2012年9月11日
連邦裁判所が電子書籍の価格協定問題で米司法省と大手出版三社の和解を認可

アップルが販売する電子書籍の価格を大手出版五社が協定を結んで決定しているとして、米司法省が訴訟を起こしていたのですが、このうちの三社が和解を提案、これに対して先週連邦裁判所が認める判決を下しました。三社は過失を認めているので、今後この三社の電子書籍の価格は小売が決定することになります。

残りの二社とアップルはいまのところ対決姿勢を取っているので、訴訟は終わっておらず継続されます。

アメリカでは、出版社が売価を決定する価格政策はエージェンシープライシング、小売が売価を決定する価格政策をホールセールプライシングと呼ばれます。
日本のような再販制度が無いアメリカですが、川上が価格を決定するプライシングも実は存在していて、二つが共存しているんですね。

おそらくここでの論点は、五社が協議して価格を決めていた点にあるのでしょう。


この和解には、出版側からはブーイングが出てます。
いわく、小売が値決めすることで利益が出なくなり、新人発掘が難しくなったり、レアな書籍などが消えて無くなったりして、消費者の益にはならないというような論旨。
これは日本で再販を維持しようとする論旨と同じじゃないかと思います。

ただ、市場が価格を決めることで、例えば価値ある本の価格が安くなることで想定以上に売れて利益が上がるることもあるかもしれませんし、一概には言えないだろうなと思うんですね。
価格の弾力性、です。


アップルと出版二社の訴訟がこれからどう推移するのか、興味深いところです。
いま書籍は大きな転換点にありまして、こういう軋轢は今後も数多く発生することでしょう。

鈴木敏仁 (05:37)

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