップする温床と言われてます。またPBM企業ががっぽり稼ぐ源泉とも言われてます。
薬剤は製造段階から患者に届くまで、サプライチェーン上にどのくらいコストがかかっているのか非常に分かりづらいのが実際のところなんですね。ここにウォルマートは風穴を開けようとしているように思います。この新機軸がPBM業界にどの程度影響を当てるかは不透明ではあるのですが、いかにもウォルマートらしいイニシアチブじゃないかと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:10 PM | | トラックバック (0)
April 24, 2009
[革新的な企業50社] ウォルマートが10位にランクイン
ビジネスウィーク誌が選ぶ『最も革新的な企業50社』(The 50 Most Innovative Companies)でウォルマートが10位にランクされています。
10位まで抜粋します
1、アップル
2、グーグル
3、トヨタ
4、マイクロソフト
5、任天堂
6、IBM
7、ヒューレット・パッカード
8、リサーチ・イン・モーション
9、ノキア
10、ウォルマート
50位までに小売企業はウォルマートと11位のアマゾン、および49位にターゲットが、また外食でマクドナルドが19位にランクインしてます。
並みいる有名テクノロジー系の企業と並んで、旧態依然という表現がマッチしやすい小売企業が10位に入るということに我々は何事かを感じなければならないでしょう。もし日本で同じようなランキングがあったとして、小売業界の大手企業が上位にランクインするかどうか。
イノベーションってほんとうに重要だと思うんですよね。
そのためにはR&Dに予算をきっちりと投入しなければならない。
日本の小売業界ではR&Dという表現が共通言語にすらなってませんからねえ・・・
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:47 AM | | トラックバック (0)
April 20, 2009
[ウォルマート] フォーチュン500社、全米売上高で2位に
フォーチュンが恒例の全米企業売上高ランクを発表したのですが、ウォルマートがエクソンモービルに抜かれて2位となりました。
ウォルマートは2002年にトップとなり、2006年だけ唯一エクソンモービルに抜かれたのですが、それ以外はずっと1位でした。つまり過去7年中6年間は1位をキープしていたということです。
売上高は7.2%増、税引き後の最終利益高は5.3%増、増収増益でして業績悪化によって2位に落ちたわけではなくて、原油の高騰でエクソンモービルが異常な増収増益を記録したからでした。売上高18.8%増の4,428億5,000万ドル(約44兆円)、最終利益高11.4%増の452億2,000万ドル(約4兆5,000億円)、すさまじい伸び率ですが、452億ドルという利益高もすごい。
少々儲けすぎじゃないんですかねえ・・・。
上位100社中に小売企業は13社、10社に1社強が小売企業というわけですから、景気の悪化で小売企業が大変なことになっているという見方とは裏腹に、業界としてはまだまだ強い基盤を持っていると言っていいのでしょうね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:23 PM | | トラックバック (0)
March 16, 2009
[ウォルマート] グレートバリューのリニューアル版を公開
ウォルマートは昨年中にプライベーブランドのグレートバリューをオーバーホールしてリニューアルすることを公言し、春先には導入を開始するとしていたのですが、ようやく新パッケージが公開されました。
長いこと使ってきたパッケージが完全に変わり、非常に新鮮です。
中身もかなり見直したみたいですね。新商品も80アイテム投入されるようです。
3月初旬から投入を開始し徐々に入れ替えて行き、5月末までに導入を終了するそうなので、店によっては棚にもう並んでいるのかもしれません。
私が感心しているのは、この時期にリニューアルを済ませて投入を開始すると言うスピード感です。いままさにPBに追い風が吹いているのですが、これをずいぶん前に見越してリニューアルに着手しこの時期に投入を開始してしまう。
ウォルマートらしいと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:15 PM | | トラックバック (0)
March 13, 2009
[ウォルマート] ブライアン・コーネルがサムズのトップに
クラフト専門店チェーン、マイケルズのCEOブライアン・コーネルがダグ・マクミロンの後釜としてサムズのトップに就任する人事が発表されました。
これはとても深読みしたくなる人事です。
コーネルはもともと北米ペプシにいたひとなのですが、98年にセイフウェイに移ってマーケティングの責任者となり、その後マイケルズに移籍していました。
セイフウェイではメーカー視点でのマーケティング手法の移植に注力し、同社の現在の成功の基礎を作り上げた一人として評価が高い。
この人がサムズのトップになるという意味は何なのか。
ウォルマートがサムズのマーケティングのオーバーホールを考えているという理由が考えられる。本体はターゲットから来たジョン・フレミングがてこ入れして成果を出していますが、サムズはあまり変わっていませんから。
もう一つは、ウォルマートはサムズのトップをステップアップの試金石として見ているところがありまして、サムズでのコーネルの手腕次第では将来的には本体で活躍してもらおうと考えているのかもしれない、と深読みすることもできる。フレミングはいま商品部の責任者ですから、将来的なマーケティングのトップとしてコーネルを考えている可能性もあります。
いずれにしましても、非常に興味深い人事です。
ところでもう一つおもしろいのは、CEOが抜けるマイケルズが次の経営者として、元ウォルマートのジョン・メンザーを抜擢したニュースが同時に発表されている点です。一見するとウォルマートとマイケルズが人材を交換したような感じがしますよね。
マイケルズはバイアウトされて非公開となった企業ですが、この人事からは再上場を考えている可能性が匂ってきます。メンザーはもともとウォルマート本体のCFOだった人ですが、ウォール街受けが良くて、国際部門の責任者として異動したのも当時ちょうど海外活動を拡大しようとしていた時期で新たな資本調達を必要としたからでした。
マイケルズを買収した投資企業が彼に白羽の矢を立てた理由が透けて見えてくるというわけです。
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【追記】
本日から日本へ出張となります。目的は某小売企業の店長会議とニューフォーマット研究所と、二カ所での講演です。
これから一週間ほどアップデートが不規則となりますがご容赦ください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:01 AM | | トラックバック (0)
February 27, 2009
[プロクター&ギャンブル] ウォルマートの販促ディスプレーからRFIDを撤去
RFIDは商品やパレットに付けて動きを追うだけではなく、いろいろな用途で使うことが可能です。ここ数年使われ始めたのが、販促ディスプレーにつけて企画通りに店頭で展開されているかどうかをモニターするプログラムです。
業界誌が数日前に報じたところによると、P&Gがウォルマートに対して実施していたディスプレー用RFIDを撤去してやめたそうです。
理由は、店頭で人が動かない点にしびれを切らしたから。当事者たちではなく、関係者のコメントとして掲載されてます。
つまり、ウォルマートの店員が期待通りに動かなかったということを意味しています。
販促企画品が店頭で意図したとおりにちゃんと置かれているかモニターし、そしておかしいなと気づいたとしても、店頭で問題を修正する人がいなければ効果が出ない。いずれにしても最終的には人間が介在しない限り、技術の粋を尽くしたRFIDも"猫に小判"に終わるということです。
販促ディスプレーのRFIDによるコントロールはかなり有望なシステムだと私は思っているのですが、人を動かすことも同時に平行して取り組んでいかないと成功しないというわけです。
こういう最大手企業の最先端の取り組みと、失敗例を知ることができるということは、我々にとっては幸いと言うことができます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:25 PM | | トラックバック (0)
February 19, 2009
[ウォルマート] 08年度の決算発表、増収増益で絶好調
ウォルマートが第4四半期と通期の決算を発表したのですが、予測通り非常によい数値でした。売上高は4,012億ドルで前年比7.2%増、最終利益高は134億ドルで5.5%増、国内既存店成長率は3.3%増(ガソリンを除くと3.5%増)で、各社数値が悪化している中できわめて好調な結果を残しました。
海外事業の売上高成長率は9.1%、もし為替による悪影響がなければ11.6%増だったそうで、とすると連結総売上高ももう少々高い数値だったわけです。
また特筆すべきは期末の在庫高で、なんとマイナス1.2%。売上高を7.2%伸ばしながら、トータル在庫を減らすというのは簡単なことではありません。確認するためにバランスシートを見てみましたが、確かに減ってました。
売りを伸ばし、在庫を減らせば、キャッシュフローが劇的に改善されます。
今日は社員研修のコーディネートでダラスへ移動だったのですが、幹部役員によるカンファレンスコールを音声と文書で入手し、移動の機内で聞き、読んでみました。
想像通りの非常にポジティブなトーンで、ウォルマートがいま絶好調であることをひしひしと感じました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:54 PM | | トラックバック (0)
February 17, 2009
[ウォルマート] マスメディア広告支出が増加
昨年のウォルマートの広告支出が急増していたことが分かりました。総支出額は8億3500万ドルで、前年比で56%増、金額で3億ドルも増えたそうです。
この結果、前年に業界9位だった支出額が、今回はメイシーズに次いで2位となりました。
ただし売上高比率は0.5%で、メイシーズの4.5%、シアーズの4%、ターゲットの2%と比較すると依然広告依存度はかなり低い企業であります。
戦略的に増やしていることは明らかなのですが、各社減らしている時期に増加させている点にウォルマートらしいしたたかさを感じます。景気の悪化で低価格なウォルマートが支持されている中で、さらに目立ってだめ押しを押すようなイメージですね。
ちなみにここで言う広告とはMeasured Media(測定可能メディア)で、主にテレビ広告でチラシやインストアは除きます。
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<追記>
本日より企業研修のコーディネートのため出張となり、アップデートが不規則となる可能性がありますが、ご容赦下さい。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:11 AM | | トラックバック (0)
February 11, 2009
[ウォルマート] 本社スタッフ700〜800人を削減
ウォルマートが本社スタッフ700〜800人の削減を発表しました。本社人員1万4,000人の約6%弱に相当します。
削減される部門は不動産、衣料、ヘルス&ウェルネスで、不動産は来年度の新規出店数が減るから、衣料はニューヨークオフィスを拡充するから、ヘルス&ウェルネスは組織統合するからと、それぞれ削減する理由があります。
この人員削減、風当たりが強くない今だから、という感がすごくしますよね。
それと、業績が悪くないのにやるところにウォルマートのシビアさを感じます。2001年に本社スタッフ100人を削減したことがあるのですが、このときは景気悪化の兆候があるからが理由でした。
ウォルマートは本社が大きくならないように絶えず注意を払っている企業でして、今回のリストラは真骨頂という気がします。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:59 PM | | トラックバック (0)
February 2, 2009
[ウォルマート] マイケル・デュークが正式にCEO就任
リー・スコットの引退とマイケル・デュークの昇格ははすでにご存じのことと思いますが、当初の予定通り日曜日の2/01をもって政権交代が実施されました。
まあ政権交代といっても、スコットは取締役として残りますし、もともとこの二人は非常に近い関係で経営にあたってきていますから、大きな変化が起きると言うことはないでしょう。
先週、サステナビリティに関する社内カンファレンスが開催されまして、ここでスコットが最後のお別れのスピーチをしています。
まずはスピーチです。
スコットの強い南部なまりがすごく印象的です。
次にこれは、デュークが最後のねぎらいの言葉をかけているシーンです。
メキシコユニットからのチームが出席していたようで、最後はメキシコ版のウォルマートチアで締めくくられました。
話はテーマから少々変わります。
実はこのビデオ、いくつかに分かれているんですが、一番最初の開始部分ではサムズクラブチアからはじまっていました。
この"エイエイオー"、店舗だけじゃなくて本部レベルでのカンファレンスでも実施してるんですが、こうやって実際にやっているシーンを見ると再認識しますね。
社員の一体感とか、やる気とか、そういう気分をモチベートしていくために、泥臭いけど、人間にとって非常に原初的なやり方なんんですよね、これ。世界最大の売上高を誇る企業が、こういうことを飽きずに毎日繰り返しているという点に、我々は何かを感じないといけないと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:49 PM | | トラックバック (0)
January 26, 2009
[ウォルマート] 南米チリ最大手D&Sの買収成立
昨年12月末から開始していたD&Sの公開買い付けが成功し、買収が成功しました。
ウォルマートの所有比率は58.2%で、残りの40.1%は大株主だったイバニェズ一族、1.7%がその他の一般株主、となるそうです。
これでウォルマートは年商がドルベースで38億ドル超の大きな企業を手中に収めたことになります。また中南米では10カ国目でこの地域だけで進出国が2桁を越えたことになります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:20 PM | | トラックバック (0)
January 16, 2009
[店舗ブランド] ブランド価値ナンバーワンはウォルマート
ブランドマネジメントの専門会社、インターブランド・デザイン・フォーラムが小売企業のブランド価値を試算してのランキングを公開しました。
試算の方法は長いので省きますが、ブランド資産の総額でランキングされてます。
1、ウォルマート: $129,809
2、ベストバイ: $21,981
3、ホームデポ: $20,809
4、ターゲット: $17,111
5、CVS: $12,566
6、デル: $11,695
7、ウォルグリーン: $11,145
8、ロウズ: $10,710
9、サムズ: $9,478
10、コーチ: $9,052
(金額単位は100万ドル)
店舗名をブランドと見立ててブランディングするという考え方は、日本の小売業界では、アパレル専門店チェーンを除くと、ほぼ欠落していると私は考えてます。
ウォルマートは1位ですが、ただ安売りしてきたからブランド資産が一位になったわけではないということは、おわかりいただけるでしょう。ウォルマートでさえ、きっちりとブランド管理しているのがアメリカです。
ランキングは50位まであるのですが、スーパーマーケット企業は唯一ホールフーズが47位に入っているのみ。
食品を扱う小売企業としては、ウォルマート、ターゲット、コストコ、サムズ、といったブランド名がランクインしているのですが、純粋なスーパーマーケットはホールフーズだけなんですね。
理由として、お客のエクスペリアンスや差別化よりも、プロモーションに偏向していてプッシュのし過ぎだからと説明しています。まあハイローどっぷりという意味においてはドラッグストアも似たようなものではあるのですが、お客のイメージという視点からはスーパーマーケットは確かに弱いかもしれない。
ウォルマートは全米最大の食品リテーラーですから、食品を扱っているという点においてはスーパーマーケットと代わりはない。唯一EDLPである点が、他のスーパーマーケットとは異なる点です。
EDLPという公平な売り方を消費者がちゃんと評価しているということでしょうかねえ。
ウォルマートの強さを垣間見るような気がします。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:36 PM | | トラックバック (0)
January 13, 2009
[店頭販促] ウォルマートがP.R.I.S.Mから脱退
今回はちょっtテーマを変えます。
何回かエントリーしてますが、店頭をメディアとして捉えて、GRPのような店頭販促の評価指標を作ろうというパイロットが動いてます。
店頭のメディア化イニシアチブ
ウォルマート、ターゲット、Kマート、クローガー、ウォルグリーンといった大手小売企業16社、P&G、クラフト、ユニリーバなど大手メーカー30社がコンソーシアムを組んでます。名称は『P.R.I.S.M(Pioneering Reseach for an In-Store Metric)』
昨年末ですが、ここからウォルマートが抜けました。
もともと最後までコミットしないとしていたらしいですが。ウォルマートがPOSデータをニールセンなどの分析会社に提供していないことは知られてますが、このポリシーの一環だそうです。
実はウォルマート自体は、スマートネットワークでDS-IQという独自の評価指標を作ろうとしてます。イニシアチブにまず参加し、何やってるのか学習し、独自で実施するための参考とし、学ぶものがなくなったからやめちゃった。ウォルマートの過去を鑑みると、そういう可能性をすごく感じますよね。
このP.R.I.S.M、すごくユニークで興味を持っているんですが、ウォルマートがいなくなったことがどう影響を与えるのか、別の意味で興味津々です。
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投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:11 PM | | トラックバック (0)
January 7, 2009
[ウォルマート] 海外事業のトップにダグ・マクミロンが就任
マイケル・デュークのCEO就任に伴って空席となる海外事業の責任者に、現サムズクラブのCEOであるダグ・マクミロンが異動する人事が発表されました。デュークの異動と同じく2月1日に実施されます。サムズのCEOはこれから決めるとのこと。
いや、これはなかなかすごい人事じゃないでしょうかね。マクミロンの年齢は42歳、この若さでウォルマートで2番目に大きなユニットのトップに立つわけです。
ウォルマートの人事のダイナミックさを感じます。
サムズのCEOって若い人がなることが多いんですね。社風というか"事業風"がカジュアルで若い人向きというのもあるんですが、どうも修行の場、または生え抜き社員の昇格の登竜門とみなしている感がある。マイクロ・ソフトのCOOとして移籍したケビン・ターナーは37歳でサムズのCEOとなっていますが、業績を回復させて、次期リーダーとして見なされていた人でした。
マクミロンは配送センターの学生アルバイトが最初の仕事で、その後MBAを取ったりしているのですが、生え抜きのたたき上げと見られている人です。
サムズでの修行を卒業して、将来的にはかなり重視されている事業部門のトップに移るわけですから、かなり期待されているようだし、その期待に応えている人と言うことができます。
現在の状況では、デュークの次がエデュアルド・カストロ・ライトで、その次の集団のトップにマクミロンがいるような気がしています。年齢的にもぴったりはまってきます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:14 PM | | トラックバック (0)





