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April 23, 2008

止まらない建設プロジェクトと上がる空室率

先日こういうエントリーをアップしました。
商業不動産の空室率急増の可能性

新たに入手した情報によると、ショッピングセンターの空室率は確実に上昇するみたいです。
新規ショッピングセンターの総面積は2005年の9400万sqfをピークにして06年、07年と下がってきた。ところが今年は第1四半期で2500万sqfがすでに完成し、年内の完成予定面積を考えると、昨年並みか昨年を越える面積が市場に出回る可能性が高いのだそう。

また新規ショッピングセンターの空室率が年々上昇している。01年の4%からずっと上がり続けていて、03年と04年が6%、05年が9%、06年が13%、07年が22%、となってます。昨年の既存ショッピングセンターも含めた全体の平均値が7.6%だったそうなので、新規物件の場合はすでに3倍ほどの空室率となってる。そして今年はこれがさらに上がって28%程度になるんじゃないかと見積もられてます。

つまり、今年完成するショッピングセンターはいきなり3割程度テナントが入らないということになる。
これは、オーナーとしてはかなりやばいですよね。キャッシュフローレベルが低い企業にとっては、かなり厳しい状況となりそう。


現在リネンズン・シングスが倒産の危機に瀕してます。今週中には・・・ということなんですが、どうなることやら。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 01:34 PM | | トラックバック (0)

March 29, 2008

商業不動産の空室率急増の可能性

今年は小売企業の倒産が91年以来の高水準となるかもしれないそう。91年はアメリカで金融危機が起こったときで、今年はそのとき以上になる可能性があると、不動産関係者が警告しています。

商業不動産の空室率が過去6ヶ月間に5%から7〜8%へアップしているそう。
そしてこの数字が今年末までに10〜12.5%まで上昇するかもしれないとしています。

問題は、不動産の増床ペースがまだ止まっていなくて、昨年並みの小売スペースが今年増えるだろうと見積もられていることにあるんですね。建設プロジェクトは、プロセスが一定レベルまで進んだらなかなか止められませんから。景気が悪化したから、すべて白紙にしましょうとは簡単にいかないわけです。

倒産が増えて撤退する店舗が増える一方、不動産スペースの増床ペースが止まらない。
そのため、空室率が高騰してしまう。
そんなシナリオの可能性が高まっている。

業界メディアに悲観的な見解が増えてきたように感じます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 03:47 PM | | トラックバック (0)

January 02, 2008

[セントロプロパティーズ] デフォルトの危機で資本売却を検討

明けましておめでとうございます。
今年も皆様にとって、良き年になることを祈念しております。

さて本日のLAタイムズに、セントロプロパティーズというショッピングセンター専業の不動産会社が資本売却を検討しているという話が掲載されていました。オーストラリアで2番目の企業で、米国事業の規模は全米5位だそうです。サブプライム問題によるクレジットクランチ(貸し渋り)が原因だそうで、とすると流通業関連企業の最初の犠牲者となりそうな気配です。

米国事業の大部分は昨年40億ドルで買収したニュープランエクセルというリート(REIT)が占めているのですが、34億ドルに昇る借入れ金の借り換えが進まず、そのうちの一部が2/15にデッドラインを迎えるそう。デフォルトの危機に瀕しているというわけです。

ふと気づいて昨年の業界誌をめくってみたら、このセントロの幹部が特集記事の一面を飾ってました。40億ドルという巨大な買収で一気に大きくなった成長企業としてハイライトされてました

こういうニュースはこれから増えてくるじゃないでしょうか。まずは不動産会社に問題が発しましたが、流通企業にもじわじわ影響が出てくるかもしれません。バブルの波の最後尾でババを引いた会社がこれからデフォルトを起こすことになるわけですが、一方これをたたいて買ってうまく儲けてしまう勝ち組も出てくることと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 03:43 PM | | トラックバック (0)

May 04, 2007

不採算店舗を利益に変える

アルバートソンズの資本売却の相手が、スーパーバリュ、CVS、そして金融グループの3つに分かれていたことはご存知のことと思います。
このうちの金融グループには、バイアウト企業の他にリート(REIT、不動産投資信託)のキムコリアルティが含まれていました。キムコは商業不動産の中でもショッピングセンターに特化した企業ですが、リーシング、デベロッピング、バイアウト、そしてプロパティマネジメントと、すべてのサービスを提供する総合リートです。

アルバートソンズの場合はこのうちのバイアウトで、つまり不採算店舗を買い取り、なんらかの手を施し、可能な限り高く転売してキャッシュ化する、ということをやっているわけです。

このキムコが四半期の業績発表の中でアルバートソンズについて言及、5100万ドルの投資に対して5600万ドルの利益をもたらした、とコメントしています。つまりバイアウトした果実をもう既に手にしたということなわけなのです。そのスピードもさることながら、しっかり利益を出しているということを確認すると、バイアウトが持つ機能というものを再認識せざるを得ません。

利益が出せるなら、なぜスーパーバリュは一緒に買わなかったのだ、という質問があるかもしれません。またはアルバートソンズはなぜ自分でそれをしなかったのだ、という質問もあるかもしれません。

前者について答えると、小売企業にはそこまでのノウハウがないのですね。店をビルドすることはできるが、スクラップすることは難しい。または価値を極大化してスクラップすることはもっと難しい。プロだから利益を出せるというわけです。
後者についても答えは似ていて、他で利益が出ているとなかなか撤退に踏み切れないものなのですね。優良企業のアルバートソンズといえども大量の不採算店舗を抱えていて、スクラップできなかったということです。

この点は、メーカーも同じ。ブランドをどの時点でスクラップするかという明快な基準をあらかじめ持っているメーカーは、ほとんどいないでしょう。

これがバイアウトの価値です。
スチールパートナーズのように口だけ出す投資企業のおかげで日本ではネガティブな印象がとても強いのですが、再生型のバイアウトにはそれなりの機能と価値があるのです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:54 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)

February 19, 2007

サイモンがミルズ買収

ミルズが苦戦していることはすでに報じました。

「ミルズ売却?」
「存亡の危機にあるミルズ、その真相は?」

今年の初頭の1月に、カナダのブルックフィールドという会社が13億5000万ドルで買収に名乗りを上げ、いったんは正式に決定したのですが、米国ショッピングデベロッパー最大手のサイモンプロパティーズが16億4000万ドルのオッファーを出して、こちらで最終決定となりました。

もうすでに書いたことなので詳細は省きますが、ミルズは無理な拡大戦略と、あの有名な巨大インドアモール型プロトタイプの陳腐化(いまはウェストフィールド的なライフスタイル型のほうが優勢)、会計ミスなどが重なって、業績を落としてきました。

サイモンの資本が入って一息といったところですが、ミルズ型モールの陳腐化にどう対処するのか、これからが本番といったところでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 05:02 PM | | トラックバック (0)

September 04, 2006

「ショッピングセンターデベロッパーの泥仕合」Vol.10,No.36

アメリカ流通eニュース

 ロサンゼルスにはザ・グローブというオープンモールがある。ファーマーズマーケットという観光地の横にオープンした再開発型のショッピングセンターなのだが、いろいろな意味でなかなかユニークな存在である。ライフスタイルセンターの先駆けのような存在だし、このライフスタイルセンターをもっとも先鋭化しハイエンドにしたらこうなるというサンプルのようだし、そして再開発型としての成功例でもある。
 開発したのはカルーソー・アフィリエイトというSCデベロッパー業界ではほとんど無名の企業である。リック・カルーソーというもともと弁護士だった人物が起こした会社だが、グローブの成功で一躍表舞台に飛び出たと言ってよいだろう。カルーソーは今や知る人ぞ知るという存在となっている。
 さて、グローブの成功を背景として、この人物は同じタイプのSCを増やそうとしていて、ロス郊外のグレンデールですでに認可を受けて着手しているのだが、さらにアーケディアという町にも作ろうとし、近隣に存在するSCオーナーからの反撃を受け、市議会をも巻き込んでの建設認可をめぐって泥仕合となっている。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 03:15 PM | | トラックバック (0)

August 03, 2006

ショッピングセンター内フードコートの革新

きょう地元ロサンゼルスにあるセンチュリーシティのショッピングセンターに行く機会がありました。ウェストフィールドというオーストラリア資本のデベロッパーが数年前に買って、現在改装の真っ最中なのですが、フードコートのコンセプトに少々驚き、思わずアップしてしまいました。
私は仕事柄モールに行くチャンスは多いのですが、ここまで斬新なフードコートはまだ他に存在しないと思います。

  1. きわめてコンテンポラリーなデザイン、ここまで凝ったデザインコンセプトで作られたフードコートは珍しい。
  2. 食事を取るテーブルのおよそ半分はパティオ。雨が降ったら終わりだが、もともとオープンモールだし、割り切っているものと思うが、それでもその割り切りに驚いた。
  3. フラットパネルの多用。テナントの中には、メニュー表示にフラットパネルを使っているテナントも。これは今後の主流になってゆくものと思う。
  4. サーバーが注文を取るタイプのスシバーが、壁面ではなくて内側に存在。スシを売る店はいまや珍しくないが、壁面ではなくて内側に、しかもサーバーが注文をとる形式は実に斬新。

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★すべてフラットパネルで商品を紹介中。中央の写真のテナントではメニューボードにフラットパネルが使われ、商品が代わる代わる映し出されていた。 

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★黒く見えるのがスシカウンター。サーバーが注文をとりに来る。

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★席数のおそらく半分以上はパティオ。

周囲はビジネス街で、ちょうどランチタイムに行ったのですが、ビジネスパーソンでごった返していました。
私は思わず日本食を食べてしまいました。価格は8ドル台と、アメリカのランチとしては高めでしたが、味はまずまず。モール内の日本食はアメリカ人向けにアレンジしてあって、まずい場合が多いのですが、なかなかの品質でした。

理由はいろいろありますが、基本的にアングロサクソンは食にこだわらない文化を持っています。ロサンゼルスやニューヨークのアッパーエリアは例外であり、そういうエリアのモールですから特別ではあるのですが、こういうフードコートが登場してきたということは、特筆していいと私は思います。

アメリカ人の食文化も、少しずつではありますが、こだわり型へと変化しつつあるということなんでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 05:04 PM | | コメント (47) | トラックバック (0)

May 01, 2006

「存亡の危機にあるミルズ、その真相は?」Vol.10,No.18

アメリカ流通eニュース

 ミルズという大型ショッピングモールをご存知の方も多いことと思う。買い物とエンターテイメントをミックする‘ショッパテイメント’というコンセプトをモールに持ち込んだパイオニアだ。この企業が今存亡の危機にある。その経緯についてまとめておこう。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 07:38 PM | | トラックバック (0)

March 06, 2006

「ショッピングセンターデベロッパーがデパートメントストアから店舗を買う理由」Vol.10,No.10

アメリカ流通eニュース

 ショッピングセンターデベロッパーが、デパートメントストア(Dpt)から店舗を獲得するという取引が成立した。デベロッパーはウェストフィールドという、オーストラリア資本のグローバル企業、そして相手はフェデレイテッドである。
 このディール、今後のモールの行き方を示唆していて興味深いのである。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 02:26 PM | | トラックバック (0)

February 20, 2006

ウェストフィールドがフェデレイテッドから15店舗を獲得

ウェストフィールドというのは世界最大手のモールデベロッパーです。
この企業が、フェデレイテッドから15店舗を獲得するそうです。

なぜモールデベロッパーが店舗を買うのか?
壊して、新しく作り直すためです。

どう作り直すか?
オープンスペースを作るためです。

つまり、全天候型のエンクローズドモールの一部を壊して、オープンとして、いま流行のライフスタイルセンター形式を取り入れたいわけです。
ウェストフィールドは所有するモールの多くを、この形式に変えつつあります。

ライフスタイルセンターは、日本でちょっと騒がれすぎているなと思い、昨年チェーンストアエイジ誌(2005/9/15、米国SC新トレンド‘ライフスタイルセンター’を解剖)で、わざわざ水を差す記事を書きました(笑)

端的に言うと、ライフスタイルセンターは立地と消費者を選ぶタイプであるため、大量に作ることは不可能な、いわばニッチ型です。
従来型を凌駕することはないでしょう。

ただウェストフィールドのような、ミックス型は増えるかもしれないなあ・・・。

ちなみにウェストフィールドはオーストラリア資本。
こんなところにも、グローバル資本が存在するんです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 05:57 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)

February 16, 2006

ミルズ売却?

大手ショッピングセンターデベロッパーでREITのミルズが売却を検討しているというニュースを、WSJ誌が報じました;検討している内容は、全資産の売却、またはモールの切り売りの2つのどちらかとのこと。
これは驚きのニュースです。

ミルズと言えば、ショッパテイメント型の、ユニークなオフプライスモールで有名です。
この地、ロサンゼルスにはオンタリオミルズがあります〜このタイプにはすべて地名の後に‘ミルズ’という名称がつくので、知っている方も多いでしょう。
全米に全部で22ヶ所、所有しているようです。
一方普通のモールも18ヶ所持っています。

実はこの1年くらいこの企業は決算報告のミスのトラブルが相次ぎ、株主を代表した団体訴訟が起こったり、証券取引所による調査が入ったりと、コーポレートガバナンスに疑問が持たれてきました。

株価もこの1年くらいに40%近く落ち込んでいます。

ただ赤字になったわけでもなく、株価はまだ40ドル台をつけていますし、売却してしまうほど悪いとは思えない。
ここで売却を考えてしまうところに私は驚いているわけです。
いかにもアメリカ的ダイナミズムというか・・・。

ちなみに普通のモール18箇所のほうが、ミルズ22箇所よりも価値が高いのだそうです。
理由は、ミルズはユニークすぎて、買収対象として逆に魅力がないからだそうで。
なるほど、言われてみればそうだろうなあ・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 06:36 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)