先日ウォルマートOBの○○氏とベントンビルで再会する機会があった。某メーカーの営業マン研修の講師として来てもらったのである。この人物、実は拙著「ウォルマートの流通革命」の'おわりに'に既述してある元マーチャンダイジング副社長で、執筆にあたって非常に多くの示唆をもらった恩人でもある。
拙著で名前を公表していないのは、現在ベンダーとしてウォルマート周辺で働いていて、彼が名前を出すのを嫌ったからである。日本の本に名前が出たところで何の問題も無いだろうとそのとき私は思ったものだが、慎重を期してリクエストに従った。
ニューフォーマットの米国視察ツアーでも数回呼んでいるので、ご存知の方も多いかもしれない。いかにも米国の田舎に住んでいるという雰囲気の朴訥とした実務化で、ウォルマートという企業がどういう人たちの手で作られてきたのかということを感じるには最適な人である。プレゼン慣れしたコンサルタントとは違い、こちらから質問しないといい話が出てこない点も、いかにもという感じだと思っている。
○○氏がウォルマートで働き始めたのは高校生のときにパートタイマーとしてであったという。そのときのウォルマートのサイズはわずか11店舗、そして彼が初めて働いたこの店舗は、あのウォルマート1号店、ウォルマート・ディスカウント・シティなのであった。
その後4店舗で店長を経験し、本社に戻ってバイヤーとなり、スーパーセンター事業部門の商品部で非食品担当のトップを最後に引退している。
この間あのサム・ウォルトンの直下で働いてきたということを考えると、この人の価値が分かると言うものだ。いまどきのウォルマートには他からの移籍組みも含めて星の数ほどの人が働いているし、ウォルマート出身者もごまんといるのだが、1号店で働いたことがあり、店長も経験し、商品部のトップクラスまで昇進した人というのは限られている。
だから、ウォルマートに関して巷間よく知られて言われていることであっても、この人の口から出てくる言葉は重く響く。サム・ウォルトンと実際に長く働いてきた人の説得力には、いかなるコンサルタントやジャーナリストの100の言葉を集めても歯がたたないだろう。
今回も再びいい言葉を聞くことができた。すでに何度も聞いて、拙著にも書いたことではあるのだが、再び琴線に響いてしまったのであった。
<続きは月刊マーチャンダイジング06年2月号をご覧下さい>
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