2006年7月31日
「止められない資本のグローバル化」Vol.10,No.31

アメリカ流通eニュース

 ミタルスティールというインドに本拠を置く鉄鋼企業が、アルセロールというヨーロッパに本拠をおく鉄鋼企業の92%の株を取得することが報じられた。鉄鋼業界のことはよく知らないのだが、世界1位の企業が世界2位の企業を買収するという特大ディールなのだそうで、買収後は日本全体の鉄鋼生産分と同じボリュームを、ミタル1社で生産する規模になるという。
 このニュースを聞いて私はふと資本のグローバル化というものについて、とりわけ我が国の食品日用品(CPG)業界が今度どうなるのかについて、考えてしまったのであった。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (03:01)


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2006年7月30日
ウォルマートがドイツから撤退

すでに日本でも報道されていると思うので事実については詳しく書きませんが、ドイツからの撤退をウォルマートが決めました。全店舗をメトロに売却しての完全退却です。
韓国からの撤退時に、次は日本ではなくてドイツだろうと予測したばかりで、こういうふうにヨミがあたるとうれしいです(^^)v

資産の評価額よりも安く売ったようで、「ウォルマートは撤退を急いだ」のだそうです。文脈からは叩き売りしたような印象があるのですが、なぜなんでしょうね。マイケル・デュークに課せられた使命はボブ・マーチン時代の清算にあるというのが私の見方で、とすると就任時からドイツ撤退は決定事項だった、叩き売りでも何でもとにかく売ると決めていた、と見るのが妥当なんでしょう。

ウォルマートがメトロを買うと言われたりしていただけに、逆パターンになったのは結構意外でした。

資料によると、ドイツの来年の予測売上高は、イギリス、メキシコ、カナダ、日本、ブラジル、中国に次ぐ7位にまで落ちているんですね。01年に4位だったので売り上げが急速に落ち続けている。これだけ落ちれば、売却を考えるのは妥当というものです。

失敗の理由はいろいろ言われています。アルディ等のハードディスカウンターに勝てなかったのが直接的敗因ですが、遠因はインタースパーの買収にあったと私は思ってます。ウォーコーフの有能な人材がインタースパーを嫌って流出してしまったというのは有名な話です。ちょっと言葉が悪いですが、悪貨が良貨を駆逐してしまった。
立て直せると思って買った企業が重荷になってしまったという意味では、アルバートソンズとアメリカンストアズに似ているかもしれません。

この結果ウォルマートはヨーロッパにアズダのみという状況となりました。東ヨーロッパへの進出機会はかなり低くなったと考えられます。ただこれをもってしてウォルマートはヨーロッパから永久に消えると考えるのは早計です。カジノが売却を考えていて、ウォルマートが交渉を持っているという噂もあり、大きな利益を出している企業だけに再びヨーロッパに投資、ということはありえなことではありません。
このことは、韓国撤退のときにも書きましたね。

さてここで皆さんの興味は日本をどうするかということだと思います。
中国、南アメリカ、そしてインドに力を入れようとしていることは確実なのですが、日本については今ひとつ戦略がクリアでないことは確かです。

少なくとも、日本では投資額を増やしたばかりではあり、まだしばらくは格闘しようという意思は持っていると私は思ってます。私が経営者であれば、お金をつぎ込んですぐに撤退するということはしません。

これも以前書きましたが、日本に進出している米国企業の多くが日本で大きな利益を上げているという事実があります。例えばコカコーラは利益の2割を日本ではじき出しているという話があるのですが、マクドナルドなど日本で利益を稼いでいる米国企業は数多い。

いっぽう例えば、ユニリーバやネスレなどドイツでの商品戦略を大幅に見直している大手企業が多いのですが、どうもドイツという国は他とかなり異なっているようです。逆に言うと、ドイツより日本のほうが米国企業にとっては与しやすいような気がする。
日本特殊論を語る日本人は多いですが、ドイツの方が特殊なようで、そう考えると、ドイツから撤退するのは分かるが、日本から撤退するのは...?と見られて、ウォルマートの海外事業の評価ががくっと落ちてしまう可能性が高い。
従って、そのポテンシャルと、周囲の評価を考えると、日本からはそう簡単に引くことはできないだろうと私は考えているのです。

鈴木敏仁 (06:02)


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2006年7月29日
ウォルルマートがニュースのRSS配信を開始

ウォルマートがニュース配信をRSSとしました。

私はウォルマートのプレスリリースを、同社のサイトで登録して自動配信してもらっていたのですが、突然RSS形式に切り替えるというメールが届いて、それ以来ブロードキャストがなくなりました。

指示に従ってサイトに行ってみると、すでにブログ形式をかなり取り入れて、情報の配信のしかたがかなり変化していることに気づきました。社員のブログもあったりして、業界では最も先を進んでいるんじゃないでしょうか。

同報メール(ブロードキャスト)がプッシュ型だとすると、サイトでの情報掲示がプル型、RSS配信はその中間と言うことができるでしょう。

受け手から見た場合、、RSSは情報の切れ端をまず見ることができて、どれを詳しく読むか取捨選択することができる。
これはいろんな意味で便利です。迷惑メールも含めて受信メールが幾何級数的に増えて、読まずに捨ててしまうメールが多い中、RSSで知りたいものだけを見ることができるというのは助かります。

また情報発信側としては、メールアドレスを登録してもらい、データベースを管理して・・・とコストがかかるブロードキャスト型よりも、RSS型の方が容易に仕組みを作れるメリットもあります。

例えばP&Gは商品のダイレクトな情報ではなくて、カテゴリー別にソリューション型の情報をすでにRSS配信しています。ストーニーフィールドという乳製品メーカーは、ブログ自体を持って情報発信しています。

ということで、RSSは情報発信手法として今後主流になって行くと思いますので、皆さんもそろそろ準備されると良いでしょう。

鈴木敏仁 (05:45)


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2006年7月27日
米国産牛肉の輸入再開

BSE問題で停止されていた米国牛肉の日本への輸出が再開されることが決まるそうですね。

日本が輸入停止を決めたきっかけは、検査基準を作ったのにもかかわらず、守っていない業者がいて、危険部位が混入している牛肉が見つかったからでした。
このとき米国の検査体制のずさんさに対し、多くの日本人の反応は「やっぱりアメリカ人っていい加減だね(爆)」的なものだったでしょう、たぶん。アメリカ人はいい加減、という表現はとても便利で、アメリカにおいて何か異なる状況に対峙したときにこれを使うとすべてが丸く収まってしまうことがとても多い。
アメリカ人もいい面の皮です(笑)

このとき私は、アングロサクソンのデファクトスタンダード型思考パターンを思ったのでした。

彼らは、何かことを進める場合、事前準備を100%せずに、とりあえず走り始めて、走りながら出てくる問題を解決して行き、ゴールを作り上げようとする傾向が強い。
スタンダードを作るときも、走りながら作って行って、できあがったものが事実上の標準となる。

一方日本人は、事を始める前に、重箱の隅をつつくようにすべてを検討し、一定の指針を作ってからはじめる傾向が強い。最初に標準を作って、これに従って行動して行こうとする。

アングロサクソンの慣習法と、日本の制定法も、これによって説明できたりする。

デファクトスタンダード型の思考回路を持ってますから、牛肉の検査体制を隅々まで完璧に作り上げるまえに、とりあえず走らせて、問題が出てきたら修正して行けばいいと考える。
しかしジュールスタンダード型の発想法をベースとしている我々は、これがどうしても理解できない。なんていい加減なんだ、となってしまう。

彼らは彼らのやり方で検査体制を作ろうとしたんだけど、問題が出てきたときにデジュールスタンダード型の我々がどう反応するのかと言うことに対してヨミが甘かったわけです。そう反応するかもしれないということをシミュレーションできていれば、もう少し違った取り組み方ができていたかもしれません。

まあそれだけ、米国の食品業界も体制が古いということです。
「も」としたのは、日本も大して変わらないからですね。

危険部位混入ケースが発生したときに、私はこんなことを思ったのでした。
とりあえずの、アメリカ擁護論、ではあります。

ただ全頭検査に対してこれだけグローバルプレッシャーがかかっているにもかかわらず、拒絶し続けてるアメリカの食品業界って、肝が太いと言うか、鈍いと言うか、図々しいと言うか・・・たいした業界だなとは思います(笑)

鈴木敏仁 (07:30)


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2006年7月26日
セルフレジは衝動買いを減らす

コンサルタント企業(IHL Consulting Group)の調査によると、セルフレジを使うお客は、普通のレジを使うお客に比べて、レジ周り商品の衝動買いの頻度が45%減るそうです。

アメリカではセルフレジは完全に定着し、ウォルマート、クローガー、ホームデポなど、かなり多くの企業が取り入れています。我が家近辺ではホームデポが導入しているのですが、私の場合、普通のレジに人が並んでいる限り、必ずセルフを利用しています。たかだか釘を買うのに、レジに並びたくない、というのがモチベーションですね。

もう一つ、子供がスキャンしたがるので、子供が一緒のときは、買い物中おとなしくしていたらセルフを使う、と子供と約束して使ったりしています。子供をおとなしくさせるために、セルフを使っているわけです(^^)

当然のことならが、急いでいる人がセルフを使うわけで、従ってレジ周り商品を衝動買いする確率が減ると言うのはかなりロジカルな話で、これを調査が実証したということです。

メリットもあるけど、デメリットもある。

例えばクローガーは、レジ周りにチキンの惣菜を置いたりして、視覚だけではなくて嗅覚に訴える、というような手法でこの問題を解決しようとしているのだそうです。

日本ではまだ実験段階に過ぎないと思うのですが、こんなデメリットもあると言うことは知っていて損はないでしょう。

鈴木敏仁 (04:04)


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2006年7月25日
インストアクリニックと米国医療システムの破綻

ウォルグリーンがインストアクリニックの拡大を発表しました。年末までに、アトランタ、シカゴ、ラスベガスで、各都市12以上の店舗でインストアクリニックを展開するとしてます。各都市ごとに、別々の企業とパートナーを組む模様。

流通ニュースCVSの買収RediClinicと記事にしてきましたが、リテーラーによるインストアクリニックのテナント展開は、完全なトレンドとなってます。

さて、前回のウォルマートの記事で、アメリカの健康保険システムは破綻していると書きました。細かい説明は省きますが、一つだけ指摘すると、健康保険を持っていない(または持てない)人が人口の約15%もいるという事実です。医療の不公平が常態化している。

実を言うと、リテーラーによるインストアクリニックの展開も、つまるところはこの壊れた医療システムに起因しているんですね。つまり、様々な理由で思ったとおりの医療を受けられない人たちが結構いて、リテーラーが彼らのニーズの受け皿として機能を果たし始めているというのが、私の見方なんです。

ということで、ウォルマート店員の福利厚生問題も、リテーラーによるインストアクリニックも、根っこの本質は同じところにあるのです。

鈴木敏仁 (06:35)


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2006年7月24日
ウォルマートがメリーランド州規制訴訟で勝訴

ここで言うメリーランド州規制とは、1万人を超える社員を雇う企業は給与総額の8%を健康保険に支出しなければならないという、メリーランド州が独自に制定した州規制のことです。

ウォルマートはメリーランド州で16000人を雇用しているのですが、多くの店員が健康保険に加入しておらず、州の公的福祉保険のやっかいになっていて、ウォルマートにそのコストを負担させることを目的として規制が成立しました。昨年末に州議会を通り、州知事が拒否権を発動したにもかかわらず、議会が拒否権発動を無効にして成立した経緯があります。

ちなみに州知事は共和党、議会の与党は民主党で、共和党対民主党の色合いが濃厚。
もう一つちなみに、ウォルマート店舗が多い州の知事は共和党という事実がありまして、反ウォルマート運動は民主党寄りなんですね。

この規制に反対して、ウォルマート等の大手リテーラーを代表してRILA(The Retail Industry Leaders Association)が地裁で訴訟を起こし、地裁の裁判官は、州独自のこの規制は州間の公平感を欠くとして違法という判断を下し、リテーラー側が勝訴したのでした。
労働者の福利厚生に関する規制は州別ではなくて連邦レベルで扱われなければならない、という論旨です。

表面上は協会の勝訴ですが、実質的にはウォルマートなので、表題では「ウォルマート勝訴」としましたし、米メディアのほとんどもそう捉えています。

メリーランド州議会は控訴するようで、ひょっとするともう一つ上の連邦最高裁判所までもつれこむ可能性もあるかもしれません。

この問題、本質はアメリカの健康保険システムの破綻にあるというのが私の見解でして、ウォルマートは単にスケープゴートになっているだけだと思っています。国が動かないから巨大企業であるウォルマートを狙うのがもっとも効果的、というわけです。

蛇足ですが、今回判決を下した地裁の裁判官はウォルマートのケースを取り扱うことが決まった直後に、持っていたウォルマート株をすべて売却したそう。日銀の福井総裁も見習うといいんじゃないでしょうかね(笑)

鈴木敏仁 (06:26)


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2006年7月24日
「リテーラーがバイアウトされやすい理由」Vol.10,No.30

アメリカ流通eニュース

 他企業の資本を借入金で買収し、てこ入れして価値を高め、資本を転売して利益を獲得するビジネスモデルをバイアウトと言う。日本では'買収ファンド'という表現が定着してしまっているようだが、このビジネスの本質を伝えきっていないように感じていて、やはりバイアウトを使うべきだと個人的に思っている。
 24日にHCAという病院チェーンがバイアウト企業に資本買収されたのだが、総額213億ドルという巨額なものであった。金融データ企業の調査によると、今年に入ってからのバイアウト総額はこれで3,730億ドルに達しているのだという。1ドル120円換算で、45兆円!
 小売業界も例外ではなくて、6月30日にマイケルズが60億ドル、そして7月14日にはペットコが16億8000万ドルでたて続けにバイアウトされている。

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鈴木敏仁 (02:18)


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2006年7月22日
アバクロがコピー商品防止の取り組みを開始

アパレル専門店チェーンのアバークロンビー&フィッチが20日に、世界中に出回っているコピー商品を減らすために、FBIで知的財産関連に携わっていた人物を雇って本格的な取り組みを開始すると発表しました。

理由は品質の劣悪なコピー商品が出回ることで、同社の信用が傷つくことを防ぐことにあるとしているのですが、それだけコピーが多く出ているということですね。
今後アジアへの進出を目論んでいて、その露払い的な意味もつ良いようです。

取り組みを始めること自体は目新しくはないのですが、FBIのエージェントを雇うところが、アメリカ的だなと感じて記事としました。日本でも天下りで役人を雇う企業は多いですが。

ちなみにアバクロはコピー商品取締りを専門としていている民間企業も雇っている模様なのですが、この民間企業の売上が伸びているそうです。
ニーズが増えているんですね。知的財産という認識が欠落しているアジア人が、そういうニッチビジネスを成長させているというわけです(笑)

鈴木敏仁 (08:56)


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2006年7月18日
ペットコが16億8000万ドルでバイアウト

ペット専門ディスカウントストア業界2位のペットコが、バイアウト企業に資本買収されることになりました。総額は16億8000万ドル。つい最近クラフト専門ディスカウントストアのマイケルズが同じくバイアウトされたばかりで、小売業界では立て続けということになります。

なぜ小売企業がバイアウトされやすいのかというと、不動産を持ちかつキャッシュフローが潤沢だからなのですが、その理由はさておき、今回のペットコのケースのおもしろさは、00年にバイアウトされ02年に再上場したばかりという点にあります。
このときバイアウトした企業が、今回も買った。
これは何を意味しているのでしょうか?

ペットコの業績は悪くありません。
しかし株価は思わしくなく、05年の1月から半値まで落としている。理由はガソリンの高騰がペットへの支出を抑えるだろうと市場が見ているから、だそうです。

おそらく、一度再上場して利益をゲインしたが、その後株価が落ちたため、再び買って、再々上場を目指す、ということなんですね。
要は、このバイアウト企業は、株の一部を買って値上がりを待つというかわりに、丸ごと買って丸ごと売って利益を得ようとしているわけで、普通の株式投資と本質は同じということいなるわけです。

ただ同じとは言え、我々日本人から見ると、実に大胆というか(笑)

資本が変わるということに対してなぜかアレルギーを起こす日本人にとってはちょっと難しいディールだと思いますが、株主資本主義体制においては、理論的にはこんなこともあるんだよといういい参考例だと思います。

鈴木敏仁 (04:42)


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2006年7月17日
ウォルマートがオーガニックキャンペーンを開始

ウォルマートがオーガニックの広告プッシュを開始しました。予算数百万ドルを投入し、TV、ラジオ、オンライン、チラシ、インストアとすべてを利用して、オーガニックを宣伝しはじめた。

キーワードはこれ。
"Introducing Organics at the Wal-Mart price"、価格の安さを強調しています。

オーガニックはいわばプレミアム商品でして、スーパーマーケットとしてはウォルマートのような価格志向型フォーマットとの差別化の武器であったわけです。ウォンツ型の粗利益を稼げる分野と言う事もできる。
ここに、ウォルマートが切り込んできたわけで、スーパーマーケット側は対応を考えざるを得なくなるかもしれません。

またこのオーガニックという領域であまり強い存在感を示していないターゲットが今度どうするのか。

オーガニック戦争の火蓋が切って落とされた、というような印象です。

鈴木敏仁 (03:34)


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2006年7月17日
「インストアTVネットワークが持つポテンシャル」Vol.10,No.29

アメリカ流通eニュース

 今回は前回のトピックの中で出てきた、店頭でのTVネットワークについて簡単にまとめておこうと思う。日本ではあまり触れられていない分野だと思うし、テーマが違うので私も書いたり話したりすることがないのだが、実はかなりの規模であることと、使い方次第では非常におもしろいツールになると思われるのである。

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鈴木敏仁 (02:16)


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2006年7月16日
CVSがインストアクリニックを買収

ドラッグストア大手のCVSが、ミニットクリニックという企業を買収することを発表しました。
ミニットクリニックは、小売店舗内で簡単な医療サービスを提供するビジネスを展開している企業で、現在全米に83箇所を所有、そのうちの66箇所がCVS店舗だそうです。

インストアクリニックについてはアメリカ流通eニュースで書きましたので詳細は省きます。小売店舗内に店を構えてはいるものの、立派な医療サービスプロバイダーでして、これを小売企業のCVSが買うということのインパクトは決して小さくないでしょう。

CVSは買収による成長を柱に据えているんですが、その対象はリテーラーに限定されていない。そんなことがよく分かるニュースです。

鈴木敏仁 (05:05)


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2006年7月14日
シアーズの副会長が退任、その退職金は...

シアーズホールディングの副会長、アラン・レイシーが今月末で退任することが発表されたのですが、退職金のトータルがすごい。なんと$50ミリオン、1ドル120円換算で60億円です(@_@)

彼は前シアーズのCEOだった人なのですが、シアーズホールディングとなってKマートとくっついた時点で取締役会副会長(日本語表現だと副議長?)となっていました。
このポジション、閑職でして、いわば窓際においやられたようなものなんですね。
これは、会長であるエドワード・ランパートの意図でした。

シアーズの前CEOアーサー・マルチネスが退任したときに、後継として目されたのがこのレイシーと、ポール・ウォルターズという人だったのですが、結局レイシーが継いだ。
この人は財務畑を歩いてきた人で、一方のウォルターズは商品部。そのときのシアーズは、利益の半分以上をクレジットカードビジネスが占めていた時代で、しかしリテールを何とかしなければならないというときで、どちらがCEOになるかでシアーズの考え方が分かる、と言われた。結局レイシーが選択され、ああやっぱりシアーズは信販業なんだなあと思ったものです。

そして結局この人は、物販を立て直すことができなかった。その後大株主だったランパートの強いプッシュでクレジットカード事業を売却し、そして合併し、必要とされなくなった、というストーリーです。

この人が、$50ミリオンですから。
ストックオプションの比率が大きくて、シアーズホールディングの株価は高騰してますから、まあ、分からないでもないですが。

ホームデポのナーデリも最近高級を批判されてます。

アメリカの企業統治の仕組みの一部が、壊れてしまっている気がするのは、私だけではないでしょう。

鈴木敏仁 (02:33)


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2006年7月11日
スーパーマーケットでの商品の価格

アメリカのスーパーマーケットで売っているティッシュペーパーは、日本と比較するとかなり高いようです。研修で来られる多くの方が指摘されます。しかしながら、これによって、「日本も商品の価格が安くなったなあ、アメリカの物価高いじゃん」と断じてしまうので短絡かなと。

アメリカのスーパーマーケットにとって、紙製品はロスリーダーになりえません。たぶん昔はそうだったでしょうが、今は少しぐらい安くしたところで、それを目当てにお客が来る確率は非常に低い。
理由はメンバーシップホールセールクラブ(MWC)の存在です。例えば我が家の場合、洗剤や紙製品がなくなると、じゃあそろそろコストコに行こう!となるのですが、これはどこで買うかということを考える以前の決定行動となってしまっていて、スーパーマーケットやドラッグストアのプロモーションを見比べるということすらしません。それだけMWCでのコモディティ価格が安いことに対する強い信頼感があるということになります。

この状況で、スーパーマーケットがロスリーダーとして紙製品を使うということは、まずありえないわけです。食品の買い物中に、「あっ、そう言えばティッシュがなかったな、しばらくコストコに行く用事はないし、面倒だからちょっと高いけど買っちゃえ」的なついで買いニーズとなる。ですから、むやみな値下げは無駄だからしないし、粗利益率も高めに設定してしまう。

もちろん、P&Gとキンバリークラークの2大メーカーが独占している市場ですから、価格の下落を意図的に抑制している可能性もあるでしょう。

アメリカに進出して失敗した日本の紙メーカーが存在するのですが、進出を検討した際の大前提が、'アメリカの紙製品は高い、日本は安い'というものでした。その通りなのではありますが、そうなる理由があった、という点についての洞察が足りなかった。
こういう話は、米国の流通を生活視点にまで掘り下げて考えてみないと見えてこないものではあります。

鈴木敏仁 (06:01)


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2006年7月10日
「店頭広告の一般メディア化を指向する米国流通業界」Vol.10,No.28

アメリカ流通eニュース

 PPAI(Promotional Products Association International、国際販促物協会)という販促物を作る、または使う企業の協会が、インストア広告調査(In-store Advertising Study)というベンチマークスタディを主催し推進しようとしているのだが、主要企業であるウォルマートとP&Gが6月に委員会から脱退することを表明した。理由は明らかになっておらず、様々な憶測が流れている。
 興味深いのは、店頭をメディアと捉えて、テレビやラジオ広告と同等の測定基準を作ろうという、このベンチマークスタディの目的である。

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鈴木敏仁 (02:14)


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2006年7月 8日
アホールドUSA、46店舗を売却

アホールドUSAが6日に、オハイオ州北西部商圏のトップス46店舗を売却する予定であることを明らかにしました。ニューヨークとペンシルバニアを主商圏としているため、この46店舗はコアではないと判断した、としています。
トップスの店舗数は現在119店舗。

アホールドUSAはスキャンダル発生以来ダウンサイジングモードです。USフードサービスという外食卸を売るという話が出ては消え、米国事業そのものを売るという話しさえ出ては消え、ということが繰り返されています。

鈴木敏仁 (08:12)


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2006年7月 7日
クリスピークリームが日本上陸

ドーナツ専門の外食チェーン、クリスピークリームが日本進出を決めました。
バイアウト企業のリヴァンプ、ロッテ、ロッテのオーナの重光武雄が合弁企業を設立、クリスピークリームとフランチャイジング契約を結んで、今冬から店舗展開を始めるそうです。関東エリアで今後5年間で40店舗を展開する予定と報じられています。

クリスピークリームは創業1937年と老舗なのですが、82年に資本が変わり戦略を転換、96年にニューヨークに進出して火がつき、00年に上場し急成長。しかし旧経営陣による無理な拡大戦略がたたって歯車が壊れ、倒産寸前まで行き、現在は何とか持ちこたえて再建途上、という企業です。

実はただのドーナツ屋なのですが、お客にウケた理由はドーナツを作る過程を店内で見ることができること、子供にサンプルを1つくれること(この2つは子供ウケする)、そして安いこと、にあります。

さらにニューヨークの成功で行列ができたこと、これが大きかった。各地に進出するたびに行列ができて、これがマスコミに報じられて、さらに混雑するという、ループができあがった。
ロスに進出して来たときも、「ようやく来たか!」なんて感じで、いそいそと行った覚えがあります。
ちなみにもう飽きてしまって、最近はパーティ用に買う必要があるときなど特別な理由がない限り、行かなくなってしまいました(笑)

以上のウケた理由を逆に言うと、比較的大きな敷地が必要となる、サンプル分コストがかさむ、安さのトレードオフとして生地が軽い、といったネガティブ要素も持っているのと、流行が去った後どうするかという問題を抱えていたわけですね。

拡大を急いだのは、株価を気にし過ぎたためと言われています。スーパーマーケットなど他業態でも販売を始めて、ブランドが希釈されたことも問題視されました。
また前CEOが、自分が所有していたフランチャイジーを会社に高額で買い取らせるなど、上場に浮かれたモラルなき行動も指摘されていました。

米国には朝食代わりにドーナツ、という文化があります。
例えば何らかの理由があって、会社にお菓子のおみやげを持って行こうというときに、クリスピークリームのドライブスルーに立ち寄って、1ダース買って出勤するといった行動は常識です。

一方の日本ではドーナツは主役ではない。このハードルは高そうです。

クリスピークリームの成功はひとえに、ニューヨークでの大成功によって行列ができたことにあり、日本での成功も一号店に行列ができるかどうかにかかっているかもしれないですね。
私なら、サクラを雇うかも(笑)

鈴木敏仁 (02:09)


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2006年7月 6日
ブリストルファームが苦戦しているわけ

ロサンゼルス空港のそばにスペシャリティ型スーパーマーケットのブリストルファームDSCF4286.jpgが、新店をおよそ5年ぶりにオープンしました。ブリストルファームはアルバートソンズに買収された、南カリフォルニアに11店舗を展開する企業で、現在は周知のごとくスーパーバリュ傘下です。

オープニングは4月19日、もともとはアルバートソンズがあった場所ですが、マリーナデルレイにはさまれたLA空港の北側地域が高所得者向きの住宅ゾーンに再開発されていて、そのため転換したようです。こういうパターンは今後増えるのかもしれないですね。

さてこの店舗を先月末に、食品メーカーさんの社員研修の一環で訪問しました。ロサンゼルスで、食をネタとして研修を組むと、やはりブリストルファームははずせない、そういう、まあお約束的な企業であるわけです。

ただ個人的には、この企業のレベルは少々低いなと感じています。数年前にはベンダー間で資金繰りに問題があるという情報が出回ったこともあり、運転資金の枯渇が新店ペースのスローダウンにつながったと思っています。
その間に、ホールフーズがどんどん出てしまったし、ラルフスはフレッシュフェアというスペシャリティ型を増やしてしまったし、押される一方です。

そういう視点で見てしまうと、結構アラが見えてしまう。

例えば店舗デザインという観点からは、最近のトレンドは天井をはずして頭上を広くしてしまう手法がトレンドなのですが、取り入れずに通常の作り方にとどまっている。
床はいまはウッディにするのが主流なのですが、石系のタイルを使用していて、一見ゴージャスではあるのですが、流行をはずしてる。店員の膝にも悪そうです。

またアソートメントも細かく見ると、スペシャリティ系なら持っていなければならないだろうと思うアイテムが相変わらず欠落していて、ひょっとするとウォルマートの実験店舗のほうがいいのでは、なんて思ってしまいました。
青果では、リンゴのSKU数は10を切っていて、ディスカウント系並みの品揃えしかない。オーガニックの品揃えも悪い。

これじゃあ、隣にホールフーズが来たら、吹っ飛んでしまうでしょう。

ちなみに我が家の近くには1号店があるのですが、これがひどい。とうの昔に改装時期を迎えたが、資金がなくて放置しているんだろうなという古いままの店で、とりあえず売場は小奇麗ではあるのですが、トイレが汚くて、行く気を失わせる。食品スーパーマーケットでトイレが汚いのは最悪で、トイレの衛生管理ができなくて生鮮の管理ができるわけないというのが、私の持論です。
社長が店舗周りをしてないか、トイレをチェックするセンスがないのか・・・。いずれにしても、エクセキューションレベルは低い。

アルバートソンズに買われ、スーパーバリュ傘下に入り、資金繰りがよくなったのか、急に出店を強化し始め、サンフランシスコに出すなんてことを言ってますが、このままでは苦戦しそうな気がちょっとしてます。

鈴木敏仁 (02:49)


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2006年7月 4日
ライブドア、村上ファンド、そして日銀福井総裁

今日は独立記念日でして、国民の祝日です。普通の人はお休みですが、ここ数週間忙しい私は残った仕事を終わらせるために、朝6時から仕事してます。10時には切り上げて、家族と過します。

さて今回はお休みということで、いつもと違うネタです。

ライブドア、村上ファンド、そして日銀福井総裁
この3つのケースに私は、何か共通するものを感じてます。日本人特有の、お金を不浄のものとする文化に根ざしているように思えること、メディアが煽っている印象が強いこと、などですね。

村上Fのケースの直後に、知人がメールを送ってくれました。私がなんとなく思っていたことを代弁していただいたような内容なので、以下抜粋します。

「・・・要するに、ホリエモンも村上も、エスタブリッシュ層の逆鱗に触れ、お灸をすえられたんだよね、という解釈がほとんどです。インサイダーはだめですよ、もちろん。でも、目をつけられたら最後、いきなり身包みはがされて、ばしばしたたかれたら、そりゃ埃のひとつはたちますよね。おなじ捜査をすべての機関投資家・ヘッジファンド、個人、経営者、政治家にやったら、そりゃ疑わしいものはでてくるでしょう。やっぱりお上の裁量行政という日本の体質はぜんぜん変わってないじゃないか・・・」

福井さんはエスタブリッシュメントに擁護されてますが、前者二つのケースは明らかに、出すぎてたたかれた印象です。

「・・・ついでに、この一件に対するマスコミと一般大衆の反応にはちょっとウンザリです。'お金さえもうければいいというのはいかがなものか'とか、'やっぱり米国型の市場主義経済は問題だ'とか、'株主価値を優先するからこういうことが起こるんだ。'という反応。インサイダー取引が問題ですから、これは公正に市場が機能しなかったことが根本問題なのに、市場主義とか株主価値そのものを否定しにかかる。ましてや、お金をもうけることを問題にする、というのは、まったくナンセンスだと思いませんか?このあたり、大変生意気な言い方ですが、日本は教育から変えていかないとだめだと思いました。道徳・倫理・規律と株主価値や市場主義ということは、決して相反する概念ではないはずです。むしろ、前者がないと後者がなりたたない、後者を死守するために前者を徹底しないとだめなんだ、というコンセンサスがないんです・・・」

もう、まさにその通りだと思うわけです。

'マネーゲーム'という表現がありますが、これにはネガティブな意味が込められていることがほとんどじゃないでしょうか。
こう考えてみて下さい。
100万円資本があった。これに利子を乗っけて売る。
100万円の資本とは原価であり、利子は荒利です。つまり原価(資本)があって、荒利(利子)を乗せて売るわけだから、小売業や製造業となんら変わりはない。

時代が進むにつれて、売り方にもバリエーションが増える。REITや先物など、いろいろ出てくる。これは、イベントとか、ロイヤルティマーケティングとか、小売業でいろいろな売り方が出てくるのと、同じでしょう。

金融だけ否定的なニュアンスを含んだゲームという表現にになってしまうところに、日本の文化の欠点があると私は思います。

ちなみに現ゴールドマンサックスCEOのヘンリ・ポールソンがブッシュ政権の次期財務長官として指名されましたが、ポールソンは自分が持っている同社株をすべて売るそうです。
詳しいことは知りませんが、何の規制もない状況下でアメリカ人のみ清廉潔白に行動するとは思えないので、アメリカにはたぶんそういう規則があるのでしょう。
そういう意味においては、規則がなかったという環境において、福井総裁に罪はない。しかしながら、官僚というものは、高い志を持って日本という国を支える使命を持ち、その見返りとして特権を持つわけで、利殖という行為とは本来相容れません。したがってうかつだったという言い訳はあまり説得力はない。身を投げ打っても日本を支えるという高い志があるのかと疑われも、文句は言えないでしょう。

でも、堀江や村上とは異なり、エスタブリッシュメントサイドにいる福井さんが、首を切られるということは、ないんだろうなあ...。
最近ちょっと風向きが変わってきたような印象はありますが・・・。

鈴木敏仁 (05:50)


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2006年7月 4日
コカコーラ・ボトラーとウォルマートの熱き戦い

コカコーラのボトラーがゲータレードの物流問題で、コカコーラ本体を相手として訴訟を起こしているそうです。

コカコーラは、店舗に商品を直送する典型的なダイレクトストアデリバリー(DSD)メーカーです。ウォルマートはゲータレードを自社物流網に乗せたい意向があり、コカコーラ本社がこれを受け入れた。しかしボトラーが反発して、契約違反として本体を訴えたというわけです。

コカコーラ本社による裁判所での証言によると、DSDをやめてDC配送にしたらゲータレードの仕入れボリュームを2倍にする、しかし今のままのDSDを維持するならばPBを導入する、とウォルマートはコカコーラに迫ったのだそうです。

背景を理解するために必要な知識は2つ。
まずコカコーラには資本関係の無いボトラーが数多くいて、彼らの店舗直配体制をコカコーラ本社は簡単にはコントロールできないことです。

2つ目は仮説として、ウォルマートがDC配送を迫るということは、ボトラーによるDSDに対してウォルマートが不満を持っているのではないかということです。仕入れボリュームを2倍にするということは、DC配送にすればそれだけ売れると見込んでいるからに他なりません。たぶんボトラー配送には欠品が多いのではないでしょうか。

この件、詳細は流通eニュースに書きます。

鈴木敏仁 (05:47)


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2006年7月 3日
「ウォルグリーンがリージョナルチェーンを買収した理由」Vol.10,No.27

アメリカ流通eニュース

 ウォルグリーンによるハッピーハリーというリージョナルチェーンの買収ガ、6月初頭に発表された。およそ1ヵ月後の6月29日には、メドマークというスペシャリティファーマシーも買収している。およそ買収とは縁遠いと思われているウォルグリーンなのだが、若干の軌道修正をし始めたようだ。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (02:11)


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2006年7月 1日
[月刊MD]戦略としての差別化を考える

価格へのこだわりは小売業の志
 小売企業が競合を戦い抜く場合、価格問題が最重要テーマであることは議論を待たない。価格競争は無益だなどと語る識者がたまにいるが、自分の胸に耳を当てながらよく考えてみると良い。同じ商品を安く売る店があったら、そちらで買うに決まっているのだ。人間というものは、そういうものだ。
 価格を下げるための努力は流通業者の使命であり、これが世の中を発展させてきた原動力でもあり、これを放棄することは志を捨てるに等しいだろう。
 ウォルマートがあれだけ大きくなって、今でも成長を続けている理由の一つに、アイテムマーチャンダイジングというものがある。単品に徹底的にこだわってMDを構築しようとする考え方で、従ってアイテムの価格にも執拗なほどにこだわる。これを世界最大の売上高を誇る企業になってもやっているから、今でも失墜せずに成長を継続できている。
 ただ、価格を下げる努力は小売業の志ではあるのだが、戦略なくしてむやみな戦いを続けると、いつか泥沼に陥るから不毛だと考えることは普通ではある。
 ウォルマートもおそらく80年代初頭に価格競争の壁にぶつかったのだと思うのだが、しかしこの企業はメーカーからのリベートに頼って値下げ販売する旧来の手法から脱却して、EDLP/EDLCという新たなビジネスモデルを作り上げることで、流通業界に革新をもたらしてしまった。アイテムの価格にこだわり続けることは旧来のやり方では泥沼化は避けられないわけだが、異なる次元へと昇華することでさらに価格を追求し続けることに成功した稀有の企業と言う事ができるだろう。
 参考までに、同社のアイテムをベースとする考え方は、カテゴリーをベースとするカテゴリーマネジメントとは袂を分けており、ウォルマートはわが道を行ってしまっている。ウォルマートのビジネスプロセスに対抗するために生まれたのがECRであり、SCMであり、カテマネであり、と考えると、ウォルマートが対抗勢力のやり方に迎合する必要など無いわけだ。
 また単品ごとの在庫管理を徹底する単品管理とはまた違う。個々のアイテムが売れるのか売れないのか、価格はそれでいいのか、といったことをバイヤーが執拗に考え抜くことがアイテムMDであり、在庫の管理手法はまた別の話だ。
 小売業とは個々のアイテムについて価格を含めて考え抜きながらこつこつと積み重ねて行くビジネスであり、そのプロセスであるマーチャンダイジング(MD)こそがこのビジネスの成否を決定するものであることについては、誰も異論がないだろう。

<続きは月刊マーチャンダイジング06年7月号をご覧下さい>

鈴木敏仁 (02:26)


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