ウォルマートがチリ最大手のD&S(Distribucion y Servicio)社を買収する予定であることを発表しました。株式公開買い付けによる買収で、火曜日から買い付けを開始、もし全株の50.01%の買い付けに成功しなければ買収は断念するとしています。
D&Sの年商は30億ドル、店舗数は185店舗、チリ最大の小売企業です。
昨年、業界2位のファラベラを買収することで合意したのですが、独禁法にひっかかり当局の許可が得られず破談となった経緯があります。大株主であるイバニェズ一族は株を手放したい意向で、しかし国内に売却先が見あたらず、そのためウォルマートとの話が進んだようです。
ちなみにカルフールがチリから数年前に撤退、そのときの店舗の売却先がD&Sでした。
ウォルマートによる中南米進出国はアルゼンチン、ブラジル、コスタリカ、エルサルバドル、ガテマラ、ホンデュラス、メキシコ、ニカラグア、プエルトリコで、今回の買収が成立すると10カ国目となります。
そう言えば、西友のカレジッスキーが買収について言及したとかいうニュースを先日目にしました。日本の小売企業の株価は一部の好調企業を除いてお買い得価格となってますから、言われなくても、買収を考えているであろうことは容易に想像がつきます。
例えばイオンの時価総額は現在6940億円です。ウォルマートの07年度末のバランスシート上の現金等価物の総額は55億6900万ドル、とりあえず1ドル=100円で換算とすると5,569億円となります。1,000億円ほど足りないのですが、実は06年度末の数値は77億6,700万ドルで、前年は上回るキャッシュを手元に持っていたことになります。
現実論としてこういう買い方はありえませんが、ここで言いたいことは手持ちの現金で買う買わないではなくて、そのくらいの"体力差"がついているということです。
イオンが三菱商事の出資をあおいだ理由の一端が分かるように思います。
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