March 14, 2006
ホールフーズの強さはブランディングの勝利
大手スーパーマーケット企業が業績悪化で苦しんでいる中、業界で唯一気を吐いているのがホールフーズと言えるでしょう。
NYのマンハッタンやLAのサンタモニカにアーバン型のプロトタイプを出しましたが、超繁盛店となってます。
この強さをどう読むか。
ただ単にオーガニックを売っているから、だけではその強さは説明しきれません。
ホールフーズで売っている商品のうち、半分以上はウォンツで買われているものと見て間違いありません。
例えば旧来の農法で栽培されたトマトはニーズで買われますが、オーガニックトマトはウォンツで買われるものです。
オーガニックの生鮮青果を買う行動とは、極めて知的な活動であります。
食べたところで、翌日に健康状態が突然良くなるというものでは決してない。
私は長くオーガニックミルクを飲んでますが、これで何か体調が良くなったという自覚は全然ないです(笑)
最も分かりやすいのは、オーガニックコットンを使ったアパレルでしょう。
食べ物ではないですから、そのご利益は環境に優しいという利点以外にありません。
みんな頭の中だけでそのメリットを理解し、その価格差を納得し、オーガニックを買う。
この購買行動はファッションと表現しても良い。
高級ブランドを買う購買行動と同類と言ってもいいように思います。
ホールフーズは、ファッショナブルな店舗を作り、オーガニックによる強いメッセージを発信し、高いウォンツ商品を買ってもらえるブランドイメージ構築に成功した。
ホールフーズを揶揄する表現で、Whole Paycheck、という言い方が最近業界で使われはじめています。
「ホールフーズ」という名称と、「すべての小切手=高い」、をかけたシャレ表現で、レジで支払う金額が異常に高いことを言おうとしています。
普通のスーパーマーケットと同じ量を買ったら、おそらく少なくとも3割近くは高い。
お客はこの高さを、ブランドショッピングと同じような気分で、納得して買っている。
例えば普通のスーパーマーケットがオーガニック青果の品揃えを強化し、対抗しようとしています。クローガー、アルバートソンズ、セイフウェイ、みんなオーガニックセクションをすでに持っています。
ウォルマートまで売場を持つことを明らかにしています;同社の場合おそらくStore of the Communityの一環でローカル市場に合わせた品揃えを考えているのでしょう。つまり高所食者の多い商圏のみに限定してのオーガニック展開を考えている。
この場合、ニーズが主体であるスーパーマーケットが、どうウォンツを売るのか、包括的な戦略を立てる必要があります。
単に置いただけでは、ホールフーズからお客を奪うほど売れるということはないでしょう。
ところが、スーパーマーケットやドラッグストアというビジネスモデルは、もともとニーズを売ることに慣れているが、ウォンツを売るということにノウハウがないんですね。
このことは、わが国のスーパーマーケットやドラッグストアにも言える事です。
コモディティによる価格競争に勝つためには、ウォンツで粗利益を稼ぐ必要があります。
しかしウォンツを売るためにマーケティングも含めた包括的な戦略を立てて、成功している日本企業を私はあまり知りません。
実を言うと、ターゲットやコストコの強さも、ニーズとウォンツのバランスの良さにあるのです。
ホールフーズの強さの本質とは、オーガニックをドメインとしたブランディングによるウォンツの販売力にあるというのが、私の見方なのです。
投稿者: 鈴木敏仁 ( 03:17 PM )
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