April 16, 2008
[ブロックバスター] サーキットシティに買収提案
DVDレンタル最大手のチェーンストア、ブロックバスターが家電チェーンストアのサーキットシティに買収提案を持ちかけていることが公表されました。水面下で提案してきたがサーキットシティが動かないのでブロックバスター側が公開に踏み切ったということだそうです。
売上高でも市場総額でもブロックバスターの方が小さくて、小が大に対して買収をしかけているようなものです。しかもブロックバスターは業績が決して良くなくて、買収資金に対する懸念もあるし、買収した後の資金繰りに対する懸念もある。
買収提案の後ろ側には、ブロックバスターの大株主、有名すぎるほど有名な投資家カール・アイカーンの存在があるようです。ブロックバスター買収資金の調達もアイカーンが保証しているみたいですね。
投資家が絡んでいるとなると、サーキットシティの不動産価値に着目している可能性が高い。仮に相乗効果が出なくても、不採算店舗を整理すれば負債は清算できる、ぐらいのことは考えているでしょう。
アメリカの周囲の論調はほぼ否定的です。
買収効果が少々見えづらいですね。
レンタルというビジネスモデル自体に将来性が失われつつあり、ここ数年ブロックバスターは変革を模索し続けてきているんですが、なかなかうまくいっていない。こういう企業が、変革を怠ってベストバイやウォルマートに負け続けている家電リテーラーを買収して、どういう効果を出すのか。
なかなか辛らつなコメントもありました。
「これは、DVDレンタルビジネスがほとんど死んでる、または死ぬプロセスにあることを明確に示唆している」
ブロックバスターとは言ってみれば日本のTSUTAYAみたいな会社です。ですから、TSUTAYAがコジマやヨドバシカメラに買収提案するようなものでして、なかなかインパクトの強い話ではあります。
現在日本の中堅家電チェーンストアの研修コーディネートの真っ最中で、なおさらいろいろ考えてしまってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 06:47 AM | | トラックバック (0)
November 21, 2007
[シアーズホールディング] レストレーションハードウェアの株を大量購入
シアーズホールディングがレストレーションハードウェアの株式の14%にあたる531万株を3、020万ドルの現金を投じて取得したことが分かりました。
レストレーションハードウェアとは、ホームファニッシングと一部のハードウェアを揃え、価格は高め、出店は主にモール内、というフォーマットです。しばらく業績を悪化させてきていて、バイアウト企業が買って非上場になることが今月初頭に決まっていたものです。
公開情報によると、シアーズは6月の時点で買収をもちかけ、しかし高い株価をオッファーしたバイアウト企業に決まった、といういきさつがあるようです。
シアーズによる株の購入がバイアウトにどう影響を及ぼすのか、現在行方に注目が集まっているところです。
さてこのディール、どういう意味を持つのか、考えるとおもしろいですよね。
シアーズはクラフツマンというハードウェアのPBを持ってますが、工具が中心で、レストレーションが持つファンシーなものとは異なる。前者が男性を市場としているとしたら、後者は女性。
例えば買収して、どうするのか。ランズエンドみたいに店内に売場を作るのか。
シアーズのイメージは良くなるかもしれないけど、レストレーションハードウェアのイメージは悪化するかもしれない。
Kマートを改装したシアーズエッセンシャルが、少しずつ変わってきているようで、ここにプレミアムカテゴリーとして売場を作る可能性もある。ターゲットがやってるスミス&ホーケンのような感じですね。
とまあ、いろいろ考えられるわけで、エドワード・ランパートの戦略ってやはりなかなかおもしろいです。
▼明日はサンクスギビング、アメリカでは週末にかけて4日間休日を取る人が多く、我が家も近郊に旅行に行きます。ということで、Retailwebはこれから2日間お休みします。アウトレットの混雑ぶりなどR2リンクにはエントリーするかもしれないので、チェックしてみて下さい。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:53 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
August 27, 2007
ホームデポサプライの売却決定
懸案となっていたホームデポ傘下のホームデポサプライ(HDサプライ)の売却が決まりました。売却額は85億ドル、買収するのはバイアウト企業グループ(ベインキャピタル、カーライルグループ、クレイトン・デュブリエ・アンド・ライスの三社)です。
売却予定額は103億ドルでしたので、18%近く買収総額が下がったことになります。
本日のWSJ紙が報じている内容を読むに、HDサプライの企業価値が当初の見積よりも下がったというわけではなく、最近日本でも話題となっているサブプライム問題に端を発する信用不安から、金融グループが融資をためらい始めていることに、価格が低下した本質的な理由があるようです。
つまり、バイアウト企業の資本調達先としての銀行グループが、ジャブジャブとお金を貸さなくなってきている、ということですね。お金を貸さなくなってしまったので、必然的に買収額を下げざるを得なくなった。
史上空前ともいえるバイアウトブームがここ数年続いてきたわけですが、債権を証券化して市場で売ってしまうことが以前に比べて簡単ではなくなりつつある、ということも書いてありました。
金融工学の専門家ではないので、技術的な話はここまでとしますが。
おそらく、現在進行中の、ヒルトンやクリアチャネルの買収案件も同じようなことになるだろうというのが、WSJ紙の見方で、つまりホームデポ案件は金融業界でこれから起こるであろうことの先駆けとなる可能性がある。
流通業界にもバイアウトが連発してきましたが、収束へ向かうかもしれませんね。
ホームデポはこれでとりあえず、ナーデリが残した負の遺産を整理できた。あとは、本体の建て直しですね。あの輝かしい時代がまた戻るといいのですが・・・。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 01:32 PM | | トラックバック (0)
May 04, 2007
不採算店舗を利益に変える
アルバートソンズの資本売却の相手が、スーパーバリュ、CVS、そして金融グループの3つに分かれていたことはご存知のことと思います。
このうちの金融グループには、バイアウト企業の他にリート(REIT、不動産投資信託)のキムコリアルティが含まれていました。キムコは商業不動産の中でもショッピングセンターに特化した企業ですが、リーシング、デベロッピング、バイアウト、そしてプロパティマネジメントと、すべてのサービスを提供する総合リートです。
アルバートソンズの場合はこのうちのバイアウトで、つまり不採算店舗を買い取り、なんらかの手を施し、可能な限り高く転売してキャッシュ化する、ということをやっているわけです。
このキムコが四半期の業績発表の中でアルバートソンズについて言及、5100万ドルの投資に対して5600万ドルの利益をもたらした、とコメントしています。つまりバイアウトした果実をもう既に手にしたということなわけなのです。そのスピードもさることながら、しっかり利益を出しているということを確認すると、バイアウトが持つ機能というものを再認識せざるを得ません。
利益が出せるなら、なぜスーパーバリュは一緒に買わなかったのだ、という質問があるかもしれません。またはアルバートソンズはなぜ自分でそれをしなかったのだ、という質問もあるかもしれません。
前者について答えると、小売企業にはそこまでのノウハウがないのですね。店をビルドすることはできるが、スクラップすることは難しい。または価値を極大化してスクラップすることはもっと難しい。プロだから利益を出せるというわけです。
後者についても答えは似ていて、他で利益が出ているとなかなか撤退に踏み切れないものなのですね。優良企業のアルバートソンズといえども大量の不採算店舗を抱えていて、スクラップできなかったということです。
この点は、メーカーも同じ。ブランドをどの時点でスクラップするかという明快な基準をあらかじめ持っているメーカーは、ほとんどいないでしょう。
これがバイアウトの価値です。
スチールパートナーズのように口だけ出す投資企業のおかげで日本ではネガティブな印象がとても強いのですが、再生型のバイアウトにはそれなりの機能と価値があるのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:54 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)
March 22, 2007
クレアーズもバイアウト
ガールズアクセサリーの専門店チェーン(約3,000店舗)で日本にも進出しているクレアーズを、バイアウト企業のアポロが資本買収することを発表しました。
総額はおよそ31億ドル、発表前の株価に対して支払うプレミアムは7.3%です。
クレアーズは非上場化を検討していることを明らかにしていたので、やっと決まったということなのですが、また小売企業がバイアウトか・・・という感想を持たざるを得ません。
クレアーズは基本的には業績は悪くないのですが、昨年半ばごろから既存店成長率がじりじり落ちているんですね。特に年末はフラットで、歳末商戦が良くなかった。
不採算店舗が増えてきたのでこれからスクラップに着手しよう、そのために不動産資産の扱いに長けたバイアウトの手を借りよう、まあ、そんなところじゃないかと推測してます。
ダラーゼネラルと同じような動機ですね。
プライベート・エクイティ・ファンドなどとも呼ばれますが、ほんとうに登場する機会が増えてきました。ビジネスモデルとして完全に定着したということでしょう。230億ドル(1ドル120円換算で2兆7600億円)もの金額をファンドとして持つ最大手のブラックストーンには上場という話も出ているくらい。
小売業はバイアウト案件としてピッタリなので、これからもニュースになる機会が増えるのではないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 02:28 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)
March 19, 2007
「KKRがダラーゼネラルを資本買収」Vol.11,No.12
アメリカ流通eニュース
バイアウト業界の老舗、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)がダラーゼネラルを資本買収することを発表した。ディールは現金で支払われるのだが、3/9の株価より31%プレミアムを乗せた一株22ドルで、現金の支払い総額は約69億ドル、これに負債3億8000万ドルを引き受けるのでディールの総額は約73億ドルとなる。
この買収、事前にまったく噂が立っておらず、寝耳に水であった。
ダラーゼネラルは01年に会計ミスで過去3年の決算数値を修正すると言うトラブルに陥り、株価が急落して株主による団体訴訟に直面し、経営陣を総入れ替えし、責任を取って創業ファミリーが姿を消すという、大きな壁にぶつかっている。以来業績が若干落ち気味で、そのため株価が低く推移しており、バイアウト向きの状況にあるわけで、ポテンシャルに気づかなかった自分を恥じている。
なぜバイアウト向きの状況なのか、説明したいと思う
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:56 PM | | トラックバック (0)
March 09, 2007
カルフールにバイアウトの噂再燃
LVMHの会長バーナード・アーノルトとコロニーキャピタルという米国のプライベートエクィティファンドが共同でカルフール株を9.1%取得、13%を保有するプロモデス創業ファリミリーに次ぐ大株主となったことが報じられました。
また一昨日、カルフール会長のバンデベルデが辞任し、後釜に創業ファミリーが座った。どうやら双方に確執があったらしい。噂によると創業ファミリーはカルフールを非上場にしたかったのですが、バンデベルデ自身がバイアウトに興味を示し、ぶつかったのだそうです。
これらの動きから、バイアウトがあるのではと言われ始めたわけです。WSJ紙が報じました。
バイアウト企業大手のKKRがカルフールを狙っているという話はかなり前から聞こえてきてますし、今でもどうやらターゲットとしているのだそうです。
メトロ、アホールド、デレーズ、にもバイアウトの噂があります。
これらバイアウトには、米国資本が必ずからんでいる。
昨日の投稿で欧州企業の米国進出度は高いと書きましたが、米国からは金融資本による進出が盛んなのだということに気づきました。欧州からは小売企業がダイレクトに米国に投資しているが、米国からは金融資本が欧州に投資している。主体が違うだけで、資本が錯綜している点にはあまり違いはない。
欧米の資本の融合度はますます高まってます。
ここに日本が参加するのかどうか。
もし参加するならば、それなりの覚悟が必要でしょう。いまは痛い目にあいながら、その練習をしているところということでしょうかねえ・・・。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 04:23 PM | | トラックバック (0)
September 28, 2006
P&GがSureブランドを売却
Sureはデオドラントのブランドです。特徴はユニセックスで無香料。
売却の理由は・・・
●売上高10億ドルを越える22のメガブランドを持つP&Gにとって、デオドラント市場の3%を占めるに過ぎないSureは、利益は出しているが、ポートフォリオ管理上マッチしなくなった。
●デオドラントには、女性用にSecretというナンバー1ブランド、男性用にOld Spiceと強いブランドがあるため、必要なくなった。
とまあ、こんなところです。
おもしろいのは、買った会社。Najafiという投資会社が買ったのですが、Pert Plusというフケ止めシャンプーリンスブランドをP&Gから買ったばかりなんです。
投資会社ですから、持ち続けるのではなくて、いつか売却して益を得ようとしている。
つまり、ブランドのオーバーホールを投資会社がやろうとしている。利益はそこそこ出てるんだけど、ポートフォリオ上合わなくなって手放したい、でも買収に手を上げるメーカーもいない、というようなブランドを投資会社がてこ入れするというわけです。
日本にはないですね、こういうの。いかにもアメリカらしい。
今回のSureが2つ目だそうなので、まだ端緒についたばかりでうまく行くのかどうかは分かりませんが、おもしろいトライアルです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 01:53 PM | | トラックバック (0)
August 29, 2006
オーストラリアのコールズ・マイヤーにバイアウトオッファー
オーストラリアのスーパーマーケット業界は、ウールワースとコールズ・マイヤーの2社独占市場だと聞いています。
このうちの2位企業コールズに、米国企業グループがバイアウトをかけてます。米ドルベースで総額110億ドルと巨額なオッファーです。
額が大きいだけに買収をかけている金融グループもそうそうたるメンツで、筆頭企業が有名なコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、その他、テキサスパシフィックなど著名な企業が勢ぞろいしています。
40万人いるコールズ株主のほとんどが、すでに中止された商品ディスカウントプランを目的として株を購入していて、そのため彼らから株を買うにはかなりの紆余曲折がありそうで、このバイアウトオッファーが完結することには懐疑的な見方が多いようです。
このバイアウト案件をベースとして指摘しておきたいことは2つ。
まずKKRのスタンスが敵対的ではなくて友好的であること。近年アメリカでは敵対的買収はあまり見かけなくなりました。
今朝のNHKのニュースで記者が(ロスでも見れるんです)、王子製紙のケースについて、「欧米で主流の敵対的買収が日本で受け入れられるのか・・・」的な発言をしていたのですが、間違いです。主流は友好的買収で、敵対的買収が主流だったのは過去のことです。
次に、アメリカにおいてバイアウトという手法を確立したいわば老舗とも言えるKKRが、日本にも事務所をオープンしている(はず)ことです。今回のグローバルなケースが、アジアでも今後バイアウトを展開して行く嚆矢となるかもしれません。すでに米国バイアウト企業は日本でかなり活躍してますが、KKRが登場する日もそう遠くはなさそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 05:30 PM | | トラックバック (0)
August 16, 2006
ロン・バークルがスーパーバリュに投資、その思惑は?
ロン・バークルとは有名な投資家です。南カリフォルニアのスーパーマーケット(代表企業はラルフス)のバイアウトからはじめて、フレッド・マイヤーを買収し、これをクローガーとくっつけることで、大きな資産を作りました。
もともとはステーターブラザーズという、ロサンゼルスのローカルスーパーマーケットで、確かアルバイトからはじめた人だったように記憶してます。
いま流行のバイアウトなわけですが、小売業界メインで財を成したという点でユニークです。一説によると政治献金によってクリントンと知り合い、クローガーのCEOをクリントンに紹介したりして、ディールを成就させた、なんて話があります。
またディールメーカーと呼ばれる反面、これだけのディールをまとめる人ですから人物的にも優れているようで、労働組合幹部をしてバークルとなら交渉しても良いとまで言わしめるような人のようです。
さて彼の会社はユカイパと言いますが、スーパーバリュの株を大量に取得していることが明らかとなりました。6億8000万ドルの投資で、全体の12%にまで達している模様。
この結果、様々な憶測が流れてます。単なる投資なのか、それとも再びディールか?
ユカイパは、小売業界ではパスマーク株を51%、ワイルドオーツ株を17.3%保有しています。
このあたりに関連してくるのか?
興味は尽きません。
ちなみにユカイパはアルバートソンズ売却劇で買収候補として上がっていて、スーパーバリュとはアルバートソンズ獲得で競り合った関係でもあります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 04:32 PM | | トラックバック (0)
July 24, 2006
「リテーラーがバイアウトされやすい理由」Vol.10,No.30
アメリカ流通eニュース
他企業の資本を借入金で買収し、てこ入れして価値を高め、資本を転売して利益を獲得するビジネスモデルをバイアウトと言う。日本では‘買収ファンド’という表現が定着してしまっているようだが、このビジネスの本質を伝えきっていないように感じていて、やはりバイアウトを使うべきだと個人的に思っている。
24日にHCAという病院チェーンがバイアウト企業に資本買収されたのだが、総額213億ドルという巨額なものであった。金融データ企業の調査によると、今年に入ってからのバイアウト総額はこれで3,730億ドルに達しているのだという。1ドル120円換算で、45兆円!
小売業界も例外ではなくて、6月30日にマイケルズが60億ドル、そして7月14日にはペットコが16億8000万ドルでたて続けにバイアウトされている。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 02:18 PM | | トラックバック (0)
July 18, 2006
ペットコが16億8000万ドルでバイアウト
ペット専門ディスカウントストア業界2位のペットコが、バイアウト企業に資本買収されることになりました。総額は16億8000万ドル。つい最近クラフト専門ディスカウントストアのマイケルズが同じくバイアウトされたばかりで、小売業界では立て続けということになります。
なぜ小売企業がバイアウトされやすいのかというと、不動産を持ちかつキャッシュフローが潤沢だからなのですが、その理由はさておき、今回のペットコのケースのおもしろさは、00年にバイアウトされ02年に再上場したばかりという点にあります。
このときバイアウトした企業が、今回も買った。
これは何を意味しているのでしょうか?
ペットコの業績は悪くありません。
しかし株価は思わしくなく、05年の1月から半値まで落としている。理由はガソリンの高騰がペットへの支出を抑えるだろうと市場が見ているから、だそうです。
おそらく、一度再上場して利益をゲインしたが、その後株価が落ちたため、再び買って、再々上場を目指す、ということなんですね。
要は、このバイアウト企業は、株の一部を買って値上がりを待つというかわりに、丸ごと買って丸ごと売って利益を得ようとしているわけで、普通の株式投資と本質は同じということいなるわけです。
ただ同じとは言え、我々日本人から見ると、実に大胆というか(笑)
資本が変わるということに対してなぜかアレルギーを起こす日本人にとってはちょっと難しいディールだと思いますが、株主資本主義体制においては、理論的にはこんなこともあるんだよといういい参考例だと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 04:42 PM | | トラックバック (0)
June 07, 2006
ニューアルバートソンズ、100店舗の閉鎖を発表
アルバートソンズは現在、スーパーバリュ傘下のアルバートソンズと、サーベラスを筆頭とするバイアウト企業連合が買ったアルバートソンズと、2つ並立しているのですが、後者を業界は‘ニューアルバートソンズ’と呼んでいます。
さてこのニューアルバートソンズが、100店舗の閉鎖を発表しました。手続きが完了してすぐのことなので、もともと予定していたものなのでしょう。
クローズする店舗は全米に散らばっています。北カリフォルニアの37店舗からフェニックスの9店舗など、商圏によって店舗数は様々です。
すべて不採算店舗だそうで、ということは逆に言うとアルバートソンズは100店舗もの不採算店舗を抱えていたことになる。それまでのリストラでもずいぶん店舗をクローズしているのですが、それでもまだ3桁の儲からない店を抱えていたことになるわけです。
さてこれをもってして、サーベラスが切り売りをし始めたぞ、と見るのは早計です。
ニューアルバートソンズはCEOにロバート・ミラーという、もとフレッド・マイヤーのCEOで、ライトエイドで再建に功が合った人を据えました。またアルバートソンズにいた腕の立つ上級幹部が多数残っていて、業界ではサーベラスはかなり本気でアルバートソンズを復活させようとしているという見方が多いんです。
つまり切り売りで利益を上げようとしているのではなくて、悪い店を売って膿みを出してしまおうという、ポジティブな店舗閉鎖だという見方が正しいというわけです。
では、もし仮にこのままうまく行って復活したら、スーパーバリュ傘下のアルバートソンズとの関係はどうなるんだろう、なんてことをふと思ったりするわけです。
いろんなシナリオが考えられて、ニューアルバートソンズの行く末は何かと興味を引きます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 09:22 PM | | トラックバック (0)
March 01, 2006
[販売革新]アルバートソンズ買収と「米国チェーンリストラ」急伸展
昨年9月2日にその意図が発表されて以来内外の注目を浴びてきたアルバートソンズの売却が、1月24日に決定した。
わずか5年程前まではSM業界の優等生と言われていた同社が売却されたことに、驚いている方も多いに相違ない。昨年11月号で(アメリカチェーン「2005年の大激震」)、今回のディールは‘身売り’ではなく、資本売却であると私は論じた。バイアウト企業が資本を買収し、非公開企業としてリストラを実施し、業績を戻した上で再上場するという復活のシナリオを予想していたのである。その時点での業績やコメントの文脈を総合するに、身売りとは程遠い状態であったからである。
しかしアルバートソンズの選択肢は、他社の傘下に入るというほぼ身売りに近いものなのであった。
実はその時点で一つだけ見落としていた事実があって、おそらくそれが今回のM&Aにつながったのだろうと私は考えている。資本の独立性に対する意思の消滅である。
<続きは販売革新06年3月号をご覧下さい>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:55 AM | | トラックバック (0)
January 31, 2006
アルバートソンズの資本売却、本当の理由は?
先週は日本に出張中で忙しかったため、アルバートソンズのニュースにつき、速報ということでざっと資料に目を通して簡単にまとめたものをアップしました。
私のヨミは、旧アメリカンストアズを分離し、オリジナルのアルバートソンズに戻ると見て、先週の講演でもそう発言していました。
つまり、旧アメリカンストアズをスーパーバリュが買い、オリジナルのアルバートソンズをバイアウト企業が買い、後者は再建なったら再上場するだろう、というヨミです。
しかし資料をじっくり精査するにつけ、そう単純な話ではないことが分かってきました。
バイアウト企業が買ったのは不採算店舗が中心で、スーパーバリュは旧アメリカンストアズと黒字アルバートソンズを購入したようなんですね。
また、本社のあるアイダホ州の店舗がすべてスーパーバリュが手中に収める。
これらのことを考えると、アルバートソンズの再上場はあるのかどうか、よく分からなくなってきます。
またこの買収の結果、スーパーバリュの負債比率が非常に高くなり、財務破綻の危険性を指摘する声もある。
クレジットレーティングもジャンクレベルに落とされるようです。
つまりスーパーバリュにとっては、ものすごい賭けなんですね。
どうもいろいろ考えさせられるディールです。
数誌から依頼があるので、これから執筆する予定です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 09:04 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
January 23, 2006
「アルバートソンズの資本売却決定」Vol.10,No.04
アメリカ流通eニュース
1月24日にアルバートソンズの売却が決定した。一度ご破算になったディールなのだが、アルバートソンズ取締役会の一部の強い要望で復活し、決定に至った。ディールの総額はネットが98億ドル、負債も含めると174億ドルに達する。
89年に成立したKKRによるRJRナビスコの買収総額が248億ドルで、史上最大規模には及ばないものの、小売業界史上ではKマート/シアーズの115億ドルを抜いて、間違いなく最大ディールである。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 05:45 PM | | トラックバック (0)
アルバートソンズの資本売却決定
再燃していたアルバートソズの資本売却が正式に決定しました。
売却額はネットが98億ドル、借入金も含めると174億ドル。
売却は3つのパートに分かれています。
1、スーパーバリュが1100店舗を買う。
そのかわり、シカゴのカブフーズを金融グループに売却します。
アクメ、ブリストルファーム、ショーズ、を傘下に持って、SM業界2位に飛躍することになります。
2、CVSがドラッグストアー700店舗を買う。
セブオンとオスコー700店舗で、この結果CVSは6100店舗となります。
店舗名を転換するのか否かは今のところ不明。
3、金融グループ、サーベラスとキムコが、アルバートソンズとスーパーセイバー655店舗とDC、それとスーパーバリュからカブフーズを買収します。
このディール、よく見ると何をしようとしているのか、何となく見えてきます。
1と2はすべてアメリカンストアズと2社合併後に買収した企業群で、3はオリジナルのアルバートソンズです‥‥。
とりあえず速報ということで。
現在出張中なので、詳細は流通eニュースに来週中に書こうと思っています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 02:30 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
January 19, 2006
ベイン・キャピタルがバーリントン・コートファクトリーを買収
バーリントン・コートファクトリーは、TJマックスやロスといったチェーンストアと同じオフプライスストア業態、店舗名の通り、上着(コート)を核として伸びた公開企業です。
これを、バイアウト大手のベイン・キャピタルが20億6000万ドルで買収すると発表しました。
ミルステインという創業一族が62%を所有していて、創業CEOが79歳で、売却後は引退する。
これは典型的なバイアウトパターンです。
つまり、業績が悪化している、創業者が有能な後継を育てることができていない、会社には含み資産が一杯あり、一方これを有効に処理するノウハウは持っていない。
しかし、そろそろ限界で、引退したい。でも会社は長く存続させたい。
バイアウト企業はこういう会社を買い、不良資産を上手に売却し、バランスシートをきれいにし、一方有能な人を見つけてきて経営者に据え、ころあいを見計らって、売却するか、再上場する。
創業者はある程度のお金を手にして退ける。
会社は残る。
バイアウト企業は売却益を得る。
これが最も良いシナリオです。
もちろんいつもうまくいくわけではなく、バイアウト企業が損をする場合もありますが。
ハゲタカファンドという表現は間違ってます。
で、このバイアウト企業の出番が流通業界に増えてきているのが現状なのです。
理由は、また別の機会に。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 07:28 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
October 05, 2005
村上ファンドとアルバートソンズ
村上ファンドが阪神電気鉄道の株式を買い進めているそうですね。
これに対して、電鉄側が実に稚拙な反応をしている。
我が国の会社のシステムにおいて、資本と経営が分離していない典型例です。
上場している以上、誰が株主になっても文句は言えない。いやなら上場しなければいい。
以下asahi.comの記事を抜粋します。
「阪神電鉄は今年、鉄道営業開始から100周年を迎えた。村上ファンドが目をつけたのは、この100年の間にため込んだ沿線不動産をはじめとする膨大な含み資産だ。 」
これは要するに、資産をためこみ、株主に価値を還元してこなかったということに他なりません。
現株主はずっと低いリターンに甘んじてきたということ。
「買った株を後に高値で売り抜けるのも投資ファンドがよくとるスタイルだ。」
これは当たり前の戦略です(笑)
よくとるスタイルではなくて、それが投資ファンドの仕事です。
可能な限り安く買って、可能な限り高く売る、商売の基本じゃないでしょうか。
'売り抜ける’や、'よくとるスタイルだ’という表現に若干の批判的な意図を感じますが、どうでしょう。
「阪神電鉄首脳はこう漏らした。'皆さんに助けてもらわな、あかん’」
誰に助けてもらうのでしょう(笑)?
助けてもらうのではなくて、株主にきっちりリターンを返すことが肝要なんじゃないでしょうかね。
このコメントのレベルは、かなり幼稚です。
アルバートソンズは、再建策の1つの選択肢として資本売却を視野に入れてます。
どうしてなのか。
阪神電鉄はこのあたりから学ぶ必要がありそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 06:38 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
September 28, 2005
パーティシティが資本売却
ディスカウントストアチェーンのパーティシティが27日に、バイアウト企業に資本買収されることを発表しました。
買収総額は3億6000万ドル。
パーティシティは499店舗を持つチェーンストア、マーチャンダイジングの切り口をパーティとしたユニークな企業です。
米国はホームパーティや企業内パーティ(社員のバースデーパーティなど)が盛んで、このニーズを捉えて成長しましたが、ウォルマートやSM、Dgsがこの分野を強化することで競合が激しくなり、業績は振るわず、この3月に資本売却を決定していました。
シアーズホールディング、トイザラス、ニーマンマーカス、そしてパーティシティと、小売資本をバイアウト企業が買収するケースが増えてきてます。
アルバートソンズもバイアウトされることを選択肢としている。
このあたりについては、現在販売革新に執筆中です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 04:13 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
September 14, 2005
KKRの日本進出
KKR(Kohlberg Kravis Roberts)の日本進出が報じられました。日本やアジアでの投資活動を本格化させるとのこと。
バイアウトファンドと呼ばれますが、業績が悪化し株価が落ちている企業に投資し、経営に参画し蘇生させ、株価が上がったところで売却して利益を得るモデルです。こういうコンセプトは古くからあったものなのですが、KKRが近代的ビジネスとして磨き上げてきたという意味で、いわばこのビジネスのパイオニア的存在です。
借金を増やしてレバレッジを効かせると経営に緊張感がもたらされて良い結果を生む、財務整理をプロの手法で効率的かつ強制的に実施するためバランスシートがきれいになるなど、ポジティブな側面が非常に多い。
ハゲタカファンドなどという表現は、実はあまり的を射ていません。
米国ではとくに小売業界でバイアウトはケースが多く、とりわけここ数年増加してきています。トイザラス、ニーマンマーカス等々・・・。古くはセイフウェイが、このKKRの手で再建しました。現在はアルバートソンズが俎上に上がってます。
日本でもバイアウトが本格的に浸透するのかもしれませんね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 06:14 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)





