ウォルグリーンが第3四半期の決算を発表したのですが、最終利益で17億2600万ドルの赤字を計上、イギリスのブーツで4000人のレイオフを計画していることも明らかにしました。
売上高成長率はほぼフラット。
ドラッグストアはエッセンシャルなので大きな影響を受けないはずなのですが、英ブーツはコスメの比率が高く対面ができないといったハードルがあったようです。
CVSが営業利益高43.8%増を記録しており、ウォルグリーンも盤石だろうと思っていたのですが、完全に勘違いでした。
ちなみに米ウォルグリーンの売上増は3%ですが営業利益高は77.3%減なので、米国内も調子が良いとは言えません。
ドラッグストアの最近のブログ記事
ウォルグリーンが店舗内にクリニックを併設させる取り組みを開始します。
プライマリケアを提供しているヴィレッジMDがクリニックを運営、今後5年間をかけて500~700ヶ所にする。
ウォルグリーンは3年間かけて資金も提供して30%の資本を得ると資料にはあるので、資本関係も結ぶようです。
資料によると売場の4分の1程度をクリニックに割くようですね。
アメリカのドラッグストアはフロントエンドの売上減に悩んでいるので、スペースの有効活用が本当の目的でしょう。
目を引くのはドクターが常駐する点、CVSはナースプラクティショナーなので提供できる医療に制限がありますが、こちらは普通のお医者さん。
ウォルマートが実験している併設クリニックと同じです。
アメリカのヘルスケア市場は問題山積なのでやり方次第では大きなビジネスとして期待できることと、高齢者が増えて市場が大きくなるので、大手小売企業はそれぞれのやり方で参入を模索しているところです。
ウォルグリンがアルファベット傘下のウィング・アヴィエーションと提携して、ドローン宅配の実験を始めると発表しました。
場所はバージニア州クリスチャンバーグ、来月からのスタートです。
この地が選ばれた理由はウィングが実験している地域に近いからだそうです。
以下詳細。
・対象となっている商圏住民はウォルグリーンサイトで買い物をすると、宅配の選択肢としてドローンを選べる。
・対象アイテム数は100強と6パック。
・パックとは例えば風邪に必要なアイテムというようなテーマ別にアソートした複数の商品をまとめたもので、他はアレルギー、ベビー、救急、鎮痛、キッズスナック。
・調剤薬は含まない。
送料は明記されてないので不明です。
高いのか、それとも通常送料でやるのか、知りたいところではあります。
ウィングはドローンの商用利用でFAAの認可を最初に受けた企業ですね。
アマゾンはグーグルに先を越されたことになります。
ウォルグリーンが米国内の200店舗を閉鎖する予定であることが報じられています。
イギリス国内ではブーツ店舗を200店舗閉鎖すると6月に発表したばかりなので、グローバルレベルで縮小モードに入ったことになります。
前者は全体の3%、後者は全体の8%にあたるそうで、三桁規模のスクラップだと少々面食らうかもしれませんが、分母が大きいので分子も大きくなる、ということではあります。
しかしながら、これで済むのかなというのが私の印象です。
CVSもそうなのですが、店舗への投資がここ数年減っているようで店頭が陳腐化し始めていて、これが業績にも反映されつつあって、まだ先があるんじゃないかなと思えるわけです。
ウォルグリーンの経営陣がブーツに入れ替わって久しいですが、印象としてあまりうまくいっていないように感じます。
目的来店性が極めて強い調剤があるのでアメリカのドラッグストアはそうそう簡単には傾かないのですが、長い下り坂に入ってしまったような印象を持っています。
CVSヘルスが昨年から一部の都市で実験してきた定額制プログラムを全米展開すると発表しました。
月額5ドルまたは年間48ドルで、調剤を含めて宅配料無料、PBはすべて20%オフ、毎月10ドル分のクーポン、がプログラムの内容です。
名称はケアパス(CarePass)。
発表資料によると、会員の20%がミレニアルズ世代で、それが重要なんだということを言ってますね。
アルバートソンズも同じようなプログラムを実験中。
こういう定額制が広がっていくと、我々消費者はどこの会員になるかで悩むことになりそうですね。
CVSが調剤の当日宅配を6,000店舗に拡大しました。
2017年にエリア限定で当日宅配を開始、これを今回は拡大と言うことになります。
[CVSヘルス] メールオーダー調剤の配達日数を短縮化
送料は7.99ドル、ターゲット傘下のシップトがオンデマンド宅配を請け負います。
CVSはターゲット店内の調剤売場をテナントとして運営しており、その関係でシップトを利用するのでしょう。
逆に言うとおそらくシップトの業容拡大に合わせて6,000店舗へ拡大ということなのかもしれません。
7.99ドルの送料は高く見えますが、でも急病でどうしても必要だというシチュエーションはありそうです。
調剤の短時間宅配が一般化しはじめたようです。
ウォルグリーンが余剰で余った在庫と返品商品をBtoBのオークション形式で売り始めます。
B-Stock社との提携とのことなので、おそらく同社のプラットフォームを使いウォルグリーン用にカスタマイズしてのことだと思います。
B-Stock社はウォルマート、ベストバイ、メイシーズ、アマゾン等の返品を取り扱っている企業です。
アメリカのリバースロジスティックス(静脈物流)はかなりシステマチックで相当な効率化と最適化がなされている分野です。
大手企業が存在するのですが、B-Stock社はおそらく新興でデジタルプラットフォームに強みを持っているようですね。
この手の分野、日本は今もグレーで、大規模に最適化するという発想はほとんどありません。
こういった企業や業界は俗称でリクイデーター(清算屋)と呼ばれたりするのですが、日本ではリクイデーターという表現は忌み嫌われます。
縁起でも無い、という理由です。
こういったところまで効率化を図るアメリカと、臭いものに蓋をする日本と、が生産性の差を生む理由の一つだったりします。
ウォルグリーンがFedExと提携して調剤の翌日配達を開始しました。
全国で利用可能、配送料は4.99ドル、16時までの注文で翌日宅配が可能となるそう。
ダラス、シカゴ、NYC、マイアミ、ゲインズビル、タンパ、フォート・ローダーデールの7都市ですでに実施している当日宅配を来年中に拡大するのが次の計画だとしています。
調剤の宅配はメールオーダーと呼んでアメリカではごく一般的に普及しているのですが、ピルパックを買収したアマゾンによる通常の調剤への進出は不可避で、そうすると既存のドラッグストア企業が取り組むべきことは宅配時間の短縮化ということになるわけです。
ウォルグリーンはFedExによる宅配物のインストアピックアップや発送を全店舗で可能としており、関係を深めています。
ウォルグリーンがビューティサンプルのサブスクリプション、バーチボックスの専用売場を全米11店舗で実験するそうです。
投資して資本関係も持つようなので、実験結果によっては買収してしまう選択肢もあるかもしれません。
バーチボックスは成長の踊り場で悩んでいるようですね。
売却も含めた戦略的選択肢を検討している、というような情報を目にした記憶があります。
サブスクは供給量が確定しているので仕入れ予測が容易になる等のメリットが大きいけど、お客に飽きられやすいというハードルも大きい。
あたりまえですが簡単ではないです。
サブスク企業とリアル企業のマッチング的な話はこれから増えてくるような気がしています。
クローガーとウォルグリーンが提携しました。
1つめはクローガーのネット通販で買ったものをウォルグリーン店舗で受け取れるサービスで、クローガー本社周辺の13店舗で実験するそうです。
2つめはクローガーのPBをウォルグリーンで売る実験です。
ウォルグリーンが売っているカテゴリーはまるごとクローガーが売っていますから、両社は100%競合します。
クローガーにとってのメリットはもちろんネット通販商品の受け取り場所が増えることにあります。
ウォルグリーンにとってのメリットは来店客数が増えることでしょう。
双方を比べるとクローガーにメリットが大きいように思うのですが、どうでしょうね。
かなりおもしろい組み合わせで、実験結果に注目です。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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