もともとアメリカのショッピングモール業界はここ10年近く完全に成熟していて、新築は1年に1つぐらいしか増えないという状況でした。
理由はたくさんあるのですが、端的にショッピングディスティネーションとしての魅力が減じてしまいました。
そもそも先進国では買い物がレジャーではなくなりますので、モールでゆっくり時間を過ごすという人がいなくなってしまうものです。
追い打ちをかけるように、モール内に出店する専門店チェーンの破綻とデパートメントストアの縮小が続き、モールは今大変なときに来ているのですが、結果として勝ち組と負け組がはっきりしていまい、負け組モールの破綻が増えてきています。
ここで、モール業界の負け組REITに的を絞ってショートをかけて利益を上げている投資企業がいるということをWSJ誌が記事にしていて、なるほどなあとうなってしまったのでした。
もしシアーズが破綻したら、ダメになるモールが一気に増えて大きく儲けることができる、ということをこの投資企業の経営者が言っています。
要するに、成長してもダメになっても、どちらにしても投資企業には儲ける道筋があるということですね。
こういうことを知ることは自分の発想をフレキシブルにするためにとても有効だと思っています。
物事を一つの側面からだけ見ていると、固定概念に縛られてしまって過去の延長線からしか発想できなくなってしまいます。
CIRPという調査会社が、アマゾンのプライムメンバーが8,000万人を超えたとレポートしています。
昨年の8月期末の時点でコストコの会員数が8,670万人なので、そろそろコストコ超えが見えてきたようですね。
ただし推定値なので正確ではありません。
またコストコは世帯に対して発行される無料カードも含まれていて、有料の会員数は47,600人です。
私の試算では、会員費収入はすでにアマゾンの方が上回ってますので、メンバーシップ制リテーラーとしてはアマゾンの方が上だと思っています。
ちなみにこの調査会社は、アマゾンは過去2年間だけで会員数は2倍になったとレポートしていて、アマゾンの勢いに止まる気配はまったくありません。
JCペニーが店内で展開しているヘアサロンのリモデルプランを強化すると発表しました。
ファッション雑誌のインスタイルと提携、名称をThe Salon by InStyleに変更し店内デザインも変えるプランで、今年は750ヶ所中の50ヶ所をリモデルするとしています。
またネット予約を可能とし、専用のモバイルアプリも導入しました。
このサロン戦略、主要目的はもちろん集客なのですが、サロンでしか売れないプレスティージヘアケア商品の販売強化もあります。
アルタと同じですね。
これ、日本の百貨店やGMSがやるべきことだと思っています。
日本もやってるよ、と言う人がいそうですが、違うんですよ。
日本はすべてテナントですから。
そうじゃなくて自社名で、自社売り場内でやるべきなのです。
ビューティケア売場の側がいいでしょうね。
テナントは売場の世界観(またはブランドイメージ)をぶつ切れにするデメリットがあります。
またJCペニーのようにファッション雑誌と組むことは(おそらく協賛してもらっている)、サロンのオーセンティシティ(Authenticity)を上げるだけではなく、自社ブランドのイメージアップにも貢献することでしょう。
アパレル専門店チェーンのルー21が1200店舗の3分の1、つまり400店舗を閉鎖すると発表しました。
すでに閉鎖予定店舗で在庫一斉セールがはじまっていて、処分が終わり次第店を閉めて行くようです。
ルー21はモールを中心に出店するティーンを顧客層とする専門店チェーンですが、低価格帯であること、ルーラルから伸びたこと、が特徴です。
ちなみにルー(Rue)はフランス語でストリート、21は"ティーンエージャーが憧れる21"から取ったそうです。
フォーエバー21のパクリの匂いがしますね。
2002年に一度破綻していて、2003年にプロセスを終了し、そのあと急速に成長、でも勢いが急速に衰えて、2013年にイリギスノの投資会社にバイアウトされて非上場となっていました。
成長時に注目され取り上げるメディアも多かったのですが、店舗を見てもどうも今ひとつ分からず、 興味が湧かないので私は取り上げることを避けてきた経緯があります。
転換期とも言えるこの時期に、縮小は不可避でしょう。
ムーディーズが格下げしてますし、さらに店舗を閉鎖、もあり得ると思っています。
アマゾンがアレクサを一般に公開しました。
ということは、メーカーが自社商品用に音声認識システムとしてのアレクサを自由に使えるようになるということです。
高額を支払って自らが開発する必要がなくなります。
例えば冷蔵庫に入れてしまう。
パネルを使ってネットを表示する冷蔵庫が出始めてますが、音声にしてしまった方が便利ですね。
アレクサに電話機能を組み込むという噂がありますから、ひょっとすると冷蔵庫で電話ができるようになるかもしれない。
トースターに組み込んで、「~度で~分焼いて」なんて命令できるようになるかもしれない。
扇風機、クーラー、ヒーター・・・等々、なんでもありかなと。
アマゾン、恐るべし。
食品ホールセラー大手のスーパーバリュがユナイテッドグローサーを買収すると発表しました。買収総額は3億7,500万ドル。
両社合わせると売上高は160億ドル、配送センター数24、カバーする店舗数は3,000以上となります。
スーパーバリュの昨年の年商は160億ドル、セブアロットの売却によって失う売上高分をユナイテッドグローサーの売上高が補って、統合後の売上高が同じ160億ドルになるということのようですが、これはスーパーバリュの、リテールをやめてホールセールに集中するという戦略転換を象徴するようで面白いですね。
ちなみにスーパーバリュは、決算書上は債務超過です。
今回の買収はキャッシュディールのようなのですが、資金調達がどうなっているのか、買収後に財務状態がどうなるのか、まったく不明。
倒産しないようにがんばって欲しいものです。
連邦破産法10条の適用を申請して破綻し、売却先を探していたhhグレッグが、結局売却相手が見つからず企業を清算すると発表しました。撤退する店舗数は220店舗、5月までに清算処理を終わらせるとしています。
先月初頭のエントリーでは、家電で生き残るのはベストバイとフレッズの二社と書きましたが、フレッズも実は結構厳しいのではないかと言う気がひそかにしています。
上場してないから実情はわかりませんが。
負け組みがどんどん消えて行きます。
ペイレスシューソースが連邦破産法11条の適用を申請して破綻しました。
店舗名はペイレス、30カ国に4,400店舗を展開している靴のディスカウント型チェーンストアです。
400店舗を閉鎖し、負債の一部を整理し、破綻処理を終わらせるとしているので、ずっと続いているアパレル専門店チェーンの精算とは状況が違って再建するようです。
昨年の港湾ストで商品がスケジュール通りに届かず、計画通りに売れなかったことが運転資金のショートにつながったことが直接的な原因としていますが、本質的にはネット通販との競合が業績を悪化させました。
アメリカの流通業界は大変なことになってます。
アマゾンが傘下のクィドシ・コム(Quidsi)を閉鎖したとメディアが報じました。
採算が取れずクローズした、と説明されています。
クィドシはアマゾンが2010年に買収したネット通販企業で、オムツというネットと相性が悪そうな商品を売って成長し注目を浴びました。
創業者はマーク・ロリー、アマゾンに買われた後にジェットを創業し、これをウォルマートに売って、今はウォルマートECのトップです。
ロリーはベゾスに脅されるようにしてやむなくクィドシを売却したようで、ジェットも打倒アマゾンを旗印として立ち上げたとみられています。
ウォルマートに参加しているのも、アマゾンと競合するにジェットよりもウォルマートという素材を使う方がベターと判断したのではないかと思っています。
こういった今までの経緯を考えると、クィドシの閉鎖はベゾスによるロリーに対する意思表示なのではないか...そんなことを考えてしまうのです。
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