再建の期待を担って、2004年にベストバイのバイスプレジデントからサーキットシティのCEOとなったシューノバーが辞任しました。就任以来業績が上向かず悪化しており、責任を取って辞任、または紙面によっては解雇と報じられています。
後任は大株主のマーク・ワトルの肝いりで取締役として入閣していたジェームズ・マーカムという人物で、暫定政権として後任を探すことになるようです。
ちなみにワトルはたしかレンタルビデオチェーンを創業し成長させ売却して富を築いた人で、投資家として活躍していて、ブロックバスターによるサーキットシティ買収提案時にも裏側で動いていたはずです。
就任早々だったと記憶しますが、シューノバーは賃金の高い熟練ワーカーを解雇するということをやりました。結果としてこれがいっそうの業績悪化を招いたと言われているのですが、いまでもずっと尾を引いているようで、証券アナリストの批判的な文章が紙面に掲載されていました。
再建するためにやってきた経営者がまず経費削減に着手するのは王道ではあります。短期間に利益を出し株主を安心させる必要がありますから。ただシューノバーは熟練労働者の解雇にのみ焦点を当ててしまったことに失敗があったようです。
通常は、サプライチェーンの効率化とか、バイイングの見直しとか、トータルでのコスト削減を実施するものです。
通常の企業マネジメントと、再建は、やることが根本的に異なる。
だから、優良企業の優秀な経営幹部のスキルと、再建に必要なスキルは、必ずしも同じではない。
このことは、ギャップのプレクスラー、ホームデポのボブ・ナーデリなど、参考例が一杯あります。
ちなみに今回の辞任は投資家のプレッシャーによるものです。再建は時間がかかるから長期的に見て欲しいというシューノバーのスタンスに対して、一向に業績が上向かない状況に投資家がしびれをきらした、という図式です。
オペレーションサイドの判断でCEOが辞任したわけではないところが、いかにも株主資本主義体制のアメリカらしいところじゃないでしょうか。
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