November 1, 2007
『Bing'sオピニオン』はR2リンクへ引っ越しました
『Bing'sオピニオン』はもともと、ニュースネタにこだわらない自由なメモをアップするつもりでカテゴライズしたものでしたが、この手の文章はいますべてR2リンクに書いていることに気づきました。
ということで、このカテゴリーの記事はここまでとします。
興味のある方はR2リンクへおこし下さいませ!
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:46 PM | | トラックバック (0)
October 3, 2007
アンケートを実施しています
数週間前よりR2Linkにて投票アンケートを実施しているのですが、とても興味深い結果が出ています。
いまのところ、以下のようなテーマで5つほどたてています。
西友ウォルマート、次の一手は?
三越と伊勢丹の提携交渉のゆくえは?
スーパーマーケットを選ぶ理由?
POS情報のデータ公開は、有償とすべき? 無償とすべき?
レジ周り商品の売上は大事?
たとえば、【三越と伊勢丹の提携交渉のゆくえは?】では、成立するだろうという答えが73.8%、成立しないだろうという答えが19%となっています。つまりR2Linkのこの問いに対する答えは「成立するだろう」に傾いているわけです。
これが集合知、ネット上の不特定多数無限大による叡智、ということになります。
コメントも記入できるのですが、皆さんのご意見、ほんとうにおもしろいです。こういう見方やヨミもあるのかと、参考にさせてもらってます。
自分の見方が、集合知と合っているのか、ずれているのか、そんな確認も即座にできます。
不定期となりますが、今後も長くテーマを立てていき、皆さんの意見を集約して行きたいと思っています。
これを読んでいる方で、まだR2Linkに登録されていない方は、ぜひお越し下さい。
そしてこの投票に参加して、楽しんでみて下さい。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:43 PM | | トラックバック (0)
October 1, 2007
リーダシップランキングに入らない日本企業
Fortune誌10月号に、The Top Companies for Leaders 2007というランキングが掲載されています。強いリーダーを開発する仕組みを構築している企業をグローバルで集めてランクを作っているものです。
ここに日本企業の名前がまったくない。
総合ランクに加えて、アジアパシフィックというセグメントがあるのですが、中国、インド、マレーシアの企業がランクインしているにもかかわらず、日本企業はいっさい入っていません。
これは、どうしてなんでしょう。
アメリカのビジネス誌ですから、身びいきするのはよくわかる。トップ20に米国企業が10社も入っているのですが、比率として本来そんなに入るはずはないと思う。ただ日本企業が一社も入っていないというのは、どうも理由が分かりません。
トヨタや松下など、人材教育jに熱心ないい会社はいっぱいありますから。
選択の基準となったリサーチの方法を読んでも、日本が出てこない理由がどうも分かりません。
英語に弱いということがあるのでしょうか。
それと、日本の企業はもともとリーダーを養成するという思想がありませんでしたので、そのせいかもしれませんね。マネジャーを養成する仕組みを持った企業はあまたあるけれど、人を統率できるリーダーを輩出させる体系的な仕組みを持った企業は、ないのかもしれません。
マネジャーとは権威を与えられた上で一定部門内を管理する能力ですが、リーダーシップとは部門を超えて権威の及ばない人たちをも動かせる能力のことで、厳密に言うと双方は異なります。
ただ、なんかこう腑に落ちない、気にいらないランキングではありました。
ところでこのランキングで、1位はゼネラルエレクトリック(GE)、2位はP&Gでした。
実は某酒類飲料メーカーさんが特約店に対して発行しているHot Lineという小雑誌に、社員教育をテーマにアメリカの流通業について寄稿したばかりなのですが、私が選択した企業はGEとP&Gでした。
はからずもこの2社がFortune誌に1位と2位に選ばれて、手前味噌ながら私の見立てに間違いはなかったなとひそかに思っているところです。
企業の強さを最後の最後まで突き詰めると、つまるところは社員教育に対する思想に行き着くと最近思い始めてます。その教育も技術論だけではなく、根本的なところに存在する社風というか、英語で言うとバリューとなるわけですが、そういうものを繰り返し繰り返し教え込もうとする仕組みを持った企業が、未来永劫反映を続けるのだろうなと、やっとこの年になって気がついたわけです。
GEもP&Gも、そういう会社です。
GEはコングロマリットですが、家電製品に注目すれば消費財メーカーです。P&Gも消費財メーカー。消費財を作るメーカー2社がトップに立つところに、日本とアメリカの違いというか、アメリカのおもしろさを感じています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:54 PM | | トラックバック (0)
August 1, 2007
流通小売業界とウェブ2.0
先週日本で、某大手メーカーさんのセミナーで講演をしてきました。
アウトラインはこんな感じでした。
1、経営変革の必要性を問う
2、ウェブ2.0
3、流通小売業2.0
ナレッジのあり方というか、流れというか、ここ数年爆発的に変わってきているわけです。これをどう管理するか、利用するか、共有するか。ウェブ2.0の本質はこのあたりにあるのだろうと私は考えています。
とりわけ、日本の小売業界はここに疎い。
メーカーはわりと早いけど、でもアメリカと比べると遅いです。
それと、世代によってものすごい温度差がある。
デジタルデバイドという表現がありました。貧富の差による情報量の差を説明した言葉でしたが、世代による差もあると思う。
40台が「SNSって何?」なんて言っているうちに、20〜30台はブログやSNSが当たり前となってしまっている現状を知らなければならない。
グラハム・ベルが電話を発明したとき、「そんなもの作ってどうする。相手と会って話をすればいいではないか」と、多くの人が疑いの目で見たのだそうです。
同じことだと思ったほうがいい。「ブログとかSNSなんていらない。メールでいいじゃないか」・・・。
まだ思考が足りない部分があり、今回は手探りの講演でした。SNSを実際に運営している人間としてこれからもっと思考を深めて行きたいと考えています。
なお私が運営しているR2Linkは自由登録制です。
ぜひご参加下さいませ。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:59 AM | | トラックバック (0)
December 20, 2006
アラン・ラフリーの『Let it Go』
P&Gのアラン・ラフリーとGEのジェフ・イメルトがフォーチュン誌主催の対談で、新たに出現したYouTubeに代表されるデジタルメディアについて語っています。
GEはNBCという旧メディアを持っているのですが、iVillageという女性向けのサイトを最近買収したばかりです。コントロールし、予測し、儲けの出るサイトを持っているから、「(YouTubeのようなパワフルなブームに)乗り遅れそうかというと、たぶんね」と答えている。
一方のラフリーは、コントロールできないことを理解しなければならないというスタンスです。
「"Let it go" とは、P&Gのイメージに他者が影響を与えることを傍観しなければならないことに慣れなければならないという意味である。だからもしP&Gに対してポジティブなビデオがYouTubeに掲載されたら、P&Gは多くの人がそれを見てくれと願うだけ。もしそれが批判的だったら、わずかな人しか見ないでくれと願うだけだ。これが今我々がいる世界なのだ」。
この対談は、マーケティングをコントロールしようとするイメルトと、コントロールできないことに慣れなければならないとするラフリーとを対比しようとしています。
これはウェッブ1.0型のマーケティングに固執しようとする側と、ウェッブ2.0型のマーケティングに慣れようとする側と、2つの対比と理解してもいいのかもしれないなと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:30 PM | | トラックバック (0)
December 13, 2006
情報発信は4つのツールで
すでに紹介しましたが、11月1日に流通業界特化型のソーシャルネットワーキングサービス、R2Linkがオープンしました。おかげさまでまもなく参加者は200人を越え、徐々ににぎわってきています。
従来私は雑誌、このリテールウェッブ、アメリカ流通eニュースと3つの媒体で情報を発信してきましたが、今後はR2Linkを加えて4つの媒体を使い、それぞれの特徴を生かしながら、有機的なループを作るようなイメージで行きたいと考えています。
R2Linkの特徴は閉鎖環境であることと、双方向型であることです。
例えば雑誌で書けなかった内容を、閉鎖環境であるR2Linkで紹介する。アメリカ流通eニュースで書いたことの後日談をR2Linkに書く。そしてそれについて皆さんの感想を伺う。
端緒についたばかりですが、徐々に4つを絡めて行きたいと思っています。
まだR2Linkにご参加いただいていない方は、ぜひご登録下さい。現在は紹介制を取っておらず自由登録制ですので、URLから登録プロセスに進むことができます。皆様のお越しをお待ち申し上げます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:10 PM | | トラックバック (0)
November 13, 2006
終身雇用を誇っていいのか?
我が国の企業は終身雇用をポリシーとし、必要に応じて人員を整理するアングロサクソン的なアプローチに対するアンチテーゼとして、屹立したものとして存在しています。
これこそが我が国独特の手法であり、あなたたちのように簡単に人の首を切るやりかたじゃないからこそ日本は発展してきたんだよ、というような説明をする人が多いし、決して間違っていないと確かに思います。人を頻繁に入れ替えることによって生じるコストは、スキルのある人を維持するコストよりも高くつくことは十分にありえる。
しかし実は見方を変えると、ひょっとしたら間違っているのかもしれないという見解を知り、目からうろこが落ちました。
不景気時に団塊世代を優遇し首を切らず、そのかわりに新規雇用を抑制した。その結果頭でっかちとなって下に続く人たちの出世が遅れ、さらに新規雇用を減らしたためフリーターが激増した、という見方です。
さらにこの団塊世代は、年金が一番いいときにやめてゆく。
おいしい果実を奪い去り、残るは彼らのおかげでスキルアップに遅れたフリーター、というわけです。
アングロサクソン式の人を単なるモノと同じ資源(リソース)として扱う視点は決して100%正しいとは思いません。しかし人の流動性を高くすることによって、やる気のある若い人たちに次の機会を提供する可能性が増えることもあるという見方が存在することを知ると、否定しきることもできないかなと思い始めてます。
日本の終身雇用にも歪みがあって、つまり両者には一長一短がある。
とくにメーカーの経営者に顕著だと思うのですが、「首は切らない」式のやり方を誇らしげに語る人がいたら、眉毛につばをつけて聞いてもいいかも知れません。
ちょっとシニカルかもしれませんが、それはつまり自分たちのポジションを守るためなのだ、という見方もできるのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:01 AM | | トラックバック (0)
November 6, 2006
ユニリーバのYouTube広告でウェッブ2.0の本質を知る
ユニリーバがYouTubenにダブのプロモーションビデオを掲載したのですが、170万人が見て、テレビのバラエティ番組などでも取り上げられ、大きな成果をあげたことをAdAgeが報じました。
アメリカ最大のイベントとも言われるスーパーボウルに広告を出す費用対効果と、今回の低コスト広告を比較すると、スーパーボウルを上回るROIをはじき出したと見積もられています。
キャンペーン名は"Campaign for Real Beauty"、ビデオのタイトルは "Dove Evolution"、です。
私がここで取り上げた理由は、これがウェッブ2.0時代の新しいパワーであることを、本サイトを購読していただいている流通人にも感じていただきたいからです。YouTubeって何なのか分からない人も多いと思うのですが、このユニリーバの成功例を見れば、流通人にも即座に分かっていただけることでしょう。
まずはとりあえず上記リンクでアクセスしていただき、どんなビデオなのかを見てください。
ブログは文章と写真による情報発信双方向コミュニケーションツールですが、YouTubeは映像による情報発信双方向コミュニケーションツールです。発信する情報を映像に置き換えるとYouTubeになるというわけですが、上手に作ると文章を写真を超えるものとなる。これを"Dove Evolution"は実践してみせたわけです。
このビデオクリップ(つまり情報)を見て、「ふ〜ん」と感じた人が100万人以上いた。この100万人は旧メディアによって「見せられた」100万人ではなくて、自分から「見た」100万人であることに大きな意義があります。つまり民衆によって膾炙されあぶりだされてきた情報であり、一方的に与えられた情報ではない。
そしてこの100万の「ふ〜ん」を作り上げるために大金を投じる旧メディアのビジネスモデルが、ウェッブ2.0によってガラガラと壊れつつあることを感じなければなりません。
今回の成功例は、表面的にはメーカーによる新しい時代の広告手法ということになりますが、本質的にはこれがウェッブ2.0のパワーと理解して欲しい。
小売業界でたとえるならば、「あの店ダメだね」とミクシーで書かれたら、それがネット上で一気に広まってしまうことがあり得る、というような説明なら分かりやすいでしょうか。もちろん逆もあり得る。
消費者が新しい評価システムを手にしたようなものです。
梅田望夫さんの言葉を借りると、ネットという「向こう側」で大きな革新が起きています。このことを、ユニリーバの成功例で流通業人もぜひ理解してください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:54 PM | | トラックバック (0)
November 4, 2006
ベントンビルで思ったこと
二泊三日でベントンビルに滞在しました。
いつもここに来て思うことは、このアメリカに典型的な田舎町から世界最大の小売企業が生まれたということ。そして世界最大の小売企業がこの田舎町にいまだに本社を構えているということです。
アメリカの流通業界を革新し、今でも革新を引っ張っている人たちがここに集まっているんだということを、本社に立ってみて思うと何事かを感じざるを得ません。
商品部の元幹部と会いました。彼には何度も会って繰り返し話を聞いているのですが、そのつどやはり感じるものがあります。今回は、サム・ウォルトンという人は骨の髄まで商売人だったんだということを確認しました。
サム・ウォルトンは別に革新を起こそうとしたわけではありません。
とにかく、良いものを、安く、一杯売ろうとした。
その過程で、常識にとらわれることなく、「良いものを、安く、一杯売る」ためにはどうしたらいいのかということを考え続けた。
これが結果としてアメリカの流通業界を変える革新へとつながったわけだけど、彼自身は別にそんなことを志向したわけじゃなくて、単に結果としてそうなった、ということに過ぎない。
いかなるビジネスにもコアコンピタンスというものがあります。
いつのまにかそこから逸脱してしまう人がとても多い。名誉を求めて協会活動に専念する、できたお金で遊興にふける...。これがビジネスの成長を阻害しダメになって行く。そんな例は枚挙に暇がないですよね。
だいそれたことは考えず、与えられたことをコツコツと一貫継続させること。
小売企業ならば、「お客さんにとってどうなの」ということをすべての戦略戦術で問い続けること。当たり前のことなんですけどね。
自戒を込めて。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:40 PM | | トラックバック (0)
November 3, 2006
日本ハムの優勝と外人マネジメント
日本ハムが優勝しました。監督は外人。
ロッテもバレンタインで優勝した。
日産も外人でよみがえった。
外人社長が日本企業を経営できるかと、私は日本で多くの人に質問しているのですが、ほとんどがノーです。外人に日本人をマネジメントできるわけ無いだろと。
これはたぶん半分正解、半分不正解だと思います。
だって、たぶんみんな職人でほんとうに使いづらそうな野球で、外人監督が日本人プレーヤーを管理しきっているわけですから。
経営ってただ数字をいじっていればいいわけじゃなくて、一番大切なのは人間管理だと思います。だから顔つき合わせてのコミュニケーションがとても大切となる。ここに言葉や文化のハードルがあると、なかなかコミュニケーションが取れなくなる。だから外人には無理だということになる。
こういう人には、「日本は特殊だ」というほとんど論拠の無い意識が見え隠れするようにも思える。
(日本が特殊なのではなくて、文化というものはそれぞれがユニークなのです)
ただこれはハードルだけど、越えることは不可能じゃない。
外人だとしても、お前らと一緒に苦労したいんだという意思を一貫して示し、部下たちの懐に積極的に飛び込んでいけば、言葉が通じなくても何とかなるもんです。外人であっても自分の意気に感じてもらえれば、やる気をだしてもらえる。
これ、机上の空論じゃなくて、ほんとうです。ここで実名は引けませんが、日本から駐在員として外国に行って、その地の言葉がしゃべれないのにもかかわらず、部下たちと毎晩飲みに行って、業績を上げることに成功した人を私は知ってますもん。
西友のカレジッスキー、どうやって日本人を使うのかについて、ヒルマンやバレンタインにノウハウを聞きに行くといいんじゃないだろうかと、強く思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:34 PM | | トラックバック (0)
October 27, 2006
リー・スコット、日本事業の継続を明言
ウォルマートネタが続きますが、ご勘弁のほど。
カンファレンスでリー・スコットが日本へのコミットを明言しました。
実際のコメントの抜粋ではないのですが、公表されている情報を元にして要約します。
「これから5年間日本に対して、必要とされるリソースをうまく配置しなければならない」。
「ウォルマートの創業者サム・ウォルトンがこのアメリカで成し遂げた戦略を、日本に適用する最良の機会だ。この目標を現実化するために、今後5年間日本において、配送ネットワークと店舗に投資を継続する」。
⇒つまり日本事業は5ヵ年計画なわけですね。過去この点についてここで書いたことがありますが、リー・スコットは現在57歳で、5年後は62歳で引退を考える年です。いろいろな意味で、2012年前後はウォルマートにとって節目となりそうな気がしますね。
「日本とまったく同じ市場は確かに他にはない。日本の状況は他と異なっている。ドイツでは手ごわい低価格志向のリテーラーがいたが、日本にはそういう競合がいない」。
⇒ドイツについてはアルディを念頭においているのでしょう。やはりアルディに勝てなかったというわけですね。もちろん日本には大黒天物産やオーケーのような低価格志向のリテーラーはいますが、中堅の域を出ていないから手ごわい競合というわけではまだない、ということを言いたいんでしょうか。でも・・・手ごわい競合だと思いますけどねえ。
「複雑なトランザクションや配送慣行といった日本にユニークな構造を改善できれば、圧倒的な低価格を提供できるようになって、日本の消費者の支持を獲得できる」。
⇒上記のコメントと重ねると、やはりロープライスを指向したいわけです。
「来週日本に行って、店舗視察をし、どう前進するか話し合うつもりだ」。
⇒だそうです。リー・スコットが来週日本の西友店舗に出没しますので、西友の現場の皆さん、言いたいことのある人はどんどん伝えましょう(^^)
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:20 PM | | トラックバック (0)
October 11, 2006
マーケティングに今必要なのは、'Just Let Go'
P&GのCEOアラン・ラフリーが6年ぶりにANA(Association of National Advertises、全米広告者協会)で基調講演をしたのですが、1000人のマーケティング担当者を前にして話したことは、'Just Let Go'でした。
Just Let Goとは、手元から離すとか、やりたいようにさせるといった意味です。
「消費者にコントロールさせれば、気脈を通じて成功する可能性が高まる」
「消費者はもっと参加的選択的となり、プッシュからプルへというトレンドは加速する」
以上は少々観念的ではあるのですが、言いたいことは、メーカーが一方的に商品とブランドを開発しメッセージを投げるプッシュモデルから、消費者に発信してもらうプル型へと転換せよ、ということでしょう。
YouTubeで流れたプリングルスのビデオを講演で使ったようで、これも象徴的です。いかに消費者参加型のモデルでブランドメッセージを伝えるのかが重要なのだということをラフリーは言いたかったのでしょう。
ラフリーは難しいことを短い言葉に置き換えてスローガン化することの非常に上手な人なのですが、この'Just Let Go'もとても分かりやすく、私の腑に落ちました。概念として非常に分かりやすい。
例えば同社の手によるクチコミのネットワーク化で知られるTremorやVocalpointも、'Just Let Go'を具現化したものと言う事ができます。
消費者に商品を認知してもらうという活動のあり方が、根本的な部分で変化してきているように思うのですが、この変化の誘導剤として機能しているのがネットという気がします。
このあたりは、社員1.0には分からないのかもしれないので気をつけましょう(笑)
ラフリーは社長2.0ですね(爆)
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:07 PM | | トラックバック (0)
October 5, 2006
極めて似通っている日米の所得水準
ちょっと気になって調べてみました。
[世帯収入]
米国:$46,242ドル(05年)
日本:¥5,797,000(04年)
米国は中央値、日本は平均値、少々違いうのですが、ざっくりといきます。1ドルは現在118円くらいですが、日米を頻繁に往復している人間の実感として、1ドルは130~150円くらいじゃないかなと思ってます。
とすると、米国の46,242ドルは、だいたい600万円から700万円となって、日本とおおよそ一緒か、ちょっと上、ということになります。まあ、だいたい一緒と見ていいんじゃないかな。
世帯の収入レベルでは、日米はいまやほとんど同じ。
さてではよく言われる所得格差です。アメリカは格差が激しいとされ、日本のような格差のない社会がいい、とよく言われるし、みんなそう信じてます。
以下asahi.comの抜粋です。長いですが、引用します。7月20日の記事です。
経済協力開発機構(OECD)は20日、06年の対日経済審査報告書を発表した。所得格差問題を詳しく取り上げ「00年段階ですでに日本の所得格差は米国に次いで2番目に高かった」と指摘。その後、格差が固定化している恐れがあり包括的な対策が必要だ、と警告している。
報告書は、所得格差の指標として生産年齢人口(18歳以上65歳以下)の相対的貧困率に着目した。可処分所得が中位置(全体の真ん中)の半分に満たない家計の割合を示す指標で、日本は小泉政権による構造改革が始まる前の00年段階で13.5%だった。OECD加盟国の中で米国(13.7%)に次ぐ高さ。3番目はアイルランドの11.9%で、日米がず抜けていた。日本の90年代半ばの相対的貧困率は11.9%だったという。
00年当時の日本企業は景気低迷を背景にリストラを進めていた。その結果、正規労働者と非正規労働者による労働市場の二極化傾向が強まり、格差が広がった、と報告書は分析している。高齢化も一因に挙げている。
格差の拡大を防ぐために、正規雇用を増やすための施策や、非正規雇用者への社会保険の適用の拡大が必要だと訴えている。また、所得水準が厳しい母子家庭などに社会福祉支出を振り向けるべきだと論じている。
小泉内閣以前からすでに、日本にはほとんどアメリカと同じ程度の格差があって、今でもそうだ、ということです。アメリカ型の市場原理主義を持ち込もうとしている言われた経済政策のおかげじゃない。
一億総中流は幻想、アメリカのような格差社会はいかんと言って批判するのはおかど違いということが分かります。
平均的な所得水準も一緒、所得格差も一緒、日米は実はきわめて似通った構造を持つ社会なのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:35 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)
September 26, 2006
経営者が売場に立つことの重要性
米国小売業の情報サイトなのに、とお叱りを受けそうですが、またテスコです。CEOのインタビュー記事がCNNのオンライン記事に掲載されてます。
「 Transcript: Terry Leahy, CEO Tesco」
たたき上げなんですね、この人。しかも40歳でCEOですか・・・。
驚いたことは、年に1週間売場に立っていることです。ポイントは、「店に行く」のではなくて、「売場に立っている」こと。文面では、実際に棚をいじり、レジもやる、となってます。
この企業、グローバルランクでは6位、アメリカのクローガーよりも大きく、日本のイオンのおよそ2倍弱の売上高規模の企業なんです。
以前イケアのCEOも年に一週間売場に立っていると記事にしました。
「イケアのアンチビューロクラシーウィーク」
大きくなっても伸び続ける企業って、これなんだと私は思いますよ。
日本にも大企業と言われている小売企業は多いけど、一番大きいイオンでもテスコの半分強。じゃあ、この日本で大企業といわれている会社の経営者が売場に立っているかというと・・・。「店に行く」経営者は多いかもしれないけど、「売場に立つ」経営者は、大手企業にはいないでしょう。
日本だと、取り巻きが余計な心配をしそうだし、社長たるもの売場に立つなんて、なんてことなのかもしれない。しかしながら、小売業というものは売場が原点なんです。
原点に立てない経営者なんて、小売業じゃなくても、成功はおぼつかないと私は思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:33 PM | | トラックバック (0)
September 25, 2006
ウォルマートにとってのダイエー買収
ビジネスウィーク誌のオンライン版がが西友の記事を掲載しました。「Japan: Wal-Mart's Looking for a Partner--Again」
(購読者しか読めない記事だったら、ごめんなさい)
要約すると、ダイエーを買収できるかどうかはウォルマートにとって非常に重要で、できなかったら撤退もある?、というような内容です。アメリカのメディアにこういう記事はずっとなかったので、そろそろ出始めたな、煙が出てきたな、などとちょっと感じました。
文脈の背景にあるのは、規模を拡大するしか西友/ウォルマートに道はないというロジックです。EDLPも規模が必要、としっかり書いてあります。
しかしながら、日本という国の流通業界では、規模があまりモノをいわないんですね。メーカーの取引制度、きわめて優秀な卸ネットワーク、などなど、その原因は多い。
だから、米英のように上位集中がなかなか発生しない。
自分たちの物差しでしかモノが見えない欧米人は、こういう見方をどうしてもしてしまいがちです。
この記事読んで感じたことは、「ダイエー買えなくて規模を大きくできなかったから、日本事業は失敗しました」と、言い訳になってしまい、それをアメリカ人は簡単に納得してしまいそうな点です。いろいろな情報を総合するに、ウォルマート本社、またはリー・スコットは日本の現場のことをあまり知らないようで、「そうか、やっぱりダイエー買えないから失敗だな」と合点してしまいそうな気もしてます。
ウォール街もウォルマートの再建手腕が問題なのではなくて、外部要因だったと、納得してしまいそうな気がする。
しかしながら、しつこいですが、西友の復活は規模じゃなくて、カレジッスキーの再建手腕にかかってるんです。規模が大きくできないから日本では無理でした、という言い訳は、できれば彼からは聞きたくないところです。
テスコは、シーツーネットワークに投資して、水面下にもぐってしまいました(笑)
規模がどうのこうのなんてコメント、この企業からは、またはこの企業に対しては、ぜんぜん出てきません。テスコって、日本の事情を実はよ〜く知っているような気がしてるのは、私だけでしょうか・・・。
ひょっとするとこの企業、アメリカでやったように、日本人家庭にホームステイして調査したのかもしれないなあ・・・。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:14 PM | | トラックバック (0)
September 19, 2006
社員1.0と2.0
17日、18日と、某大手メーカーさんの研修にアテンドしてきました。業種は家電、グループは40台〜50台の、そろそろ上級管理職になる方たち、といったところです。
さて、夜の会食の席でMixiの話が出たのですが、どういうものなのか知らない方が結構いた。グーグルマップとか、スカイプとか、話がいろいろ広がっていったのですが、で、そういう新しいネット上の世界を知らない人たちのことを、社員1.0と呼ぶ、という話を聞いて、大笑いしてしまいました。
グループは11人、そのうちの10人は社員1.0だった(笑)
その会社の社長さんは、'そのうち、社長1.0なんて言われるのか'とおっしゃっているそうで、これもまた大笑いでした。
このネタ、1.0と2.0を何にかけているのか、皆さん分かりますか?
言っていることが分からない人は、社員1.0です(^^)
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:37 PM | | コメント (0) | トラックバック (0)
August 31, 2006
トイザラスが負けている理由?
娘が友達のバースデーパーティで、おみやげとして子供用の小さなタコをもらってきました。タコというよりも、カイト、と言ったほうがいいでしょうね。
糸もそれほど長くなくて、カイト自身も小さくて、低学年用に作られたものでした。とても簡単にセットアップできて、久しぶりに上げてみたら結構楽しくて、上の子用にも大き目のを買って遊んでみようかなと思いたちました。
そこでトイザラスに行きました。時間がもったいないのでサービスブースで聞いたら、'シーズナル売場にある'と言うので、行ったらない。戻ったらその女性がいなくて、違う人に聞いたら'あそこにないなら、ない'とのこと。
欠品か、と、がっくりでした。
でもあきらめず、ターゲットに行ってみました。売場にいた女性は一言、'カイトは2月と3月にしか置かないよ'でした。
なるほど、アメリカにもタコを上げる時期があるのかと、はじめて知りました。
しかし、トイザラスではそういうことは教えてくれなかった。
年初のシーズナル商品ならば、現在のシーズナル売場にあるわけないじゃないですか。あそこにあるよ、なんて、なんて無責任な。
トイザラスが負け続けている理由がこれです。店員のモチベーションや知識レベルが低くて、腹の立つことが多い。こんなことやってるから、DSにお客を奪われていくんです。
ちなみにターゲットの玩具売場を必要に迫られて真剣に見たのですが、品揃えが結構いい。これもトイザラスが負けている理由の一つでしょう。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:52 PM | | トラックバック (0)
August 8, 2006
アルディに負けた独ウォルマート
ウォルマートがドイツでうまく行かなかった理由として、ドイツ人は余計なサービスを必要としておらず、アメリカ的なスマイルを受け入れなかった、などと書くメディアがこちらには多い。
欧州に詳しいコンサルタントの矢矧晴彦さんは、そんなことはないと、一蹴してました。
つまり、価格に見合った価値をドイツのお客も求めているわけで、いくら店員が笑ったところで、価格が納得するものでなければ、お客は来ないというわけです。
これは別にドイツだけではなくて、日本でもアメリカでも一緒でしょう。
結局のところ、独ウォルマートはアルディとの価格競争にに負けたということの一言につきると思ってます。
では、なぜ負けたのか。それを知るには、アルディという企業を知らなければならなりません。
業態としてはボックスストアなんて呼ばれていますが、フォーマット名はさておき、実は矢矧さんに教えていただいたアルディの'べからず集'を知り、つまりビジネス運営上やっていはいけないことのリストをアルディは作っているのですが、読んで分かったのはこれはもうウォルマートと同じじゃないかということなんですね。
簡単に言うならば、難しいことをせずに、すべてを徹底的にシンプルにする、ということを根本ポリシーとしている。それによって、低価格を実現するわけです。
ウォルマートとまったく一緒(笑)
拙著で記しましたが、アメリカにおいてウォルマートはダラーゼネラルを最大の競合企業とみなしています。その理由については拙著を読んでくださいね(^^)v
そしてダラーゼネラルとアルディって、同じ業態に属しているんです。
つまり、ウォルマートにとってアルディは、もともと正面からぶつかる相手であるわけです。
ウォルマートはドイツ企業を買収したわけですが、これをウォルマート型モデルに変えたかったのだが、なかなかうまくいかなかった。企業文化にまで立ち入らなければならない領域ですから、生半可なリーダーシップではうまく行きませんから。
そして仮にうまく行ったとしても、しかしそこにはすでにウォルマートと似た哲学で成功している既存企業が存在した。
独ウォルマートの失敗って、こういうことなんでしょうね、たぶん。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:44 PM | | トラックバック (0)
August 7, 2006
ファミリーとの食事を重視するアメリカ人
ターゲットとハリス・インタラクティブという企業による食事に関する調査結果によると・・・
18歳以下の子供を持つ家族は、週に6回家族と食事を取り、週に5回は料理を作っている。84%は、週に一回は家族でグローサリーの買い物に行く。77%は、料理を作るときに子供を参加させている。
言いたいことは、親が子供を料理の現場に同席させて、一緒に食事を取ることが、スーパーマーケットの将来には必要である、そして調査の結果アメリカ人も捨てたもんじゃないことが分かった、ということでしょう。
さてこの結果、ちょっと誇張がありそうに思うのですが・・・ただアメリカ人は家族での食事を重視する傾向は確かに強くて、逆に日本では非常に弱いように私は感じてます。
アメリカは職住接近が基本なので、例えばディナーを食べに家に帰って、それからまた会社に戻って残業をする、なんてことをする人が少なくない。
家族での食事を重視する、としましたが、ここの人たちは家族を重視する、と言い換えてもいいかもしれませんね。家族単位で考え、動く、ことがとても多い。
日本では、どうでしょう。このブログを読んでいる親父たちって、毎日残業で子供と食事を取る機会なんて限られているんじゃないですか。だから、少子化に歯止めがかからない、んじゃないでしょうかね。子育てを母親に依存しすぎている。親父が家庭から離れてしまっていることが基本的な問題だと、アメリカにいて私は強く感じているんですが・・・。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:31 PM | | トラックバック (0)
July 27, 2006
米国産牛肉の輸入再開
BSE問題で停止されていた米国牛肉の日本への輸出が再開されることが決まるそうですね。
日本が輸入停止を決めたきっかけは、検査基準を作ったのにもかかわらず、守っていない業者がいて、危険部位が混入している牛肉が見つかったからでした。
このとき米国の検査体制のずさんさに対し、多くの日本人の反応は「やっぱりアメリカ人っていい加減だね(爆)」的なものだったでしょう、たぶん。アメリカ人はいい加減、という表現はとても便利で、アメリカにおいて何か異なる状況に対峙したときにこれを使うとすべてが丸く収まってしまうことがとても多い。
アメリカ人もいい面の皮です(笑)
このとき私は、アングロサクソンのデファクトスタンダード型思考パターンを思ったのでした。
彼らは、何かことを進める場合、事前準備を100%せずに、とりあえず走り始めて、走りながら出てくる問題を解決して行き、ゴールを作り上げようとする傾向が強い。
スタンダードを作るときも、走りながら作って行って、できあがったものが事実上の標準となる。
一方日本人は、事を始める前に、重箱の隅をつつくようにすべてを検討し、一定の指針を作ってからはじめる傾向が強い。最初に標準を作って、これに従って行動して行こうとする。
アングロサクソンの慣習法と、日本の制定法も、これによって説明できたりする。
デファクトスタンダード型の思考回路を持ってますから、牛肉の検査体制を隅々まで完璧に作り上げるまえに、とりあえず走らせて、問題が出てきたら修正して行けばいいと考える。
しかしジュールスタンダード型の発想法をベースとしている我々は、これがどうしても理解できない。なんていい加減なんだ、となってしまう。
彼らは彼らのやり方で検査体制を作ろうとしたんだけど、問題が出てきたときにデジュールスタンダード型の我々がどう反応するのかと言うことに対してヨミが甘かったわけです。そう反応するかもしれないということをシミュレーションできていれば、もう少し違った取り組み方ができていたかもしれません。
まあそれだけ、米国の食品業界も体制が古いということです。
「も」としたのは、日本も大して変わらないからですね。
危険部位混入ケースが発生したときに、私はこんなことを思ったのでした。
とりあえずの、アメリカ擁護論、ではあります。
ただ全頭検査に対してこれだけグローバルプレッシャーがかかっているにもかかわらず、拒絶し続けてるアメリカの食品業界って、肝が太いと言うか、鈍いと言うか、図々しいと言うか・・・たいした業界だなとは思います(笑)
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:30 PM | | トラックバック (0)
July 25, 2006
インストアクリニックと米国医療システムの破綻
ウォルグリーンがインストアクリニックの拡大を発表しました。年末までに、アトランタ、シカゴ、ラスベガスで、各都市12以上の店舗でインストアクリニックを展開するとしてます。各都市ごとに、別々の企業とパートナーを組む模様。
流通ニュース、CVSの買収、RediClinicと記事にしてきましたが、リテーラーによるインストアクリニックのテナント展開は、完全なトレンドとなってます。
さて、前回のウォルマートの記事で、アメリカの健康保険システムは破綻していると書きました。細かい説明は省きますが、一つだけ指摘すると、健康保険を持っていない(または持てない)人が人口の約15%もいるという事実です。医療の不公平が常態化している。
実を言うと、リテーラーによるインストアクリニックの展開も、つまるところはこの壊れた医療システムに起因しているんですね。つまり、様々な理由で思ったとおりの医療を受けられない人たちが結構いて、リテーラーが彼らのニーズの受け皿として機能を果たし始めているというのが、私の見方なんです。
ということで、ウォルマート店員の福利厚生問題も、リテーラーによるインストアクリニックも、根っこの本質は同じところにあるのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:35 PM | | トラックバック (0)
July 4, 2006
ライブドア、村上ファンド、そして日銀福井総裁
今日は独立記念日でして、国民の祝日です。普通の人はお休みですが、ここ数週間忙しい私は残った仕事を終わらせるために、朝6時から仕事してます。10時には切り上げて、家族と過します。
さて今回はお休みということで、いつもと違うネタです。
ライブドア、村上ファンド、そして日銀福井総裁
この3つのケースに私は、何か共通するものを感じてます。日本人特有の、お金を不浄のものとする文化に根ざしているように思えること、メディアが煽っている印象が強いこと、などですね。
村上Fのケースの直後に、知人がメールを送ってくれました。私がなんとなく思っていたことを代弁していただいたような内容なので、以下抜粋します。
「・・・要するに、ホリエモンも村上も、エスタブリッシュ層の逆鱗に触れ、お灸をすえられたんだよね、という解釈がほとんどです。インサイダーはだめですよ、もちろん。でも、目をつけられたら最後、いきなり身包みはがされて、ばしばしたたかれたら、そりゃ埃のひとつはたちますよね。おなじ捜査をすべての機関投資家・ヘッジファンド、個人、経営者、政治家にやったら、そりゃ疑わしいものはでてくるでしょう。やっぱりお上の裁量行政という日本の体質はぜんぜん変わってないじゃないか・・・」
福井さんはエスタブリッシュメントに擁護されてますが、前者二つのケースは明らかに、出すぎてたたかれた印象です。
「・・・ついでに、この一件に対するマスコミと一般大衆の反応にはちょっとウンザリです。'お金さえもうければいいというのはいかがなものか'とか、'やっぱり米国型の市場主義経済は問題だ'とか、'株主価値を優先するからこういうことが起こるんだ。'という反応。インサイダー取引が問題ですから、これは公正に市場が機能しなかったことが根本問題なのに、市場主義とか株主価値そのものを否定しにかかる。ましてや、お金をもうけることを問題にする、というのは、まったくナンセンスだと思いませんか?このあたり、大変生意気な言い方ですが、日本は教育から変えていかないとだめだと思いました。道徳・倫理・規律と株主価値や市場主義ということは、決して相反する概念ではないはずです。むしろ、前者がないと後者がなりたたない、後者を死守するために前者を徹底しないとだめなんだ、というコンセンサスがないんです・・・」
もう、まさにその通りだと思うわけです。
'マネーゲーム'という表現がありますが、これにはネガティブな意味が込められていることがほとんどじゃないでしょうか。
こう考えてみて下さい。
100万円資本があった。これに利子を乗っけて売る。
100万円の資本とは原価であり、利子は荒利です。つまり原価(資本)があって、荒利(利子)を乗せて売るわけだから、小売業や製造業となんら変わりはない。
時代が進むにつれて、売り方にもバリエーションが増える。REITや先物など、いろいろ出てくる。これは、イベントとか、ロイヤルティマーケティングとか、小売業でいろいろな売り方が出てくるのと、同じでしょう。
金融だけ否定的なニュアンスを含んだゲームという表現にになってしまうところに、日本の文化の欠点があると私は思います。
ちなみに現ゴールドマンサックスCEOのヘンリ・ポールソンがブッシュ政権の次期財務長官として指名されましたが、ポールソンは自分が持っている同社株をすべて売るそうです。
詳しいことは知りませんが、何の規制もない状況下でアメリカ人のみ清廉潔白に行動するとは思えないので、アメリカにはたぶんそういう規則があるのでしょう。
そういう意味においては、規則がなかったという環境において、福井総裁に罪はない。しかしながら、官僚というものは、高い志を持って日本という国を支える使命を持ち、その見返りとして特権を持つわけで、利殖という行為とは本来相容れません。したがってうかつだったという言い訳はあまり説得力はない。身を投げ打っても日本を支えるという高い志があるのかと疑われも、文句は言えないでしょう。
でも、堀江や村上とは異なり、エスタブリッシュメントサイドにいる福井さんが、首を切られるということは、ないんだろうなあ...。
最近ちょっと風向きが変わってきたような印象はありますが・・・。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:50 AM | | トラックバック (0)
July 1, 2006
[月刊MD]戦略としての差別化を考える
価格へのこだわりは小売業の志
小売企業が競合を戦い抜く場合、価格問題が最重要テーマであることは議論を待たない。価格競争は無益だなどと語る識者がたまにいるが、自分の胸に耳を当てながらよく考えてみると良い。同じ商品を安く売る店があったら、そちらで買うに決まっているのだ。人間というものは、そういうものだ。
価格を下げるための努力は流通業者の使命であり、これが世の中を発展させてきた原動力でもあり、これを放棄することは志を捨てるに等しいだろう。
ウォルマートがあれだけ大きくなって、今でも成長を続けている理由の一つに、アイテムマーチャンダイジングというものがある。単品に徹底的にこだわってMDを構築しようとする考え方で、従ってアイテムの価格にも執拗なほどにこだわる。これを世界最大の売上高を誇る企業になってもやっているから、今でも失墜せずに成長を継続できている。
ただ、価格を下げる努力は小売業の志ではあるのだが、戦略なくしてむやみな戦いを続けると、いつか泥沼に陥るから不毛だと考えることは普通ではある。
ウォルマートもおそらく80年代初頭に価格競争の壁にぶつかったのだと思うのだが、しかしこの企業はメーカーからのリベートに頼って値下げ販売する旧来の手法から脱却して、EDLP/EDLCという新たなビジネスモデルを作り上げることで、流通業界に革新をもたらしてしまった。アイテムの価格にこだわり続けることは旧来のやり方では泥沼化は避けられないわけだが、異なる次元へと昇華することでさらに価格を追求し続けることに成功した稀有の企業と言う事ができるだろう。
参考までに、同社のアイテムをベースとする考え方は、カテゴリーをベースとするカテゴリーマネジメントとは袂を分けており、ウォルマートはわが道を行ってしまっている。ウォルマートのビジネスプロセスに対抗するために生まれたのがECRであり、SCMであり、カテマネであり、と考えると、ウォルマートが対抗勢力のやり方に迎合する必要など無いわけだ。
また単品ごとの在庫管理を徹底する単品管理とはまた違う。個々のアイテムが売れるのか売れないのか、価格はそれでいいのか、といったことをバイヤーが執拗に考え抜くことがアイテムMDであり、在庫の管理手法はまた別の話だ。
小売業とは個々のアイテムについて価格を含めて考え抜きながらこつこつと積み重ねて行くビジネスであり、そのプロセスであるマーチャンダイジング(MD)こそがこのビジネスの成否を決定するものであることについては、誰も異論がないだろう。
<続きは月刊マーチャンダイジング06年7月号をご覧下さい>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:26 PM | | トラックバック (0)
May 23, 2006
ウォルマートの韓国撤退について
ウォルマートが韓国から撤退することを発表しました。16店舗を8250億ウォン(8億8200万ドル)で新世界に売却する。ウォルマートが進出後に撤退するのはインドネシアに次いで2回目です。
ウォルマートはこの3月、新世界から買収オッファーを受けるまで、撤退など考えもしなかったとしています。
カルフールが撤退しようとしたときに、32店舗の買収をめぐって争ったのがイーランドグループと新世界で、結局イーランドが競り勝った。新世界はこのときウォルマートにもオッファーをかけていたということになります。
撤退の理由についてはいろいろ書かれてますが、財閥系が強い韓国市場に入り込んでいけなかったということでしょうか。テスコはサムスンと組んでますし、やはりパートナーが必要だったということでしょう。
韓国市場は決して大きくは無いですから、苦労とリターンを天秤にかけて、売るほうが得策と判断したものと考えています。
さておそらく皆さんの興味は日本はどうなるのかということだと思います。
アメリカではここ数年、中国とインドばかりに焦点が当てられているが、アメリカ企業が実際にアジアで最も利益を上げているのは日本で、中国とインドを足しても、日本で稼ぐ利益を上回るにはまだかなりの時間がかかる、という論調がこちらのメディアに出ています。
マクドナルド、ティファニー、アフラックなどが例として引かれていました。
これくらいはウォルマートも分かっていることでしょう。
またウォルマートだけではなくてウォール街も分かっているはずです。もし日本から撤退した場合、なぜマックやスタバにできて、ウォルマートにできないんだという批判が投資家から巻き起こりそうで、とすると海外事業そのものに対する将来性が疑われそうで、そう考えると日本からはそうそう簡単に引くわけにはいかないだろうと私は思うわけです。
だからまだしばらくは日本から引くということはないと思うのですが、一方西友の黒字化までにどのくらいかかるのかという問題もあって、悩ましいところではあります。
以前記事として書いたとおり、外人CEOの力量がどうなのか。マイクロマネジャーではなく、モチベーターとして経営できるかどうか。日本人社員の懐に飛び込んで行って、彼らのやる気をどんどん引き出せる経営者なのかどうか。
やはり私はここに注目してます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:38 PM | | トラックバック (0)
May 22, 2006
RediClinicとスティーブ・ケース
先週テキサス州オースティンのHEバット・プラスに行ってきました。およそ5000坪を超える店舗で、SMが作る初のスーパーセンターフォーマット、と言っていいでしょう。現在3店舗、実験の域は出ていないと感じました。
ウォルマートがスーパーセンターでSMのシェアを奪い続けてすでに10年以上が経過しているわけですが、今まで同じフォーマットで逆に対抗してやろうとする企業が出てこなかったこと自体、おかしなことだと思ってます。
遅きに逸した感が否めないですね。
さてこのフォーマットの詳細は業界誌に譲るとして、今回は店内で見つけたテナントの話です。レジの外側に、RediClinicという名称で、インストアクリニックが入っているのを見つけたのでした。インストアクリニックそのものについてはアメリカ流通eニュースVol.10,No.16で書いたので詳細は省きますが、このRediClinic、実はAOLを創業したスティーブ・ケースが所有するRevolution LLCという会社が大株主なんです。
スティーブ・ケースは確かお兄さんを病気で若くして失い、それがきっかけでヘルスケアビジネスに興味を持つようになったと記憶してます。AOLタイムワーナーを辞めてからヘルスケア関連ビジネスを創業したということは聞いていたのですが、今回彼が出資するRediClinicをはじめて目にしました。
このビジネス、ものすごいポテンシャルがあるというのがもっぱらの見方でして、スティーブ・ケースは再び大きなビジネスを作ってしまうのかもしれません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:42 PM | | トラックバック (0)
May 19, 2006
アラン・ラフリーと質問力
最近P&Gについて追っています。日本ではあまり知られていないことのように思うのですが、P&Gはここ数年大きな変革に取り組んでいて、成功しつつあります。10年前のP&Gとはまったく違う企業へと変わりつつある。
そしてこの変革を引っ張っているのが、The moments of truthで書いたアラン・ラフリーというCEOです。
もしP&Gがこれからさらに成長を続けたら、名経営者として名前をとどめることになるかもしれない、そういうレベルの人だと思っています。
さて今回はこの人のビジネススタイルについて2つ。
まず大変なリスナーなのだそうです。相手の話をとにかくよく聞く。GEのイメルトをして、「スポンジのようだ」と言わしめるほどの聞き上手なのです。
これはとても重要なリーダーの資質だと思います。部下の話をよく聞くことは、彼らの信頼を勝ち得る重要な要素だと思います。
ちなみに私は最悪のリスナーです(笑)
次に、部下に対してとにかくしつこいくらい質問をし、これによって彼らの決断を助けるのだそうです。私はこの質問魔という彼の資質を知って、これもリーダーの大切な資質の一つだと気づきました。
つまり、自分の考えを押し付けることをせず、質問を繰り返しながら、あたかも部下が自分で決断を下したかのように持っていってしまう。結果として自分の考える方向に持ってゆくのだけれど、押し付けではなく、自発的に決めたように持っていってしまうプロセスが優れている。
このことを考えていて、ふと「質問力」(齋藤孝著)という本があることに気づき、日本で購入し読んだのですが、とても参考になりました。
一つ引用すると、最後のエピローグに、「ソクラテスもおもしろい。彼も質問上手であり、質問することがあたかも仕事のような哲学者だ...中略...自分が心理を説くのではなく、相手に質問を発することで相手自身に気づかせていくのだ」、という文があります。
なるほど、ソクラテスも質問魔だったわけです。
ラフリーの大学時代の専攻は歴史でして、ひょっとするとソクラテスからビジネススタイルを学んだ可能性が非常に高いと私は気づきました。
ラフリーに万が一インタビューする機会があって(あるわけないですが...)、このあたりを質問したら、齋藤さんにほめられるやり取りができるかもしれません(笑)
蛇足ながら、家電メーカーのワールプールも変革に成功しつつあるようです。P&Gなどの優良企業が取り組みを学ぶために訪問団を組んで大挙押し寄せているという記事を読みました。だから凋落したメイタグを買収することができたわけです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:52 PM | | トラックバック (0)
May 4, 2006
ファミマ!!に行ってきました
3月末にオープンしたトーランスのファミマにようやく行ってきました。平日に通る道沿いにあって、毎日通り過ぎながら行かねば行かねばと思っていたのです、行く暇がありませんでした。ウェストハリウッド、サンタモニカ、ウェストウッドとオープンし、今回は4店舗目になります。
店内はかなり凝っていて、おそらく建築コストは普通のコンビに比較するとかなり高いことでしょう。家賃はどうなのでしょうね。ウェストハリウッドに関しては伝え聞くに結構高いリースのようですが、今回はどちらかというとさびれたストリップセンターですから、それほど高いリースではないかもしれません。
マーチャンダイジングは日本の商品をメインに、かなりとんがったスペシャリティ商品を配している、というイメージです。価格は全般的にかなり高めです。
さて印象ですが・・・苦労しそうですねえ。
このフォーマットはまさにスペシャリティ型です。カミソリのように非常に鋭い狭い領域のフォーマットです。
確かに日本食はアメリカでかなりポピュラーなものとなってきていますが、アメリカ人の日常の食生活に必要というものではありません。ニーズではなく、ウォンツで買われるものです。そしてこのスペシャリティ型は通常、商圏人口がある程度多くなくては成立しません。ホールフーズやブリストルファームが普通のスーパーマーケットのようにたくさん作れない理由がこれですね。
しかしファミマは大きめな商圏を必要とするこのスペシャリティ型を、コンビニという小商圏で成立させようとしているわけで、つまり理論上は非常に難しいことにトライしているということになるわけです。
前回の記事で書きましたが、ニーズを基盤としていない以上、必要なものはストーリーとなるでしょう。ファミマがお客にとって何なのか、どういうライフスタイルを支援できるのか、といったメッセージが必要となる。ではマーケティング技術を駆使してなんらかのストーリー作りを試みているのかというと、今のところはそういう話は聞いていません。
ちなみに、言ってみれば、いま日本で韓国がブームですが、韓国食材のコンビニが日本にできたようなもので、そう考えてみても、簡単ではないなということが分かるでしょう。
普通のアメリカのコンビニにはない試みが一杯あっておもしろいなあという気はするし、日本の企業にはアメリカでぜひ頑張ってほしいのですが・・・。ちょっとアメリカ人には先鋭すぎるかもしれない。商売というものはとんがりすぎているとダメなもので、半歩くらい先に行くくらいがちょうどいい。
もう少しメインストリームへと軸足を移すといいかもしれませんね。つまり例えばHBCにまで日本の商材をおいているが、これを普通のアメリカの日用必需品とするなど、アメリカ人が日常必要とする商材(またはサービス?)をもう少し増やす。これでまずは来店客を獲得し、その上でとんがった商品はついで買いしてもらう、ということを考えたほうがいいかもしれません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:06 PM | | トラックバック (0)
May 3, 2006
ウォンツを売るために必要なもの、「ストーリー」
ギャップのCEO、ポール・プレスラーが某誌で、アパレル専門店にはストーリーが必要だと、語っていました。彼はディズニーショップの拡大時に功績のあった人なのですが、ディズニーショップにもストーリーが必要で、そういう意味ではアパレル専門店も変わらないということを言おうとしたものでした。
このことはアパレルに限らないでしょう。
商品はすべからく、ニーズとウォンツに分類できると私は思うのですが、ウォンツを売るには必ずストーリーが必要となる、と私は思います。
例えばサプリメントはウォンツで売れるものです。日常生活に必要な消耗必需品ではありません。
だとしたら、棚に並べてPOPをつけるだけでは、売れる量は限られる。
ストーリーがあって、はじめてお客はいっぱい買う。
例えば いま私が注目している新しいドラッグストアコンセプトであるエレファントファーマシーのように、セミナーをやるとか、ヨガ教室を設定するとか、そういうものがあってはじめてお客はその店を信頼し、価格が高くても買うようになるわけです。
例えばアパレルの中でも、実用アパレルはニーズで買われる領域ですから、ストーリーはいらない。
でも実用アパレル以外をしっかり売るためには、すべからくなんらかのストーリーが必要となります。
そして日本のGMSのアパレルは、このストーリーを持っていないのが根本問題なんじゃないかなと。
シアーズのアパレルもストーリーが無いため、いつまでたってもダメなまま。
JCペニーはいま一生懸命ストーリーを作ろうとし、なかば成功し、業績が上向きました。
このストーリー作りとは、視点を変えるとブランディングと言う事ができ、さらにマーケティング活動の一形態と言う事がます。
リテールとはマーチャンダイジングビジネスであり、マーケティングという発想から程遠いビジネスです。良し悪しは別として、バイヤーの基本的なマインドは、いい商品さえ置けば売れるんだ、というもので、商品以外の外的要因で売るという発想をあまり持ちません。
とりわけ感度を重視する必要のあまりない食品やドラッグといったビジネスには、マーケティングなんて必要ないって思っている人も多いことでしょうが、しかしながら、例えばトレーダージョーズはかなり意識してストーリーを作ってきたし、ホールフーズにも強烈なストーリーがある。だから繁盛している。
食品日用品にしても、ウォンツタイプのカテゴリーや商品を売るためには、ストーリーが必要だと思います。そしてこのストーリーを創造してウォンツを売ることこそが、ニーズタイプのカテゴリーや商品で価格競争しながら、全体で利益を上げてゆくカギなのだと考えています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:46 PM | | トラックバック (0)
May 2, 2006
日米商品展示会の相違と流通集約度
ちょっと硬いタイトルとなってしまいましたが・・・。
前回の日本訪問時、偶然日程が合ったこともあって、3月17日に大手食品卸の加藤産業さん主催の展示会に足を運びました。
正直言うと日本での展示会ははじめてだったので、とても参考になりました。
アメリカのやたらお金をかけた派手なもの比べると質素なのですが、必要な機能にシェイプした感じで、とても好感を持てました。
卸主催の展示会としては歴史が非常に長いとのこと、参加人数も相当数なようです。
卸が主催する商品展示会は、アメリカにはたぶんないでしょう。ほとんどが業界団体が主催します。FMIが典型例です。
しかしこの協会主催型は、とくにCPG業界ではここ数年下火となりつつあります。理由は簡単、リテーラーの集約と、メーカーの集約によって、一堂に会してのマーケッ
トが必要なくなってきてしまった。
逆に大手リテーラーが開催するケースが増えてきています。ウォルマートは新たなベンダーを発掘するために2日間の展示会を毎年開催していますし、HEバットやクローガーなど開催する企業が多い。
つまり一堂に会する場が、リテーラー側に寄って行ってしまっている。
一方日本の場合、メーカーもリテーラーもアメリカのような上方集約が発生していませんから、どうしても真ん中にそういう機能が必要となる。
両国の流通業界の特徴を現しているような気がしています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:55 PM | | トラックバック (0)
April 28, 2006
イケアとユニクロ
イケアが日本でオープンしたようですね。
唐突ですが、イケアのビジネスモデルは'ユニクロ'だと私は思っています。
イケアはエンターテイメント性が非常に高い店作りを完成させています。そのご利益は、一歩足を踏み入れたとたんアドレナリンが上昇し、陳列商品すべてが素晴らしく見えて、さらに価格も安いため、思わず買ってしまう、と言う点にあります。
しかしながら、商品自体は価格なりでして、決して長持ちするものではありません。
私の経験から言うと、本棚で5年、タンスで8年、といったところでしょうか。
実際のところ、買ってすぐに壊れたものもあります。
先週日本で、とある方と面談中ユニクロの話が出たのですが、'ユニクロの商品は洗ってはいけない'と。
洗うと一気に痛むため、できる限り洗わずに長持ちさせなければならないという冗談です(^^)
例えばブレザーをシーズン前にいくつか買い、1〜2年で痛んだら捨てて、次を買って・・・という短いサイクルを繰り返しているそうです。
使い捨て感覚で着る、そういう商品なわけですね。
イケアもそうだと私は思います。
価格が安くて驚きますが、長持ちはしません。価格なり、という表現がピッタリです。
ネガティブな意図で書いているわけではありません。
そういう市場も少なからずあるということです。
住宅を所持せずアパートを転々としている人たちとか、新婚などの家具初心者とか、そういうライフスタイルの人たちに大きく支持されています。
ちなみにイケアの革新性とは、組み立て家具をショールームで売るモデルを確立したことにあります。
後にも先にもイケアしか存在しません。
ところできわめて個人的な価値観ではありますが。
いい家具は100年単位で持つため、高価であっても安い家具を買うよりもお得だと思ってます。
傷ついたら表面を研磨したりして生まれ変わらせることもできますが、廉価版はできません。本当にいい家具は、子供たちへと代々受け継いで行かせることもできます。
長い長いスパンで見ると、高級家具のほうが安く上がると私は思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:23 PM | | トラックバック (0)
April 27, 2006
ブログ機能とショッピング
ホームページのブログ化プロジェクトを立ち上げてから9ヶ月がたとうとしています。オリジナルを作ったため、Movable Typeの勉強をしなければならず、いまだに悪戦苦闘しているのですが、かなり分かってきました(笑)
持っている機能もかなり把握できてきました。やっぱり使ってみないと分からないものですね。
このブログはもともとホームページを紹介しあうログとしてできたもので、これが発展して個人の日記として使っている人が多い。そういうものだと思っている人も多いことと思います。
しかしながら、特定の機能に注目するならば、いろいろなバリエーションをこれから考えていくことができると思います。
例えば私は主に情報発信の場として使ってますが、アーカイブとしても使い始めてます。つまり「あれ、何だっけ?」というようなときに、この自分のHPを開いて過去の記事を検索するときが増えてきた。
さて、ブログはRSSフィードという機能を持っています。
これ読んでいる方の中には、ヤフーなどのポータルに登録している人も多いと思うのですが、このRSSが使われているわけです。
これを小売業界で使うという話が出てきています。
つまり小売企業がブログ機能を使ったページを作り、例えば新商品情報などをRSSを使って発信するわけです。消費者は情報を自分で取捨選択できる。メール送信と違って、受け手が自分でコントロールできるところが優れている。
ブログ型を採用しているネット販売サイトはすでに増えてきていますが、小売業界でRSS機能が今後注目されるときが来ると思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:11 PM | | トラックバック (0)
April 21, 2006
リーダーのコミュニケーション手法
P&GのCEOアラン・ラフリーは、'CPGメーカーにとって消費者がボスであり、The two moments of truth with consumerにおいて、その信頼を勝ち取らなければならない'、としています。
最初の瞬間は消費者が棚の前に立ち、商品を手に取るときで、全世界160ヵ国で毎日3,000万回発生している。
この瞬間に責任を持つのがMarket Development Orzanaization(マーケティングやセールスなど市場に直接関係する組織)。
2つ目の瞬間は消費者が実際に使用するときで、全世界で20億回発生している。
この瞬間に責任を持つのがGlobal Business Unit(R&Dなど商品開発や管理に関係する組織)。
ブランド開発管理と、セールス&マーケティングは、車の両輪なんだということを言いたいわけですね。
このThe two moments of truth、どうやら企業戦略にもなっているようです。
またこの言葉を冠として、商品を手に取るときを分析する、つまりインストアマーケティング専用の部門まで作ったようです。
米国のCPG業界で最近良く目にする言葉でして、かなり浸透していると言っていいでしょう。
とくにインストアマーケティングが重要だということをことさら強調したいときに、引用する人が増えている。
この言葉、個人的に私は非常に良いと思っていますます。
耳障りというか、音感というか、心に響くものを持っている。
ラフリーという人は、何か重要なことを伝えるときに、スローガン化するのが好きなのだそうです。
ブランド開発維持と、セールス&マーケティングが車の両輪であることは、当たり前のことではあるのですが、こういう心に残る短い言葉で言われると、あらためて納得してしまう。
これによって、全社員が同じ価値観を共有できるようになる。
こういう本質を突いた、分かりやすくて覚えやすい、短い言葉で、リーダーは社員とコミュニケートする必要があります。
ちなみに日本語では、「2つの真実の瞬間」。
ちょっと分かりづらいです(笑)
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:39 PM | | トラックバック (0)
April 17, 2006
ウォルマートの組織論と日本の官僚組織
4月7日の記事、「ウォルマート、経営陣の入れ替え人事」に対して、知人より興味深いメールをいただきました。
NEC Solutions (America), Inc.のダラスのオフィスに駐在員として来られている間宮祥之さんです。
ウオルマート経営陣の入れ替え人事の記事を拝読致しました。
「リーダに専門性を求めない」と言う方針は、ある意味日本の官僚組織と
似ていると感じています。
日本の官僚は功罪半ばであるものの、組織の運営自体はうまく動いている
とも言え、この点がウォルマートとの共通点なのかもしれません。
2月、3月はベントンビルに週一回のペースで行きましたが、そこで感じ
たことはミドルマネージャが強い権限を持っていると言うことです。
日本の官庁同様、経営陣はビジョナリで実務はミドル(官庁で言うところ
の課長補佐)が動かす体制なのでしょう。
鈴木さんの記事を拝読し、合点がいきました。
現場の方がそう感じているわけです。
チームワークを強調するなど、ウォルマートには日本的な組織論があるのですが、洋の東西を問わず、ビジネスに必要な本質は同じだというのが、私の考えです。
チームワーク、ハードワーク、リーダシップ、etc.
まったく関係ない部署を転々とさせる手法など、まさに日本的ですよね。
アメリカには、経営(またはリーダー)と言う専門職がある、と理解することもできます。
だから、CEOがあちこち移動する。野球の選手と同じです。
間宮さん、ありがとうございました!
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:21 PM | | トラックバック (0)
March 29, 2006
消費の二極化、もう一つの理由
27日にアップした、IRIによるCPG市場に関するデータには、マーケターがウォッチしなければならない今年の5つのトレンド、なる項目が付帯していました。
1、マイクロマーケティングが不可避となる。CPG業界の成長率が低いため、サービスが行き届いていない現ユーザーの刺激、未開発なニッチセグメントの発見、といったことに取りかかる必要性が高まっている。
2、ベビーブーマーとヤングアダルトが市場を二分する。予算コンシャスな若年層は低価格ブランドを求めてバリューチャネルで買い物をする一方、ブーマーはプレミアム型の商品とサービスを求める。
3、トータルヘルスマネジメントという考え方が、バランスの取れたダイエット、という方向へ発展してゆく。健康に対して総合的な効果のある新商品や、バランスや適度といったメッセージ性を持つ新商品に可能性がある。
4、消費者の時間を節約する高品質でヘルシーな商品が成功する。
この中で、私は2に少々ひっかかりました。
消費市場の二極化についてはいまさら言及する必要のないことではありますが、高所得層と低所得層という、単純な所得層の二極化のみにその原因を求めがちだと思います。
ところが、ブーマーとヤングアダルト、という切り口もあるわけです。
これは所得ではなくて、年齢を軸に据えた分け方となります。
もちろん前者は高所得層、後者は低所得層と言え、両者は密接につながっていて、いわば表と裏の関係にあリます。
表だけに注目しがちだけど、切り口としては裏もある、ということですねえ。
例えば、'予算コンシャスなヤングアダルトは、先入観がないこともあり、価格の安い食品を買う店舗としてスーパーセンターやMWCといった代替チャネルをすんなりと受け入れてしまう'という表現が可能かもしれません。
代替チャネルはヤングアダルトに支持されているのだ、という見方ですね。
こういうふうに、ちょっと違う視点で同じ事象を観察して見てみると、違う風景が現れてくることがあります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:24 PM | | トラックバック (0)
March 14, 2006
ホールフーズの強さはブランディングの勝利
大手スーパーマーケット企業が業績悪化で苦しんでいる中、業界で唯一気を吐いているのがホールフーズと言えるでしょう。
NYのマンハッタンやLAのサンタモニカにアーバン型のプロトタイプを出しましたが、超繁盛店となってます。
この強さをどう読むか。
ただ単にオーガニックを売っているから、だけではその強さは説明しきれません。
ホールフーズで売っている商品のうち、半分以上はウォンツで買われているものと見て間違いありません。
例えば旧来の農法で栽培されたトマトはニーズで買われますが、オーガニックトマトはウォンツで買われるものです。
オーガニックの生鮮青果を買う行動とは、極めて知的な活動であります。
食べたところで、翌日に健康状態が突然良くなるというものでは決してない。
私は長くオーガニックミルクを飲んでますが、これで何か体調が良くなったという自覚は全然ないです(笑)
最も分かりやすいのは、オーガニックコットンを使ったアパレルでしょう。
食べ物ではないですから、そのご利益は環境に優しいという利点以外にありません。
みんな頭の中だけでそのメリットを理解し、その価格差を納得し、オーガニックを買う。
この購買行動はファッションと表現しても良い。
高級ブランドを買う購買行動と同類と言ってもいいように思います。
ホールフーズは、ファッショナブルな店舗を作り、オーガニックによる強いメッセージを発信し、高いウォンツ商品を買ってもらえるブランドイメージ構築に成功した。
ホールフーズを揶揄する表現で、Whole Paycheck、という言い方が最近業界で使われはじめています。
「ホールフーズ」という名称と、「すべての小切手=高い」、をかけたシャレ表現で、レジで支払う金額が異常に高いことを言おうとしています。
普通のスーパーマーケットと同じ量を買ったら、おそらく少なくとも3割近くは高い。
お客はこの高さを、ブランドショッピングと同じような気分で、納得して買っている。
例えば普通のスーパーマーケットがオーガニック青果の品揃えを強化し、対抗しようとしています。クローガー、アルバートソンズ、セイフウェイ、みんなオーガニックセクションをすでに持っています。
ウォルマートまで売場を持つことを明らかにしています;同社の場合おそらくStore of the Communityの一環でローカル市場に合わせた品揃えを考えているのでしょう。つまり高所食者の多い商圏のみに限定してのオーガニック展開を考えている。
この場合、ニーズが主体であるスーパーマーケットが、どうウォンツを売るのか、包括的な戦略を立てる必要があります。
単に置いただけでは、ホールフーズからお客を奪うほど売れるということはないでしょう。
ところが、スーパーマーケットやドラッグストアというビジネスモデルは、もともとニーズを売ることに慣れているが、ウォンツを売るということにノウハウがないんですね。
このことは、わが国のスーパーマーケットやドラッグストアにも言える事です。
コモディティによる価格競争に勝つためには、ウォンツで粗利益を稼ぐ必要があります。
しかしウォンツを売るためにマーケティングも含めた包括的な戦略を立てて、成功している日本企業を私はあまり知りません。
実を言うと、ターゲットやコストコの強さも、ニーズとウォンツのバランスの良さにあるのです。
ホールフーズの強さの本質とは、オーガニックをドメインとしたブランディングによるウォンツの販売力にあるというのが、私の見方なのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:17 PM | | トラックバック (0)
March 10, 2006
何でいまだに商品券なの?
この数年アメリカで完全に定着したのが、ギフトカードです。
機能は日本で言うところの商品券。
プラスティックのクレジットカードサイズで、レジでスキャンするためのコードが裏面に印刷してある。店頭においてあって、買いたいときはピックアップし、レジで清算するときにお金を支払い、これでアクティベートされて、以降支払った分をお金と同じように使うことができます。
もともと金額が決まっているものと(表にたとえば20ドルと金額が書いてある)、自由に金額を選べるものと、2つのタイプがあります。
またスターバックスのように、オンラインでお金を追加することのできるタイプもあります。
ほとんどの大手リテーラーはこの仕組みを導入してまして、ほぼ完全に定着しました。ドラッグストアやスーパーマーケットでも買えます。
一部のレストランや映画館チェーンも導入してます。
興味深いのは、他社のギフトカードを売っている小売企業が増えていることです。
たとえばセイフウェイ店舗で、ベストバイ、バーンズ&ノーブル、ベッド・バス&ビヨンドといった他社のカードが買える。
さすがに競合店のは置いてませんが。

(この写真はセイフウェイのトップエンドです。)
この場合、売った会社に手数料収入がはいります。
つまりベストバイのギフトカードを売ったセイフウェイに、いくらかの手数料が入る。
消費者にとっての利便性は、コンビニエンスです。
書籍のプレゼントを考えているときに、近所のドラッグストアで買い物のついでにバーンズ&ノーブルのギフトカードを買える。
企業側のメリットはいくつか考えられます。
①偽物の確率がゼロとなる(紙の商品券はコピーが容易)、②利便性アップでギフトカード需要が増える、③おつりがないのでその金額を丸々使ってもらえる、④'全国百貨店共通'といった汎用型ではないので売り上げが読める。
日本ではまだ商品券が主流です。
プリペイドカードが流通し始めてはいますがまだ限定的です。
他社のギフトカードを販売するという商習慣もない。
このアメリカ型のギフトカード、日本でも可能性があると思うんですけどねえ...
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:05 PM | | トラックバック (0)
March 6, 2006
学習机と商品へのこだわり
私の子供はまだ小さくて、ようやく自分の学習机を買う年齢となりました。
私としては、身長の伸びに従って、机もいすも高さを調節できるものが欲しい。
正しい姿勢で、疲れない姿勢で、勉強して欲しいからです。
探してみたら、こういう学習机が米国にはどうも存在しないんです。
少なくともネットで調べたところ、まったくない。
イケアで見つけたのですが、イケアはディスカウントタイプの家具でして、傷むのが早い、いわゆる価格なりの商品で、長期的に使いたい私の希望に合わない。
大人用はあるけど、子供用がない。
ドイツにとてもいいのがありました。
日本も含めて各国で販売していることがサイトで分かったのですが、残念ながら米国だけ売っていない。
もちろん日本には、高さ調節できて、素材のいい学習机なんて、一杯あります。
この過程でふと思ったことは、米国人のモノへのこだわりの低さというか、無関心というか。
ニーズがあるんだけど気づいていないのか、そもそもニーズがないのか。
前者の場合はビジネスチャンスなわけですが、気づかないのは売る側にこだわりがないから。
後者の場合は、米国人がそういう細かいところにこだわる文化を持っていないから。
ドイツの商品が米国だけ売られていないということから、どういうことなのか、なんとなく分かることと思います。
モノへの強いこだわり、どうもこれが、日米文化の違いのキーワードの一つなのかな、などと最近強く思い始めています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:32 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
February 6, 2006
日本市場は特殊なのか?
昨年末に、IYがミレニアムの買収を発表しました。
そのニュースを米系のメディアがいくつか報じていたのですが、ロイターがIYの鈴木さんのインビューを中心に据えて記事としていました。
その中で、グローバルプレーヤーについての質問に対して、鈴木さんは、「日本は完全に特殊な市場である。成功するためには市場についての徹底的な知識が必要である」と語っていました。
(日本語のインタビューが英語になって、それをまた日本語に直しているのでニュアンスが違うかもしれませんが・・・)
こういう表現の裏側には、「日本ってのはお前らとは違うんだ、なめんなよ」みたいな感情が流れているような気がするのは、私だけでしょうか(笑)
カルフールが失敗して、「ほらみたことか、外人には日本市場なんて分かるわけねーだろ」的な意識は、確かに顕在化したかなとは思います。
ただ日本だけ特殊って事はありえないということを、皆さんには知っておいて欲しい。
カルフールはアメリカに単独出店して、失敗して撤退しています。
セフォラも単独出店して失敗して、縮小しました。
H&Mやザラは単独出店して、欧米間のアパレル文化の違いにものすごくびっくりしたという記事を読んだことがあります。
そう、ヨーロッパ人にとってのアメリカ市場でさえ、まったく異なる世界なのです。
アホールドはアメリカに進出して成功してますが、資本進出に過ぎず、オペレーションはCEO以下全員アメリカ人。
デルヘイズも同様、ベルギー人は経営陣に一人もいない。
つまりアメリカにおいて成功している外資とは、オペレーションを丸ごと現地化している企業です。
例えばユニリーバやP&Gなど日本で成功している外資も、オペレーションは丸まる現地です。
日本だけ特殊なのではなく各国それぞれが特殊であり、したがって成功の要諦はいかにオペレーションをローカライズさせられるかにあるのです。
本国のやり方は、外国では通じない、などということは、グローバル企業はよく分かっていて、今さら日本人に言われる筋合いなどないんじゃないのかな(笑)
カルフールは分かってないじゃん、という声が聞こえてきそうですが、彼らは日本進出の際、パートナーを探していたことはよく知られています。
結局見つからなかったので、しかたなく直営としたというのが真相という気がします。
逆にグローバル化が遅い日本の流通業界が、そういう説教に耳を傾ける必要があるように私は思うんですけどね。
例えばファミリーマートがアメリカに進出しましたが、ローカライズせず、日本人が店を作っている・・・。
そういうことで、日本市場特殊論をぶつ人がいたら、ああまたか、と思っていただいてよろいいかなと。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:28 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
January 28, 2006
Mastegeという造語について
これはMass(大衆)と、Prestige(高級な)の合成語です。
Democaratization of luxury(ラグジュアリーの民衆化)、 Prestige for the masses(大衆向けのラグジュアリー)、といった意味となります。
大衆向けの、つまりお値打ち価格な、ラグジュアリーな機能や雰囲気を持った商品、といったところかな。
昨今注目されているいくつかの消費行動を一言で説明する、とても分かりやすい表現だと思っています。
日用品はできるだけケチり、ここぞというときには消費を惜しまない行動があります。
これは高所得者にも、実は低所得者にも当てはまる。
この、ここぞというときに、マスティージな商品がうける。
高所得者はどんな出費も惜しまないというのは間違いなんですね。
米国においては、ミリオネアの9割は、金持ちとして育ってきたのではなく、金持ちになった、という調査結果があります。
つまり9割のミリオネアは、努力して、節約して、お金持ちになったわけです。
こういう人たちは、むやみにお金を使わない。
高額品を惜しげもなく買う突き抜けた一握りの大金持ちとは違って、消費行動は慎重です。
でも品質に対するこだわりはある。目も肥えている。
こういう人たちに、マスティージな商品は受けるわけです。
ターゲットのファッション商品はマスティージと表現されていて、う〜ん、なるほど、という感じです。
日本でも、団塊世代が引退を始めます。
彼らは資産はある。
でもこれからの引退生活を考えるから、きっと消費は慎重になる。
こういう人たちに、マスティージな商品はマッチしますね、たぶん。
この言葉、これからきっと日本でも流行ります。
誰が流行らすか、だな、たぶん。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:54 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
January 3, 2006
流通業はいつも再編状態
明けましておめでとうございます。
今年もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
さて今年最初のブログは、流通再編という言葉についてです。
昨年末セブン&アイがミレニアムを買収するというニュースが発表されました。
アメリカでも報道されるほど注目度の高いM&Aです。
たぶんこの買収劇を評して、日本の流通メディアは「流通再編」という言葉をたくさん使うことでしょう。
私は個人的に、この「流通再編」はとても陳腐な表現だと思っています。
なぜかというと、流通業界というものはいつも消費者ニーズに合わせてアメーバのように変革していかねばならない業界であって、再編は絶えずテーマになるべきものだからです。
今に始まったわけではなく、いつも「再編状態」なわけですし、そうでなければならないのです。
ということで、年初は言葉についての私の思いでした。
では、今年も頑張りましょう!
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:11 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
December 29, 2005
総合業態と専門業態
総合業態とはウォルマートのように、様々なカテゴリーを幅広く提供する業態のこと、専門業態は特定カテゴリーに特化して狭く深く提供する業態のことです。
ウォルマートやターゲットは総合業態、トイザラスやホームデポは専門業態ですね。
この両者、いつも競合関係にあるのですが、時代によって優劣があります。
米国においては、80年代は専門業態の時代、90年代からは総合業態の時代と言う事ができるかもしれません。
さて、トイザラスの苦戦を引き合いに出して、総合業態が専門業態に勝るという言い方をする人がいるのですが、これはだめになった理由を知らない人の意見と言う事ができます。
トイザラスは時代の変化に対応し切れなかっただけです。
企業変革を怠った。
例えばベストバイは数年前に業績悪化に陥り、痛みを伴う企業変革に取り組み、業績を回復させました。現在もビジネスモデルの転換に余念がありません。
ホームデポは言わでもがなで、経営者をメーカーから招聘して企業文化を変えてしまいました。
こういう変革を怠ったのがトイザラスなんです。または、変革への取り組みが遅すぎた。
だから負けた。
総合業態が専門業態に勝るというロジックを実証する好例としては適格ではありません。
どちらが勝るという議論は不毛でしょう。
総合・専門いずれにしても、刻一刻と変化する消費者ニーズに合わせて、企業変革を怠らない企業が生き残って行くのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:16 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
December 22, 2005
読者の皆様に感謝
本日まで一週間ほど日本に滞在していました。
この記事は成田でアップしています。
今回お会いした方の多くが私のブログを読んでいることを知り、ちょっと驚くのと同時に、更新に対するやる気がもりもり出てきました。
ほんとうにありがとうございます。
基本的に宣伝はあまりせず、好き放題書きたいと思っているのですが、結果として読者が少しずつ増えてくれたらいいなと思っています。
私のような人間にとって、ブログは実に有効な情報発信ツールです。
しかし情報発信ツールとしてのみならず、アーカイブとしても非常に優れた機能を持っています。過去どんなことがあったのか、整理されたデータとして格納できる。
過去を振り返ってみて、米国流通業界についての流れがおおきく分かるようなサイトになればと思っています。
また、コメント機能によって、複数の人間が、どこにいても、いつでも、会話形式で参加できるという機能があります。
例えばプロジェクトを立ち上げたときに、ブログを作り、参加人員全員で進行状況を入力して行く。
次のプロジェクトのときに、その資料をひっくり返す必要がありません。
世界中のどこにいても、その情報を引き出すことできる。
企業の場合はイントラブログとなるわけですが、私のサイトでも何かできないか、いろいろ模索して行こうと思っています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:36 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
米国産牛肉の輸入解禁と、真実のありかについて
米国産牛肉が制限つきで輸入解禁になりました。
米国において、安全性の議論をほとんどしないマスコミの態度に、報道規制がしかれている気配を感じているということはすでに書きました。食品業界というものは保守的なもので、この点については日米変わらず、さらに政治が利権で絡んでいる点も同じだろうと思います。
そういうことで、ごり押しする態度を合わせて、米国のやり方に不満を私は持っていました。
もうちょっと安全性について敏感になれよと。
ところが、現在日本にいるのですが、アエラという雑誌が日本の牛肉の安全性も怪しいという記事を掲載していて、読んだら目からうろこが落ちました。
日本は安全だと思っているけど、実はそうでもない。
アメリカの強引さ、不合理さばかりに目が行っていて、日本の安全性についての議論が消えてなくなってしまっている。
例えば、証券取引の不祥事も、当初私は「他人のミスにつけこんで大金を儲けた会社は利益を還元するのが当たり前だろう」と思っていました。
しかし某誌の記事で、フェアな市場というものを維持したいならば返金などするべきではない、という内容を読んで、これまた目からうろこが落ちました。
つまり、私が仮に誤って注文して10万円を損失したとして、注文ミスだから10万円返せ、などとは言えないわけです。
数100億と10万円は違うという論理は、市場というきわめて客観的なシステムの前では機能しません。
僕にとっては、10万円はとても大きな金額です(笑)
例えば、国が莫大な赤字国債を発行して国民に大きな借金をしている。
健全な感情からは、借金はいけない、と思う。私も日本の将来は暗い、と思ってしまう。
ところがマクロ経済のプロには、国民がとりあえず許容しているのだから問題ない、という見方をする人がいるんですね。
つまり、個々人の感情はさておき、実態は日本国民には赤字国債を買う余裕があるわけで、もし余裕がなくなったら買えなくなって国は赤字国債は発行できなくなるだけだけのことだ、というわけです。
利払いに耐えられなくなったら、自然と借金を減らす努力を始める。今がそのターニングポイントかもしれない。
こんな話を聞いて、私はまたまた目からうろこが落ちるわけです。
今感情的に感じていることも、他の視点から見ると滑稽なただの感情論なのかもしれない。
今回のことで私は、物事を見るときには、上から下から、右から左から、そして斜めからも見ないと、その真実や本質は分からないのだということを、あらためて実感しました。
木を見て森を見た気になってしまってはいけません。
自戒を込めて。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:32 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)
November 3, 2005
楽天とTBS問題で思うこと
楽天がTBS株を大幅に買ったときに、名前は忘れましたがいずこかの大学教授が、「タイムワーナーとAOLの教訓を楽天は学んでない」と新聞でコメントしてました。有名な教授みたいでしたね。
AOLとタイムワーナーの合併は、インターネットと既存メディアの融合を戦略的な長期目的としたものでしたが、確かにそのシナジーがなかなか出なくて、タイムワーナーにとってAOLはお荷物となったと言われました。
ところが今米国においては、AOLの価値はうなぎのぼりで、マイクロソフト等の大手がAOL買収に狙いを定めているのが現状です。
アップルが動画を持ち歩ける小型プレーヤーを発表しました。大手テレビ会社が本日放映分を翌日に配信する、ということを考えているようです。つまり、テレビコンテンツをインターネットを使ってダウンロードし、持ち歩く時代が確実にやってくる。
まさにこれです。
インターネットと既存メディアは確実にくっついていきます。
だから楽天がTBSに興味を持つことは、今の時代決しておかしなことではないんです。
このおえらい大学の教授は、過去の事実のみでコメントしているだけであったわけです。
読みが浅い。実に軽薄です。こんなにすぐに状況が変わるなんて、気づきもしなかったんでしょうね。
もう一つ、森永卓郎という経済アナリストがテレビで、「米国ではお金がない人を病院は診察しない、救急病院はお金がない人が来たら拒絶する」、などとのたまわっていました。
これはアメリカの競争社会の弊害について語っていた中で出てきたコメントです。
これはひどい。
もし米国の病院がこれをやったら、世論の集中砲火を浴びるか、提訴されるかして、つぶれるでしょう。
医療というものは、経済合理性が機能しない部分があり、市場原理主義をモットーとする米国でも、すっぱり割り切れないところはあるんです。
その病院が医療費を支払えない人をどのくらい診ているか、このボリュームで補助金や保険会社などからの給付金が異なるんです。
今にも死にそうな急患を見て、でもお金を持ってないからダメ、と米国人が行動するとこの森本卓郎という人は言っているわけですが、これを聞いた米国人は怒るでしょうねえ(笑)
最近の私の大きな懸念は、アメリカをよく知ったような顔をして、識者がしたり顔で間違いを垂れ流していることです。
流通業界にもこれはとても多い。
私は20年間米国に住んでますが、それでも今でも新しい発見があるんです。ああ、あの見方は間違っていたなと。
住んだこともない人が、表面だけを見て、知ったようなことを言う。
木を見て、森を見ていない。
困ったものだと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:29 AM | | コメント (0) | トラックバック (0)





