October 14, 2008
[コストコ] “戦うことなしに値上げすることはしない”というMD哲学
先週末のビジネスウィークがコストコを記事にしていました。原価の上昇をそのまま価格に反映せず、知恵を絞って売価上昇を抑える姿が書かれていて興味深いものがありました。
タイトルは、Costco's Artful Discount = コストコの巧みなディスカウント。
ついでにインタビューが動画になっていたので、紹介します。
商品パッケージを丸型から四角に変えることでパレット上に乗る個数が増え、つまり積載効率が上げることで2万4000個のパレット分、トラックにすると600台分を節約した、ということが前半で、後半に出てくるのが創業CEOのジム・シネガルです。
シネガルはいま72歳、そろそろ引退が近く、こうやって出てくることも少なくなっていくことでしょう。また今まであまりメディアに出ることがなかったのですが、ここ数年露出することが多く、これもおそらく自分の年齢を考えてのことなのだろうなと思ってます。
さて記事でおもしろかったポイントが二つありました。
1つ目はアソートメントにウォーターフォードやハーマンミラーなどのラグジュアリーブランドが増えていて、あるファッションブランド企業の幹部をして、「いまにサックスみたいになってしまうだろう」と冗談交じりに言わしめている点。
コストコの強さのカギの一つは、コモディティディスカウント(ニーズ)と、シーズナルやスポットによる宝探しと(ウォンツ)とが巧妙に混在しているところにあります。ラグジュアリーアイテムは後者の典型的な商品カテゴリーですが、その範囲がどんどん広がっている。
コストコのイメージがただの安売り屋じゃなくなっていることと、当然販売力と、2つがブランドメーカーに訴求しているんでしょうね。
2つ目は“簡単には値上げしないよ”というシネガルのコメント。
「最大の懸念は、10セント、1ドル、100ドルと値上げすることが何でもないことだと考え始めて、我々の道を見失うことにある。そういう規律なしでは、我々の存在価値はなくなる」
戦うことなしに値上げすることはしない、と言う。
その一環として、上記のパッケージングの見直しがあるわけです。
これ、小売業(だけじゃなくて一般的にも)のイロハのイのようなものですが、見失いがちなMD哲学です。創業CEOがいまでも率先してやっていることに価値がありますね。
コストコ好調の要因を垣間見れる記事でした。
投稿者: 鈴木敏仁 ( 12:43 PM )
| ディスカウントストア
| トラックバック (0) |
October 13, 2008
[ウォルグリーン] CEOが突然辞任、その背景は・・・?
先週の金曜日に、ウォルグリーンの生え抜きCEO、ジェフリー・レインが突然辞任しました。ウォルグリーン勤続26年、2006年にCEOに昇格したばかりでした。
主席取締役(Lead Director)のアラン・マクナリーが会長兼CEOとなり、コミッティーを作って次期経営者を探すとしています。
リリースには、辞任(または解雇?)の理由はいっさい書いてありません。
いちおう‘リタイア’という表現が使われてはいますが。
ただあまりにも唐突すぎて、何かあったとしか考えられません。ウォルグリーンはずっと社内昇格で経営者が選任されてきた会社ですから、次が決まっていない段階で現CEOがやめてしまうというのは、異例中の異例と言うことができます。
レインの年齢は56歳、リタイアする年齢でもありません。
ロングス買収を断念してすぐの辞任なので、この買収劇で何かあったと考えるのが妥当のように思うのですが、どうでしょうね。一連のプロセスの中で、取締役会との考えが合わなくなって衝突があった、ということかもしれません。
ただ広報は、ロングス問題とは無関係だと言ってますが。
ついでながら広報は、健康問題でもなく、倫理上の問題でもない、と業界誌に説明してます。
ここしばらく業績の伸びが緩慢で、株主としての機関投資家が不満を持っていた、という事実はあるようです。
ただまあ、赤字に落としたわけでもなし、仮に機関投資家(とその意向を代弁する取締役会)との意見の衝突で生え抜きがやめたとしたら、少々問題かなと思います。
次のCEOが誰なのか。
今後を考えるにウォルグリーンはいま非常にクリティカルな局面にいます。
投稿者: 鈴木敏仁 ( 12:58 PM )
| ドラッグストア
| トラックバック (0) |
October 10, 2008
[チェーンストア] 9月の業績
9月の業績です。
大手チェーンストア36社の平均既存店成長率は1.0%増、9月の成長率としては2001年以来の低水準だそうです。ただしプラス成長はこれで6ヶ月連続。
(資料:国際ショッピングセンター協議会)
以下、大手チェーンストアの結果です。
コストコ:6.0%
ウォルグリーン:4.7%
ウォルマート:2.4%
TJマックス:-1.0%
ターゲット:-3.0%
コールズ:-5.5%
リミテッド:-6.0%
ノードストロム:-9.6%
サックス:-10.9%
ギャップ:-11.0%
JCペニー:-12.4%
アバクロ:-14.0%
ファッション系、ラグジュアリー系が相変わらず悪いですが、この数ヶ月の推移としてみると食品日用品業界は横ばい、といったところでしょうか。コストコ、ウォルグリーン、ウォルマートと、プラス企業は相変わらずです。
夏場に実施された調査によると、37%の小売企業が年末に向けての在庫計画を下方修正しているそう。在庫調整する企業はもっと増えるんじゃないでしょうかね。
投稿者: 鈴木敏仁 ( 02:28 PM )
| ニュース
| トラックバック (0) |
October 09, 2008
[ウォルグリーン] ロングス買収を断念
ウォルグリーンがロングス買収を断念しました。理由を簡単にまとめると、経済の急激な悪化が敵対的買収をしかけるに適さない環境となった、ということになります。買収に必要な資本調達に問題があるとは思えないので、景況感の悪化による心理的な要因が大きいように感じるのですが、どうなんでしょうね。
これでCVSの買収が決まった、というわけではまだありません。
大株主としての機関投資家数社が反対してまして、最終決定までにはもう少々時間がかかりそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 ( 10:53 AM )
| ドラッグストア
| トラックバック (0) |
October 08, 2008
[米イケア] 大手小売企業としてはじめてレジ袋を有料化
米イケアが先週からレジ袋に5セントをチャージしているそうです。ヨーロッパの潮流をアメリカに持ち込む、使用量を半分に減らす、といったことが報じられている。
ふと頭をめぐらせてみたのですが、レジ袋を有料とする小売企業ってアメリカで初なのではないでしょうか。他で有料としている企業って記憶にないのですよ。
とすると、これは快挙なのかもしれません。
ちなみにマーケットサイド同様、このニュースも業界メディアではほとんど書かれていない。
この数日、アメリカの業界誌との興味のズレをすごく感じてます。
投稿者: 鈴木敏仁 ( 12:29 PM )
| ディスカウントストア
| トラックバック (0) |
October 07, 2008
[ウォルマート] 歳末商戦に向けて値下げを開始
先週の10月1日からウォルマートが歳末商戦に向けて値下げを開始しています。まずはバービーなどの売れ筋の玩具からで、10アイテムを10ドルに設定。例えばPlay-Doh Magic Ice Cream Setは、定価14.88ドルが10ドルで、3割以上の値下げとなってます。
昨年は10月2日に玩具12アイテムを下げてますから、2アイテムほど少ない。
昨年のやり方を見る限り、これから数週間以内にさらに値下げすることでしょう。
ロールバックは13週間値下げ価格を固定しますから、今から下げて、ちょうど年末に値下げ期間が終わるというわけですね。随分気が早い価格プロモーションではありますが、ウォルマートのEDLP戦略をベースとすると、今から下げてしまうことに何の矛盾もないわけです。
またクリスマス専用のクリスマスショップの設置もそろそろ開始するそうです。今店内はハロウィーンプロモーション真っ盛りですが、隅っこのほうに小さく売場を作ってしまうのでしょうね。
ホームデポは9月16日に1,200アイテムを値下げしてます。
たぶん今年は業界全体で価格プロモーションが激しくなることでしょう。効果が出るのかどうかは、いままさにニュースとなっている金融危機がどこまで沈静化し、この問題が消費者にとって過去のものになるかどうかにかかっているのですが・・・。
###
追記:マーケットサイド、米国業界誌のほとんどが沈黙してます。ざっと眺めたところコンビニ業界誌が速報載せてるぐらいで、メジャーなところはまったく書いてない。ウォルマートが緘口令でもしいているのか、みんな忘れちゃってるのか・・・なぜなのかは不明。ウォルマートによる10年ぶりの実験店なんて、こんなにおもしろいネタは他にないと思うんですけどねえ。業界誌の知人にメールでもしようかと思ったのですが、まあ、たいしたことではないので、やめておきます。
投稿者: 鈴木敏仁 ( 12:47 PM )
| ウォルマート2005-2008
| ホームデポ
| トラックバック (0) |
October 06, 2008
[マーケットサイド] 10月4日にグランドオープン
10月4日のグランドオープンに行ってきました。
店員に確認したところ、2日の木曜日には全店舗ソフトオープンしていたとのこと、前回のエントリーでは前日の3日と書いたのですが、実はグランドオープンの前々日の2日にはオープンしていたことになります。
また営業時間は朝7時から22時までで、営業時間どおり4日の7時にはオープンしていたのですが、グランドオープンのセレモニーは10時からでした。
セレモニーは、店長の司会で、市長のスピーチ、学校などの周辺公共施設や組織への寄付、等々でした。
ネイバーフッドマーケットの店頭セレモニーのときは、前CEOデイビッド・グラスや、役員だったトム・コグリンのスピーチがあったのですが、今回はなし。当時ウォルマートは業界では有名でしたが、メディアバッシングが始まる前で、一般的にはそれほど知られておらず、だからトップがスピーチできたのでしょうね。いまやったら、全米の注目を浴びてしまうし、セキュリティ上の問題もあるでしょう。
ネイバーフッドマーケットの1号店が本社から近かった、というのもあるかもしれませんね。
さてフォーマットですが、まったくのミニスーパーマーケットです。
違いはやはりEDLPであることにつきます。オープンニングにもかかわらず、気持ちの良いくらいに値下げは一切なし。
本社の戦略&マーケティング担当副社長と話すことができたのですが、やはり価格戦略はEDLP、チラシも打たないとのこと。
このあたりが肝になるだろうな、と思ってます。
いろいろ考えることがあるのですが、ブログではこの辺までとして、詳しくはチェーンストアエイジ誌に書く予定です。
投稿者: 鈴木敏仁 ( 02:04 PM )
| ウォルマート2005-2008
| スーパーマーケット
| トラックバック (0) |





