December 22, 2010
[ウォルマート] ネット販売のアクセスシェアは25.88%
歳末商戦と翌日のブラックフライデーの二日間に、ネット販売サイトにどれだけお客がアクセスしたかという数値があります。対象は店舗も持っているマルチチャネルリテーラーに限定、アマゾンなどのピュアなネットリテーラーは除いています。
数値は、最初が訪問回数、二つ目がシェアです。
ウォルマート:8,800万、25.88%
ターゲット:5,180万、15.26%
JCペニー:2,150万、6.34%
シアーズ:2,110万、6.21%
(Experian Hitwise)
4回に1回はウォルマートなんですよね。
もちろん全体を見ればアマゾンが一番なんでしょうが、ウォルマートのアクセス数も並みではない。
ウォルマートはリアルだけではなくネットも強いという事実は、結構見過ごされていることだと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:55 PM |
December 20, 2010
[ウォルマート] 集団訴訟の可否を最高裁が判断へ
三回続いてウォルマートのネタ、私が日本に主張していた今月初旬に出たニュースです。
ウォルマートを相手取って女性従業員らが起こした性差別をめぐる訴訟について、サンフランシスコ連邦高裁が4月に集団訴訟の扱いを認める判断を下していたのですが、ウォルマートの上告に最高裁が応じて再び審理することを決めました。
この訴訟、起こされたのは2001年のことなのですが、集団訴訟として扱えるのかどうかを判断する段階ですでに10年近くを経過していることになります。
この訴訟、当時は「なんてウォルマートはひどい企業なんだ」というプロパガンダに利用されて、ウォルマートによる性差別の象徴のように扱われた経緯があります。
しかしながら、実は論点はいまだ集団訴訟として扱えるのかどうかにあって、差別という訴訟の本質にはいまだ達していないんですね。ほんとうに差別があったのかどうかについていまだ裁判所の判断は下っていないわけです。
集団訴訟として扱えるのかどうかの判断は極めて難しい。
簡単に言えば、一つの店舗で起こった差別的な扱いを、全店舗で同じように発生していると敷衍して、全従業員に適用するということですから。
もし仮に認めると、今回のウォルマートの場合100万人以上が対象となるそうで、影響力も大きい。
そうそう簡単に結論を出せる問題ではないですよね。
サンフランシスコ連邦高裁は、6対5の僅差で認める判断を下しているのですが、6対5とほぼ意見が真っ二つに分かれているところからも、その難しさをうかがうことができます。
ちなみにマイクロソフトやバンカメなど19社が最高裁に対してウォルマートによる上告に応じるよう求めていたそうで、ひとりウォルマートだけが舞台に立っているわけではない。
このあたりも、日本ではあまり知られていない事実なんじゃないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:15 PM |
December 17, 2010
[ウォルマート] モスクワのオフィスを閉鎖
昨日に引き続いてウォルマートのネタを。
モスクワで営業していたオフィスの閉鎖を発表しました。進出に向けて買収相手を探すために開いていたオフィスなのですが、相手が見つからないのでとりあえず閉鎖、ただ今後も進出の機会はあきらめずに模索するとしています。
南アフリカの次はロシアではないかと思っていたんですけどね。
良い相手が現状ではいないようです。
巨大なウォルマートにとってオフィスを一つ持っておくぐらいたいしたことではないはずなんですが、あえてしめてしまうところが、らしいかなと。
たいした仕事もないのにアメリカにオフィスを持って駐在員を一人だけ置いている日本企業、一杯いますよ。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:41 PM |
December 16, 2010
[ウォルマート] 玩具カテゴリーの価格戦争を回避か
ウォルマートが感謝祭開けの11月30日に、玩具1800アイテムの価格を上げる指示をメールで全店舗に送ったことをメディアが報じています。
感謝祭明けに終了予定のロールバック(値下げプロモーション)を元の価格(つまりEDLP価格)に戻すことを確認するメールだったようで、値上げではない模様。ただここ数年、玩具の価格勝負にシビアだったウォルマートだけにこの指示はかなり違和感があります。
園芸売場を縮小して歳末用のスペースを作り、ここに玩具を置いて売場自体は拡大しているんですけどね。
感謝祭に先立つ2週間前、ウォルマートの玩具売場に値下げPOPはあまり目立ちませんでした。
この事実に今回の報道を重ねてみると、やはり今年のテーマは価格競争の回避にあるように感じます。
つまり利益確保を最優先するというわけなのですが、少なくとも玩具のシェアを失うのは確実だというアナリストもいたして、これが吉と出るのか凶と出るのか非常に興味深いところです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:06 PM |
December 5, 2010
ウォルマートにとっての競合企業とは?
ドラッグストアのCVSがウォルマートの元幹部をドラッグストア事業の責任者として採用しようとしたのですが、ウォルマートがストップをかけるために訴訟を起こしました。
元幹部は店舗オペレーションの北部地域の責任者だったハンク・ムレイニーという人で、11月5日にウォルマートを辞めていました。
はっきりとした記憶にないのですが、ひょっとすると組織再編成で解雇された人かもしれません。
間違っていたらすみません。
通常幹部クラスは、やめたら一定期間内は競合企業で働けないという合意書に必ずサインさせられます。もちろんムレイニーもサインしていたわけです。
たぶん、ウォルマートにとっての競合企業とはなんぞや、が論点なんでしょうね。
とうぜん合意書には具体的な社名は明記されておらず、競合企業としか書かれていないはずです。
ドラッグストアが、ウォルマートの合意書が言うところの競合なのかどうか。
CVSは競合ではないという論理で採用しようとしたのでしょう。
総合業態としてのウォルマートと競合しない小売企業なんてほとんどいないわけで、どのレベルで線引きするのかが訴訟の論点となることでしょう。
裁判所の判断が楽しみですね。
<追記>
いま東京に滞在中、昨日は北関東の方へ足を伸ばして店舗を見てきました。日本の店舗も見ておくことは、アメリカで何を学ぶべきなのかという話を私が組み立て説明するときの土台となるので、必要なことなんですね。
昨日の視察も非常に参考になりました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:44 PM |
November 30, 2010
[ウォルマート] 南アのマスマートの株過半数取得で合意
9月末に買収を提案していたウォルマートですが、結局51%の株式を取得することで合意に達しました。
当初は全株取得による子会社化を提案していたのですが、過半数以下の取得への変更が伝えられ、最終的には51%となりました。
理由は、労働組合や機関投資家による反対意見が強かった模様。規制当局も子会社化には難色を示していたようです。
買収総額は23億ドルですから、日本円だと2000億程度の投資となります。
しかし以前も書いたけど、海外進出と言ったらアジアしかない日本の小売企業にとって、南アフリカ進出なんてまったくの想定外ですよね。
そう言えばファミマがアメリカへの投資を一端凍結して10店舗で止めるそう。たしか200店舗(または250)構想をぶちあげてたはずです。一号店からダメで、その後も改善があまり見受けられず、どうするんだろうなと思っていたところでした。
まあ進出時に社長が講演にいそしんでいて、売場に立ってないんですから、うまく行くわけないですよね。
ちなみにウォルマートCEOのマイケル・デュークは海外でも店舗回りして、自分の目で改善点を見つけ出して、現地企業に提案して採用されたりすると聞きました。
やっぱり現場型なんです。
日本の小売企業の欧米進出はまだまだ途上です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:05 PM |
November 24, 2010
[ウォルマート] 今週末限定でプライスマッチング
明日は感謝祭の祝日で、その翌日の明後日から年末までをアメリカでは歳末商戦と位置づけています。
この明後日の金曜日がブラックフライデーと呼ばれることは周知の通りです。
この金曜日から日曜日までの期間限定で、もし競合店の方が安かった場合チラシを持ってくれば割り引くプライスマッチングを実施することを明らかにしました。
またネットオンリーの販促150アイテム、店頭でもブラックフライデー・スペシャルを用意するなど、限定プロモーションを提供するそう。
ちょうど数日前に、とあるシンクタンクがウォルマートに関する調査結果を発表していたのですが、来店客数減は来店頻度の減少ではなくお客そのものを失ったからだ、プロジェクトインパクトがネガティブな影響をお客に及ぼしている等々、ウォルマートにとっては頭の痛い項目が並んでいました。
この歳末で巻き返せるのかどうかなのですが、なんとなく、出遅れているような感じを受けているんですね。
数年前、わずかな出遅れに対して猛然と取りかかってあっという間に取り戻したことがあって、そのエクセキューションレベルが話題になったことがありました。
すべてはビル・サイモンの手腕にかかっていると思っているんですが・・・
ということで、アメリカの休日に従って明日より日曜日までお休みとさせていただきます。
Happy Thanksgiving!
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:35 PM |
November 19, 2010
[ウォルマート] ジャック・シューメーカー逝去
ウォルマートという企業の成長をサム・ウォルトンの片腕として支えたジャック・シューメーカーが亡くなりました。享年72才。
入社は70年、88年に引退後は取締役としてウォルマートに残っていました。
シューメーカーはデイビッド・グラスとサム・ウォルトンの次を争って、負けた人です。シューメーカーはどちらかというと自信家でパフォーマンスタイプ、グラスはおとなしく控えめな人なのですが、スコット、デュークとソフトな人が続いていて、これがウォルマートの社風なんでしょうね。
なんと言っても、シューメーカーの功績はEDLPにあります。
一説によるとシューメーカーが発案して推進したと言われてますね。
でも私は、EDLPはプライスクラブの影響が大きいと思っていて、これを徹底的に研究し尽くしたサム・ウォルトンが言い出して、シューメーカーが推進し洗練させていったと思ってるんですけどね。
いずれにしましても、アメリカの流通業界に多大な影響と貢献をした著名人が亡くなりました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:42 PM |
November 10, 2010
[米国小売業研修] 主通路上にプロモーションが戻ったウォルマート
今日から4日間、小売企業の研修でロサンゼルス市内の店舗を見て回っています。明日は午前中がセミナーで、午後が店舗視察。
ということで、ニュースのアップデートが遅れます。
ちなみに明日は、Veterans Dayでアメリカは祝日ですので、サイトはお休みしようかと思ってます。
さて、今日ウォルマートのスーパーセンターを見てきたのですが、主通路上(ウォルマート用語のアクションアレイ)の島陳列が全部戻ってました。
さらに年末のため全体に在庫が多めで、島陳列とあいまって、店内に商品が溢れているような印象を持ちました。
これがやっぱりウォルマートですね。
前回のアナリストカンファレンスでは第4四半期までには業績が戻ると言っていたのですが、ああいう売場が復活すれば、売上もかなり回復するんじゃなかろうかと感じました。
明日は違う店舗を見る予定なので、この私の受けた感覚を確認してみたいと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:33 PM |
November 8, 2010
歳末玩具バトルの行方
本日のWSJ誌が、ウォルマート、ターゲット、トイザラス、アマゾンの玩具バトルについての記事を掲載していました。
要約すると、ハロウィーンが終わって歳末商戦の前哨戦が始まり各社玩具の値下げを始めたのだが、ウォルマートの価格が総体として他者を圧倒するような安さを実現していない、という内容です。
ターゲットは昨年の歳末商戦が今ひとつだったため、その反省から今年は早い時期から大幅な値下げをしているのですが、一方のウォルマートは今年初頭の大きな値下げプロモーションの失敗から少々慎重になっているような印象があります。
ウォルマートのロールバックの期間は3ヶ月間なので、本当は10月初頭には値下げを始めなければならず、実際のところ例年10月から値下げが始まっていたんですね。ところが先月の視察研修であちこちのウォルマートを見て回ったのですが、ロールバックのPOPを玩具売場でほとんど見ることができなかった。
記事の内容と店頭の印象はほぼシンクしてます。
歳末商戦はどの企業にとっても極めて重要で、とりわけウォルマートはここで負けるということを許さず、過去は猛烈な戦いを仕掛けています。
これが今年どうなるのか、巻き返すのかどうか、とても興味深いところです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:22 PM |
October 28, 2010
[ウォルマート] 南アのマスマート、買収の方針転換へ
数週間前に南アのマスマートを買収するプランを持っていることを明らかにしたウォルマートですが、全株買収による子会社化ではなく、全株式の半分以下の買収として上場を維持する方針へと転換した模様です。
マスマートがメディアに語りました。
理由は不明。
ウォルマートはいま全店を回ってデューデリジェンスを実施しているところだそうで、その過程で戦略を変更する何かがあったのかも知れませんね。
日本のように、徐々に株を買い増して行くのかもしれない。
ちなみにこの買収プラン、注目をかなり浴びていて、今後の行方に注目が集まっています。
南アという地域に欧米小売企業が入り込んでいくことが珍しいことと、市場の大きさと、買収規模の大きさと、3つがあるんでしょうね。
この南アの話を聞いて私がふと思ったのは、欧米の昔の植民地政策の延長線上に存在していて彼らにとって進出することになにかと無理がないんだろうなと言うことなんですね。
日本の小売企業が南アに進出するなんて、とうていありえませんものね。
欧米の小売企業にとっては、過去に植民地化したことによる欧米文化の下地があるし、一度出ているから意識的にもそれほど遠い国でもない、ということなんだろうなあ。
インド、東南アジア、南米、すべてその伝です。
まあしかし、これが成就すると、南北アメリカ大陸、ユーラシア大陸、アフリカ大陸への進出となるわけです。
残るは南極大陸、でしょうかね^^
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:14 PM |
October 15, 2010
[ウォルマート] メディアの論調の変化にみるアンチウォルマート意識の動き
昨日ウォルマートは証券アナリスト向けのカンファレンスを開催しまして、現在から来年ぐらいにかけての戦略について説明がありました。
詳細はメルマガに書くつもりなのでここではおきまして、小型フォーマットの実験を本格的に開始するという内容がありました。
反対運動の多く、立地にも限りがありますから、都市圏には小型が良いというのは理にかなっています。
シカゴの中心部周辺での営業が市によって認可されたという話を以前エントリーしたことがあります。イメージ改善の努力や、景気の悪化による税収減などもあって、都市によってはウォルマートに寛容になってきているというわけです。
これについて、今日のWSJ紙がおもしろい記事を載せていました。
タイトルは「天使のターゲットvsのけ者ウォルマート」。
労働環境がたいして変わらないし場合によっては低い場合もあるターゲットの進出はOKなのに、ウォルマートに対する風当たりは強い、というストーリーなのですが、以前はバランスを欠いたアンチウォルマート的な記事傾向が強かったので、かなり変わってきたなという印象を持ちました。
中小の零細小売店の方がよほど労働環境は劣悪なケースが多く、そういう例は個人的にも一杯知っているので、アンチウォルマート運動が盛んだった時代からなぜウォルマートがこれだけ非難されるのだろうと思っていたのですが、一つは競合企業が後ろ盾になっているということと、一つはスケープゴートなんだと理解すればいいわけです。
小さい企業を非難するよりも、大きな企業を非難する方が、何かと影響力は大きいですから。
まあしかし、メディアの論調が変わってきたということは、風当たりも少しずつ柔らかくなって来るるんじゃないでしょうかね。
<追伸>
16日から10日間の長い出張となります。いつものことですが、その間、エントリーが減りますがご了解ください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:12 PM |
October 8, 2010
[ウォルマート] メーカーに原材料の共同調達を呼びかけ
ビジネスウィーク誌がおもしろい記事を掲載しています。
ウォルマートのグローバル調達部門が、大手メーカーと協力して原材料を調達すればいっそうのコスト削減につながるとして、各社に参加を呼びかけているというもの。
すでに複数のメーカーと協力して調達して効果を上げている。例えばブラジルでは炭酸飲料メーカーと砂糖を共同で仕入れてコスト削減を実現、チリでは紙製品サプライヤーと共同で紙を仕入れてオフィスで使用する紙のコストを下げることができたとしています。
でも、ブランドメーカーとは話し合いが進んでいない。当たり前の話ではありますが、原料データや製法が分かってしまう可能性があるからで、取材に応じている担当者も大手メーカーとこのテーマについて話し合うのは難しいと語ってます。
原料データが分かってしまうという問題もあるけれど、ウォルマートはPBの原価削減にこれを利用するわけで、潜在的に敵対する領域での協働ですから、大手ブランドメーカ-が乗ってくる可能性は高くはないでしょう。
ただ、このウォルマートによるアプローチは驚くべきものがあると思います。
以前エントリーしましたが、ウォルマートは全米でも最大級のロジスティクス企業で、トラックの輸送コストが専門企業よりも安い場合がある。そのためメーカーに対して自社トラックを使うよう呼びかけるというようなことがありました。
これと本質部分は一緒です。
ウォルマートの規模の大きさを実感できる事例ではないかと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:13 PM |
October 7, 2010
[ウォルマート] ヒューマナと提携して格安健康保険を提供
ヒューマナ社はHMOなどのマネッジドケアを提供する健康保険プロバイダーです。この企業とウォルマートが提携、メディケア・パートDの調剤で、月額15ドルの格安プランを導入することを発表しました。
他の平均的な調剤プランと比べると年間450ドル近く節約できるとしています。
指定された調剤ロケーションであれば、一番安いと患者負担金2ドルでジェネリック調剤が購入できるようになる。この指定されたロケーションというのはおそらくウォルマートの調剤だと思うのですが、ひょっとすると患者の都合も考えて他のファーマシーも含むのかも知れませんね。
(本論とはずれるのでHMOやメディケア・パートDといったアメリカの健康保険システムについての説明は省略)
ウォルマートは数年前にジェネリック4ドルという画期的な価格プログラムを投入し、全米の小売企業に大きな影響を与えました。結局誰もが追随せざるを得なくなった。
今回もそうなる可能性が強いと指摘されています。
ウォルマートは商品の売価を下げようとしているだけではなく、薬の売価も下げようとしている。
アメリカの健康保険システムはきわめて窮屈でひどい状況です。政府による改革が遅々として進まない以上、民間企業に頑張ってもらわざるを得ないわけですが、その民間企業としてウォルマートが他社に先駆けてどんどん新たなプログラムを投入し、消費者が薬を手に取りやすい環境を作ろうとしている。
そう考えると、ウォルマートという企業の価値が、日本の小売企業とはもはや違う次元にあるということが分かると思います。
ちなみに4ドルプランは米国ウォルマートのCEOに昇格したビル・サイモンが絵を描いたとされ、この成功がサイモンのステップアップの柱の一つになっていると言われています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:12 PM |
October 1, 2010
[ウォルマート] 今後5年以内に従業員数は300万人に
人事担当役員のスーザン・チャンバースがインドで開催されたカンファレンスでスピーチ、今後5年間で従業員数が36%増えて現在の220万人から300万人となるという見通しをコメントしました。
そのほとんどが、米国外での増加となるそう。
ふと気になって調べてみましたが、2005年時点で茨城県の人口がおよそ300万人です。つまりこれから5年間で、ウォルマートが雇用する人数は茨城県に住んでいる人口並みになるということ。
我々日本人には想像もできないマネジメントの難しさというものがあるように思いますね。
話は変わりますが、先日同社は南アでの買収に動き出しました。この買収を最終的に決断したのは現CEOのマイケル・デュークとなるわけですが、先日Fortune誌が掲載した特集記事によるとこの人は決断力と行動力に優れた方のようで、その性格が発揮されたように思います。
高値だそうで、アナリストには反対意見が多いのですが、行けると決断してさっさと買収提案してしまった。
韓国やドイツからの撤退も、デュークが国際事業の責任者となったとたんに決まった話でしたが、デュークが当時のCEOだったリー・スコットに現状を説明して、ぱっと決断したということが書いてありました。
ウォルマートはとてつもなく規模の大きな会社ですが、こういう人がリーダーだと、動きが緩慢になることがなく、いわゆる大企業病に陥るリスクも軽減され、そういう意味でもウォルマートはまだまだ行けそうな気がしてきます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:49 AM |
September 27, 2010
[ウォルマート] 南アのマスマートに買収提案
ウォルマートが南アフリカに本拠を置く小売チェーン、マスマートに買収提案しました。総額は42億5000万ドル、提案後株価が上がってウォルマートが提案している額を超えているため、買収総額が上がることが予想されています。
この買収提案はサプライズだったようです。新興国家についてはそのポテンシャルについてロシアなど何カ国か触れているのですが、南アについてはいままで一言も言及して来なかったんですね。
南アフリカはイギリス支配の影響で英語が通じますので、米英企業にとっては割ととっつきやすい国です。また小売業界にもちゃんとチェーンストアが存在して、我々日本人がイメージするよりもけっこう近代化が進んでいて、そういう意味でも買収はあり得ますね。
ただ資料を読むに、米国内を立て直そうとしているこの時期に大丈夫なのか、という意見が少なくない。
マスマートは290店舗を13カ国で展開している、アフリカで3位の小売企業だそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:52 PM |
September 24, 2010
[ウォルマート] ネット販売でFedExと提携
ウォルマートがネット販売でFedExと組んで新しいサービスを実験しています。
注文した商品を近隣のFedExに配達してもらうと配送料無料となる。もちろん自分で受け取りに行かなければなりませんが。
配達時に家にいる必要があるというハードルをクリアするためのアイディアです。
もともとウォルマートはSite to Storeという名称で、店頭ピックアップの場合は配送料無料というサービスを実施していました。
このピックアップ場所としてFedEXも利用できるようにした。
近隣にウォルマートがない人でも、配送料無料で気軽に利用できるようになるというわけです。
実験しているのはロサンゼルスとボストンです。
ウォルマートはネット販売の売上高を公開していないのですが、実はかなり売っているんですね。サイトの訪問件数もいつも上位に入っています。
ただ販売商品がとうぜん低価格帯が中心となりますから、配送料が負担となりやすい。ですから、Site to Storeのようなサービスが価値を持ってくる。
FedEXとしてはお店に来てくれる人が増えることは何かと好都合、これで受け取り場所としてFedEXを利用するネット販売企業が増えることを期待しているというコメントを残してます。
日本でのコンビニ受け取りに近いですね、これは。
でもFedEXのオフィスは日本のコンビニのようにたくさんあるわけじゃないので、使える人は限定されてます。
アメリカは近距離物流の技術が低く、宅配サービスの密度が希薄でざっくりとしていて、日本のように配達時間を細かく指定することなど不可能で、ましてや夜半に届けてもらうことなどできない。仕事から帰ってきてから商品を配達してもらうことなどできません。
ですから、ウォルマート+FedEXのようなサービスの価値はけっこう高いということになります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:03 PM |
September 16, 2010
[ウォルマート] 戦略の修正~EDLPの基本へ立ち返る
昨日、証券会社主催のカンファレンスで米国ウォルマート事業CEOのビル・サイモンがスピーチをして現状などについて説明したようです。
ざっとまとめてみます。
・第2四半期の売上高はフラットだが既存店成長率はマイナスだった。
・アグレッシブなロールバックを実施したが、低価格イメージを訴える効果はあったが、客数と売上高増にはつながらなかった。
・このロールバックは7月4日に終了し、それからは以前のEDLP戦略に立ち返っている。
・改装によって店舗は見違えるほどよくなって、お客の反応も非常に良い。ただ何かが機能しておらず現在改善に全力を挙げている。
・サム・ウォルトンは何をいくらで売れば良いかという点で非常に基本的な哲学を持っていた。我々はここに集中する必要がある。
プロジェクトインパクトには3つのスローガンがあったのですが、そのうちマーチャンダイジングを象徴する、WIn,Play,Show、は話によるとどうやらもう使わないようなんですね。
プロジェクトインパクトという呼称も一切コメントの中に出なくなってしまいました。
完全な軌道修正、ということのようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:41 PM |
August 18, 2010
[ウォルマート] 既存店が上向かない米国ウォルマート
ウォルマートが第2四半期の業績を発表、売上高が2.8%増、最終利益高は3.4%増の増収増益でした。
ただこれを事業分解すると、米国ウォルマートが0.0%増のフラット、国際事業部門が11.0%増、サムズが2.2%増となって、実は海外が増収増益を牽引していることが分かります。
事業別の営業利益は、米国ウォルマートが0.2%減、国際事業部門が16.8%増、サムズが2.4%増で、利益でも海外が引っ張っている。
そして既存成長率は、米国ウォルマートが1.8%減、サムズが2.6%増で、米国内が足を引っ張っています。
決算報告に付随しているコメントには、プロジェクトインパクトが行きすぎた反省の内容があります。
店内から商品を削減しすぎた。
これをいま戻しているのだが、歳末までには立て直し、景気の回復が遅くて非常に慎重な姿勢は崩さずも、歳末から来年1月までには成長モードに入りたいとしています。
5四半期連続で既存店がマイナスなんですが、この見通しからは、あと少なくとも一回はマイナス成長となるのかもしれません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:25 PM |
July 27, 2010
[ウォルマート] メンズ衣料でRFIDの実証実験開始
ウォルマートがメンズ衣料に単品単位でRFIDを導入し実験を開始することを、先週末にメディアが報じました。
タグをつけるのはジーンズとベーシック(アンダーウェアとソックス)で、8月1日からだそうです。
タグはすべて製造段階でつけられるので、特定メーカーの協力によって実現したということなのでしょうね。
また実験が成功したら他のカテゴリーにも波及させたい、ただしそのレベルこまでどのぐらいかかるのかは現段階では予測もできないと、ウォルマートの担当者がコメントしてます。
話題として俎上にあまり上がらなくなったRFIDですが、まもなくアパレル業界から普及が始まるだろうという話が業界で出始めたのが今年初頭ぐらいで、今回のウォルマートの取り組みはまさにその通りの動きと言うことになりますね。
実験を開始する企業がこれから増えることでしょう。
<追記>
日本滞在中のためエントリーがまばらで申し訳ありません。
本日の便でアメリカに帰りますので、数日中に通常ペースに戻ると思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:21 PM |
July 13, 2010
[ウォルマート] 主通路上に戻ってきた島陳列
昨日は某大手食品メーカーさんの研修で店舗視察でした。
プロジェクトインパクトに改装されていた郊外のウォルマートスーパーセンターを訪問。
見つけたのは主通路(ウォルマート用語のアクションアレイ)上に戻ってきた島陳列でした。
今年の初頭から、主通路が交差する地点にパレット陳列を数枚並べて島陳列を復活させていたのですが、奥の主通路上に昔と同じ島陳列がさらに5ヶ所ぐらい増えていました。
これからもっと増えそうな気がします。
ただしグローサリーサイドはゴンドラ編成を変えてしまったので無理そうだから、奥の主通路上だけでしょうけどね。
このことと、ジョン・フレミングが辞任したことと、関係があるのか、ないのか。少々深読みし過ぎかもしれませんが。
やっぱりウォルマートは、島陳列を使って売りに情熱かける方が似合ってるように思います。
<追記>
本日より日本へ2週間ほどの出張のため、エントリー頻度がおそらく減りますがご容赦ください。
今回は、大手メーカー様でのセミナーと、流通経済研究所様とCGC様での講演、といったスケジュールが入っています。
また15日には花王のコラボレーションフェアに行きます。15時過ぎに訪問する予定ですので、もしこの時間に行かれる方はぜひお声をおかけください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:41 AM |
July 2, 2010
[ウォルマート] 商品部長のジョン・フレミングが辞任
正式にはチーフ・マーチャンダイジング・オフィサーですが、分かりやすく商品部長としました。または商品本部長、でしょうか。本日辞任を発表、8月1日付で退任するそうです。
後任は決まっていません。
フレミングはターゲットからネット販売の責任者として来た人です。
ウォルマートの店舗と商品政策の最近の改革は、誤解を恐れずに端的に言うと、ターゲット化なんですね。ウォルマートがターゲットを志向しはじめたところにちょうどフレミングいたので、その経験を見込まれて本体に移ったのだと私は見ています。
高所得層向けの実験や、プロジェクトインパクト等々、ここ数年の改革のほとんどをこのフレミングが主導しています。
後任が決まっていないのに辞めるというのは、やはり何かがあったと考えざるを得ません。そして、おとといカストロ・ライトの異動が報じられたばかりですから、重ね合わせると、何が見えてくるのか。
既存店成長率が4四半期マイナス成長で、結果があまり出ていない。
とりわけアパレルのてこ入れがうまくいっていないことについて俎上に上がること多いのですが、ファッション強化の責任を彼は負っていたようですね。
米国企業の人事はドラスティックです。
<追記>
7/04は独立記念日でして、アメリカは来週いっぱい休暇を取る人が多く、企業活動も低下してニュースが減ります。私もお休みをいただくつもりです。
7/08には戻る予定ですので、よろしくお願い申し上げます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:14 PM |
June 30, 2010
[ウォルマート] 人事異動、米国ウォルマート事業のトップにビル・サイモン
すでに紙面を賑わしていますが、ウォルマートの役員に人事異動がありました。
米国ウォルマート事業部門のCEO、エデュアルド・カストロ・ライトがEコマースののグローバル・コムおよびグローバルソーシングのトップへ移り、そのあとに現在同事業部門のCOO、ビル・サイモンが昇格することになりました。
各紙報じている内容によると、カストロ・ライト夫人が心臓手術をしカリフォルニアで静養しており、異動する部門がカリフォルニアにあるため家族と一緒にいることを選択したということです。
この人事は実にいろいろ憶測してしまい、野次馬的にはかなり興味深いところがあります。
カストロ・ライトは次のCEOレースに乗っている人なのですが、年齢的は少々微妙なんですね。現在55歳、CEOのマイケル・デュークは58歳。デュークはたぶんあと5年はトップにいると思われ、そのときカストロ・ライトは60歳。
年齢的にデュークに近いため、次期CEOとしてわずかに疑問符がつく。
業績もふるってないですから、プレッシャーはかかっているはず。
ポジション下げを選択したのは、そんなもろもろの要素も絡んでいるんだろうなというのが私の推測です。
夫人の病気が治った後、再び本社中枢部に戻ることあるのかどうか。
かなり高い確率で戻らないように思う。
とすると、いずこかの小売企業の社長としてヘッドハントされることになるでしょう。
以上、ただの推測ですから、責任は取りません、あしからず。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:32 PM |
June 25, 2010
[ウォルマート] シカゴ中心部への出店で行政と合意
規制によってながらく出店できないできたシカゴの中心部で、ウォルマートが店舗開発する許可を獲得しました。
この規制、アンチウォルマート運動が盛り上がった時期にできたものですが、行政にとって景気が悪くなって雇用や税収を増やす方のプライオリティが高くなったことと、ウォルマートのイメージアップ戦略が功を奏し始めているのと、ウォルマートが若干歩み寄ったのと、3つが影響していると思います。
どう歩み寄ったのかというと、建築業者には組合加入者を使う、店員の初任給を最低賃金より50セント高い8.75ドルとする、2年目に40~60セントの昇給を与える、といった内容です。
"組合は絶対にダメ"というスタンスを緩和させたところにポイントがありますね。
消費者にとっては、どんな企業であれ、少なくとも規制をクリアしていて(つまり最低時給を下回っていない、などなど)、買いやすくて安ければ良いわけです。ウォルマートだろうと、ジューエルオスコーだろうと、消費者にとっては大きな問題ではありません。
つまるところこれは、既存のスーパーマーケット対ウォルマートによる出店をめぐる争いであり、そして今回の開発許可は既存のスーパーマーケットの既得権益が破られ始めたということを意味しているわけです。
関連して面白いニュースがあります。
シカゴでウォルマートから仕事を受注している不動産開発業者がスーパーバリュ(ジューエルオスコー)と不動産コンサルタント会社を相手取って訴訟を起こしました。理由は、Dirty trick、つまり汚いトリックを使って開発の邪魔をしたというものです。
訴訟を起こした会社をウォルマートがバックアップしているであろうことが想像できます。
まあつまり、開発時点から激しいつばぜり合いがあるというわけです。
これはもう、日本でも同じ。こういう話は世界共通です、たぶん。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:40 PM |
June 9, 2010
[ウォルマート] 株主総会のまとめ
相変わらずのお祭り型株主総会でしたね。
まずこれはすごいなと思ったのは、オープニングの国歌斉唱で歌っていたのが、サムズのイノベーション部門のプロジェクトマネジャーだった点。社員数が多いですから一芸に秀でた人は一杯いるとは思うのですが、そういう一般社員を引っ張り出してきてオープニングで歌わせるというのは、いかにもウォルマートらしい。
そして、彼女の歌がまた素晴らしかったですね。
見たい方はこちらへ。
2010 Walmart Shareholder's Meeting
すべてご覧になれます。
去年まではブログに貼り付けられるタイプだったのですが、今回はサステナビリティビ用のデモンストレーションビデオだけです。これは下の方に載っけておきました。
ちなみにイノベーション部というのは、店頭の売り方で新たな何かを創造するための部門のようですね。イノベーションという部門を持っている日本の小売企業を私は寡聞にして聞いたことがありません。
さて内容です。
CEOのマイケル・デュークは4つの柱を掲げました。
1、真のグローバルカンパニーとなる。
2、小売企業がこれから直面するハードルを理解して解決する。
3、お客に関わる社会的問題においてさらに大きなリーダシップを発揮する。
4、どこにおいても企業文化を強く維持する。
4つそれぞれにについてコメントしているのですが、詳細は流通eニュースに書くとして、2つだけここで触れておきます。
まず1つ目、小売企業がこれから直面するハードルについてですが、"透明な価格の時代にまもなく突入する"と表現していて、これが何かというと、ネットやモバイルの発達でグローバルベースで価格というものがいっそう透明になっていって、これが小売業がこれからぶつかるハードルだ、としているんですね。
まあつまり、売価が安いのか高いのか、店頭ですらモバイルデバイスでチェックできてしまう時代が到来するという意味です。
バーコードをスキャンして価格をチェックできるiPhoneアプリが人気があるという話は以前前エントリーしました。
ロープライスのウォルマートはここに強みがあるが、さらにネットビジネスをこれから強化するとしています。
次に4つ目。
ウォルマートの強さは企業文化にあるということについては拙著で書いていることなのですが、こういうところであえてまた強調するところがウォルマートらしい。
"企業文化とは我々そのものだ。本社の壁や店舗の掲示板に貼ってある文字などではない。それが我々を特別なものとし、競合企業と我々を異なるものとしている。そしてそれがあらゆる場所で人々にアピールしている。だからどの地であっても、何を変えようとも、我々は企業文化を強く維持しなければならない"
こういうことを株主総会で言明できる経営者が日本の小売企業にどのぐらいいるでしょうか?
ウォルマートはやはり強いです。
今回はFlickrにフォトストリームを作ってます。こういうのを使うあたりも時代をちゃんと捉えようとしている。
それからこれがサステナビリティのデモンストレーションビデオです。
参考までに、Twitterのハッシュタグは #wmt2010、です。
foursquareでチェックインしてる人たちもHPに貼り付けてます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:37 PM |
June 2, 2010
[ウォルマート] インドでのビジネス拡大に向けて政府にロビー活動
ウォルマートがインドに合弁で進出していることはご存じのことと思います。
外国企業に対する参入規制がありまして直接投資ができず合弁での進出となっていますね。
このインドでのビジネスを拡大したいウォルマートが、米国連邦政府に対してロビー活動しているとインドのメディアが報じたようです。二国間協議をはじめるよう関係者に働きかかけているそう。
これに対して米国政府がどう対応するんでしょうね。
ウォルマートってもはや国策レベルなんじゃないかと最近思ってます。世界最大の売上高を誇るグローバル企業ですから。当然こういうグローバル企業が海外で伸びてくれることはアメリカにとってありがたい。
国策産業が自動車から小売へ。
そういうシフトが起きてるんじゃないかと。
連邦政府と協力してインドを開拓する。
東インド会社みたいですね。
<追記>
本日より研修コーディネートで出張中です。エントリーのリズムが乱れますがご容赦ください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:52 PM |
May 25, 2010
[ウォルマート] スマートカードによる決済方式を採用か
ウォルマートが全店舗の決済にスマートカード用のターミナルを導入する予定であることが報じられました。カンファレンスでウォルマートの決済担当責任者が言及した模様。
ウォルマートが導入するとなると、業界がドミノ的に導入を始めるだろうと予測されてます。
アメリカではスマートカードはまったく導入されてなくて、先進国では一番遅れているんじゃないかと思います。最大の理由はコスト、偽造などで発生するコストと、導入するコストと天秤にかけて、導入をためらってきたというわけです。
ただ従来の紙にサインするクレジットカードの決済手法はプロセスも面倒で、これをウォルマートは嫌っているようです。
ウォルマートが動けばアメリカ経済が動く。
旧態依然としているアメリカの決済方式もようやく変わりそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:13 PM |
May 18, 2010
[ウォルマート] 増収増益と既存店成長率のマイナス
ウォルマートが第1四半期の決算を発表しました。
売上高は6.0%増、純利益高は9.9%増の増収増益と絶好調な数値を残しているのですが、カギとなる既存店成長率が1.1%ダウン、客数も落ちているようで、依然まだら模様です。
原因として指摘されているのが、景気の悪化を理由としてトレードダウンしてウォルマートで買い物をした顧客層が元に戻ってしまったのではないかという見方と、競合企業も昨年来一斉に値下げしていてウォルマート価格がアピールしていないのではないかという見方です。
増収増益で、しかも増益率が非常に高い。
しかし一方で既存店はマイナス。
これは昨年度の決算と同じ傾向なんですね。
しかも財務的には極めて健全でして、これが何を示唆しているのか一生懸命考えているところです。
仮説は一応あるんですけどね。
ウォルマートが食品1万アイテムのロールバックを始めたのが4月のことでした。今回の第1四半期決算は4月11日期末なので、このロールバックの結果が反映されていません。
ロールバックは3ヶ月スパンですから終わるのは6月、つまり第2四半期をカバーしているわけです。
次の決算の結果が楽しみとなってきました。
<追記>
一週間ほど研修のコーディネートで出張してきました。ラスベガスでFMIの展示会を見て、店舗を視察し、その後ダラスへ移動して店舗を見て回るというスケジュールでした。
気づいたことについてはR2リンクに簡単にメモしてますが、「いい企業はどんどん変わってバージョンアップする」を実感した一週間でした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:45 PM |
May 11, 2010
[ウォルマート] 2,000坪の小型スーパーセンターを開発か?
ウォルマートが75,000sqf(2,113坪)のサイトを手当てしていて、ここに小型のスーパーセンターを開発するんじゃないかという話を複数のメディアが報じています。
ただ開発するのはコンビネーションストアだというメディアもあって、はっきりはしていません。2,000坪という大きさだと、大型のコンビネーションストアだというヨミの方が私には正しいように感じますが。
場所はロサンゼルス。
ウォルマートがバッシングされた時代に出店規制されてしまい、オリジナルの大型フォーマットが出せなくなってしまいましたから、スケールダウンして出てくる可能性はずっと前から言われていますので、ありえる話ではあります。
ただアーバン商圏ではネイバーフッドマーケットを使うと言われてきてはいるんですけどね。もし報道されているような2,000坪フォーマットを実験するとすると、ネイバーフッドマーケットではアーバンで競合できないと考えているのかもしれません。
<追記>
今日から研修コーディネートの旅に出ますので、エントリーが不規則になるかもしれませんがご容赦ください。いつもどおり、視察の様子は、ここかまたはR2リンクに載せていくつもりです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:59 AM |
May 4, 2010
[ウォルマート] 廃棄物の不法投棄で和解、2,760万ドルの支払いへ
カリフォルニア州236店舗で廃棄物を不法に処理していると州当局から訴えられていたウォルマートが、和解を選択し、制裁金として2,760万ドルを支払うというニュースが報じられました。
ウォルマートの店員が漂白剤を排水溝に流しているのを、サンディエゴ群の環境担当者が偶然見かけたのが5年前で、これがきっかけで州当局が調査を開始、法令違反が多数見つかって訴えられていたというのが経緯です。
5年前というとちょうどアンチウォルマート運動が盛り上がっていたときで、ウォルマートのあら探しがブームでした。やられてしまった、という感じでしょうかね。
こういうニュースが日本で報じられる場合、ほとんどウォルマートだけを書いて終わってるんじゃないかと思います。読む日本人は、ああ、ウォルマートってひどいんだな、とい印象を持つことになる。
しかし、今回のケースは一般企業に対する警告的な意味合いが大きいんですね。
「今回のケースは大小にかかわらずすべての企業に対する警告である・・・」と州当局の担当者がコメントしてます。同じような訴えを大手チェーンに対して起こす可能性を示唆していて、その中には競合のターゲットも含まれてます。
大手企業を叩くことで抑止力とする。
アメリカではよくあることではあります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:51 PM |
April 28, 2010
[ウォルマート] 英アズダのプライスマッチングキャンペーン
アメリカではなくイギリスのネタとなりますが、おもしろいので紹介します。
他社と価格あわせを行うプライスマッチングのキャンペーンを開始したのですが、リリースの文言がおもしろいのと、価格あわせの条件がとてもユニーク。
まず文言。
"Walmart's Asda Fires Final Shot in Supermarket Grocery Price Wars"
直訳すると・・・
"ウォルマート傘下のアズダがスーパーマーケットのグローサリー価格戦争に最後の一発をぶち込む"
プレスリリースですから、これ。
日本だと'何ふざけてんだ'と責任者に怒られそうです。
でもこういう表現がお客のアテンションを引くわけです。西友のKYと同じ線上にあるような気がしますよね。
次に条件。
基本はバスケット価格でして、8個以上の買い物をしたときのトータルが競合他社の価格を上回っていたら差額をお返しし、さらに1ペニー支払う、というもの。ただし価格比較は、mySupermarketというイギリスの大手スーパー4社の価格を比較しているサイトがあって、買い物をした翌日にこのサイトでチェックした結果であることが条件となっています。
単品ではなくバスケットで勝負という点がまずおもしろいのですが、価格比較の条件がネット上の価格サイトの使用となっている点がユニークです。
だいたいこういうサイトがあるということ自体が凄い。寡占化しているイギリスの場合、比較対象が大手4社と少ないからできることのような気がしますね。
価格で負けたたら差額プラス1ペニー支払うというのも、笑えます。
ウォルマートが値下げキャンペーンを開始してますが、アズダも価格にコミットし始めたことで、グローバルな戦略となる可能性が出てきましたね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:14 PM |
April 27, 2010
[ウォルマート] 性差別訴訟が集団訴訟として認められる
ウォルマートを相手取って起こされた性差別訴訟が集団訴訟として認められ、10億ドルを超える賠償責任を負う可能性が出てきました。
サンフランシスコで働く女性6人が2001年に提訴したのが発端ですね。当時メディアに取り上げられて大騒ぎになったのを覚えています。ウォルマートのイメージ悪化はこのあたりから始まったんじゃないでしょうか。その後2005年から食品労働組合とぶつかって、ウォルマートプロパガンダが急速に広まって、これに対処するためにウォルマートは企業改革に取り組み始めています。
訴因はというと、同じ仕事をしているにもかかわらず、女性の方が男性よりも賃金が安く、昇進も遅い、というもの。
集団訴訟になると100万人を超える女性が対象となり、極めて影響が大きいため内外の注目を浴びているというわけです。
当然ウォルマートは対抗していろいろ手を打ってきたわけですが、紆余曲折あって、およそ10年かかって認められた。
ただ決定を下したのは連邦控訴裁判所で、最高裁が取り上げるかどうかはよく分からないようです。このあたりの裁判の機微については私も素人なので注釈を加えることができません。
ウォルマートがこれからも戦うのか、和解するのか、ここに注目できるんじゃないでしょうか。ただ影響力の大きさを考えると、結論が出るまでまだ長い時間を要するような気がします。
この集団差別訴訟、日本で発生したら負ける小売企業が続出するんじゃないでしょうかね。一般的に言って、日本と比較してアメリカは女性に対してフェアな扱いを求める企業倫理が全体として高めですから。
ウォルマートは提訴されてますが、それでも日本の平均よりはベターなんじゃないかなと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:14 PM |
April 22, 2010
[ウォルマート] 売上高世界1位に返り咲き
すでにニュースになってますのでご存じの方も多いと思いますが、フォーチュン誌が恒例の企業売上高ランクを発表しまして、ウォルマートがエクソンモービルを抜き返して1位となりました。
ウォルマートが1位となったのは2002年(会計年度は2001年度)のことで、それ以来エクソンに抜かれたのは2006年と2009年の2回、9年間中7回はトップに立っています。
今回はエクソンの減収率が大きく、ウォルマートの売上高4,082億ドルに対してエクソンは2,846億ドルなので、ウォルマートの1位はしばらく揺るがないものになったように思います。
ちなみに上位50社中に小売業界上位10社がすべて入っていまして、これはアメリカの各小売企業のサイズの大きさを表しています。日本のように細分化されておらず、上位集中化しているということです。大きな産業として屹立していると言うことができるでしょう。
もう一つちなみに、フォーチュン誌が"Planet Walmart"というタイトルでウォルマートの象徴的な数値を上げているので参考までに。
8%:ウォルマートの小売市場に占める売上高比率。
1億4,000万人:一週間に米国ウォルマートを訪問する客数
210万人:ウォルマートで働く世界中の社員数
8,416店舗:世界中の全店舗数
凄すぎですよね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:09 AM |
April 14, 2010
[ウォルマート] 価格の上昇と値下げキャンペーン
数日前にウォルマートが大きな値下げキャンペーンを開始したという話をエントリーしました。
ところが、でも総体としての価格は下がっていない、という証券会社のアナリストによる調査結果をNew York Post紙が報じました。
ウォルマートのグローサリーの価格は、現在仕掛けている値下げキャンペーンにもかかわらず2月から2.3%上昇している。さらに1月から2月にかけては1.9%上昇していた。
31アイテムのバスケット価格比較です。
一方比較対象としてホールフーズでも価格調査を実施、こちらは12月以来5%価格を下げている。
つまり、低価格のウォルマートが上へとずれ、高価格のホールフーズが下へとずれ、価格が真ん中へと近づいているという論旨です。
もちろんもともと価格差がかなりありますから、近づくと言っても方向として真ん中へと向かっているという意味に過ぎません。
一般的なマススーパーマーケットと価格比較した場合、ウォルマートは12%安く、ホールフーズは14%高い、という調査結果をこのレポートは付け加えています。
さてこの話、本当だとしたらきわめて興味深いですね。
総体としての価格を上げつつ、ドカンと価格販促をかけて安さを訴える。
最終的には、販促かけたにも関わらず、でも総体として下がってはいない。
実に巧妙な価格戦術です、これは。
ウォルマート、奥が深いです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:19 PM |
April 13, 2010
[ウォルマート] 英アズダのCEOが突然の辞任
英アズダのCEO、アンディ・ボンドが辞任を表明しました。年齢はまだ40台、突然の発表だったようで憶測を呼んでいます。
憶測とは、ウォルマートがホームリテールという企業の買収に動いていて、この買収についてアンディ・ボンドと米ウォルマートと意見の衝突があったのではないかというものです。それとアズダがここ数年業績が良くなくて、これも何らかの影響を及ぼした可能性もありそうですね。
さてこのニュースで私の興味を引いたのは、買収対象のホームリテールという企業がホームベースというホームセンターを傘下に持っている企業である点です。アズダはスーパーマーケットですが、イギリスでは大手企業による上位集中傾向が強くてもはや買収による成長は少々難しい。
そこれで非スーパーマーケット企業の買収で売上高の成長を考え始めている、と理解することができるわけです。
つまりウォルマートは海外においては買収対象の業態についてはけっこうフレキシブルなんだなということが分かります。
これは日本にも当てはまるのかもしれない。
ただし憶測に過ぎず、ウォルマートが公的に認めた話ではないので念のため。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:27 PM |
April 10, 2010
[ウォルマート] 1万アイテムを値下げして巻き返し
ウォルマートが大きな値下げキャンペーンを開始しました。
今回値下げしたのはグローサリーを中心とした約1万アイテム、このだけの数の値下げは過去ちょっと記憶にありません。すべてロールバックなのでメーカーから販促金が出ているわけなのですが、よくこれだけの数を集中できたなと感心してしまいます。
業績が下り気味であるため、巻き返すための価格プロモーションなのですが、これぐらい一気にやると効果もありそうな気がします。
昨日、一日店舗視察で店を見て回っていたのですが、ちょうどウォルマートスーパーセンターに行って、このプロモーションの様子を見てきました。
金曜日の昼間にもかかわらず結構お客が入ってまして、少なくとも私が訪問した店舗は販促の効果がいきなり出ていたように感じました。
以下、店内の写真です。
入り口のウェルカムメッセージ
エンドのサイドボードで訴求
落下をイメージしたサイン
大量陳列のインパクト
これもまたプロジェクトインパクトの修正ということになるのでしょうね。
果たして効果は出るのか?
<追記>
これから東京へ向かいます。10日ほど出張となるためアップデートのリズムが乱れますがご容赦ください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:07 AM |
March 31, 2010
[ウォルマート] グローサリーの比率が初めて半分以上に
昨年度のウォルマートの売上高に占めるグローサリーの比率が51%となって、初めて半分を超えたことが分かりました。
業界シンクタンクが報じたものなのですが、ウォルマートの場合決算資料におおまかな分野別の売上高比率がいつも掲載してありまして、これの昨年分を手に入れたようですね。
ただグローサリーと言っても、HBC、洗剤、紙製品、ペット用品、といった非食品も含まれています。
日本には、食品、衣料、住関連(つまり衣食住)という、極めて強固な分類があって、食品と例えばHBCを同列で扱うということがどうしてもできないのですが、欧米はもともとそういう"言葉縛り"がありませんから、消費者ニーズによって分類を柔軟に変えていきます。
ここで言うグローサリーは、ハウスキーピングニーズという表現に変えると分かりやすいかもしれませんね。
さてウォルマート、この比率の変化がどういう意味を持つのか。
客数は増えるけれど、荒利益の低い領域の比率がどんどん増えていくわけですから。
いまはグローサリーに重点を置いているけれど、近いうちにハードウェアや衣料にまたリソースを投入してバランスを取るのか。
興味深いです。
ちなみに、食品比率が8割ぐらいを占めていて非食品が弱く、ほとんどスーパーマーケットと言ってよい日本のGMSと比べると非常に健全と言うことはできますよね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:34 PM |
March 24, 2010
[クローガー] 今年は価格で競合せず
クローガーのCEO、デイビッド・ディロンが金融会社のカンファレンスでスピーチ、ウォルマートとの競合について触れました。
ウォルマートや他のディスカウント系のリテーラーよりも総体として買い物環境が優れている。
クリーンな店舗、スピーディなレジ、良くトレーニングされてお客の役に立つ店員、良いアソートメント、これらにフォーカスを当てるようにしている。
これがウォルマートとの差別化になっているし、まだまだ伸びる余地は残っている。
とまあ、こんな論調です。
ウォルマートと競合する企業としては良くあるコメントで新味はありません。
昨日、ウォルマートによる食品の値下げキャンペーンが明らかになったばかりですから、これを意識したものなのかもしれません。
クローガーはダンハンビーUSAによるロイヤルティマーケティングがうまく稼働していて、つまり価格とは違うところで差別化に成功している。またここ数年経費率をどんどん下げていて価格競争力もかなり強くなってきていることは事実なんですね。
ただ第4四半期に7%の増収ながらも27%の減益を記録、通年では7.7%の増収に対して94.4%という大幅な減益に終わっています。既存店は2.1%の伸びでした。
これについては、昨年第1四半期に実施した価格販促に対して競合企業が予想以上に反応し、さらにこれが年の後半まで継続してしまったことを理由として挙げています。
体力を超える値下げ合戦となってしまったということのようです。
今回のコメントは、これに対する反省もあったのかもしれません。
昨年ウォルマートは既存店成長率をわずかに下げてしまいましたが、最終利益率は3.5%と例年通り。
ウォルマートの既存店の前年割れについていろいろ言われてますが、他社と比較した上で語る必要もあるようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:18 PM |
March 23, 2010
[ウォルマート] 6週間の食品値下げで既存店を活性化
昨日に引き続きウォルマートのネタです。
これから6週間かけて食品1万アイテムを値下げするプロモーションを実施する予定であることが分かりました。証券アナリストがCMOのジョン・フレミングの談話として公開したものでウォルマートが公式にプランを発表したわけではありません。
まもなくイースターでシーズナルプロモーションのシーズンなので、これに合わせたのでしょうが、1万アイテムというのはかなりのものです。普通のスーパーマーケットのアイテム数が4~5万アイテムぐらいですから、スーパーに換算すると4分の1を値下げすることになる。
また6週間という短さも気になりますね。通常のロールバックは13週間が基本ですから、販促の位置づけも特別なもののように感じます。
最近入手した資料によると、ウォルマートはどうやらプロジェクトインパクトが売上にネガティブに作用したことを認めて、これから修正にとりかかるようです。
その中に既存店売上高を上げるためにロールバックを最強化するという項目がありまして、おそらく今回のもその一貫なのでしょう。
昨日訪問した本社前の店舗で、主通路上の島陳列がわずかながら復活していたのも、ひょっとしたらこの再修正のための実験なのかもしれません。
プロジェクトインパクト、まだ試行錯誤してます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:04 PM |
March 22, 2010
ベントンビルとプレスティージブランド
今日はベントンビルに来てます。趣向を変えて雑感を少々。
昨日の夜に着いたのですが、雪が降っていてびっくり。ローカルの人たちも驚くほど遅い時期の雪だったようです。
しかし今日は晴天、気温も急速に上昇中。
これは敷地へのエントランスにある有名なサイネージです。アメリカ国旗が印象的ですね。
ウォルマート本社前のスーパーセンター。昨年プロジェクトインパクト型に改装されたばかりです。

一つ発見したのは主通路上にパレット7つ分だけ島陳列があったこと。プロジェクトインパクトはこれをすべてなくしてしまったのですが、ひょっとするとこれから若干戻すのかもしれません。すっきりすべてなくしてしまうことがネガティブに作用しないかと個人的に危惧していたのですが、やっぱり影響が出てるんじゃないかと感じます。
ちょっと時間があったので数年前にできた大型ショッピングセンターに足を伸ばしました。いつもは時間がまったくなくて行けずにいたものです。
デパートメントストアのディラードに入ってびっくり、シャネルやクリニークといったプレスティージブランドが勢揃いしてるんですね。セフォラもあった。
15年前、はじめてベントンビルに来たとき、ほんとうに何もなかったことを覚えています。
実はサム・ウォルトン存命中、田舎のままでいて欲しいという彼の意向をうけて市が開発を控えていたんだそうですね。亡くなって、重しが取れて、一気に開発が進み始めた。
ウォルマートだけじゃなくて、大手メーカーの多くがここにオフィスを持っていて、高給取りが実はけっこういるわけです。そういう市場を狙ってプレスティージレベルの店が増え始めている。
ベントンビルもどんどん変わってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:02 PM |
March 17, 2010
[プロクター&ギャンブル] 環境テーマのプロモーションを全米展開
プロクター&ギャンブルが環境をテーマにした販促キャンペーンを全米で展開します。名称はFuture Friendly、期日は3月29日から、全米の15,000店舗で一斉にプロモーションが始まります。
販促プラットフォームには、テレビコマーシャル、デジタル広告、ソーシャルメディア、商品ラベル、陳列ディスプレー、が含まれてます。
そのコンセプトが興味深い。
既存の商品の中から環境テーマに合うものを選択し訴求するわけなのですが、ポイントは、高額な環境に良い商品を提供するのではなくて通常の商品のアピールの仕方を変えている点にあります。
つまり、環境に貢献はしたいけど商品にエキストラは払いたくないよという大多数を占める消費者に対して訴えようとしている。
同社の調査によるとその比率は68%らしい。
商品を選択するに当たっての条件は、熱エネルギー、廃棄、水の3つの分野において、最低一つの分野で測定可能で意義のある節約を提供する商品、としています。
例えばタイドのコールドウォーター、温水を使用する必要がないため熱エネルギーの節約になる、というわけです。
実は、2007年からイギリスとカナダですでに実施しているんですね。ホームページもあります。
アメリカでは昨年のアースデーにウォルマートを含む一部の店舗と地域で実験、そして今年から全米展開というわけです。
なぜイギリスとカナダからなのかは書いてないんですが、おそらく消費者の環境意識が高いんでしょうね。
アメリカ人もようやく環境メッセージを受け取る準備ができてきたとプロクター&ギャンブルが踏んだというわけです。
これもまた、震源地はウォルマート。
プロクター&ギャンブルは濃縮型洗剤の開発を当初は渋っていて、これを説得したのがウォルマートという有名な話があります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:46 PM |
March 9, 2010
[ウォルマート] プロジェクトインパクトの成否は?
複数のメディアがウォルマートの苦戦についての記事を掲載しています。
一つ目はアソートメントを絞り込みすぎたため客が離れてしまい、SKUを少しずつ戻し始めているという話。
二つ目は価格競争力を失いつつあるのではないかという話。ターゲット、バリューディスカウントストア、スーパーマーケットが狙い撃ちしていて、お客の認識も変わりつつあるんじゃないかというストーリーです。
昨年度の業績については先月すでにエントリーしましたが、既存店成長率がマイナス成長でした。上場以来初めてなんじゃないかと書いたのですが、どうも社史上初めてということのようですね。
このマイナスの理由が、絞り込みすぎと、価格戦略、の2つにあるというわけです。
業界のいろいろな人に感想を聞いているのですが、プロジェクトインパクトについてはやはり賛否がありまして、そして否定意見については同社幹部はちゃんと認識してはいます。
でもとにかくやらねば、ということなんですね。
私自身がよく日本の方から「これどうなんですか?」とよく聞かれるのですが、「分かりません」としか答えようがない。ただ、商品があふれてくるような賑やかさがなくなってしまったことは事実で、それをアメリカの消費者がどう受け止めるのだろうかというのが、私が個人的に知りたいところではあるんです。
これもすでに書いたことなのですが、既存店の売り上げは落ち気味なんだけど、経営数値のベンチマーク数値は極めていい。
つまり、これからの時代売上は落ちる、だから落ちてもいいようなリーンなモデルにしようとしている、ということなのかもしれないなと。
まあこのあたりは私がなんとなく感じていることに過ぎないので、あまり信用はしないでください。
ウォルマートの業績はしばらくウォッチしなければいけません。
《追記》
東洋経済3/13号(3/8発売)に拙文が掲載されています。
特集「百貨店・スーパー大閉鎖時代!」の中の「海外百貨店事情」、です。
いつも業界誌での執筆なので宣伝しないのですが、今回は皆さんが手に取ることができる一般誌なので、書かせていただきました。
ぜひお読みください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:13 PM |
March 8, 2010
[ウォルマート] マーケットサイドのPBブランド化
ウォルマートがマーケットサイドのホームページを先週リニューアルして再オープンさせたのですが、店舗情報が消えてなくなりました。
実は実験店舗としてオープンしてしばらくしてホームページから店舗情報がなくなり、これはひょっとすると店舗はもうだめなのかなと思っていたのですが、今回のリニューアルで再び店舗情報が欠落していると言うことは、現時点における同社のスタンスはもう明らかです。
先週サステナビリティ・コンソーシアムの責任者と面談しにフェニックに行きました。このとき2店舗に立ち寄ったのですが、1店舗目には店内になんとお客がゼロで閑散としてました。平日とは言うものの、午後の4時ですからこれはちょっと問題かなと。
ネットの状況とリアルな店舗を見るに、やはり現状ではうまく行っていないんだろうなと思います。
ウォルマートはこの"マーケットサイド"という名称を、フレッシュ(生鮮青果や総菜)分野のPBで使っていこうとしています。そろそろ全米展開し始めているかもしれませんが、私の知っている限りではダラスやフェニックスなど一部の地域から販売をスタートしています。
おそらく本当は、店舗とブランドを平行して進化させたかったんでしょうね。
そういえば、セイフウェイの小型フォーマット、ザ・マーケットも増えてません。
大型店舗の運営ノウハウと小型店舗の運営ノウハウはかなり違うということを感じます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:15 PM |
March 1, 2010
[ウォルマート] 温室効果ガス2,000万トンを2015年までに削減
今日は先週発表があったウォルマートによるエコイニシアチブについて。
すでにあちこちで書かれていることなので詳細は省きますが、2015年末までに温室効果ガスを2,000万トン削減するという目標を掲げました。この発表に合わせてベントンビルで環境カンファレンスを開催、その模様はウェッブでライブ中継されて、現在はホームページのGreenhouse Gas Commitmentにアーカイブされて閲覧可能となっています。
この2,000万トンという温室効果ガスの削減量は、今後5年間にウォルマートが排出するであろう二酸化炭素の1.5倍に相当し、また380万台分の車の年間排出量に匹敵するそう。
さて、この発表を米メディア各社が報道しているわけですが、サプライヤーに温室効果ガス削減を「プッシュ」や、「強制」、というタイトルが目につきました。
日本語のニュースを検索すると、ほとんどがウォルマートが削減するというタイトルになっているのと好対照です。
今回のイニシアチブはサプライチェーン全体をカバーするものですから、ウォルマートはあくまでも音頭を取っているに過ぎないわけで、ちょっと視点を変えるとサプライヤーに押しつけている、となるわけです。
アメリカのメディアのほとんどはそんな視点で書いてます。
良くも悪くも、アメリカはもはやウォルマートが引っ張らないと環境イニシアチブは動かなくなってしまっているような印象を持ってます。
ちなみに明日、ちょっと目的がありましてサステナビリティ・コンソーシアムの責任者と面談してきます。場所はフェニックス。テーマは環境、ということで現在エコで頭がいっぱいとなっています。
なので、明日はエントリーお休みとなると思います。
もし時間があればどこかでアップしますね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:23 PM |
February 24, 2010
[ウォルマート] Vudu買収にみる戦略性
ウォルマートがVuduを買収するそうです。買収額などは不明、両社ともに多くを語っていません。
この買収、実に興味深い。
Vuduは創業3年目の若い企業です。
テレビにつなぐと映画が見れるというデバイスを開発して売っていたのですがまったく売れず、ネットのストリーミングに方針転換、映画1万6000本のライセンスを取得する一方、サムスンやシャープといった家電メーカーとも契約して彼らの商品にサービスを提供するビジネスを開始して、俄然注目を浴び始めた。
ウォルマートによる買収は先月から業界では話題になっていたようです。
ウォルマートは世界で最大のDVD販売ボリュームを持つ企業です。
ただここ数年売上が落ち続けている。理由は映画を"買う"から"借りる"にシフトしてしていることにあるわけなのですが、この借りるに自動販売機(キオスク)のような格安タイプが生まれたり、ケーブルオンデマンドやデジタルオンデマンドといったより便利なタイプが伸びてきていて、どんどん変化している。
同社はこのうちのデジタルオンデマンドを押さえようと数年前かえら実はいろいろトライアルしてきているんだけど、うまくいかなかった。
そして、自前ではうまくいかかないので、この分野で成功への道筋を付け始めた企業を買収してしまった、というわけです。
テレビを買ってネットにつなぐ。
Vuduがプレインストールしてあって、オンデマンドでストリーミングして映画が見れる。
これをウォルマート傘下の企業が取り扱う。
店頭の売上はこれから減るけれど、ネットで補ってしまう。
これがウォルマートの長期戦略と言うことになります。
日本の大手小売企業とはまったく異質の発想じゃないでしょうか。
今朝のWSJ誌は、ビデオレンタルのブロックバスターの苦戦をトップに持ってきていたのですが、ウォルマートのこの動きと見比べるとと非常におもしろい。
本来ならばならばこの買収、ブロックバスターがやらなければならない案件というような気がしますね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:34 PM |
February 23, 2010
[ウォルマート] 昨年の業績を発表、既存店成長率がマイナスへ
出張中の2/18にウォルマートが09年度の決算を発表しました。もうあちこちで目にしている方も多いと思うのですが、ここでもまとめておきます。
【米ウォルマート】
売上高2,582億2,900万ドル(前年比1.1%増)、営業利益高195億2,200万ドル(前年比5.2%増、既存店成長率0.2%減
【海外事業】
売上高1,001億700万ドル(前年比1.3%増)、営業利益高50億3,300万ドル(前年比1.9%増、
【サムズクラブ】
売上高476億1,000万ドル(前年比-0.4%減)、営業利益高15億1,200万ドル(前年比8.1%減)、既存店成長率0.8%減
【トータル】
売上高4,050億4,600万ドル(前年比1.0%増)、最終利益高143億3,500万ドル(前年比7.0%増)、既存店成長率0.3%減
トータルでは今年も増収増益で、しかも最終利益は7%増ですから、好調な決算と言うことができます。ただ懸念材料は既存店、マイナス成長となりました。ひょっとするとこの企業、通年で既存店の成長率が前年を割り込むというのは初めてのことなのではないでしょうか。
これが何を意味しているのか。
第4四半期も既存店成長率がマイナスだったのですが、食品と家電のデフレが影響したとしています。また通年のマイナスについては、一昨年の既存店が良すぎたと指摘。
つまりとりあえず経済環境を理由としているわけです。
でも、ひょっとすると在庫を減らしたリモデルストアも影響しているんじゃないかと。
在庫は減らすと売上も落ちます。
ちなみに期末の在庫は3.9%も減っています。
このリモデルの影響はさておき、経営数値の指標はどんどん良くなっているんですね。棚卸資産の回転日数、回転差資金、キャッシュサイクル、等々、数値はみんな良くなってます。
ざっくりと表現するならば、経済の不安定で収益が悪化しそうな中、財務体質は逆に強化されている、とでもなりましょうかね。
恐るべし、ウォルマート。
懸念材料は販売管理費率、とうとう19.5%となって20%目前となりました。
これはそろそろ下げる方向に持って行かないと、まずいんじゃないかなあ・・・と感じてます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:00 PM |
February 4, 2010
[ウォルマート] 本社人員300人をレイオフ
ウォルマートが本社人員300人をレイオフすることを発表しました。
数日前にエントリーしましたがいまウォルマートは全社的な組織再編に取り組んでまして、本社人員の削減もその一環のようです。
リリースされたCEOマイケル・デュークのコメント。
"If we ask our operations to be leaner and more customer-focused, we must ask the same of our support teams at the home office."
- オペレーションをいっそうリーンとし、さらに消費者フォーカスとするためには、本社のサポートチームにも同じことを要求しなくてはならない(ほぼ直訳)。
実はこの300人程度の本社人員のレイオフは、ウォルマートにとっては今に始まったことではなくて、定期的に実施していることなんですね。
本社スタッフ700~800人を削減
これは去年ですが、数年前にも実施していた記憶があります。
官僚体制になってしまうことを未然に防ぐ。
現場の痛みを本社も共有しろ。
そんな意図やメッセージを感じます。
日本は高度経済成長時代にできあがったレイオフしない社会文化を今も引きずっていて、我が国の大手小売企業は肥大化したままです。
アメリカがすべて正しいわけではない。異常なほどの高給を取る経営陣を鑑みるとなおさらです。
ただ赤字を出したわけでもない世界最大の企業がスリム化に熱心な姿を見ると、日本の大手小売企業の未来を考え暗澹とした気分となってしまうのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:14 PM |
January 29, 2010
[ウォルマート] メジャーな組織の再編成を実施
ウォルマートが国内外の組織の再編成を発表しました。細かい組織変更はちょくちょくやっているのですが、大きな部門の再編なので発表したのでしょう。
◇ウォルマート事業部門では店舗オペレーション、ロジスティクス、不動産をCOO直下におく。ロジスティックスと不動産はウォルマート事業とは離れた独立した部門だったのですが、これを一つにまとめることになります。
◇店舗オペレーションの地域分類を、ウェスト、サウス、ノースの3つとする。これはもともと5つでした。
◇独立事業体だったネット販売のウォルマート・コムをマーチャンダイジング部門に統合する。
主要なものだけ抜粋しましたが、これに加えてかなりの職位の役割の変更があったようです。また海外事業についても変更があって、西友の人事異動がちょうど発表されてましたがこの本体の動きに連動しているようです。
この企業はもともと人の異動や組織変更を頻繁に行うことで知られてますが、今回のものはここ数年取り組んでいる新イニシアチブと、景気の悪化による環境の変化の2つが背景となっているように思います。
また先日はサムズでも組織変更がありましたが、つまり全社ベースでガンガン変えているわけです。
これほど大きく揺り動かしている競合他社が見あたらないことを考えると、やはりウォルマートはいろいろな意味で突出しているなと感じます。
ちなみにこういうのを英語でリストラクチャリング、またはりアライン(Realign)と表現します。日本ではリストラ=レイオフとなってますが、本来は組織構造を再編すること意味している単語ですね。
本当はエントリーのタイトルをリストラとしたかったのですが、日本の皆さんに勘違いされてしまうことを避けるために再編成を使用しました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:40 PM |
January 24, 2010
[ウォルマート] サムズが1万1,200人をレイオフ
サムズクラブが1万1,200人をレイオフする予定であることを発表しました。トータル社員数が11万だそうなので、約1割にあたります。
そのうちの約1万人が店頭でサンプルするデモ販売をやっているパートタイマーで、残りの1,200人がおなじく店頭で新規会員を獲得する仕事をしているパートとなっています。
レイオフの理由は、デモ販は外部の専門会社にアウトソースするため、新規会員の獲得には別の有効な手法上がるから、となっています。先日10店舗の撤退を発表したばかりで、業績も競合のコストコと比べると良くないのですが、業容縮小のためのレイオフというわけではないようです。
デモ販は業界慣行としてもともと外部委託する領域でして、自前でやっていること自体が珍しいとも言える。ウォルマート本体はアウトソースしてますし、スーパーマーケット業界全体がそうです。
ですから今回の外部委託化そのものは驚くことではない。
またレイオフされたデモ販要員の多くはアウトソーサーに雇われる可能性が高そうなので、社内不安が起きるようなものでもなさそうです。
ただ、こういうリストラをどんどん進めていくアメリカの大手小売企業と、ほとんど進まない日本の大手小売企業を見比べると、暗澹とした気分に少々なります。組織編成の大胆な改革に取り組む大手企業って、あまり聞きませんものね、日本では。
もちろん、人をぽんぽん切ってしまうアメリカのやり方も決してほめられたものではないのですが。
さて話は変わりますが、先週末広島へ行ってきました。目的は写真の店舗を見るため。
この企業、作業に対する思想が根本から異なっています。簡単に言うと、日本の小売業が文系と体育会系で占められているのに対して、この企業は理系なんです。
流通業界って、アメリカもそうなのですが、ユニークな企業は田舎から生まれるのだという真理を再確認しました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:18 PM |
January 19, 2010
[ウォルマート] サムズが組織の再編成を実施
先週、サムズが不採算店舗10ヶ所を閉鎖する事を発表しています。サムズは600店舗を展開していますので、規模を考慮すると10店舗程度の撤退は普通のスクラップ&ビルドの範疇なのですが、今まで年間に二桁を閉鎖したことがなかったのでメディアがこぞって取り上げていました。
さて一週間後の昨日、今度はカテゴリー分類の再編に伴う人事の変更が実施されました。"食品&ビバレッジ"、"ヘルス&ウェルネス"、"テクノロジー&エンターテイメント"、"ホーム&アパレル"、"フューエル(ガソリン)、オート、タバコ、キャンディ"、の5つです。
もともとは、"雑貨"、"食品"、"ハードグッズ"、"ソフトグッズ"、"フューエル(ガソリン)を含むサービスビジネス"の5つでした。
よくある言葉を使うと、生活者視点でのカテゴリーの再編成、とでもなりましょうか。または、ライフスタイル分類、という表現が好きな方も多いかもしれません。
要は消費者ニーズに従って部門のくくりを変えたということです。
日本の小売企業はこれがなかなかできませんね。いまだに、衣食住、ですから、旧態依然としています。
ところでこのサムズの一連の変化は、本体ウォルマートのプロジェクトインパクトに連動しています。つまり同じ文脈でビジネスを変えようとしているんです。マーチャンダイジングを大きく変えていて、これが部門の再編成に影響してます。またプロジェクトポートフォリオと呼ぶ新しいプロトタイプも導入するなど、店舗オペレーションも変革のまっただ中です。
ということで、ウォルマートは本体だけではなくてサムズも変わりつつあるという話でした。
<追記>
来週講演があるため本日より日本に出張します。エントリーのリズムが崩れますが、ご容赦いただければ幸いです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:18 AM |
January 4, 2010
[ウォルマート] グローバルソーシングの効率化イニシアチブ
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もこのRetailwebをどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて年明け最初のニュースはウォルマートです。サプライチェーンの効率化イニシアチブを立ち上げることを明らかにしました。ファイナンシャルタイムズ紙が報じています。
取り組みの核とる分野はグローバルソーシングで、簡単に言うと中間業者を可能な限り排除してダイレクトソーシングし、流れを集約しなおして効率化はかる、ということとなります。
CEOのカストロライトのコメントは、「今後数年間にレバレッジがかけられる主要な領域となるだろう」。最近のウォルマートはレバレッジという表現をよく使うのですが、特定領域をてこ入れすることで全体に影響を及ぼす、というような意味合いです。
このために、衣料と非食品をメインに扱うグローバルマーチャンダイジングセンターと呼ぶ配送センターを4ヶ所を設立。また青果もグローバルベースでダイレクトソーシングに転換、その後は鮮魚、冷食、加工食品にもこのイニシアチブを波及させて行く。
ダイレクトソーシングにすることで今後5年間に5~15%のコスト削減を実現、長期目標として掲げている全体の80%をダイレクトにすることができれば40~12億ドルの節約になるだろうとしています。
同社はプロジェクトインパクトで店舗段階の業務改革を現在進行形で進めているわけですが、流れがほぼできあがったので、次はサプライチェーン、とくにソーシングの効率化に取り組む、ということなんでしょうね。
ウォルマートに停滞の二文字は無縁、です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:45 PM |






