バージニア州の州議会が自動宅配ロボットの車道走行を認可しました。
あとは州知事の署名待ち、署名されると7月から走らせることが可能になるそうです。
資料によると、原則として歩道走行、歩道がない場合は時速25マイルを上限として車道走行可、重量制限は500ポンド、となっています。
ヴァージニア州は全州に先立って、2017年に重量50ポンド以下のロボットの歩道走行を許可していて、今回は修正法案です。
この規制で俎上に上がっているのがアマゾンが実験しているスカウト。
バージニアに第2本社を作るということもあり、州が協力しているのかもしれません。
今月初頭には連邦当局(National Highway Traffic Safety Administration)がニューロ型の無人ロボットの走行を暫定的に認めています。
ニューロ型とはスカウトよりも大型で、バックミラーやウィンドシールドと言った装備なしでの走行を暫定的に認可、と説明されていました。
アメリカは新しい技術を受け入れるための規制緩和や修正のスピードが速いですね。
硬直化している日本と対照的です。
以前から噂されていたアマゾンゴーの拡大版がシアトルにオープンしました。
名称はアマゾンゴー・グローサリー、売場面積は7,700sqf(216坪)なので、日本のメディは"大型"と表現してますが、コンビニサイズのアマゾンゴーと比べると大きいということで、一般的には小型スーパーとなりますね。
アイテム数は5,000。
青果を揃えていて、重さ売りが多いアメリカで青果をどう扱っているんだろう疑問に思ったのですが、公開されている写真を見るに単品ごとに価格を固定しているようですね。リンゴを画像で認識したら、設定されている売価を1つ適用する、といった手順です。
とすると青果の大きさを上流で統一しなければならず、効率は悪そうですね。
インタビューでは、難しかったのはお客の購買行動がグローサリーと青果では違っていたこと、と責任者が語っています。
私のようなAIの素人は青果の微妙な違いをどう画像認識できるんだろうと考えがちですが、それよりも人の動きが難しかったと言っているわけです。
ちなみに店舗面積は10,400sqfで、売面を引いたバックルーム面積が25%占めています。
全体の4分の1をバックルームにするのは、おそらくエッジコンピューティング用のマシンを置く場所のためだろうというのが私の見立てです。
ただの推測なので間違っていたらゴメンナサイ。
ギャップが中古ファッションのスレッドアップと提携しました。
お客が中古の服をギャップに持ち込むと、ギャップやバナナリパブリックといったグループ企業で使えるポイントがもらえます。
今は店舗でそれを使うとさらに15%の割引がつく販促も実施している模様。
スレッドアップはメイシーズやJCペニーとも提携してますが、ギャップは店舗数が多いので影響力ははるかに大きそうですね。
中古ファッションはアメリカでブームで、その理由の多くは若年層のエコ意識にあります。
ギャップはこれで再び若年層にアピールすることを狙っているのでしょう。
H&Mがリサイクルボックスを店内に設置し始めていますが、ギャップは別のやり方でアプローチをはじめたというわけです。
LブランズのウェクスナーがLブランズのCEOを辞任し、同時にビクトリアズ・シークレット株の55%を投資企業のシカモアに売却し連結から外すと発表されました。
ウェクスナー、やっと退任なのですが、Lブランズの取締役として残るようなので、院政を敷く可能性は残されてます。
彼はもう82才で、トレンドに大きく左右されるアパレル業界では少し厳しいですよね。
ビクトリアズ・シークレットが変化できずに世の中に取り残されてしまったのも、彼の感度が鈍ってしまったからだとしか言えないわけです。
でも創業者って会社は自分の大切な持ち物だという感覚があって、そうそう簡単に手放せないようなので、しょうがない一面もありますね。
ウェクスナーの凄さは、リミテッドで垂直統合型の製造小売をはじめて成功させたことと、それ以来次のブランドを作り成功させ続けてきたことにあります。
既存のブランドを変化させるよりも、違うブランドを開発する手法を取ってきた。
ブランドというものは簡単に変化させることのできる代物ではないですから、その手法は正しい。
ところがビクトリアズシークレットとバス&ボディワークス以来、次の成功例を作ることができなくなってしまった。
そして変化させなかったので既存のブランドがどんどん陳腐化していった。
例えば、ビクトリアズシークレットはセクシー路線で成功しましたね。
これを突然いま流行のナチュラル志向に変えることはできない。
だから取るべきだった手法の一つとして考えられるのは、新興デジタルブランドを買収して次の別ブランドとして育てることでした。
ウェクスナーはそういうことをやってきた人なんですよね。
結果としてリミテッドも含めて過去の自分の作品とも言えるブランドを売却せざるをえなくなり、Lブランズとして残ったのが2つで、そのうちの1つのビクトリアズシークレットも過半を売却し、最後に1つだけ残して引退というわけです。
小売業界で革新を起こしたイノベーターがまた一人消え、時代の移ろいというものを感じざるをえません。
先月初頭に940店舗中の450店舗の閉鎖を発表したばかりのピアワンインポーツが、連邦破産法11条の適用を申請して破綻しました。
自力再建はしないようで、3/23をデッドラインとして買収企業を探すとしています。
適用申請した時点での資産価値は4億2,660万ドルで、一方の負債総額は2億5,830万ドルだそう。
負債が資産を超えているわけではないので、資産整理はスムーズに進みそうです。
ただブランド名といった知的財産は売れそうですが、事業そのものは難しいかもしれませんね。
破綻の理由としてデジタル化の遅れを指摘するメディアがほとんどですが、マーチャンダイジングが飽きられたというのが最大の理由だと思いますよ。
いつ行っても同じような雰囲気の店作りとアソートメントでしたから。
ホームファッションはその名の通りファッションなので、飽きられないための変化に対する努力はアパレル専門店と同じだろうと思います。
連邦破産法11条の適用を申請して破綻し、裁判所管轄下で売却と清算の双方を選択肢として検討していたフォーエバー21ですが、モールデベロッパーのサイモンとブルックフィールド、それとブランドの知的財産をマネッジするオーセンティック・ブランドグループの三社がジョイントで買収することが決まりました。
総額は8100万ドル、最盛期には40億ドルを売った企業ですから、8100万ドルは激安と言って良いでしょう。
なぜ家主が店子を買収するのか。
リーススペースが空いてしまうと、他のテナントからクレームが来て、最悪家賃を値下げせざるを得なくなるからでしょう。
とにかくとりあえず営業を継続させることを最優先する。
いったんダメになった企業を再生できるかどうかは別問題。
サイモンがどう手を打つのか楽しみですね。
今年のアメリカ視察はNYとしました。
NYはホテル代が高めなのと交通混雑が激しく低効率なので可能な限り避けたい視察地ではあるのですが、ウォルマートIRL、ノードストロム新店、アマゾンゴー、スチュー・レオナルド新店、ハドソンヤーズ等々、いま見るべき店舗が目白押しということもあり、選んでみました。
6/7~6/11の3泊5日です。
ぜひご参加下さい!
アメリカ視察ツアー@NY
日本であまり報じられていないようなので共有します。
米セブンが本社内で社員に限定して、商品スキャンなし、レジなしの、アマゾンゴー型システムの実験を始めたようです。
テクノロジーを提供している企業は不明。
アメリカでは数社がすでに実店舗で稼働させはじめているのですが、やはりアイテム数は少なく、商品形状も大きいものに限定されます。
店舗数もまだ少ない。
ただ米セブンがはじめたことで、まだどれも実験段階ですが徐々にですが広がりつつあるようです。
ちなみにアマゾンはすでに23店舗なので、定義上はすでにチェーンストア化しています。
メイシーズがこれから3年間に125店舗を閉鎖すると発表しました。
メイシーズ店舗は現在約400店舗とのことなので全体の3割に達します。
おそらくリース切れに合わせて順次閉めていくのでしょう。
また本社全社員数の10%にあたる2,000人の解雇や、例えばサンノゼのテクノロジーオフィスの閉鎖など、人員やオフィスの整理にも着手します。
メイシーズは15年前のメイデパートメントストアとの統合時がピークで店舗数は800ありました。
すでに半分まで減って、これからさらに減らしていくということになります。
JCペニーは株価が低迷して取引所から上場廃止勧告受けてますし、デパートメントストア業界は相変わらず不調です。
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