業績が良くないエキスプレスとリミテッドの売却を検討していると、衣料専門誌が報じたものです。買収を検討している企業名が2つ挙げられており、加えてアパレル事業の責任者ジェイ・マーゴリスによるマネジメントバイアウトの可能性もあるそう。価格は10億ドル程度となる見込み。
アパレル事業のスピンオフはここ数年言われてきていることなので驚くことではないのですが、もともとアパレル専門店チェーンとして巨大な企業となったリミテッドが、そのアパレルビジネスを売却するという話しが出るところに、この企業の凄さというか価値を感じるのですね。
06年度通年の事業部ごとの細かい結果はまだ資料として出ていないのですが、2月に発表された第4四半期の決算によると、ビクトリアズシークレットが既存店成長率10%増、バス&ボディワークスが既存店成長率9%増、一方のアパレルが1%増で、アパレルの数値の低さが目立ちます。これでも業績は改善しているほうなのですが、いまだに不採算店舗が多く、今年度の増床率はマイナス12%となってます。
新フォーマットを開発(または買収)し、成長させ、スピンオフする、これがリミテッドの歴史です。レーン・ブライアント、ラーナー・ニューヨーク、アバークロンビー&フィッチ、リミテッド・トゥー、ストラクチャー、等々売却したフォーマットの枚挙に暇がありません。
一方、ビクトリアズ・シークレット、バス&ボディワークスに加えて、C.O.ビゲロウ、ラ・センザ、ホワイト・バーン・キャンドル、ヘンリ・ベンデール、ディーバ・ロンドンと、現在もたくさんのフォーマットを抱えています。
衣料にこだわらず大きな意味での'ファッション'をベースとして、ギャップのようにフォーマットを固定させず、柔軟に姿を変えてゆく。フラッグシップも売却対象として俎上に上げてしまう。はやりすたりの激しいこの業界では、リミテッドによる変幻自在な成長戦略のほうが優れていると考えています。
ちなみにいま私が注目しているのがC.O.ビゲロウ。高級パーソナルケアの専門店フォーマットという、非常に斬新でユニークなフォーマットです。
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