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May 16, 2007

カージナルヘルスによる売却と買収

ドラッグホールセラーのカージナルヘルスが、ヴァイアシスヘルスケアという医療器具を製造する上場企業を買収する予定であることを明らかにしました。現在の株価に35%のプレミアムを乗せた価格をオッファーしており、総額は14億2000万ドルとなります。

カージナルヘルスはドラッグホールセール業界で現在2位だったと思います。この企業の面白さは、卸事業を核としつつ、周辺に存在するビジネスをくまなく傘下におさめていってしまう戦略にあります。Chain of Care 、つまりケアという概念に連なるビジネスを、ホールディングカンパニーの下に可能な限り包括的に押さえていくもので、今回のような医療器具メーカーから、薬剤師の人材派遣ビジネスなど、とにかく幅広いのです。

メーカーとリテール(や医療施設)を両手に抱えつつ、周辺に存在するビジネスをゆるやかに幅広く取り込んでしまう。このビジネスモデルは、日本の卸の一つの行き先として、かなり参考になると思っています。
ちなみについ最近一つの事業を33億ドルで売却したばかりでして、今回の買収はポートフォリオの入れ替えのようなものなのです。

何回かここでも俎上に上げている企業ですが、参考までに…。
カージナルヘルス

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 05:11 PM | | トラックバック (0)

May 03, 2007

ついに決まったUSフードサービスの売却先

アホールドがUSフードサービスの売却を決めたのは昨年の11月のこと、およそ半年で売却先が見つかりました。
03年に会計粉飾が露呈したのがこのUSフードサービスで、10億ドルにのぼる修正を余儀なくされ、親会社が倒産寸前にまでいったことは記憶に新しいところです。

そして買収するのはKKRを中心とした金融コンソーシアム、総額は71億ドルだそうです。
・・・またまたバイアウトの登場です。KKRはイギリスでブーツの買収を決めたばかり、その前はダラーゼネラル、オーストラリアでは一度破談したコールズの買収に動いているそうですから、世界ベースで大型企業の買収を続けています。

バイアウトに流れ込んでいる資本のボリュームは近年急増していると言われているのですが、ここまで続くと、その事実を実感せざるを得ません。株式市場に流れる資本の相当部分が、バイアウト業界に流れているであろうことをひしひしと感じます。

ところでUSフードサービスは、外食卸として全米2位という、大企業でもあります。
アホールドが買収したのは2000年、小売向け物流とのシナジー効果を求めたと言われましたが、けっきょく効果が出ないことが分かってしまった。またオランダに外食卸を所有しているそうで、グローバルシナジーも求めたらしいのですが、これもだめだった。
そして親会社から業績に対して相当なプレッシャーがかかって、粉飾決算してしまったというのがストーリです。

たぶん、数年後に再上場するんじゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 01:23 PM | | トラックバック (0)

November 16, 2006

10億ドルの店舗開発予算

スーパーバリュが10億ドルの予算を投入しての店舗開発プログラムを発表しました。

●生鮮売場〜青果/精肉/鮮魚/ベーカーリー/デリ〜の拡大
●Shop the World(世界の食品)の導入
●Wild Harvest(ナチュラル商品)の導入
●ファーマシーとHBCの拡充

改装にもこのプログラムは適用されます。

スーパーバリュが自社店舗の強化プランを打ち出せば打ち出すほど、卸としての取引先がかすんで行く印象を私は持ってます。今回も卸事業に対する取り組みはまったくありませんでした。卸事業をどうするつもりなのか興味津々といったところです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 03:34 PM | | トラックバック (0)

August 16, 2006

ロン・バークルがスーパーバリュに投資、その思惑は?

ロン・バークルとは有名な投資家です。南カリフォルニアのスーパーマーケット(代表企業はラルフス)のバイアウトからはじめて、フレッド・マイヤーを買収し、これをクローガーとくっつけることで、大きな資産を作りました。
もともとはステーターブラザーズという、ロサンゼルスのローカルスーパーマーケットで、確かアルバイトからはじめた人だったように記憶してます。

いま流行のバイアウトなわけですが、小売業界メインで財を成したという点でユニークです。一説によると政治献金によってクリントンと知り合い、クローガーのCEOをクリントンに紹介したりして、ディールを成就させた、なんて話があります。

またディールメーカーと呼ばれる反面、これだけのディールをまとめる人ですから人物的にも優れているようで、労働組合幹部をしてバークルとなら交渉しても良いとまで言わしめるような人のようです。

さて彼の会社はユカイパと言いますが、スーパーバリュの株を大量に取得していることが明らかとなりました。6億8000万ドルの投資で、全体の12%にまで達している模様。
この結果、様々な憶測が流れてます。単なる投資なのか、それとも再びディールか?

ユカイパは、小売業界ではパスマーク株を51%、ワイルドオーツ株を17.3%保有しています。
このあたりに関連してくるのか?
興味は尽きません。

ちなみにユカイパはアルバートソンズ売却劇で買収候補として上がっていて、スーパーバリュとはアルバートソンズ獲得で競り合った関係でもあります。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 04:32 PM | | トラックバック (0)

June 30, 2006

スーパーバリュ、小売事業に10億ドルの設備投資

年次株主総会でスーパーバリュが、来年度は小売事業に10億ドルを投資すると発表しました。
ジューエルオスコは新規に6店舗にリモデル18店舗、ショーズとスターマーケットは新規に5店舗にリモデル14店舗、などに加えて、オリジナルのアルバートソンズが実施してきたペースを超えるリモデルを実施してゆくとしています。

卸事業はどうするんでしょうね。意図がさっぱり聞こえてきません。
たぶんしばらくは小売ビジネスに注目が集まりますから、応えるかたちで小売に関する言及が増えるんでしょうが。
5000店舗を超える取引先が、これからどうなるのか。これら取引先と競合する企業;つまりアルバートソンズをスパーバリュが抱え込み、強化するとしているわけですから。取引先数は、減ってゆくんでしょうね、たぶん。その結果として、近い将来卸事業は売却してしまう可能性が高いだろうと私は思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 08:44 PM | | トラックバック (0)

May 02, 2006

日米商品展示会の相違と流通集約度

DVC00020.jpgちょっと硬いタイトルとなってしまいましたが・・・。

前回の日本訪問時、偶然日程が合ったこともあって、3月17日に大手食品卸の加藤産業さん主催の展示会に足を運びました。
正直言うと日本での展示会ははじめてだったので、とても参考になりました。
アメリカのやたらお金をかけた派手なもの比べると質素なのですが、必要な機能にシェイプした感じで、とても好感を持てました。
卸主催の展示会としては歴史が非常に長いとのこと、参加人数も相当数なようです。

卸が主催する商品展示会は、アメリカにはたぶんないでしょう。ほとんどが業界団体が主催します。FMIが典型例です。

しかしこの協会主催型は、とくにCPG業界ではここ数年下火となりつつあります。理由は簡単、リテーラーの集約と、メーカーの集約によって、一堂に会してのマーケッDVC00034.jpgトが必要なくなってきてしまった。

逆に大手リテーラーが開催するケースが増えてきています。ウォルマートは新たなベンダーを発掘するために2日間の展示会を毎年開催していますし、HEバットやクローガーなど開催する企業が多い。

つまり一堂に会する場が、リテーラー側に寄って行ってしまっている。

一方日本の場合、メーカーもリテーラーもアメリカのような上方集約が発生していませんから、どうしても真ん中にそういう機能が必要となる。

両国の流通業界の特徴を現しているような気がしています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 02:55 PM | | トラックバック (0)

April 25, 2006

カージナルヘルスのCEO、ロバート・ウォルターズが引退表明

一度記事として掲載しましたが、ドラッグホールセール業界にカージナルヘルスという大手企業が存在します
この企業の創業者、ロバート・ウォルターズがCEOをやめることを17日に発表しました。
後任はP&Gでグローバル・ヘルス事業部門の責任者だったケリー・クラーク。ウォルターズは引継ぎのためしばらくチェアマンとして残ります。

カージナルヘルスは売上高750億ドルと言う巨大なドラッグホールセラーですが、実はウォルターズが一代で築き上げた企業なんです。
たぶん日本ではあまり知られていないのではないでしょうか。

彼はハーバードを卒業してすぐに小さな食品ホールセラーをバイアウトしました。その後50社以上の企業を買収してここまで成長させた。
たぶん頭脳明晰でありつつ、買収企業をどんどん取り込める懐の深さもあわせ持った人なのでしょう。

あまり表に出ない人で、米国においても知名度と言う点では低いのですが、こういうところにも傑出した経営者がいるということを知っておいて損は無いと思います。

ちなみにケリー・クラークを引っ張ってきた理由の一つは、彼の海外経験の豊富さもあるようです。
物流とはきわめてドメスティックなビジネスでしてグローバル化とはほぼ無縁なのですが、カージナルヘルスの利益の半分以上は物流以外から来てまして、この物流以外の事業においていっそうのグローバル化の必要性に迫られているわけです。
クラークは日本駐在の経験もあるようで、カージナルヘルスが日本にも今後関係してくる可能性は高いと思っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 03:44 PM | | トラックバック (0)

March 17, 2006

卸ではなくなるスーパーバリュ

今回のM&Aによって、スーパーバリュの売上高の80%、利益の90%は小売ビジネスからのものとなるそうです。
こうなると、もう同社は卸売業ではなくて、ほぼ小売業ということになります。
クローガーに次ぐ売上高規模の小売企業になる、ということですね。

いかなるロジックでこの決断をCEOのノッドルが下したのか。
これが私が最も興味のある点です。

私が最近記事でよく書くネタに、小売企業は臨機応変に変革(Transformaition)しなければいけない、というものがあります。
ここで言う変革とは、小手先の変化ではなく、もとのカタチをとどめないほどに変わることを意味しています;Transformationとは、いもむしが蝶になることも意味しているんです。

スーパーバリュはまさに変革しようとしているわけです。
卸から、小売企業へと。

わが国においては、これほどダイナミックに変わる例は少ないでしょう。
卸は卸、小売は小売、という固定観念が強い。

固定観念から抜け出せないのが、我々日本人の最大の弱点のような気がしています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 06:15 PM | | トラックバック (0)

January 23, 2006

アルバートソンズの資本売却決定

再燃していたアルバートソズの資本売却が正式に決定しました。
売却額はネットが98億ドル、借入金も含めると174億ドル。

売却は3つのパートに分かれています。

1、スーパーバリュが1100店舗を買う。
そのかわり、シカゴのカブフーズを金融グループに売却します。
アクメ、ブリストルファーム、ショーズ、を傘下に持って、SM業界2位に飛躍することになります。

2、CVSがドラッグストアー700店舗を買う。
セブオンとオスコー700店舗で、この結果CVSは6100店舗となります。
店舗名を転換するのか否かは今のところ不明。

3、金融グループ、サーベラスとキムコが、アルバートソンズとスーパーセイバー655店舗とDC、それとスーパーバリュからカブフーズを買収します。

このディール、よく見ると何をしようとしているのか、何となく見えてきます。
1と2はすべてアメリカンストアズと2社合併後に買収した企業群で、3はオリジナルのアルバートソンズです‥‥。
とりあえず速報ということで。
現在出張中なので、詳細は流通eニュースに来週中に書こうと思っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 02:30 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)

November 03, 2005

セブアロットの店長のレベル

DSCF3425.jpg
先日、某大手食品問屋さんと一緒にダラスで店舗視察をしていたときのことです。

事前にミネアポリスでスーパーバリュを訪問し、現在急成長している傘下のセブアロットを見たいと申し入れたところ、本社近くにはないとのこと。
急遽知らべて、ダラスでアポなしで訪問することにしました。

店頭で店長を呼び出し、「ミネアポリスでスーパーバリュに行き、近辺になかったのでダラスで来させてもらった、店内を見たいがいいか?」、とたずねたところ、「スーパーバリュって、何?」と怪訝な顔を返されたのです。

えっ、親会社を知らないの・・・と内心驚き、なんと私がこの店長に、スーパーバリュは食品問屋で、あなたの店舗を所有しているのだよ、と説明したのでした。

このことが示唆している事実とは、こういったバリュー系、低価格系の小型DSは、徹底的な低経費店舗運営に徹していて、店長のレベルもかなり低くて済むような運営手法が確立されているのだろう、ということです。

日本の小売店の店長が、親会社を知らないなんて、たぶんありえないことでしょう。
仮に低価格系の食品DSにおいても、日本ならば高い技術を求めたりしそうな気がする。

セブアロットで私は、見事な割り切りというか、この業態の典型を見たような気がしました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 03:19 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)

October 20, 2005

スーパーバリュが新フォーマットを開発

スーパーバリュが新しい小売フォーマットの実験を開始することを19日に発表しました。
低価格のナチュラル食品がコンセプトで、店舗名はSunflower Market、来年1月にインディアナポリスに開店させるそうです。

店舗面積は340〜420坪、アイテム数は8,000〜12,000、Nature’s BesというPBも開発したそうです。

カギは低価格であること、小型店であること。
セブアロットがヒットし、同社は低価格志向の小型店舗の運営に自信を持っています。

当然物流は同社が担うわけですが、W.Newell & Co.という特殊な生鮮を扱う子会社がメインとなるようです。つまりPBも含めたグローサリーはスーパーバリュ、オーガニック等のスペシャリティペリッシャブルは子会社、という役割分担です。

私はこの発表を聞いて、‘なるほど’とひざを打ちましたね。こういうアプローチがあるのかと。
ただ小型店舗にオーガニックをアメリカ人が買いに行くのかどうかは別問題で、実験結果に注目です。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 05:01 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)

October 17, 2005

卸ビジネス、2つの方向性

卸ビジネス、または中間流通(この表現、私はあまり好きではありません)の方向性について、米国の状況から考えるというネタを、今日一つ書き終えました。
月間マーチャンダイジングの連載用で、前回と今回の2つに分けました。

簡単な骨子は、グローサリー業界型とドラッグ業界(またはカージナルヘルス型)があって、どちらもベンチマークして行かねばならないだろうというものです。
前者は分解型、後者は総合型、と言い換えてもいい。

これだけでは良く分からないですね(笑)

ブログでは説明しきれないので、興味のある方はぜひ雑誌をご購入ください。

ちなみに現在体調を崩し、ヘロヘロのやばい状態です。
締め切りがまだ一つあり、今週末からは出張という過酷な環境に直面し、危機感の真っ只中にいます(笑)

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 07:30 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)

September 12, 2005

カージナルヘルス

DSCF3228.jpg
一週間ほど流通経済研究所の海外調査チームに同行して出張してきました。
訪問先の一つ、カージナルヘルスについてです。
今回ドラッグホールセラーを始めて訪問したのですが、目からうろこが落ちました。
私はグローサリーホールセラー、またはグローサリーの中間流通ばかり見てきたのですが、ドラッグにはまったく違うモデルがあるのだなということを発見したのです。

ちょっと長くなるので別のメディアで詳しく書こうと思うのですが、カージナルヘルスはメーカーのアウトソーサー機能も持っていて、これはグローサリーホールセラーモデルには存在せず、どちらかというと日本の卸モデルに似ている。

アメリカは十把ひとからげにはできませんね。小さな事象を見て、すべてだと思ったら大間違い。複眼的に見ていかないと。カージナルヘルスはベンチマークしていかねばと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:37 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)