2020年5月 7日
ウォルマートの高度なエクセキューション能力

アメリカの小売業界では店の現場の実行力のことをエクセキューションと言います。
本部からこれをやってくれという指示がきて、それを指示通りにきっちり実行する能力のことです。
もちろん指示を出しすぎる、指示が難しい、といったことも問題で、本部が指示を単純化したり標準化したりする能力も不可欠です。

とある企業からのご依頼で、アメリカの各食品リテーラーが感染防止でいま何をやっているのかを調べる機会がありました。
州当局からの公的なガイドラインを主軸にして、企業が出しているガイドライン、それと店頭に行ってフィールド調査をやってきました。
ウォルマート、ターゲット、ラルフス(クローガー傘下)、ボンズ(アルバートソンズ傘下)、トレーダージョーズの5社で、ほんとうはウェッグマンズやHEBも見たいのですが今回は車で行ける範囲で我慢ですね。

さてこの5社を比較して驚いたのは、ウォルマートの標準化する能力とエクセキューションレベルの高さでした。
短期間にも関わらず、標準化されたサインをたくさん用意し、それを必要とされる場所に置き、または貼り、それが必要とされるところにきっちり展開されている。

どういうサインが必要なのかを考え、デザインし、4,000店舗分を発注し、指示書つきで全店舗に配布し、その通りに店舗がエクセキュートする、という一連の流れがきわめて短期間に行われているわけです。

ウォルマートのオペレーションに改めて圧倒されました。

ちなみにHEBは1月の2週目から中国の動きを見ながら机上のシミュレーションをはじめ、2月2日から中国のリテーラーやサプライヤーから情報を収集しながら緊急事態に向けての本格的な準備を始めたと言っています。
おそらくウォルマートも似たようなものでしょう。

アメリカの大手小売企業のレベルは非常に高いということをいまさらながら実感しています。

鈴木敏仁 (10:26)
ペプシネックス



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