ウォルグリーンによるアライアンス・ブーツとのディールは、最初は45%の株式取得による投資で、その後残りの55%を2015年までに買い進めることができるというオプション付きでした。今年の2月からオプションの行使が可能となり、ウォルグリーンが全株買収の意思を表示したことをメディアが報じています。
この報道に付随して出てきたのが、法人税の節約のために本社をアライアン・スブーツ側にしてしまうことを同社が検討しているニュースでした。
要するにアライアンス・ブーツを親会社にしてしまうわけですね。
アライアンス・ブーツはスイスに本社を置いているそうで、かなり節約できるそうです。
気になって調べてみたのですが、アライアンス・ブーツは登記上はスイスで、経営本社はイギリス、とありました。
そもそもアライアンス・ブーツ自体がおそらく節税目的でスイス法人にしてしまっているんでしょうね。
これに対して、ウォルグリーンの愛国精神うんぬんをメディアが論じています。
個人ではできないことを法人がやるというのは不公平だという議論も出ている。
ウォルグリーンは検討しているということを明言していて、いまのところ否定していません。
グローバル大手企業のほとんどが税法上の抜け穴をついて目立たないようにいろんなことをやっているようなので、ウォルグリーンもそれに参加してしまうのかどうかに過ぎないでしょう。
経済とはそういうもので、嫌なら法律を変えるしかないというのが実際のところでしょう。
今日は少々趣向を変えて商品の話を。
下の写真はトレーダージョーズで売っているPBで、1つ目は韓国海苔、2つめは濃縮コーヒーです。
韓国海苔が登場したのはいつだったか覚えていないのですが、ここ数年のことです。
これをアメリカ人が食べるのか・・・、と店頭で初めて目にしたときは驚いたモノでした。
ところがエンドで積まれている商品を大量に買っているアメリカ人を見て、なるほどそういうものかと。
スナックとして売っているのですが、塩が効いているのでポテトチップのように止まらなくなってしまう、いわば中毒性がある。
我々が通常食べる普通の海苔だったら売れないでしょうが、スナックにすればアメリカ人も海苔を食べはじめるわけです。
濃縮コーヒーはこの半年ぐらいじゃないでしょうかね。
これも店頭で見たときは驚きました。
用途はホットでもアイスでもということなのですが、日本ならアイスでしょう。
アメリカでアイスコーヒーが定着したのはまだこのほんの10年以内のことですが、缶コーヒーやスタバで買うレベルで、家庭で飲む人は少なような気がするので、アメリカ人はホットで飲むのかもしれません。
これはたぶんまだあまり売れていないように思います。
濃縮コーヒーは他で売っている店を私は知りません。
スナック韓国海苔はひょっとしたらホールフーズにあったかな・・・というレベルで、これもまだ一般スーパーマーケットにはないですね。
でも両方ともにこれから一般に普及する可能性は十分にあるとみています。
この2つを見て思ったことは、トレーダージョーズの新商品に対する積極的な姿勢。
ガッツがあると言っても良い。
ハイリスク・ハイリターン。
まだ存在しない市場で商品を開発するということは、トレンドセッターになろうとしているとも言えます。
このマーチャンダイジングに対する積極的な姿勢の積み重ねが今のあの魅力的なPB群につながっているわけ。
後追いしてるだけじゃダメということです。
カリフォルニア州のホールフーズがお客に対してオーバーチャージしていたとしてトータル80万ドルの罰金を課されたと報じられました。
違法行為として指摘されている内容がおもしろいので抜き書きします。
ラベルに表示されている重さよりも中身が軽い
サラダバーのお皿の重さがレジでマイナスされていない
重さで売るよう規制されている商品を個数で売った
アメリカは地方自治体が代行業者をを雇って定期的に抜き打ち調査をしています。
対象は当然ホールフーズだけではなくて、客数の多い大手小売企業すべてが含まれています。
また今回のケースでは1年間にわたって調査しており、期間も長い。
私の覚えている限り、アルバートソンズ、ラルフス、ボンズと、カリフォルニアの大手はみんなやられてます。
住んでいないので報道に気づかないだけでおそらく他州でも起こっていることでしょう。
ペナルティは自治体の懐に入るわけですが、お客が過剰に支払わされたものを市が税収がわりに取り戻した、というロジックなんですね。
この考え方は日本にありません。
ちなみにお客は少なく支払っていることもありえるわけで、全体としてはひょっとすると相殺されている可能性もなきにしもあらずなのですが、このあたりが統計的にどうなのかの説明はないのが現状であります。
本日のウォールストリートジャーナル紙が面白い記事を載せていました。
ターゲットCEOの解雇の前提として、上層幹部からのプレッシャーがあったという内容ですね。
一部の幹部がターゲットをどうすれば改善できるかという会議をして、その結果が、もしスタインヘイフェルがやめなければ自分たちがやめる、で、これを取締役会に伝え、その直後にスタインヘイフェルの解雇が決まった、という話。
つまりスタインヘイフェルの仕事に対してほとんどの幹部が疑問を持っていたということです。
ざっとまとめると・・・。
ターゲットの強さであったクリエイティブな魅力は自由闊達な企業文化によって支えられていたのだが、スタインヘイフェルがCEOになってから組織がビューロクラシー化して硬直化しクリエイティビティが失われた。
私は昨年半ばぐらいからターゲットがつまらなくなったとあちこちに書いたり、言ったりしてきたのですが、なるほどそういうことだったのかと腑に落ちました。
どんなに素晴らしい企業でも、経営者1人でだめにしてしまうという好例ですね。
あのホームデポも、たった1人が経営を破壊してしまいました。
リーダー不在の状況が続いているターゲットですが、誰がCEOとなって、そして復活なるのかどうか、興味深いところです。
アマゾンが音楽のストリーミングサービスをはじめました。
名称はアマゾン・プライム・ミュージック、対象はプライムメンバーのみ。
スポティファイやパンドラと同じく定額で聞き放題というサービスですが、アマゾンの場合はプライム会員費に含まれているという点でユニークです。
映画(プライム・インスタント・ビデオ)と書籍(キンドル・オーナーズ・レンディング・ライブラリー)の2つに音楽が加わって、エンターテイメント分野の定額システムで残るはゲームだけとなりましたね。
たぶんファイヤーTVがゲームの前触れではないかと思うので、4つ揃うのは時間の問題でしょう。
プライムには2日宅配無料が含まれています。
つまりこれらの定額系サービスはすべて宅配のてこ入れとして存在するとみることができる。
結局のところネット販売ビジネスにとって避けては通れない配送料というハードルをいかに下げるか、これにつきるわけです。
アマゾンはこれを下げるために新たなプログラムを休むことなくどんどん投入しているわけですが、一方のリアル小売企業は店頭受け渡しで配送料無料にするぐらいしか手がなくて革新的な何かを打ち出してきたとは言い難いのではないか。
相変わらずアマゾンの新たな挑戦が続いています。
ウォルマートが先週株主総会を開きました。同社の株主総会は企業戦略を詳しく説明する場というよりも株主や社員に対して自社のパフォーマンスをアピールする場となっていて、何か特に目新しい情報を得ることは例年あまりありません。
ただEコマースについての言及が多かったようで、現在の業界のトレンドを反映したものでした。
このEコマースですが、今年度のネット販売の売上高予測が13億ドルであることを明らかにしました。
この数値はもともと出ていたものなので、再確認みたいなものですね。
昨年度が10億ドルなので30%増、この伸び率はEC市場の伸び率やアマゾンを上回っているので、決して低い数値ではありません。昨年の連結売上高4760億ドルの3%程度しか占めていないのですが、比率が小さいのは分母が大きいからで、13億ドルというのはやはり大きな売上高だと思います。
日本円にすると1兆円を超えているわけで、ネット販売単体ですでに日本の上位小売企業並みというわけです。
昨年度のEリテーラーランクでウォルマートはステープルズに次いで4位なのですが、おそらく今年はこれを抜いて3位となるでしょう。
ちなみに前回のエントリーで書きましたが、大手小売企業によるネット販売は、売上高で3位、比率で1位のステープルズがやはり最も規模が大きく、その次がウォルマートです。
日本ではメイシーズが進んでいるということになっているようですが、やはり理由が分かりません。メイシーズのネット販売比率は14.9%と比較的高いのですが、ギャップが14.0%、ノードストロム13.9%、Lブランズ15.1%、ニーマンマーカス22.2%等々と比べると突出しているというわけでもなく、根拠がよく分からないというのが私の正直な印象であります。
ステープルズがシアトルにEコマースのR&Dオフィスをオープンさせました。
サンノゼに次いでこれで2ヶ所目。
それぞれが異なる分野で研究開発を行うようで、シアトルは検索やSEOが中心、サンノゼはカスタマイゼーションが中心と資料にありますが、それ以上の詳細は不明です。
シアトルにオープンさせる理由はアマゾンとマイクロソフトからの人材引き抜きでしょうね。
私の知る限り、EコマースR&D部門の独立オフィス持っているのは、ウォルマートとターゲットとこのステープルズの3社だけです。
日本では、アメリカでネット販売で先を走っている企業はメイシーズと言うことになっているようですが、私の理解ではウォルマートとステープルズだと思います。とくにステープルズの認知度は日本では低そうですが、ネット販売の売上高はアマゾン、ウォルマートに次いで3位で、実はEコマース大手なのです。
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