2013年4月30日
ホステス・ブランズの破綻とアメリカの労働組合 ~ その後

こういうエントリーを昨年の11月にしました。
ホステス・ブランズの破綻とアメリカの労働組合

その後、入札企業にウォルマートやクローガーが混じっていて話題となったのですが、結局5つに分断されて売却されることになったようです。
そのうちの最も有名なトィンキーズを買収したのが投資会社で、まもなく生産を再開するのですが、労働組合員を雇用しない方針であることが分かりました。

上記のリンク先のエントリーにもあるように組合が破綻を選択したわけですが、けっきょくそれが裏目に出たことになります。
分断された残りの4つのブランドはメーカーが買っておりたぶん組合が関連すると思うのですが、トィンキーズは規模が大きくて工場の数も多く、詳しい数値は分かりませんが全組合員の半分ぐらいは職を失うことになったのではないでしょうか。

非組合員として再雇用されれば済むことですが、おそらく給与は下げられることでしょう。とすると、最悪でも減給で再雇用されれば良い、可能性が少しでもある破綻を選択した、ということなのかもしれません。

専門外で論ずる資格がないのでここまでとしますが、最初のエントリーに書いたとおり、労使関係というものを考えさせられる事例だと思っています。

鈴木敏仁 (08:22)


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2013年4月27日
[アメリソースバーゲン] 決算発表時にウォルグリーン/ブーツとの提携に言及

ドラッグホールセラー大手のアメリソースバーゲンが第2四半期の業績を発表したのですが、ここでウォルグリーン/ブーツとのパートナーシップについて言及、アメリカの薬の調達システムや物流について知らないと分かりづらい内容ではあるのですが、なるほどそういうことなのかと私は合点がいきました。
提携の内容を簡単に言うと、ウォルグリーン/ブーツはアメリソースバーゲンの株を買って株主となり、その上でアメリソースバーゲンから薬を調達する。

アメリソースバーゲンはこの提携によってコーオプとして展開しているグッドネイバーファーマシー3,400店舗にも好影響を与えるとコメントしていて、ああ、なるほどと。

アメリカのホールセラーは小売の本社機能を提供しており、一方のリテーラーは配送センターからの物流を所有しており、起点が違いますが両者は並列です。
そしてウォルグリーン/ブーツがアメリソースバーゲンから薬を買うと、バイイングパワーが飛躍的に増える。
薬の調達窓口をアメリソースバーゲンに一本化するというわけです。
結果として恩恵はウォルグリーン/ブーツとグッドネイバーファーマシーが受けることになる。

いっさい言及はありませんが、このパートナーシップの動機はPBMとのパワーバランス、向こうに傾いてしまっているものをこちらに引き戻すことにあると思っています。

鈴木敏仁 (07:28)


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2013年4月26日
[フェアウェイマーケット] 上場で1億5,880万ドルを調達

NYを地盤とするスーパーマーケット、フェアウエイが先週上場して1億5,880万ドルを調達しました。

この企業、もともとはマンハッタンの中にある総菜を中心にしたスーパーで、割とよく知られた店舗でした。2007年に4店舗の時点で投資企業が買収(つまり創業ファミリーが売却)、その後フォーマットを小型のグルメスーパーとしてマンハッタン外に店を増やし、現在12店舗です。

競合するのは、ホールフーズ、トレーダージョーズ、フレッシュマーケット、といったところでしょう。

しかし12店舗で上場してしまうんですねえ。
しかも赤字で、2014年までは赤字が続くと予測していて、投資対象としてはリスキーこの上ない。
投資企業が極めて早い段階で出口を求めたということでしょうか。

正直なところピンとこない上場ではあります。

鈴木敏仁 (05:19)


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2013年4月25日
[ギャップ] ネット商品の店頭受け渡しをテスト

ギャップがネット販売商品のインストアピックアップの実験を開始するようです。
お客がネットで注文した商品をお客の都合の良い店舗でお取り置きし、もし翌日中に受け取りに来なかった場合は在庫に戻すという仕組み。
ネット上で決済せず店頭で決済する点が、ウォルマートやベストバイがやっているインストアピックアップとは異なります。
昔からあるお取り置きというシステムをネットでやる、といったところです。

なぜネットで決済しないのかは説明がないのですが、決済してしまうと受け渡しだけになってしまうが、店頭決済にすれば少しでも買い回ってもらえる可能性があるからでしょうかね。

カギは在庫でしょう。
ネット上の表示と店頭の在庫がきっちりシンクしているかどうか。
メイシーズのCEOが、オムニチャネルとは在庫問題だと言っていたのですが、その通りだと思います。

6月から10店舗で実験するそうです。

鈴木敏仁 (07:20)


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2013年4月24日
[ウォルマート] マイケル・デュークの年収は2,070万ドル

ここ二週間ほど出張が重なりアップデートが遅れました。これからキャッチアップしていくつもりです。

ウォルマートのCEO、マイケル・デュークの年収が明らかとなりました。証券取引所に提出される資料を参考にしてメディアが報じているもので、昨年一年間の年収は14%アップの2,070万ドルだったそうです。
日本円にすると20億円ぐらい。

これが高いのか、低いのかは、いろいろな比較方法があるので一概には言えません。
ウォルマートクラスの年商企業ならばこのぐらいは妥当とも言えるし、売上高の少ない競合企業にはもっと高い経営者がいますので低いとも言えるのですが、その会社の平均給与と比較した経済誌(フォーチュン誌)の試算によると上から2番目に高いようで、一言で結論づけることができません。

また創業経営者は給料が安い傾向が強いのですが、会社を資産として所有しているケースがほとんどですから給料が安くても痛くもかゆくもないと言え、サラリーマン経営者と単純比較することができませんよね。

ただ、サム・ウォルトン時代からは上層部の給与水準は確実に上がっていて、組織の上が重くなってくる典型的な企業疲弊の萌芽のようなものが見えてきているということは確実に言えると思っています。

鈴木敏仁 (06:12)


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2013年4月18日
[英テスコ] アメリカからの撤退を公式発表

アメリカ撤退を示唆していた英テスコが公式に撤退を発表しました。売却先は決まっていませんが、不採算資産をすでに償却し、2012年度の最終利益高は前年比マイナス96%の1億2400万ポンドと大幅の減益を計上しました。
償却の内訳は、英国内の不動産が8億400ポンド、アメリカのフレッシュ&イージーが12億ポンド、ポーランド・チェコ・トルコの営業権が4億9500万ドル。

正式に撤退が決まったことで、次の焦点は誰がどう買うのかに移りました。

鈴木敏仁 (10:30)


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2013年4月16日
[JCペニー] 運転資金確保のために8億5,000万ドルを調達

JCペニーが18億5,000万ドルのリボルビング融資枠を利用して8億5,000万ドルを調達しました。
運転資金確保のためですが、新たに投入するホーム関連商品の仕入れが主な目的となるようです。

融資枠内なので投資企業による評価は落とされていないのですが、キャッシュフローが切迫してきていて資金繰りが厳しくなっていることがうかがえます。
資料ではベンダーへの支払いはスケジュール通りと強調しており、強調すると言うことはベンダー間にも不安が広がっているような感じがします。
小売の破綻の引き金はベンダーによるCOD要求がほとんどですからね。
切迫した状態ではベンダーが生死を握ります。

今後はまったく予断を許しませんが、自社所有の物件が少なくないので、不採算店舗の切り売りによる資金確保も起こりえるんじゃないでしょうか。
また投資会社との話し合いも持っているようなので、バイアウトの可能性もあるでしょう。

その前に、暫定CEOのマイク・アルマンの次は誰なのかが最大の関心事なのですが...

鈴木敏仁 (06:34)


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2013年4月13日
[クローガー] 電気自動車(EV)の充電スタンドを125店舗に設置

クローガーが電気自動車用の充電スタンドを傘下のラルフスとフード4レスの125店舗に設置すると発表しました。
実際に設置するのはエコタリティという専門業者で、クローガーは150万ドルを投資するそう。

クローガーは現在、オレゴン、ワシントン、テキサスの各州ですでに60カ所を展開していて、はじめての導入というわけではありません。
また業界ではホールフーズやウォルグリーンなど導入に積極的な企業が他にも存在します。

クローガー曰く、これで儲けることが目的ではなく、充電には時間がかかるのでその間に買い物をしてもらうのが目的だとか。
エコな企業としてのイメージアップも目的の一つですね。

今のところ充電スタンドに対しては政府から補助金が出るので、今のうちに作っておいて、長期的なリターンを期待するということになるのでしょう。

電気自動車の普及にはスタンドも含めたインフラの充実が不可欠で、小売企業による充電スタンドの大量設置は評価できる事例だと思います。

鈴木敏仁 (06:06)


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2013年4月11日
[ターゲット] ギークスクワッドの導入を中止へ

先週末にベストバイがサムスンストアを導入する記事をアップしましたが、今回はターゲットが実験していたベストバイによるギークスクワッドの展開をやめるニュースです。
ギークスクワッドは、PCを修理したり、お客の家に行って無線LANのセットアップをしたりといった、テクノロジー分野で発生する様々なサービスを提供するベストバイ傘下の事業の名称です。ベストバイ店内でショップ展開していますね。

これをターゲット店内でやってみようということで、数店舗で実験していたのですが、だめでした。

このニュースを聞いて思ったのは、アメリカのマスリテーラーによる対面サービスに対する投資効果意識は非常に強いなということです。
ターゲットはマスリテーラーの中でも対面サービス志向の強い企業で、都市部の一部の店のビューティ売場に専用の人員を配置すると言うことをやってます。ブーツ売場でブーツのビューティ担当が立ってサービスをするということもやったのですが、これはなくなりました。

日本だと人をつけて売ればなんとかなるという意識が強いと思うのですが、米リテールのマス環境では対面はないことが大前提なのでつける場合は相当シビアになるのだろうと考えています。

鈴木敏仁 (04:49)


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2013年4月 9日
[JCペニー] ロン・ジョンソンを更迭、後任は前CEOのマイク・アルマン

ペニーのロン・ジョンソンがついに解雇されました。後任は前CEOのマイク・アルマン、おそらくは暫定政権で、すでに次を探し始めていることでしょうが、任務が重すぎてなり手がいないのではないかという観測が流れています。

ジョンソンによる改革プランによって売上高が激減し、株価も急降下していますが、まだ途上で結果が出たというわけではなく、今の段階で解雇するというのは珍しく、ジョンソンにとっては痛恨といったところでしょうね。

この人事、動いているのは大株主でもある機関投資家のビル・アックマンなのだそう。
ジョンソンを引っ張ってきたのもアックマン、反対する取締役が多い中ジョンソンによるドラスティックな改革案を支援したのもアックマン、そしてここ数週間に急に批判的になって引導渡したのもアックマン、ということのようです。

個人的には、ジョンソンのやろうとしていることの本質に間違いはないと思っているのですが、いかんせん、急に変えすぎましたね。
お客がついてこない戦略転換でした。
5年ぐらいのタームで改革を進めるべきでした。

これからの興味は、ジョンソンの改革案が継続されるのか、次の経営者は誰なのかという二点なのですが、運転資金が厳しくなりつつあるという話もあって、予断は許されない状況のようです。

鈴木敏仁 (09:19)


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2013年4月 6日
[ベストバイ] サムスンのインストアショップを導入

ベストバイがサムスンのインストアショップ、英語で言うところのStore Within a Store(店舗内店舗)を導入すること発表しました。
ダラスでしばらく実験し、結果が出たので第2四半期から増やしてゆくそうです。

ベストバイはアップルのインストアショップをすでに導入しているのでこれで二社目となりますが、サムスンの方が面積が大きいようですね。またサムスンは精算用のレジを設置するようです。アップルにはレジはなく、商品をベストバイのレジに持って行く必要があります。

ベストバイが広い売場をもてあましてしまっていることはここでも何回か書きました。
日本だと中古ショップ入れたり、時計や眼鏡を売ったり、HBCを置いたりと、バラエティストア化してしまうところなのですが、そうしない、またはできないところがアメリカの流通業界の特徴で、その理由について書いてると長くなってしまうので別の機会に譲ることにします。

たぶんこのサムスンショップを導入しても、大型店舗はまだ売場が余るでしょう。
次の一手に興味が集まるところです。

鈴木敏仁 (04:00)


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2013年4月 5日
[ウォルグリーン] インストアクリニックで慢性病のモニターサービス開始

ウォルグリーンが店内で展開するインストアクリニック、テイクケアクリニックが糖尿病や喘息といった慢性病をモニターする医療サービスの提供を始めました。
競合のCVSはすでに提供していますので、サービス内容で追いついたことになります。

インストアクリニックで医療を提供しているのはナースプラクティショナーかアシスタントドクターで、提供できるサービスはベーシックな病気に限定されています。
これに慢性病のモニターを加えることは、提供側の技術的には問題がなくても、保険がカバーするのかという点と、医者からの反発もあって、簡単なことではないんですね。

資料には医師協会のコメントが出てますが、やはりネガティブです。

オバマケアによる改革で来年から全国民が健康保険を持つことになり、医者不足の深刻化が問題視されていて、ウォルグリーンはこの問題がなければモニターサービスを開始することはなかったかもしれないとコメントしています。

この医者不足を解消する、それと医者による医療サービスを補完する(たとえば高血圧患者の診療は医者がやって血圧の計測は営業時間の長いインストアクリニックが担当する)、だから医者の領域は侵害しないというのがインストアクリニック側のロジックなんですけどね。

ちなみにインストアクリニックは現在全米に約1400カ所あるそうで、そのうちCVSのミニットクリニックは640カ所、テイクケアクリニックは370カ所、CVSは2017年までに1500カ所にまで増やすと言ってまして、今後の急増のほとんどはCVSが引っ張っていくことになりそうです。

鈴木敏仁 (05:05)


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2013年4月 4日
[ライトエイド] ネット販売のプラットフォームをアマゾンに委託

ライトエイドがネット販売のプラットフォームをアマゾンに委託しました。細かい契約内容は不明。
ライトエイドはもともとドラッグストア・コムに運営を委託していたのですが、ウォルグリーンに買収されたため、契約期間終了とともにアマゾンに切り替えたということのようです。

自社でプラットフォームを開発するリソースがないのでアマゾンへということなのですが、諸刃の剣ですよね。
アマゾンもHBCを扱ってますから競合します。
それでもアマゾンが持っている技術的な優位性を取ったというわけで、分からないことはないのですが。

ボーダーズがアマゾンに委託していたのですが、最終的にはアマゾンとの競合に負けてしまったことを思い出します。

ネット販売のノウハウは、自分でやらないと検索や推奨といった技術のノウハウ積み重ねることができず、年を経るにつれて自前でやっている競合企業に追いつけなくなります。
アマゾンとグーグルがこのノウハウで突出しているわけですが、ウォルマートがポラリスというオリジナルの検索エンジンを昨年投入しましたよね。
この分野でも一生懸命追いつこうとしているわけです。

ライトエイドはやっぱり負け組だなを実感するニュースです。

鈴木敏仁 (08:10)


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2013年4月 3日
[トイザらス] 業績悪化で再上場プランを廃止

2010年の5月に証券取引所に再上場を申請、ところが直後から業績が悪くなってそれ以来ずっと延期してきたのですが、正式に上場申請を取り下げたようです。
トイザらスが投資グループにバイアウトされ非上場となったのが2005年ですからすでに8年が経過。
ちなみに買収したのは、ボーネード・リアルティ・トラスト、ベインキャピタル、KKRという著名な投資企業で、総投資額は66億ドルでした。

2005年に買収してテコ入れした結果、その直後から業績は急回復したようなのですが、それでは再上場というところになって急に業績が反転してしまった。

このトイザらスの不調の原因は、競合と市場の変化にあります。
競合とはつまりウォルマーやターゲットというリアルに加えてアマゾン等のネット販売伸長してきたこと、市場の変化とはデジタル化が進んでリアルな玩具の市場が縮小していることです。

直近の四半期の業績は減収減益、既存店成長率は4.5%減。

投資グループがこれからどこに出口を見出すのか、非常に興味を引くところです。

鈴木敏仁 (06:09)


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2013年4月 2日
[アマゾン] 書籍のソーシャルサービス、グッドリーズを買収

アマゾンが書籍のソーシャルサービスを提供するグッドリーズ(Goodreads)を買収すると発表しました。
買収金額は公開されていませんが、1億6000万~2億ドル程度になるだろうと予測されています。

グッドリーズの創業は2007年、書籍の感想、意見、推奨といったものを共有できるサービスで、登録者数は1600万人だそう。
資料によるとグッドリーズの影響力は非常に強く、アマゾンは自身の推奨機能これを加えることで極めて強力な販促能力を得ることができそうです。

ただしグッドリーズが独立サイトであることに価値を見いだしている使用者が減ることも懸念されていて、これからアマゾンがこのサービスをどう取り込んでいくのかに注目が集まります。

いずれにしても、アマゾンがまた一つバーンズ&ノーブルの先を行ったような印象ですね。

鈴木敏仁 (07:21)


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