2014年1月14日
[英ウェイトローズ] ポイントシステムは過去の遺物

イギリスネタなのですがおもしろい記事を見つけたので共有します。先月のテレグラフ紙です。
Waitrose boss attacks 'meaningless' loyalty cards

ウェイトローズが店舗カードの利用者に毎日無料コーヒー(または無料ティー)の提供を始めたところ大ヒットし、コーヒーのボリュームがマクドナルドに次いで2番目になってしまった。
またカードを使って5ポンド以上買うと新聞紙が一つ無料になるというサービスも提供している。

経営幹部のマーク・プライスのコメントを抄訳します。

「無料コーヒーや無料の新聞提供は市場にとっては迷惑なことだろうが、これがお客が欲していることだ。彼らがポイントを必要としているとは思えない。ポイントシステムっていったい何だろう?意味がないと思ってる。」

「これは今の時代に消費者が何に価値を見い出しているかに対応したもので、過去の価値に対するものではない。グリーンスタンプやポイントは戦前に起こったことへの対応だ...今いるこの時代のものではないと思う」

またこの記事に対する感想を求められたコンサルタントがアドバタイジングエイジ誌でこんなコメントもしています。
「ウェイトローズは先端を行っている。いまのジェネレーションの興味を引いた。消費者は(ポイントが溜まるまで)待つことに疲れ、毎日のリワードを欲している。ポイントはデータを収集するためのものだが、お客への見返りは多くない」

私はポイントシステムについてはネガティブで全くの同意見です。

ロイヤルティマーケティングとはカード使用者のデータを分析してその結果を販促に生かす仕組みで、カード使用を促すためにポイントを利用するわけです。
このポイントシステムは価格販促の一手法に過ぎないのですが、販促の資源をお客が持ってしまうことでやめることが難しくなります。
最も麻薬性の高い販促システムですね。

これが戦前のものだ、古い、という説明は腑に落ちました。

いまは即応性が求められている。
今もポイントを溜めている人がいるじゃないかという反論が聞こえてきそうですが、他に選択肢がないからですよね。ウェイトローズのようなスピード感ある何かを提供したらあっという間に受け入れられるんじゃないでしょうか。

ちなみにこのコメントは、シティのアナリストがテスコに対してカードをやめてその分を値下げに回した方が良いとどこかで言ったようで、それに対する意見を求められてのもののようです。
有名なテスコのロイヤルティマーケティングですが、そろそろほころんできたのかもしれないという印象を持ったのでした。

鈴木敏仁 (03:11)

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