先週の20日、アドバタイジング・エイジ社がウォルマートのコスト・サプリメント・イニシアチブについて記事を掲載していました。
メーカーのマーケティング予算はざっくりと大きく2つに分類することができますね。消費者向けのコンシューマーマーケティングと、流通向けのトレードマーケティングです。ウォルマートがはじめた今回のイニシアチブは簡単に言うと、メーカーの総売上高に占めるウォルマート比率にきっちり沿ってウォルマートに対する流通販促費を支出せよ、とするものです。
ウォルマートが求めているのは、共同テレビ広告(ウォルマートの広告だけどNB商品も一緒に販促する)、インストアTV、それとネット販売のバナー広告です。
つまり、メーカーがこれらのMeasured Media(広告効果を計測可能なメディア、チラシや値下げ販促へのリベートなどは効果を計測できないので含まない)に対して予算を割いているとして、そのうちウォルマートに拠出する金額を売上比率にきっちり沿って支払ってちょうだい、とするものです。
まだこの件について関係者と話をしたわけではないので詳しくは分かりませんが、このイニシアチブの結果、コンシューマーマーケティング予算として計上しているものがトレードマーケティング予算へと移ってしまう可能性があります。またひょっとするとウォルマートへの流通販促費が増えてしまい他を削らなければならなくなるうメーカーもいるかもしれません。
ということで、広告業界としては非常にアグレッシブなイニシアチブだとして、記事が掲載されたのでした。
たぶんウォルマートとしては、公平に支払ってよ、ということを主張しているに過ぎないのでしょう。
さてこのイニシアチブの本質が何かというと、ウォルマートはもはやNBメーカーを掌中に置いてしまっているということなんですね。
ウォルマートのお客はこうだからこういう商品を開発すべきだ。
こういうパッケージがウォルマート向きだ。
配送はこうした方がいい。
ウォルマートはメーカーに対してアドバイスをします。
つまり製造から棚の上に至るまでのコスティングがウォルマートの意図に沿っているわけですね。
ここにマーケティング予算が加わったに過ぎません。
このイニシアチブを知って想起した言葉です。
「ウォルマートはトヨタである」
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