ウォルマートが2万アイテムの値下げプロモーションを11月1日から開始することを発表しました。
加えてネット販売ではギフトの売れ筋100アイテムと50ドル以上の買い物で送料無料の歳末キャンペーンを実施します。
一方アマゾンは同じく11月1日からプロモーションアイテムに"ブラックフライデー"というラベルをつけて、こちらも歳末商戦をスタートさせるようです。
毎日2アイテムを選んでアピールする"今日のディール"を12月22日まで実施するなど、いくつかの企画を投入する模様。
たぶん多くの企業が明日から歳末企画を店頭に並べはじめると思います。
歳末商戦のスタート時期は年々早まっているのですが、たぶん11月1日が限界なのでしょうね。
消費者が歳末モードに切り替わるのはハロウィンが終わってからですから。
売場がどんどん賑やかになっていくので、消費者にとっては楽しい時期の始まりといったところです。
ロウズが傘下のオーチャード・サプライ・ハードウェアで店員ロボットを実験すると発表しました。
ロボットの名称はOSHbot(オシュボット)11月末からサンノゼの2店舗。
イメージがわかないと思うので、こちらのビデオをご参照ください。
お客に挨拶し、音声認識または画像認識技術でお客が探している商品を特定し、在庫を確認し、売場まで案内する。
というロボットですね。
いまのところ投入予定は2台ですが、近いうちに4台に増やすとしています。
なかなかユニークな実験で興味深いのですが、ネックはコストでしょうね。
ロウズは明らかにしていないのですが、かなり高いであろう事は容易に想像が付き、いまのところは人間を雇った方がおそらく安いことでしょう。
小売の店内で店員の代わりとするにはまだまだ時間がかかりそうですが、ただこういうものを利用できる業界は他にありそうな気もします。
これからロボットをあちこちで目にする機会が増えるのかもしれません。
モバイルで商品を検索すると、近隣のメイシーズが出てきて、商品の在庫状況を表示するというシステムが11月から公開されるようです。
在庫状況は、サイズ、色、在庫数まで含まれているそう。
また店舗への道順も表示されるとしています。
ショールーミングよりもウェッブルーミングの方が比率が高いということはすでに分かっていることで、今回の仕組みは消費者がウェッブルーミングしたあとにリテーラーとして何ができるのか、への一つのアプローチと言うことができます。
オムニチャネルへの取り組みとは、まずは在庫問題であって、リアルタイムインベントリーができあがるとこういうことができるという良い例でしょう。
グーグルにとっては検索システム強化の一環ということになりますね。
検索システムはアマゾンが競合しており、検索システムの強化は広告収入に関わることなので死活問題で、実はグーグルエクスプレスもグーグルにとっては検索強化の一環なのですが、このあたりはまた別の機会にどこかで書くつもりです。
ネット上の売価をトラックする専門企業の360piと金融会社のウェルズファーゴが、アマゾンとウォルマートやターゲットといった大手ディスカウントストアによるネット売価を年間通して調査し、その結果をメディアが報じているのですが、ほとんどのケースでディスカウントストアの方がアマゾンよりも安いという結果が出たそうです。
これは去年の記事です。
ウォルマートvsアマゾン、プライスリーダーはウォルマート
この昨年の記事で書いたように、アマゾンやEコマース企業はリアル小売企業のように店舗を持たない分コストが低く、だから安く売ることができるという論があります。
でもそれは机上の空論で、実はそうでもないということです。
単純に販管費率で比較すると、アマゾンの26.2%にウォルマートが19.2%ですから、ウォルマートに軍配が上がることになります。
荒利益率もアマゾン27.2%に対してウォルマート24.8%ですから、こちらもウォルマートの勝ち。
ただアマゾンは将来の投資優先で利益を無視しコストをかけているので販売管理費率で単純比較は無理がありますし、カテゴリー構成もかなり違うので荒利益率で単純比較することもできません。
リアル小売企業が価格で勝っている理由の一つとして技術が向上が挙げられています。
競合企業の価格を常時モニターしてこちらの価格を動かすダイナミックプライシングですね。
アマゾンは毎日最大で4,000万アイテムの価格を変えていると見られているのですが(年末のピーク時で最大8,000万アイテム)、1つのアイテムを1日に何度も動かしたりしますから、回数ベースだともっと数字が大きくなるでしょう。
リアル小売企業もこれに対抗する技術を持ち始めたということです。
目に付きやすいのでデリバリー分野ばかりが取り上げられがちですが、実はこういうところでも激しいつばぜり合いを繰り広げているんですね。
CVSヘルス傘下のケアマークが、タバコを販売しているファーマシーで調剤をした場合、患者負担金を最大で15ドルアップさせるプランを検討していることをメディアが報じました。
ちょっと分かりづらいのでかみ砕いて説明すると。
例えば私が契約している健康保険会社がPBMとしてケアマークを使っているとして、タバコを販売しているウォルグリーンに処方箋を持っていって調剤してもらうと、私が支払わなければならない患者負担金が例えば通常10ドルだったのが25ドルになってしまうかもしれない、ということになります。
お客はCVSに流れるでしょうね。
CVSはタバコの販売をやめることで20億ドル近く売上を失ったわけですが、その代わりをこういうことで埋めようと考えていたのかと。
考えもしなかったアイディアで、驚きました。
こういう巧妙な競合の仕方をされると、ウォルグリーンやウォルマートもたまらないでしょう。
ただし、ファーマシーはウォルグリーンのようなチェーンストアだけじゃないですから、インディペンデントのファーマーシーでタバコを売っているのかどうかは分かりづらく、不公平感があります。
ケアマークはどこがタバコを扱っていて、どこが扱っていないのか、広くデータを収集して公開する必要があるのですが、できるのかどうか。
それとそのファーマシーがタバコを売っていることと、そこに処方せんを持っていった人の健康状態は関係ないことですから、考え方には若干の無理はあります。
導入までには一波乱はありそうな気がしますね。
ウォルマートが恒例の投資家向けカンファレンスを水曜日に開催しました。
今年の業績予測を下方修正したり、来年の設備投資額の縮小などなどいろいろ出てますが、このあたりはおそらくあちこちでもう書かれていることなのでここではおいて、時期を合わせて各地でデモが発生し逮捕者が出るに至っています。
目的は賃金水準の向上で、毎年のことなので珍しくはないのですが・・・カンファレンスでメディアがウォルマートを取り上げる日を狙ってデモをするところに、プロ臭さを感じてしまって鼻白んでしまうのは私だけでしょうか。
デモのうしろには食品労働組合がいます。
食品労働組合の交渉相手はスーパーマーケット企業ということになるわけですが、しかし対ウォルマート運動の場合はそのうしろにスーパーマーケット企業がいるとみられています。つまりいつも戦う相手と、対ウォルマートでは共闘するわけですね。
賃金を上げることが経費増につながって、最終的には競争力を弱めることになりますから。
これに対してダグ・マクミロンが全従業員を最低賃金より高くすると言っているようです。
現在連邦で定められた最低賃金は7.25ドルですが、州によって高く設定することも可能で、カリフォルニアは9ドルです。
例えば7.26ドルにすることもできるわけで、マクミロンのコメントがどこまで実行するかは分からないのですが、こういう話題が出るたびに想起するのがマクネアー理論です。
会社は大きくなればなるほど経費増のプレッシャーが働き、組織肥大して弱体化し、これを倒す新興企業が生まれ、この新興企業が大企業になり・・・をくり返すというあれです。
ウォルマートはこの理論を証明する企業になるのか、はたまた理論を破綻させるのか。
ちなみに連結ベースでウォルマートの販売管理費率はここ数年19%程度で推移しているのですが、20年前は15%でしたから、経費は明らかに上昇しています。
JCペニーが次期CEOとしてホームデポのマービン・エリソンを指名しました。
ロン・ジョンソンが解任されたのが昨年の4月、前任だったアルマンが暫定CEOとなりそれ以来リクルートしてきたので1年以上を要したわけです。
見つからなかった理由は、JCペニーを上向かせるのは容易な仕事ではないからですね。
なので、この重荷をエリソンが引き受けたことに驚きました。
ホームデポにとっては相当な痛手になるんじゃないでしょうか。
8月末にクレイグ・メニアが次期CEOとして昇格する人事が発表されているのですが、実はエリソンも候補として名前が挙がっていました。
このエリソンは店舗運営の手腕が強く、ダメな店舗もこの人の手にかかると必ず再生するとされ、ホームデポの再建に大きな貢献のあった人です。
50代後半のメニアはいわば順当な昇格ではあるのですが、店舗運営に強く現場に支持されていてしかも49才と若いエリソンをトップに据える選択肢もありました。
ウォルマートは若い方を選びましたからね。
これでホームデポが業績を落とし、エリソンがJCペニーを立て直せなかったら、最悪の結果となるわけですが・・・
いずれにしても、ペニーを選んだエリソンのガッツは賞賛に値することであります。
もうすでに日本のメディアも報じていますが、アマゾンがNYマンハッタンに実店舗をオープンさせる予定のようです。
報じたのはウォールストリートジャーナル紙で、元ネタは関係者からの情報でアマゾンではありません。
たぶん実験だろうと見られていて、短期間で閉めてしまう可能性もあります。
アマゾンにはかなり前から店舗を作るのではないかという噂がありました。
イギリスで作るという話もありましたね。
いまのところ目的がはっきりしないのですが、アップルのようなショールームというよりも、受け渡しや返品用のデポとなるんでしょうね。
実用一点張りの店舗かもしれません。
デザインに凝っても、アップルに負けてしまうでしょうし、それなら最初からブランディングとかしないほうがいい。
ネット販売は目に見えないメリットというものもあるわけで、アマゾンの存在がが見えてしまうことから何が起きるのかは、楽しみなところです。
シアーズのサプライヤーに対して取引向けの信用保険を提供している保険会社が、カバー範囲を縮小、またはキャンセルし、そのため出荷をストップしたサプライヤーが出てきているようです。
大手メディアのブルームバーグが業界筋の情報として報じました。
前回カナダ事業の資本売却をエントリーしましたが、ここ数ヶ月に運転資金調達の動きが活発化している理由は、どうやら保険会社による査定にあるようですね。
保険会社の動向をシアーズが知り、放置すると仕入れが止まる危険があるため、手持ち資金を増やしてリスクが低いことを示そうとしている。
小売の破綻のほとんどはサプライヤーからの仕入れのストップがきっかけとなります。
今回のニュースはシアーズがかなり厳しい状態にあることを暗示しています。
ちなみに取引向けの信用保険とは、売掛債権の回収に対するものです。
支払いが滞った場合に、その分を補填してくれます。
メディアは大手保険会社3社の動向を報じているのですが、1社がキャンセル、1社がキャンセルを検討、1社がカバー範囲を限定、だそうです。
もう一つちなみに、売掛債権を確保する手法としては信用保険の他にファクタリングがありますね。
サプライヤーとしては卸をバッファーとする古典的な手法もありますが、シアーズのような大手の場合は直接取引が通常なので、万が一に備えてなんらかの手を打っておくのが常識です。
こういうニュースがとうとう出たかというのが正直な感想。
シアーズが歳末商戦を前にしてレッドゾーンに突入です。
シアーズによる運転資金の調達を目的とした動きが続いています。
先月にCEOのランパートが所有する投資会社ESLインベストメンツから4億ドルを短期に借り入れたばかりなのですが、先週はシアーズカナダの株を売ることで資金達をすることを発表しました。
米国シアーズによるシアーズカナダ株の所有比率は51%で、そのほとんどを売却して3億8000万ドルを調達するとしています。
ただしそのうちの1億6,800万ドルはESLが買うようで、つまりランパートがシアーズに運転資金を投入し続けているということになります。
どうやら買い手が見つからなかったようですね。
実は来年中の破綻を避けるためには40億ドルの資金調達が必要だとする試算があって、これが本当だとするとそれでもまったく足りないということになります。
シアーズとKマートは固定資産をたくさん所有しており、破綻後にこれを破格の価格でバイアウトしたのがランパートです。
この潤沢な資産の切り売りで運転資金をまかない、企業の運営を続ける。
その間に業績を上向かせる必要があるわけですが、戦略戦術が機能せず、なかなか上向かない。
資金調達にランパート自身が出てきたということは、この切り売りもスムーズに行かなくなりつつあることを示唆しているような気がしますね。
イーベイが傘下にもつ決済サービスのペイパルをスピンオフすることを発表しました。
他社への売却ではなくて上場、来年中に手続きを終えるとしています。
ペイパルのスピンオフはかなり前から言われてきたことなのですが、CEOジョン・ドナヒューはずっと否定してきました。
突然考えを変えたのは投資家カール・アイカーンによるプレッシャーのようですが、当人はそうではなくて経営陣に判断だと否定はしています。
アイカーンは2.5%の株を所有していて機関投資家による所有株の比率では6位、4月の時点で1%だったので、買い増しながらプレッシャーをかけて、ドナヒューを落とした、というのが真相だろうと思います。
こういう場合のアクティビスト型投資家の思惑は、一つの企業が異なる二つの事業を管轄するよりも、分離してそれぞれが独自に事業に専念した方が効率が良いということですね。
それによって株価が上がる、または事業売却益を配当として手にする、といったことが機関投資家の出口となります。
イーベイそのものの売却を考えているのかもしれません。
ペイパルがない方が企業価値が判断しやすい。
アリババあたりに買わようとする、なんてことがあるのかもしれない。
そうすると、グーグルあたりが競合入札して、株価がつり上がって、アイカーンは万々歳、と。
長期的に見てこのスピンオフが正しいのか間違っているのかは、正直言って分かりません。
アマゾンが独自の決済サービスをはじめようとしてますし、グーグルはウォレット、アップルはアップルペイと、みな決済をやってますので、イーベイのみが分離することが戦略的に正しいのかどうかは不明。
ファミリーダラーの資本売却を促したのもアイカーンです。
戦略的に正しいのかどうかはおいて、たいした人だなとは思います。
カリフォルニア州で使い捨てのビニール制レジ袋を禁止する法案に、ジェリー・ブラウン州知事が署名し、禁止法が成立しました。
市レベルでの禁止法は存在したのですが、州レベルでは全米初となります。
大型店舗は2015年7月1日から、小型店舗は2016年7月1日から発効、これ以降お客は自分でバッグを持ち込むか、リサイクルペーパー製紙袋または土壌還元可能なバッグを一つ最低10セントで購入することが義務づけられます。
ただし青果や肉で使用されるビニール袋は除外。
ちなみに大型店舗と小型店舗は、売上高と面積で区分けされています。法案をざっと見ると、年間売上高200万ドル以上、1万sqf以上、の店舗が来年から規制対象になるようです。
これに対して、レジ袋を製造しているメーカーが組んでいる業界団体が、禁止法を無効とするよう努力するという反対声明を出しています。
まあつまり、今回の規制法の成立は、レジ袋業界による、というよりも石油業界という方が正しいと思うのですが、ロビー活動の敗退ということができます。
ばらまくお金が少なかったのか、または環境という倫理観を政治家が優先したのか。
過去のトレンドを考えると、リベラルなニューヨーク州も同様の禁止法を作る可能性は高そうです。
一方石油コンツェルンに支配されているテキサス州などでは、同様の法律が成立する可能性は低いんじゃないかと思います。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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