ウォルマートがこれから小型フォーマットへ注力しはじめるという記事をファイナンシャルタイムズ紙が報じました。
ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスといった人口が密集した大都市圏での展開を視野において、これからの成長エンジンにするとしています。
記事によるとネイバーフッドマーケット専用の組織を作り、店舗運営やバイヤー集め始めているそうです。
ただ新聞が報じたことなので100%確実という話ではありません。今週後半にウォルマートは投資家向けのカンファレンスを開催するそうで、そこでこの件についてのアナウンスがあるかもしれません。
ネイバーフッドマーケットは1998年に開発されたフォーマットですが、10年が経過した現在いまだ150店舗に過ぎません。ラスベガス、フェニックス、ダラス商圏といった限定商圏のみでの展開で、それ以外の地域ではほとんど増加していません。
増やしていない理由はROIの高いスーパーセンターへリソースを集中するためということになっているのですが、繁盛モデルになっていないことも理由の一つでしょう。店舗のアソートやプライシングがスーパーセンターを援用したに過ぎなくてスーパーマーケットとしてのおもしろさをいまだに作れていないのですが、結局リソースをこちらに振り向けていないため進化できないでいるのだと思っています。
ただし売り上げが低そうな店舗では店員が非常に少なく、アソートメントや陳列方法など現場をざっと見る限り、低売上高でも利益が出せるよう作業コストのかからないオペレーション構造を持っているのではないかと私は推測しています。
もともとスーパーセンターの成長の限界を見越して開発されたものなのですが、ようやく頭打ちに現実感が出てきたため、本腰を入れ始めようということなのでしょう。
10年越しで別フォーマットを強化し始めるというのも、ウォルマートならではという感じはしますね。
ちなみにネイバーフッドマーケット1号店のオープニングセレモニーに私は参加しまして、当時の経営陣のデイビッド・グラスやトム・コグリンのスピーチを聞いたものです。あれからもう10年が経ったのかと軽い感慨がこみあげてきました。
本日はそのベントンビルに来ています。
明日はProject Impactのモデル店舗を見に行く予定です。
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