2007年6月22日
ウォルマートによる金融事業、次の一手

ウォルマートが銀行業参入を断念でエントリーした通り、ウォルマートの金融事業参入は業界からの反発により反故になりました。そのとき私はたぶん別の方法を模索していると書きましたが、なるほどそういう方法で入ってきたか、というニュースです。

20日のリリースによると、やろうとしていることは2つあります。チェックの現金化サービスと、プリペイド方式によるビザカードの発行。

前者の名称はマネーセンターで、来年末までに1000店舗に導入する予定。これは日本人にはよく分からないサービスではないかと思いますが、アメリカには銀行口座をあけられない人が一杯いまして、小切手で給料をもらうことになり、これを手数料を取って現金化するビジネスがあるんですね。低所得層のエリアに行くと、あちこちにCheck Cachingと書いた看板を掲げる小さな店が一杯あります。
これをウォルマートが低い手数料でやると言うわけです。また請求書の支払い代行や送金代行なんてことも一緒にやるようです。

後者も対象は同じなのですが、こちらはクレジットカードをもてない人たちに対して、事前にお金を預託させ、これを信用としてクレジットカードと同様の機能を持ったカードを発行すると言うものです。
普通の銀行もおなじようなことをやっているんでが、口座の開設が前提となるので、口座を持てない人にとっては朗報でしょう。

なるほど、こういう切り口から入ってきたのかと、ちょっとうなりました。支持層をちゃんと理解し彼らにソリューションを提供している点がウォルマートらしい。これなら銀行業界も文句の言いようが無い。

ところで最近知ったのですが、クローガーのカード事業は、住宅金融までやってるんですね。アメリカの小売企業、けっこう金融事業に力を入れてます。

クローガーが銀行とのパートナーシップでやっている点が、自分で作ってしまおうとしたウォルマートとの違いといったところでしょうか。
ウォルマートにはこれ以上高い手数料を取られたくないというモチベーションがありましたから、パートナーを組むということはオプションには入っていなかったんでしょうねえ。

>>来週再び一週間の出張となります。今回はボストン→シカゴ→NY。エントリーのペースが乱れるかもしれませんが、ご容赦下さい。先週の出張の模様はR2Linkにアップしてありますので、興味のある方はのぞいてみて下さい。

鈴木敏仁 (12:23)
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