2006年10月31日
CVSのミニッツクリニック

DSCF4646.jpgバージニア州では簡易医療サービスプロバイダーのミニッツクリニックを併設している店舗も訪問しました。
簡易医療サービスプロバイダーについては、以前オースティンのHEバットに関するトピックで記事にしました。

小売店舗内のテナントとして簡易医療サービスを提供する企業は現在全米に5社くらい存在しますが、ミニッツクリニックはたぶんその中でも最大手だと思います。CVSは7月にこの会社を買収しました。その時点でミニッツクリニックは83ヵ所で医療サービスを展開、そのうちの66ヶ所がCVS店舗内でした。現在はすでに100ヶ所を超えています。

 成長要因を端的に言うと、アメリカの医療保険制度に欠落している部分を埋めていること、日常の商業に属する小売フォーマットのほとんどが調剤を取り込んでいて小売業と医療の関係が日本のように希薄ではないこと、の2つを指摘することができるでしょう。

DSCF4647.jpg法整備が進み始め、健康保険も適用され始めているので、このビジネスは今後伸びると考えています。

驚くことは、ドラッグストアのCVSがこの医療プロバイダーを買収したことでしょう。CEOのトム・ライアンはすでにかなり前から単なる小売企業から、小売と医療ケアプロバイダーを融合させたような新しいコンセプトへの変革の絵を描いていたそうで、彼にとってはその絵に沿った買収だったようです。CVSはスペシャリティファーマシーという別フォーマットも持っています。CVSの最近のライフと呼ばれるプロトタイプもユニークなのですが、今後行こうとしている道筋もユニークで、プロトタイプの大量投下による拡大戦略を突き進むウォルグリーンと対比すると、これが差別化というものなのだという格好の材料となると思っています。

鈴木敏仁 (06:04)


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2006年10月30日
史上最強究極のコンビネーションストア、ウェッグマンズ

現在長期出張中です。昨日はワシントンDCに滞在し、今日はダラスへ移動しました。 DSCF4637.jpg

ワシントンDCでは、バージニア州にあるウェッグマンズを訪問しました。このフォーマットは史上最強究極のコンビネーションストアだと私は考えていまして、このためにワシントンDCを訪問地として選んだもののようなのです。

ウォルマートをベンチマークする日本の小売企業は多いですが、企業哲学として低価格を指向しないのであれば、この企業をベンチマークしたほうがよほど良いでしょう。ただしウェッグマンズは価格もきちっと打ち出している企業ではありますが。

この企業をどう理解するのかについては、ぜひ私の研修やセミナーにご参加くださいませ。

鈴木敏仁 (06:26)


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2006年10月30日
「ウォルマート、来年の出店ペースを減速」Vol.10,No.44

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが毎年10月恒例となっているアナリストや投資家向けのカンファレンスを開催した。現状説明や来年のビジネスプランが発表されるため、注目度がいつも高い。
 先週末、ウォールストリートジャーナル紙が株式面の1面に大きく、「Investors to Wal-Mart: Slow Construction pace(投資家からウォルマートへ:建設ペースを遅めよ)」という記事を掲載している。強気の設備投資で新店とリモデルを強化しているが、売上が伸び悩んで強気の投資に見合うリターンが出なくなってきている、そろそろスローダウンして、配当など別のリターンを増やせ、というような文脈であった。
 こういう記事が出ること自体アメリカならではなのだが、ウォルマートに対するメッセージ記事がカンファレンス開催の前週末に掲載されるということは、このカンファレンスに対する注目度が非常に高いことを意味している。
 さて、今回発表された来年のプランだが、キーワードはウォール街期待通りの'減速'であった。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (03:37)


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2006年10月27日
リー・スコット、日本事業の継続を明言

ウォルマートネタが続きますが、ご勘弁のほど。
カンファレンスでリー・スコットが日本へのコミットを明言しました。
実際のコメントの抜粋ではないのですが、公表されている情報を元にして要約します。

 「これから5年間日本に対して、必要とされるリソースをうまく配置しなければならない」。
「ウォルマートの創業者サム・ウォルトンがこのアメリカで成し遂げた戦略を、日本に適用する最良の機会だ。この目標を現実化するために、今後5年間日本において、配送ネットワークと店舗に投資を継続する」。

つまり日本事業は5ヵ年計画なわけですね。過去この点についてここで書いたことがありますが、リー・スコットは現在57歳で、5年後は62歳で引退を考える年です。いろいろな意味で、2012年前後はウォルマートにとって節目となりそうな気がしますね。

「日本とまったく同じ市場は確かに他にはない。日本の状況は他と異なっている。ドイツでは手ごわい低価格志向のリテーラーがいたが、日本にはそういう競合がいない」。

ドイツについてはアルディを念頭においているのでしょう。やはりアルディに勝てなかったというわけですね。もちろん日本には大黒天物産やオーケーのような低価格志向のリテーラーはいますが、中堅の域を出ていないから手ごわい競合というわけではまだない、ということを言いたいんでしょうか。でも・・・手ごわい競合だと思いますけどねえ。

 「複雑なトランザクションや配送慣行といった日本にユニークな構造を改善できれば、圧倒的な低価格を提供できるようになって、日本の消費者の支持を獲得できる」。

上記のコメントと重ねると、やはりロープライスを指向したいわけです。

 「来週日本に行って、店舗視察をし、どう前進するか話し合うつもりだ」。

 だそうです。リー・スコットが来週日本の西友店舗に出没しますので、西友の現場の皆さん、言いたいことのある人はどんどん伝えましょう(^^)

鈴木敏仁 (01:20)


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2006年10月26日
ウォルマート、来期の投資規模を縮小

アナリストや投資家を招いての毎年恒例のカンファレンスで、ウォルマートが来期の投資プランの縮小を発表しました。この件は流通eニュースにしようと思っているのでここでは詳しくは書きません。

先週末にWSJ紙が、「Investors to Wal-Mart:Slow Construction pace(投資家からウォルマートへ:建設ペースを遅めよ)」という記事を載せました。投資に対するリターンが低下してきているから、そろそろ出店ペースをダウンして、その分配当なりなんなりでリターンを増やせ、という内容でした。
この記事にはちょっとうなりました。
そして、翌週、投資家の要求に応えたのか、偶然なのか、スローダウンの発表となったわけです・・・。

鈴木敏仁 (10:48)


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2006年10月25日
ウォルマート対スーパーマーケット、ジェネリック価格をめぐっての戦い、その2

HEバットに次いで、ウェッグマンズも100アイテムにつき値下げすると発表しました。

私の視点ですが、アメリカにはナショナルチェーンを凌駕する強いリージョナルスーパーマーケットが4社あります。パブリックス、HEバット、ウェッグマンズ、ジャイアント・イーグルでして、そのうちの2社が相次いでウォルマートの攻撃を受けてたったというわけです。

偶然ではないでしょうね、これは。

鈴木敏仁 (02:20)


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2006年10月24日
ウォルマート対スーパーマーケット、ジェネリック価格をめぐっての戦い

すでに2度ほど記事として載せましたが、ウォルマートがジェネリック薬を値下げし、ターゲットが追随し、ウォルグリーンとCVSはだんまりを決め込み、そしてウォルマートが展開州と品目数を拡大した、というのが今までの展開でした。

新たに展開する州にテキサスが含まれているのですが、サンアントニオに本拠を置くHEバットが反撃ののろしを上げました。詳細はというと・・・
My H-E-B RX Rewaersという名称のカードを発行し、使用すると500種類を5ドルに値下げ。
カード会員には、優先的な調剤スケジュール、無料の簡単な健康診断、メールでの情報提供などを提供。

ウォルマートの値下げ攻勢を受けて立った、最初のスーパーマーケット企業がHEバットということです。

ちなみに参考までに、ジェネリックとは日本だと業界用語でゾロ品、または後発医薬品と呼ぶそうですね。日本では普及が進まず、厚労省が大手のチェーンストアに聞き取りを実施する予定と聞いています。

鈴木敏仁 (05:32)


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2006年10月23日
「顕在化するオーガニックのマス化に伴うリスク」Vol.10,No.43

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートがマンハッタンのタイムズスクェアに、23日と24日の2日のみの短期特別展示場を設置した。"Everday Green"と称する環境サステナビリティのデモンストレーション用途で、環境に優しい商品を陳列するなどし、サステナビリティ担当幹部がメディアに対してツアーを実施するのだという。
 実は23日にウォルマートは来年のプランを発表するカンファレンスを開催しており、これに合わせて自社をアピールする目的で特設会場を作ったのだろう。
 ウォルマートによる環境サステナビリティ・イニシアチブは、単なるリップサービスではなくてかなり本気だと私は思っている。その一環で、オーガニック商品を本格的に導入し始めたのは今年の初頭からだ。その目論見等についてはこのニュースでもすでにレポートした。
 大手SMも強化中で、PB開発に力をいれ始め、例えばセイフウェイは'O'という名称で導入済みだがプレミアムブランドという位置づけでアイテム数は目視するだけでもどんどん増えている。
 マーチャンダイジング上の取り組みだけでは無くて、スーパーバリュはサンフラワーという店舗名で小型のオーガニック専門店を新フォーマットとして開発している。
 オーガニックはいわばアメリカのブームであり、このブームに乗って各社がニッチからマスへとこの急成長分野を引きずり出そうとしている。しかしながら、過去のニュースで少々触れたとおり、ニッチからマスへのプレッシャーによって、オーガニックが持つ本来の存在価値が失われるという懸念が出てきている。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (03:33)


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2006年10月23日
ウォルマート中国の責任者、ジョー・ハットフィールドが引退

後釜は香港資本のデアリーファーム・インターナショナルの北アジア地区董事をつとめる陳耀昌、交代は来年2月の予定だそうです。

やめた後は中国オペレーションの顧問として残るそうですが、基本的には辞任のようです。

ハットフィールドは社歴32年。古いアニュアルレポートに幹部として名前が出てくる、サム・ウォルトンと一緒に仕事をした残り少ない幹部の一人です。記憶では、リー・スコットよりも初期段階ではランクが高かったような。年齢はスコットよりも4歳くらい年上ですね。

96年の中国進出直後、運営がうまく行かず、ハットフィールドが着任して建て直し、成長モードに乗せた。サム・ウォルトンの薫陶を受けた人ですから、現場で考える人だったようで、周囲の評価も結構高い。

評価が高いだけに、やめてしまうのはもったいないですね。
10年も駐在して、アジアに疲れたのかな(笑)
赤字が続いている日本事業をヘルプしてもらうといいのになんて考えるのは、私だけでしょうか・・・。

鈴木敏仁 (01:21)


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2006年10月20日
ジェネレーションYの影響力

10月11日に開催されたNRF(全米小売業連盟)のカンファレンスで、マーケティングの専門家がジェネレーションYのベビーブーマーに対する影響力について講演しました。

ジェネレーションYとは、82縲鰀00年に生まれた人たちのことです。現在6縲鰀26歳あたりですね。

この専門家の調査によると、この世代の中でも13縲鰀21歳は、家族のアパレルの買い物については81%、車の買い物については52%の比率で、影響を及ぼしているそうです。

子供に、「それいいんじゃない」って言われて買う親は、一杯いるんじゃないでしょうか。我が家はまだ小さいんだけど、可能性は高いと感じる(^^)
とすると、例えばベビーブーマーを狙うためには、下の世代もちゃんと考えなければならないということになるわけですね。
マーケティングって、複眼で見てゆく必要がある。

またこの世代の商品選択の特徴は、チープかエリート、つまり格安か高級かどちらかで、真ん中がぽっかり抜けているとしてます。アパレルで言うと、高価格帯のアバクロと低価格帯のフォーエバー21に人気があって、真ん中がない、ということになる。
家族に対しても、そういう視点で影響力を及ぼしている、としています。
これは親の世代がそうだから、下の世代ではそれが徹底されるということかな。

それと、リアル店舗とネット販売の境界線が無いのも特徴なのだそうな。その結果、ネット販売だから・・・という言い訳が通用しないとこの専門家は主張しています。
これは、分かりますね。
生まれたときから、電話の受話器に線がつながっていない世代ですから。物心ついたときにはすでにネット販売が存在していたわけで、目新しいものではなく、どちらも小売店舗で何も変わらない、というわけです。

鈴木敏仁 (03:05)


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2006年10月19日
ウォルマート対ドラッグストア、ジェネリック価格をめぐっての戦い

9月21日にジェネリックの値下げを発表したウォルマートですが、他州への展開を早くも開始しました。
もともとはフロリダ州から開始し、来年中に他州へ広げるとしていたのですが、お客からのリクエストが多いので、展開を急ぐとしています。今のところ拡大予定は14州、フロリダを加えると15州となります。
(27日に記事を投稿しているので、ご参考までに。「ウォルマートがジェネリック処方薬を値下げ」)

また処方薬の種類も、219種類から314種類へと増えてます。

この発表は今日のことなのですが、ウォルグリーンも対抗して同時にコメントをリリース、再び値下げしません宣言しました。ウォルマートの値下げは単なるプロモーションに過ぎないという文脈で、なぜ値下げしないのかの6か条つきです。
ウォルマートという社名を名指ししているところが、かなり意識しているというか、意味深というか・・・。
本件、かなりヒートアップしてきました。

鈴木敏仁 (07:00)


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2006年10月18日
ウォルマートが中国でローカル企業を買収?

100店舗を中国で展開する台湾資本のトラストマートを買収するという噂が出ています。買収総額は10億ドルの予定。
WSJ紙等の経済紙も報じているのですが、両社はまだ口を閉ざしています。また政府当局の規制もあるようで、成立するかどうかはまだ不透明です。

もし買収するとなると、ウォルマート中国の店舗数は150店舗近くとなり、小売市場シェアは0.7%となってカルフールの0.6%を抜くこととなります。
トラストマートは97年に台湾資本によって創業された企業ですが、ハイパーマーケットの流行に乗ってとりあえず業容を拡大し、一定規模になったら売却することをもともと想定していたようです。
カルフールも買収テーブルに参戦した可能性が指摘されています。

トラストマートは低価格志向の強い企業で、ウォルマートとのマッチングはとても良いだろうとう評価なのですが、果たして・・・。

ちなみにもう一つ、ウォルマートはトルコでも買収に動いているという情報が流れています。韓国、ドイツと立て続けに撤退しましたが、グローバルでの拡大戦略に変更はないと見て良いでしょう。

鈴木敏仁 (04:11)


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2006年10月17日
ホームデポが経営レベルの組織大改編

CEOの直下レベルの改変が12日にありました。
詳細はさておき、この人事に対するアナリストの評価が低く、ゴールドマンックスが翌日に株価のレーティングを下げ、一方ロウズのレーティングを上げ、ホームデポの株価が下がるという現象がおきてます。

ホームデポは人材流出が続いているのですが、過去数ヶ月だけでも業界で名前の知れた人が2人やめていて、いかに人の流動性が高いアメリカでもちょっとこれは・・・という感じなんですね。

ナーデリのリーダーシップに問題があるのかもしれない。

この組織改変の前日には、これからの下半期に3億5000万ドルをかけて店舗のサービスレベルをアップしようというイニシアチブを発表しているのですが、03年にも8億8000万ドルをかけて店舗のオーバーホールをしたが結果ははさほど出ていないという見方もあって、今回の投資に対してもシニカルな見方が圧倒的です。

ナーデリはホームデポを変革し、とりあえずは成果が出たと見ていたのですが、ここに来て暗雲垂れ込めてきたという感じですね。今後の行方に要注目です。

鈴木敏仁 (01:13)


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2006年10月16日
ウォルマートに7800万ドルのペナルティ

ペンシルバニア州の裁判でウォルマートが課されたペナルティの額です。日本円にするとおよそ100億円近い。
休憩時間に労働させたことを訴因とする団体訴訟の結果なのですが、98年から06年までに一度でも働いたことのある18万7000人が対象で、労働期間により50ドルから数千ドルがそれぞれに分配されるとのことです。

ウォルマートは現在7つの団体訴訟を抱えているそうなので、同様のペナルティがこれからどんどん課される可能性は高そうですね。

メディアはおおよそ、「やっぱりウォルマートの敗訴」で「イメージダウンにつながる」という論調です。まあ、当たり前の反応でしょう。

実は大手リテーラーをターゲットとしたこの手の訴訟は日常茶飯事で、ウォルマートに限らず、あらゆる小売企業がやられてます。大企業は訴訟を長引かせるよりは和解金を支払ってしまったほうがいいと判断するケースが多いこと、それと支払えるお金を持っているからです。
訴訟を起こすほうもこのことは十分に分かっていて、取れない会社を狙ったりはしない。

またイメージダウンなんてことを言うけれど、消費者というものはこの程度のことはすぐに忘れてしまうものです。

まあですから、このペナルティそのものは、そう大げさに取る必要はない。

私がふと思ったことは、これも結局大企業が持つ宿命的なコストアップ要因なのだろうなということです。先鋭的なコンセプトとローコストを武器に新興企業が勃興し、高経費で肥満した既存企業を駆逐し・・・これがずっと繰り返されるというのがマクネア理論でした。ウォルマートもシアーズやKマートという超有名企業を倒してきたわけですが、このウォルマートがいまや倒される側となっている。

ウォルマートの販売管理費率は確実に上昇し始めています。
歯止めをかけることができるのか。
こういう訴訟を聞くにつけ、私は思わずマクネア理論を想起してしまうのです。

鈴木敏仁 (05:46)


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2006年10月16日
「Let-go型のマーケティング手法とは?」Vol.10,No.42

アメリカ流通eニュース

 今回はマーケティングのネタを取り上げたい。P&GのCEOアラン・ラフリーがANA(全米広告主協会)の基調講演で、これからのマーケティングスタンスはLet-goだと語っているのだが、これがいったい何を意味しているのかについて考えたい。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (03:30)


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2006年10月13日
依然絶好調のコストコ

コストコは期末が8月末でして、年度の決算が10月初旬に出ます。8月を期末にしている企業は他にウォルグリーンやファミリーダラーがあります。おおかたは年初なのですが、8月期末も何社か存在する・・・暇なニッパチに決算するわけですね。

さてこのコストコの06年度の決算が出たのですが、絶好調です。
売上高は601億5,123億ドルで前年比13.6%増、純利益高は11億322億ドルで3.8%増でした。純利益の伸びが低いのは四半期末に税金関連で今期のみの支払いが発生したからで、これなしだと14%程度の成長だとしています。
既存店成長率は8%増でした。

昨年度末の時点でウォルマート、ホームデポ、クローガーに次いで売上高4位。クローガーを抜いて3位となる日はそう遠くはないでしょう。

日本のコストコが好調のようで、アメリカのほうはどうなの?という質問を最近よく受けるのですが、「止まらない」というくらいに成長が続いています。私が行く店舗も、土日は車をとめる場所を探すのに一苦労、こんな繁昌店作れたら商売人としては本望だろうな、と思わず感嘆をもらしてしまうくらいです。

その秘訣はというと・・・これは私が最近好んで使うフレーズなのですが、「ニーズ」と「ウォンツ」の巧妙な使い分けにあると考えています。
何を言いたいのかということについては・・・セミナーではちょくちょく話してますので、機会があればぜひご参加下さい。

鈴木敏仁 (03:46)


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2006年10月12日
卸ではなくなったスーパーバリュ

第2四半期の決算が10日に発表されたのですが、前年対比で売上高が約2倍、純利益高が約4倍と、好調さをアピールしました。もちろんアルバートソンズ買収による結果です。

この決算発表でひっかかったことが2つ。

1つ目はあるアナリストのコメント。
「この買収が確かなものだと考えている人が一杯いたとは思えないのだが、統合後の会社が利益を生み出すパワーを持っているということを少なくとも今期は再確認させてくれた」。
私としては、やっぱりみんな疑心暗鬼なんだということを再確認しました(笑)

2つ目は、決算報道のほとんどがスーパーバリュを業界3位のスーパーマーケットチェーンと称している点です。そう、スーパーバリュはもはやグローサリー卸ではないのですね。売上高比率を見れば明らかではあるのですが、そう報道されているのを見て認識を新たにしました。

鈴木敏仁 (03:36)


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2006年10月11日
マーケティングに今必要なのは、'Just Let Go'

P&GのCEOアラン・ラフリーが6年ぶりにANA(Association of National Advertises、全米広告者協会)で基調講演をしたのですが、1000人のマーケティング担当者を前にして話したことは、'Just Let Go'でした。

Just Let Goとは、手元から離すとか、やりたいようにさせるといった意味です。
「消費者にコントロールさせれば、気脈を通じて成功する可能性が高まる」
「消費者はもっと参加的選択的となり、プッシュからプルへというトレンドは加速する」

以上は少々観念的ではあるのですが、言いたいことは、メーカーが一方的に商品とブランドを開発しメッセージを投げるプッシュモデルから、消費者に発信してもらうプル型へと転換せよ、ということでしょう。

YouTubeで流れたプリングルスのビデオを講演で使ったようで、これも象徴的です。いかに消費者参加型のモデルでブランドメッセージを伝えるのかが重要なのだということをラフリーは言いたかったのでしょう。

ラフリーは難しいことを短い言葉に置き換えてスローガン化することの非常に上手な人なのですが、この'Just Let Go'もとても分かりやすく、私の腑に落ちました。概念として非常に分かりやすい。
例えば同社の手によるクチコミのネットワーク化で知られるTremorやVocalpointも、'Just Let Go'を具現化したものと言う事ができます。

消費者に商品を認知してもらうという活動のあり方が、根本的な部分で変化してきているように思うのですが、この変化の誘導剤として機能しているのがネットという気がします。
このあたりは、社員1.0には分からないのかもしれないので気をつけましょう(笑)
ラフリーは社長2.0ですね(爆)

鈴木敏仁 (04:07)


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2006年10月10日
ウォルマートがマーケティング部門に新設した部署は・・・

ウォルマートは昨年からマーケティングをかなり強化しているのですが、この強化に伴って3つの部署を新設したそうです。
Brand Management, Category Marketing, Insight and Customer Strategy

この中でもBrand Managementというセクションがいかにもという感じです。メーカーがブランドを管理するように、リテーラーも店舗ブランドを管理するというわけです。

このあたりのイニシアチブを引っ張ってるのが、チップスメーカーのフリトーレイから来たステファン・クィンという人でして、メーカー的な手法をウォルマートに適用しようとしているわけです。

ウォルマートがやろうとしていることについてはセミナーで話をしていますが、少しずつ記事にもして行こうと思っています。

鈴木敏仁 (02:34)


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2006年10月 9日
「アップルが開けたパンドラの箱」Vol.10,No.41

アメリカ流通eニュース

 アップルがビデオダウンロードのサービスを、ディズニーとのアライアンスで開始したことはご存知のことと思う。動画を持ち歩く時代がもうすぐそこまで来ている。アップルはiTuneで音楽の買い方を変えるという大きな変革をもたらしたわけだが、今度はおそらく動画の買い方を変えるだろうと言われている。
 この動きに対して不快感を表明しているのがウォルマートとターゲットである。アップルは新作を14.99ドル、旧作を9.99ドルで販売しようとしているのだが、これはDVDの平均仕入れ価格よりも安く、卸価格が不公平だという主張である。
 ターゲットが大手配給会社に対して、公平な価格が提供されなければ棚のシェアを見直すという内容の文書を送り、このことが紙上で報じられるなど、テンションはすでに公のものとなりつつある。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (03:28)


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2006年10月 9日
定番とStaple Item

今日は柔らかい話を一つ。
「ロゴスの名はロゴス」(呉智英)にこんな一文がありました。

ところで、「ジャズの定番」の「定番」も、もとは英語だ。standard numberを直訳したものである。最近では、決まりものというような意味に使う人も現れている。
●ビールときたら枝豆が定番だ
しかし、もとの意味を知っていれば、これがかなり無理な拡大用法であることがわかるだろう。

そうでしたかー。
流通業界で当たり前のように使われている用語、「定番」って、もともとジャズ用語の直訳からきたものだったんですねえ。「決まりもの」で使うことがそもそも拡大用法で無理があるのですから、小売業界のは拡大用法のさらに拡大用法でさらに無理があるということになるわけです(笑)
もう当たり前のように使っている用語ですが、実は変な表現であるわけです。

英語ではStaple Item、と言います。Stapleを辞書で引くと、「主要な、重要な」、に加えて、「規則的に多量に生産される(需要のある)」とあります。
まさにこれ。英語のほうは、そのものずばりという意味を持っています。

日本の小売業界で「定番」という言い方をいったい誰が最初に使い始めたのか、知りたいところですねえ。ジャズのstandard numberの直訳から来ているとすると少なくとも戦後に定着した表現ですから、モダンリテーリングがアメリカから輸入され始めた頃に、Staple Itemにフィットするちょうどいい訳語がなくて、その頃一般化しはじめた「定番」という言葉を当てはめたということなんでしょうね。

鈴木敏仁 (03:01)


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2006年10月 5日
極めて似通っている日米の所得水準

ちょっと気になって調べてみました。

[世帯収入]
米国:$46,242ドル(05年)
日本:¥5,797,000(04年)

米国は中央値、日本は平均値、少々違いうのですが、ざっくりといきます。1ドルは現在118円くらいですが、日米を頻繁に往復している人間の実感として、1ドルは130~150円くらいじゃないかなと思ってます。

とすると、米国の46,242ドルは、だいたい600万円から700万円となって、日本とおおよそ一緒か、ちょっと上、ということになります。まあ、だいたい一緒と見ていいんじゃないかな。
世帯の収入レベルでは、日米はいまやほとんど同じ。

さてではよく言われる所得格差です。アメリカは格差が激しいとされ、日本のような格差のない社会がいい、とよく言われるし、みんなそう信じてます。

以下asahi.comの抜粋です。長いですが、引用します。7月20日の記事です。

経済協力開発機構(OECD)は20日、06年の対日経済審査報告書を発表した。所得格差問題を詳しく取り上げ「00年段階ですでに日本の所得格差は米国に次いで2番目に高かった」と指摘。その後、格差が固定化している恐れがあり包括的な対策が必要だ、と警告している。

報告書は、所得格差の指標として生産年齢人口(18歳以上65歳以下)の相対的貧困率に着目した。可処分所得が中位置(全体の真ん中)の半分に満たない家計の割合を示す指標で、日本は小泉政権による構造改革が始まる前の00年段階で13.5%だった。OECD加盟国の中で米国(13.7%)に次ぐ高さ。3番目はアイルランドの11.9%で、日米がず抜けていた。日本の90年代半ばの相対的貧困率は11.9%だったという。

00年当時の日本企業は景気低迷を背景にリストラを進めていた。その結果、正規労働者と非正規労働者による労働市場の二極化傾向が強まり、格差が広がった、と報告書は分析している。高齢化も一因に挙げている。

格差の拡大を防ぐために、正規雇用を増やすための施策や、非正規雇用者への社会保険の適用の拡大が必要だと訴えている。また、所得水準が厳しい母子家庭などに社会福祉支出を振り向けるべきだと論じている。

小泉内閣以前からすでに、日本にはほとんどアメリカと同じ程度の格差があって、今でもそうだ、ということです。アメリカ型の市場原理主義を持ち込もうとしている言われた経済政策のおかげじゃない。
一億総中流は幻想、アメリカのような格差社会はいかんと言って批判するのはおかど違いということが分かります。

平均的な所得水準も一緒、所得格差も一緒、日米は実はきわめて似通った構造を持つ社会なのです。

鈴木敏仁 (04:35)


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2006年10月 4日
テスコがネットビジネスから撤退

セイフウェイのネット事業を担当している会社はGroceryWorksといいますが、テスコはこの会社のおよそ40%を所有して間接的に関与してきました。トータル4000万ドルを投資し、一説によるとネットバブル崩壊時にGroceryWorksが生き残れたのもテスコのおかげ、なのだそうです。

しかし、テスコがカリフォルニア参戦を発表し、カリフォルニアを地盤とするセイフウェイとの軋轢が予想され、ネットビジネスがどうなるか耳目を集めてきたのですが、やはり撤退とあいなりました。GroceryWorksはセイフウェイの100%所有子会社となります。

さてこうなると、次はDunnhumbyです。こちらはクローガーのロイヤルティマーケティング(LM)を請け負っている会社ですが、テスコが84%を所有しています。DunnhumbyはテスコのLMを成功させたことで知られていて、クローガーは現在Dunnhumbyの力を借りて自社のLMを大きく変えている真っ最中です。
クローガーはカリフォルニアにはラルフスを持ってますし、地域が違いますがコンビニも持っている。将来テスコとはガンガンぶつかる可能性がある。しかし、LMのオーバーホールも捨て難い。迷うところでしょうね。

テスコはこの二つの事業を通して、アメリカ市場を十二分に学んだことでしょう。ほんとうにしたたかな企業だと思います。

鈴木敏仁 (02:26)


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2006年10月 3日
食の宅配ビジネス

アメリカには無いと思っている人が結構いますが、さにあらず。少ないのですが、あります。
Zone Chefs
体重管理を軸足に追いたサービスです。またデリバリーはNYエリアに限定されてます。

朝昼晩の食事を毎朝届けてくれるところが、なかなかですね。メニューは3食分に加えてスナックが2回分、一番安いのが一日19.99ドルです。栄養にもちゃんと細かい配慮がされてます。

日本はいわば飽食といってもいいほど食に関しては豊かな国だと思いますが、アメリカは少々貧困で、だからわざわざ高い金をかけてまで宅配で飯を食おうなんて思いもつかないのでしょう。だから日本のようなきめの細かい食の宅配サービスは比較的少ない。
もう一つ日本の場合は、宅配ネットワークがパーフェクトにできあがっている点も大きいですね。アメリカは大型トラックを使った長距離輸送は世界で一番コストが安いそうですが、短距離はお話にならないほど高い。

でもこれからアメリカも年寄りが増えていきます。車社会のアメリカでは、「運転できない」人たちをサポートするビジネスがこれから顕在化して行くことでしょう。ですから、食の宅配ビジネスはこれから徐々に普及してゆくだろうと思います。

鈴木敏仁 (03:24)


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2006年10月 2日
イギリスのSM市場シェア

最近ここで遡上にあげているイギリスのテスコですが、母国ではきわめて高い市場シェアを持っている企業です。

テスコ:31.4%(30.1%)
アズダ:16.7%(16.8%)
セインズバリー:15.9%(15.6%)
ウィリアム・モリソン:11.0%(11.2%)
(資料;ダウ・ジョーンズ、カッコ内は昨年)

一国内のグローサリー市場で30%を超えるシェアというのは、もう、寡占としか言いようがない。分割案が出てくるのもうなずけますし、国内でこれ以上伸ばすのは難しいでしょうから、海外に出て行かざるを得ないというのも分かります。

鈴木敏仁 (10:59)


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2006年10月 2日
「チコズFAS、成長神話の終焉か?」Vol.10,No.40

アメリカ流通eニュース

 有名企業の陰に隠れて日本ではあまり知られた企業ではないのだが、チコズFASというアパレル専門店チェーンがある。ここ数年小売業界を超えた総合ランクでも、成長企業としてずっとトップ近辺にポジションしてきた有名企業だ。
 この会社が8月に既存店成長率2.6%のマイナスを記録した。実に113ヶ月連続で、つまり9年以上既存店成長率を伸ばしてきた後だけに驚きが大きく、その後8月には通年の業績を下方修正、直後に株価が24%も下落している。
 日本ではあまり知られた企業ではないので、何が成長を引っ張ってきたのか簡単にまとめておきたいと思う。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (03:23)


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