靴のネット販売で急成長中のザッポス(Zappos)をアマゾンが買収するという発表がありました。買収総額は8億4,700万ドル、そのうちの8億ドル強は株式交換形式となります。
ザッポスについては何回か書いてます。
[働きたい企業ベスト100] 小売企業のトップはウェッグマンズ
CEOトニー・シェイがの経営手法が非常にユニークで、私は正直なところ彼の哲学に感銘を受けています。ユニークな企業文化があるからこそ急成長していて、それだけに売却などとは無縁でこのままさらに大きく成長してゆくのだろうと思っていたんですね。
ですから今回のニュースには驚きました。
彼のブログを読むに、成長に弾みをつけるために大資本傘下に入るということのようです。
また企業の独自性を失わないよう運営は完全独立体制で行くことを言明している。このシェイはもともと旧来の固い組織が嫌で自由な社風を自分で作ってきた人でして、そしてそのユニークさがこの企業の成長を支えており、それが担保されないと今回のディールは意味を失いますから。
ザッポスの資本はセコイアキャピタルなど複数のPEが持っていて、買収後にアマゾンが経営に参入しないとなると、帳簿上の資本所有者が入れ替わるだけ、と見ることができます。
アマゾンとしては、念願だったファッションビジネスのとっかかりを手に入れることになりますね。書籍や家電などハードは強いが、ファッション等のソフトが弱いというのがアマゾンの弱点で、ザッポスはこの体質を転換してくれるかもしれません。
ちなみにアマゾンのCEOジェフ・ベゾスがこの買収についてYoutubeで語っています。
これにはしびれました。
おそらく社風が壊れることを懸念しているザッポスの社員に対して説明しているのではないかと思うのですが、一生懸命説明している姿を見るとベゾスの経営能力に対する評価が高い理由の一端が分かるのではないでしょうか。
日本の大手企業の経営者もこういうリーダーであって欲しいと思うのですが、形式主義な人たちにはできないだろうなあ・・・。
コメントする