ホールフーズがロイヤルティプログラムの実験をこの夏からダラスエリアの店舗に拡大することが明らかとなりました。
2014年からフィラデルフィア周辺の11店舗で実験していたもので、今回の拡大でさらに12店舗が加わることになります。
この12店舗に加えて、先週オープンした365でもロイヤルティプログラムをやってました。
おそらくこれから増えるであろう365はすべて導入するんじゃないでしょうか。
ダラスへの拡大と365での導入、それと経営陣のコメントを読むに、同社のロイヤルティプログラムの全店舗展開は近いように思います。
ロイヤルティプログラム(またはID-POS)は、他社との差別化要因がなくなってしまい、競合がコモディティ化したときに有効な価格戦略です。
航空業界ではじまったのも、今も全盛なのも、これが理由です。
つまりホールフーズのロイヤルティプログラム参入は、差別化が難しくなってきたということを暗にほのめかしているようなものなのです。
既存店も伸びなくなってきましたし、しょうがないのでしょうが、値下げ販促すら一切やらなかった昔の強いホールフーズを思い起こすと、とうとうそういうときが来たのかという感慨を持ってしまうのは、たぶん私だけなのかもしれませんね。。。
写真は365で実施しているロイヤルティプログラムのPOPです。
ウォルマートが店頭でのプライスマッチングのプログラムを、6月初旬をもって500店舗で中止すると報じられました。
500店舗のロケーションは未公開。
プライスマッチングはチラシ価格よりも自社価格の方が高かった場合に差額を返金する昔からやっている有名なプログラムです。
アプリのセービングキャッチャーを使ったプライスマッチングは継続するとのことで、つまりアプリを使用させようという意図が見え隠れしています。
そもそもプライスマッチングは競合他社のチラシを店頭に持参し店員に見せる必要があるのですが、店員によって対応が異なるなど標準化されていない欠点が指摘されています。
クレームも少なくないらしい。
たぶん実験だと思うのですが、ひょっとするとすべてアプリに収斂させていくのかもしれませんね。
ウォルマートのレジでスキミング用のデバイスが見つかったようです。
システムをハックして入り込む手法ではなく、カードリーダーに上からかぶせてしまうマニュアルな手法でデバイスが取り付けられてしまいます。
こちらに実物の写真があります。
Skimmers Found at Walmart: A Closer Look
2人組でレジにやってきて、1人がキャッシャーに何かをやって注意をそらし、その隙に1人がかぶせてしまうという手法で、記事にもあるようにセイフウェイでも見つかってますし、ローカルのコンビニなどでも見つかっていて、けっこうやられているみたいですね。
ハッカーが高等な技術を駆使してひっそりとシステムに侵入してデータを盗んでしまうだけではなく、アメリカではこういう荒っぽいやりかたでも日々カード情報が盗まれているのです。
このためにチップベースのカードへの転換を業界は進めているのですが、なかなか広まらない。
デバイスの入れ替えにコストがかかるからですね。
それと理由のもう一つはカード会社による手数料問題で、ウォルマートがVISAを相手取って訴訟をおこしたばかりです。
チップの場合、昔ながらのサインに加えて安全なPINも使えるようになります。
ここでVISAが、サインの方に高い手数料を設定している。
そのためウォルマートはPINのみとしたいのだが、VISAがそれを認めない。
手数料収入が減ってしまいますからね。
PINにするとVISA以外のネットワークが使えるようになり、そうするとVISAの手数料に大きな影響が出るからだ、と言う話もあるようです。
アメリカは先進国の中でも決済手法のアップデートが最も遅れている国でして、そのためいまもいろいろなトラブルが発生しているのです。
Organic Trade Associationがオーガニック市場の統計数値を発表しました
昨年度のアメリカのオーガニック市場は433億ドルで前年比11%増、食品市場全体の伸びは3%なので、やはり伸びています。
市場全体に占める比率は5%となっています。
その他の数値を参考までに。
・食品:397億ドル(前年比11%増)
・非食品:36億ドル(前年比13%増
【伸びているカテゴリー】
青果:144億ドル(10.6%増)
乳製品:60億ドル(10%増)
スナック:23億ドル(14%増)
伸びている理由の大半は、生産量が増えて、価格が下がり、一般のマススーパーマーケットも取り扱い始めていることにあります。
そのため、ホールフーズの業績が少しずつ悪化しつつあるわけですね。
オーガニック市場はまだしばらく伸びることでしょう。
自主再建の道を模索したスポーツオーソリティですが債権者との合意に至らず、資産売却のオークションが実施されて、リクリデーター三社が競り勝った模様です。
これによって廃業が決まったことになります。
買うのはゴードン、ヒルコ、タイガーキャピタル、在庫に対して101%を支払うという条件となっているので、リクィデーターが在庫を丸ごと買ってしまうやり方のようですね。
リクィデーターによる請け負い方は、手数料方式とこの在庫丸ごと方式と2つあります。
丸ごと方式の場合は、債権者にとってのリスクは減じますが、高く売れたときの儲けが取れないというマイナス面もあります。
リクィデーターによってのメリットとデメリットはその逆ですね。
競合のディックスも入札したようですが、数店舗の買収しか興味がなかったようです。
スポーツオーソリティという商標がどうなるのかについてはまだ情報がないのですが、これもリクィデーターが買うのではないでしょうかね。
そうすると、リネンズンシングのようにネット販売で名前が残るという可能性はあります。
それと日本での商標使用権がどうなるのかという興味もあるのですが、もし今後もイオンが使い続けるのであれば商標を買った会社にライセンス料を支払うことになるのでしょう。
イオンが買ってしまうという手もあるようにも思いますが、どうでしょうね。
ウォルマートが宅配に定額制を導入しました。
名称はシッピングパス、年会費49ドルで、2日間宅配が無料となります。
会費50ドルで一部の地域で昨年から実験していたものを49ドルとして正式に導入したのですが、今のところ紹介制となっていて、まだ広く一般には開放していません。
ソフトオープン、といったところですね。
2日間宅配を実現するために、フェデックスやUPSといった大手よりも廉価なリージョナルレベルの宅配業者と組むようです。
宅配は規模がモノを言います。
アマゾンは大手から大きな割引を獲得しているようで、スタートアップが太刀打ちでくなくなりつつある。
ジェフ・ベゾスはこれを想定して赤字でもいいからシェア獲得を最優先してきたわけです。
ウォルマートも例外ではなくアマゾンの物量に勝てず、そのためナショナルキャリアではなくリージョナルキャリアと組む戦略に出たわけですね。
定額制もアマゾンの後追いです。
アマゾンが全てにおいて先手を打っている状況で、もはや後追いしか手がない、という印象です。
ステープルズによるオフィスデポ買収提案に対して、FTCが差し止め請求し、これに対してステープルズが提訴して争われていた案件に対して、連邦地裁がFTCによる差し止めを支持する判決を下しました。
これによって買収プランは事実上不可能となり、ステープルズは正式に買収をあきらめると発表しました。
ステープルズによるオフィスデポ買収が挫折したのはこれで2度目です。
焦点になっていたのはネット販売との競合なのですが、とくに法人市場においてステープルズとオフィスデポのシェアがまだ高く、合併することで価格競争が弱まって法人顧客が不利益を被るとFTCが主張し、これを司法が支持したのでした。
要するにアマゾンが法人市場でまだ大きなシェアを持っていないということです。
消費者にとっては歓迎できる結果ですが、企業としては厳しいですね。
スポーツ用品のスポーツオーソリティが破綻しましたが、もはや一つのカテゴリーに大きなチェーンストアが2社以上存続することは難しい時代です。
このままアマゾンがどんどん伸びると、ステープルズかオフィスデポのどちらかがいつか倒れる(可能性としてはオフィスデポ)というシナリオになるのかもしれません。
アマゾンが新たに航空機を20機リースすると発表しました。
3月に20機リースする計画を発表していますので、これで40機ということになります。
今回の契約は前回とは異なる会社(アトラス・エアー・ワールドワイド)で、今後5年間で株式の20%、7年間でさらに同10%を購入できるワラントをアマゾンに対して発行するようです。
前回のエアー・トランスポート・サービスとの関係でも同様のワラントを取得しており、アマゾンは資本関係を結びながらリースするという戦略を取っています。
ひょっとすると最終的には買収してしまうのではないか、などということを考えてしまうディールですね。
ベストバイが先月サービス(ギークスクワッド等)部門担当の役員としてトリッシュ・ウォーカーという女性を採用したのですが、この結果10人いる上級役員中の6人が女性となって、半数以上を女性が占める企業となりました。
資料では、"男が多数を占める悪評高きテクノロジー業界において"という表現を使っているのですが、たぶんそれ以上に保守的な小売業界において極めて画期的な人事と言えそうです。
ベストバイは優秀な人材を求めていたら自然にこうなった、という言い方をしているのですが、CEOのフバート・ジョリーは女性をもっと活用しなければいけないと語っていて、おそらく意図はあったものと思います。
ちなみにUSリテール部門の責任者、シャリー・バラードは現場からのたたき上げの人なのですが、人望が厚く、能力も高く、ベストバイが傾いたときにひょっとしたら抜擢されるのではないかとも言われた人です。
けっきょく再建の任を託されたのはジョリーで、たぶんまだ荷が重いと判断されたのだろうと思っているのですが、ジョリーがあと数年で退任して次はバラードだろう、と私は見ています。
今回の人事はベストバイが大きく変わったことの象徴的なニュースなのではないでしょうか。
ティーンエージャーを対象とした衣料専門店チェーンのエアロポステールが連邦破産法11条の適用を申請して破綻しました。
清算はせずに自主再建を目指す、破産手続き終了後の6ヶ月以内におよそ800店舗中の154店舗を閉鎖する、といった再建プランが提出されているようです。
目を引くのが投資会社との確執、同社の株式8%を持ち、さらに取り引きしているサプライヤーの株式も持っているシカモア社が意図的に破綻するよう仕組んだとエアロポステールが主張していて、金銭的なトラブルがあったようです。
まあ、破綻する場合は必ず何かが背景で起こってはいるんですけどね。
パシフィックサンウェアに続いてティーン向けの専門店チェーンが破綻したことになりますが、いつものことながらアパレル専門店業界の浮沈は激しいと痛感します。
ちなみにエアロポステールはメイシーズが開発し育ててスピンオフした企業です。
再来週の5月17日に株式会社イー・ロジット様主催のセミナーで話をします。
米スーパーマーケット業界の現状とEコマース、がテーマです。
以下、詳細をご参照下さい。
第9回米国流通&物流セミナー ~オムニチャネル!ネット通販!リアル店舗など~
なお、昨年9月にダイヤモンド・フリードマンさん主催で実施してご好評を頂いたセミナーを定例化して、今年も開催する予定です。
どんな内容にするかは現在検討中ですが、退屈しないよういろいろ趣向を凝らしたいと思っています。
詳細は近々リリース予定です。
ターゲットがサンフランシスコの店舗で、店頭在庫をカウントするロボットを実験しているようです。
実験期間は一週間、ロボットの名称はTally、商品位置の間違い、売価ミス、在庫量、などをチェックするそうです。
日本でも実験する企業が出てきているみたいですよね。
かなり近い将来、実現化するような気がします。
The future is here! Target in downtown San Francisco has a robot that scans the aisles managing inventory! pic.twitter.com/Nug1cpJhZL
-- Mike Yawney (@Gadget_Guy) 2016年4月26日
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