2007年7月23日
ファーストリテーリング、バーニーズ買収提案の背景

10日ほど前のことですが、ジョーンズ・アパレルグループという、衣料コングロマリットのCEOが辞任しました。ここ数年業績が悪く、ブランドの整理を中心にリストラをしてきたのですが、なかなかうまくいかない。昨年はプライベートエクイティに資本売却を検討するも、良いオッファーがなくてあきらめ、この失敗が取締役会および株主とこのCEOとの関係を悪くした、と言われてます。

この企業、傘下にバーニーズを持っていて、リストラの一環としてこれをアラブの投資企業に8億2500万ドルで売却を決めたのですが、これに対してファストリテーリングがカウンターオッファーをかけたことはご存知のことと思います。いったん契約は成立しているのですが、アラブ系投資企業との契約内容に、他からオッファーがあったら契約は見直しても良いという項目があったようです。

さてこのジョーンズアパレルが抱えている問題は、どうもリズクレイボーンとほぼ同じもののようなのですね。こういう記事をエントリーしました。
リズクレイボーンの減益
この記事の内容が、ほぼそのままジョーンズ・アパレルに当てはまるようです。

ちなみにこのリズクレイボーンもほぼ同じ10日前にリストラプランを発表していて、両社足並みがそろってます。

一方、この2社に影響を与えているデパートメントストア業界集約の張本人、メイシーズも業績が悪い。そしてこちらにはKKRへの資本売却の話が出ている。非上場となって、長期的な視点で経営にあたりたいというのが、現経営陣の本音のようです。

そういえば、リミテッドも本体の売却が決まりましたね。
アメリカのアパレル業界は、とくに中間価格帯を中心として大きく動いています。

ファーストリテーリングによる買収オッファーの裏には、こういう状況があるのだということをお話しておこうと思って今日はアパレルを俎上に上げました。

鈴木敏仁 (04:40)
ペプシネックス



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