今日は小売業ネタではなくて、食品メーカーネタです。
菓子メーカーとのマーズが、リグレーを買収することで合意したという発表がありました。総額は230億ドル、合併後の両社の売上高は244億ドルとなって、アメリカ国内では2位となるハーシーを大きく引き離して断トツのトップとなります。
ただし、この買収はグローバルレベルの視点が必要でして、世界規模で見ると専業ではないものの菓子ブランドを多数持つネスレが年商1000億ドル超で断トツ、また100億ドル規模の英キャドバリーもアメリカに大きな市場を持ってます。つまり、ネスレ、マーズ/リグレー、キャドバリー、ハーシー、という順位となるわけです。
菓子市場だけでみると、マーズ/リグレーはシェア14.4%となリ、キャドバリーの10.1%を抜いて1位となります。
マーズはチョコレート、リグレーはガムと、中心となる分野が異なるため、今後FTCの査定があるものの、ほぼ買収は承認される見込みです。
この買収、アメリカ市場の問題ではなく、グローバル市場での競合問題が引き金を引いているという点に私は興味を持ってます。インド、中国、ロシア等の発展途上国でガムやキャンディといった菓子市場をさらに強化したいという狙いがあるわけです。
世界の菓子市場は細分化されていて、トップ10メーカーが市場の47%を占めているに過ぎず、残りは各国の中小メーカーがローカルで頑張っている図式なのだそう。これにいま上位集中化のトレンドが発生し、今回のディールが契機となる可能性がある。ネスレ、キャドバリー、ハーシー、そしてひょっとするとクラフトが参戦し、上位集中化に拍車がかかってゆくだろうというのが、業界の見方ですね。
残念なのは、日本のメーカーが入っていないことです。
自動車や家電といったハードな製造業にはグローバルメーカーが一杯存在するのですが、食品業界には希少。
日本の食品メーカーも、人口減による市場縮小が叫ばれる中、海外市場はキーワードであるはずなんです。でもいったん海外に出ると、そこには巨大な資本を持ったグローバルメーカーが存在する。
欧米食品メーカー(だけではなくて、本当は非食品もなんですが)がどんどんサイズを大きくしてゆく中、日本の食品メーカーの動向がとても気になり始めてます。
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