イギリスのテスコが昨年度の業績を発表、その中でフレッシュ&イージーについてのおおまかな現状について言及しています。
売上高3億ドルに対して2億ドルの赤字、既存店成長率は30%、店舗数は119、となっています。
この数値を単純計算すると、1店舗あたりの年商は250万ドル。
すでに何回かエントリーしていますが、フレッシュ&イージーは店によっては損益分岐点を超えてるように思っています。ただ全店平均してこの数値だとやっぱりちょっときついですね。おそらくこの二倍は売らないと採算ベースには乗らないでしょう。
それと、当然のことながら配送センターを含む巨大なサプライチェーンも自社所有してますので、店舗数自体が一定レベルを超えないと企業全体でも採算ベースには乗りません。店舗数としてのクリティカルマスは、センターが500店舗をカバーすると言っているので最低でも250ぐらいは必要でしょう。
今年の出店ペースは2週間に1店舗と表現しているので、つまり26店舗です。このペースで250に達するにはあと5年は必要となってしまう。景気が上向いてきて出店ペースを早めたとしても、まだ2縲鰀3年はかかるんじゃないでしょうか。
推測をベースとした非常におおざっぱな予測ですが、事業ベースでの黒字化はまだ先のことですね。
ちなみにテスコの売上高は15%増の594億ポンド、最終利益高は1.9%増の21億6,000万ポンド、この規模からするとフレッシュ&イージー2億ドルの赤字はR&D予算として許容範囲ということになるでしょうから、失敗とか撤退を示唆する人も少なくないのですが、まだしばらくは我慢するんじゃないでしょうか。少なくとも景気が上向かないと、このフォーマットが本当にアメリカ人に受け入れられていないのかどうかが分かりませんから。
もう一つちなみに、テスコのCEOテリー・リーヒーは、回復と言うには早すぎるが景気は底を打った兆候があると言っています。グローバルに小売店舗を展開している企業の見方ですので参考に値すると思います。
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