ご存知の通り、シアーズが連邦破産法11条の適用を申請して破綻しました。
5年ぐらい前から言われていたことなので、やっとか、といったところでしょう。
こちらの業界で驚いた人は皆無ではないかと思います。
実は先週後半の時点で想定していたのですが、日本のメディはまたアマゾンを原因にするんだろうな、と。
そして破綻後にその通りに書かれていて、苦笑いしてしまいました。
よく考えれば分かることです。
シアーズの飯の種は、アプライアンス、ハードウェア、オート用品、の三部門で、さらに詳しく言うならばそれぞれのプライベートブランドです。
その他の、例えば衣料が全然ダメなことは周知の事実。
その昔、ソフターサイド・オブ・シアーズなんてスローガンを掲げて強化したけど、まったくダメだったことを覚えている方はどのぐらいいるでしょうか。
シアーズの衣料はおまけみたいなものです。
ではアマゾンが、アプライアンス、ハードウェア、オート用品、をどのぐらい売っているのかというと、この三分野に関しては現時点ではまだまで、これからの領域とみられています。
とくにアプライアンスは実際に見て触って買うもので、ネットには不向きと言われています。
アマゾンはここ数年衣料売上高をどんどん伸ばしているようですが、シアーズから奪っているという話は聞かないし、そもそもシアーズにとって衣料はおまけです。
もしシアーズ破綻の原因を競合企業に求めるならば、それは確実に、ロウズとホームデポです。
それにベストバイも少し加えてもいい。
シアーズのアプライアンス市場におけるシェアは、最盛期には6割を超えていました。
それもほとんどがPBですから、儲かる。
そして、ロウズとホームデポが売り始めて、徐々にシェアを伸ばして、アプライアンス売上高でロウズがシアーズを抜いたのが2013年のことでした。
詳しいことは省きますが、シアーズオーナーのランパートがシアーズを捨てたと考えられるのが2015年なので、おおよそ時期は重なります。
競合という観点からは、ロウズとホームデポがシアーズの首を絞めたと考えるのが妥当なのです。
アマゾンではないでしょう。
でもそれは表面的な理由の1つに過ぎず、本質的にはやはり投資家のランパートにあります。
シアーズとKマートを本気で再建する気があったのか。
彼がやってきたことを知ると、そもそも小売をやろうとしていたとはとうてい思えない。
彼に真意を聞きたいところですが、どんな取材に対しても表面的なことしか答えないので、いったいどういうことなのか、これから出てくる資料を読み込みながら推量していくしかないようです。
2018年10月16日
シアーズの破綻について
鈴木敏仁 (01:02)
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