アパレルメーカー兼リテーラーのコングロマリット、リズクレイボーンが予想を大幅に下回る、65%減の減益決算を第1四半期に計上しました。これに合わせていろいろな記事が出ているのですが、ここ数年のマスアパレルの変化が分かってなかなかおもしろいので、まとめます。
・リズクレイボーンはデパートメントストアのお約束のようなマスレーベルなのですが、メイシーズによるメイの買収後のスクラップで90店舗が減り、さらに同社はPB強化をMD戦略としていて、チャネルが一気に縮小した。
・また他のデパートメントストアも、既存ブランドではなく新しいブランドを強化している。
・JCペニーやコールズも同様の戦略だが、さらにデザイナーズブランドの独占販売も強化している。
マスブランドを売るリテーラーがどんどん減っていて、一つの理由は他社にはない商品を売りたいという競合要因にあるのですが、さらにつきつめると消費者がもはやどこにでもあるようなものを求めなくなりつつあるということを意味しているのだろうと思います。
同社はこのトレンドを察知し、Juicy CoutureやLucky Brandといった今が旬のブランドを買い集め、リズクレイボーンの売上に占めるシェアを下げる戦略をここ数年とって来ました。現在40ブランドを持っていて、リズクレイボーンのシェアは10年前の70%から現在は20%まで下がっているのだそうです。
それでも減益となってしまった理由は、この多数のブランド自体にも課題があることを意味しているようです。
課題を打開する今後の取り組みは、マスリテーラー以外の販路の強化と、ターゲットとする消費者層をベビーブーマーからもっと下にシフトさせることとしてます。
極論ですが、マスアパレルの縮小、とでも言えばいいのでしょうか。ファストファッションともつながりますが、対象市場はより狭く、流行期間はより短く、という環境に適応できるメーカーやリテーラーだけが生き残っていけるということでしょう。
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