2007年2月28日
カスタマーサービス・ランキング

今年が第一回目、ビジネスウィークがカスタマーサービスランキングというものを始めました。1位はUAAAという聞いたことのない保険会社、そのあとに24社が連なっているのですが、小売企業を抜き出してみると・・・。

4位:ノードストロム
5位:ウェッグマンズ
15位:カベラズ
19位:パブリックス

『働きたい会社ベスト100』、5位までにリテーラーが3社ランクインという記事を先日載せましたが、こちらでは25社中4社がランクイン、ということになります。
とくに目を引くのは、「働きたい会社」で3位となったウェッグマンズが、こちらでも5位と健闘している点です。記事では、「トータル1万9000人の社員に5900万ドルの奨学金を支給している。上級管理職が前線で働き、カスタマーセンターで電話を受ける。」というコメントがついてました。
店長のほとんどが袋詰め(バガー)からのたたき上げで、会社が奨学金を出して大学まで出してくれたりして育て上げられた人が多く、ロイヤルティが非常に高いということは、私がどこかで聞いた話です。

また15位のカベラズ(Cabela's)という企業はあまり聞かない名前だと思いますが、ネブラスカ州に本拠を置くスポーツ用品専門店チェーンで、知る人ぞ知るという上場企業です。
「副会長のジェームズ・カベラは毎朝顧客からのコメントに目を通し、これを必要部署に手渡しに行き、必要に応じてトピックとして俎上に上げる。150問のスポーツに関する専門知識の入社試験がある。毎月上級管理職が1時間ほど会議を持ち、カスタマーセンターにかかってきた電話をレビューする」。

上級管理職が現場にどれだけ近いかが鍵を握るとしています。
現場主義がサービスレベルの品質を上げているのですね。

鈴木敏仁 (04:11)


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2007年2月27日
フォース&タウンの撤退

DSCF4901.jpgギャップが次のブランドとして実験していたフォース&タウンですが、6月をもって撤退すると発表しました。05年の8月に一号店をオープンしたので、18ヶ月の実験期間でした。

このフォーマット、ギャップがもともとターゲットとしていたベビーブーマーが高齢化し、ギャップから離れてしまったため、呼び戻すことを目的として開発されました。チコズFASといったこのグループを狙って急成長した企業をベンチマークしたと言われてます。

店内の中心にスペースを広く取ったフィッティングルームをおき、これを取り巻くように4つのカテゴリーが据えられる、というレイアウト。フィッティングルームには雑誌や椅子を置き、ゆったりと試着できる・・・といった趣向がこらしてありました。

撤退の理由は選択と集中、既存フォーマットの復活にリソースを集中するためとしています。前CEOのプレスラーの元で開発されたフォーマットでしたが、解任され、開発フォーマットもスクラップされと、象徴的なニュースではあります。

DSCF4904.jpg年明け早々偶然フォース&タウンを訪れ、その在庫一掃セールに驚き、「ギャップのクリアランスセール」として日記にしているのですが、そのときの実感はギャップやばいぞ、でした。その直後にCEOの解任、そしてフォーマットの撤退と、予感どおりに進んでます。
店頭はほんとうに正直で、その時の調子を見事に示してくれるものなのです。

ちなみにこの記事が元となって取材記事となりました。週刊「東洋経済」2/24号の94ページから、『米GAPを悩ます販売不振、アパレルの巨人はどこへ行く』をご参照下さい。 また後日談ということで、なぜプレスラーが失敗したのかを、「雑誌(リアル)とネットのコラボ」に載せてますので、併せてご参照下さい。

鈴木敏仁 (04:31)


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2007年2月26日
ウォルマートの業績、国内の既存店成長率は1.9%

少々遅くなりましたが、ウォルマートが通年の決算を発表しましたので、まとめておきます。

               売上高   売上高前年比    既存店成長率
ウォルマートストアズ  226,294     7.8%         1.9%
サムズクラブ       41,582      4.5%         2.9%
インターナショナル    77,116     30.2%
トータル          $344,992    11.7%         2.1%

純利益高は$3,940で前年比9.8%増でした。
予想を超えるサプライズがあったようで、株価は直後から上昇しています。

第4四半期のウォルマートストアズ(つまりサムズを除く国内ビジネス)の売上の伸びは6.7%、営業利益高は11.3%、この営業利益の伸びが予想以上に高くて株価が上がったということのようです。ただし既存店成長率は1.3%ですから、物価を調整するとほぼ横ばいに近くなってしまう。
昔のようにどんどん伸びた時代は終ったとみていいように思います。

そして、これを海外事業が補っているというのが現状であることは、数値を見る限り間違いないところです。

鈴木敏仁 (04:04)


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2007年2月26日
「西友カレジッスキー発言とカスタマー分類」Vol.11,No.09

アメリカ流通eニュース

 西友CEOのカレジッスキーが業績発表の席で、証券アナリストによる「EDLPは今後どうするのか?」という質問に対して、「それはもはやBuzz Wordだ」と答えたのだそうだ。ウォルマートはEDLPを企業哲学にまで刷り込んでいる企業であり、つまりEDLPとは非常に高い位置にある企業戦略であり、これをBuzz Wordとしてしまう真意をはかりかねている。

鈴木敏仁 (12:29)


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2007年2月23日
西友/ウォルマートはどこへ行くのか...

先日開催された西友による決算発表の席でのこと。証券アナリストがカレジッスキーに「EDLP」の今後について質問したところ、「それはもはやBuzz Wordだ。これからはカスタマーが戦略だ」というように答えたのだそうです。

Buzzとはもともと蜂がブンブン音を立てて飛んでいる様のことで、Wordをつけると巷で流れている噂話のような意味となります。
つまりEDLPは周囲が騒いでいるだけの実態のない話だ、というようにカレジッスキーは答えたわけです。
この回答の含む意味というか、彼の真意がよく分からない。

続きはR2Linkへ...

鈴木敏仁 (11:10)


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2007年2月22日
ホールフーズがワイルドオーツを買収

ホールフーズがワイルドオーツを買収するというニュースが発表されました。総額は負債の引き受けも含めて5億7000万ドル、ホールフーズ180店舗にワイルドオーツ110店舗が加わってトータル290店舗となる予定。

ワイルドオーツはここ数年業績が良くなくて売却の噂の絶えない企業でしたが、ユカイパというバイアウト企業が株を買い増して18%を所有し、暫定CEOが送り込まれるという状態になった時点で売却はほぼ決定的となってました。
焦点はどこが買うかという点に絞られていたのですが、いろいろな情報を総合するに私はクローガーだと思っていたので、今回のディールには結構驚いてます。

近年普通のスーパーマーケットがオーガニックを強化し、競合が厳しくなってきてホールフーズもそろそろ成長が鈍化するのではないかと言われてます。そのような中で、クローガーに買われてしまうのならば自分で買ってしまおう、攻撃こそ最大の防御、ということなのでしょう。

ワイルドオーツの店舗は今後、不採算店舗が整理され、採算が取れる古い店は改装されて、ホールフーズに変更されてゆく模様、オーガニック専門を標榜する専門スーパーマーケット企業は、チェーンストアとしてはホールフーズのみという環境となります。

鈴木敏仁 (05:50)


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2007年2月20日
チャールズ・ウォルグリーン二世逝去、享年100歳

2月10日に逝去されたという訃報がありました。この方は創業者のご子息ですが、つい最近まで存命だったということに少々驚いてしまい、記事とした次第です。

1939年に社長となり、63年に退いて76年まで会長職にあったそうです。
1950年代に調剤以外のフロントエンドの完全セルフ化を推進、60年代にはシカゴから全米へと拡大を図るなど、近代化と成長に大きな構成のあった人です。

この方の子息、つまり創業者の孫に当たるチャールズ・ウォルグリーン三世は現在会長で、そして現CEOは一族ではありません。しかし4代目が上級管理職におり、かなり高い確率で近い将来この4代目がCEOになると私はみています。

一族経営にはデメリットもありますが、メリットも一杯あります。ウォルグリーンの成長の要因には、血族による求心力というものが一つあるのかもしれないと、今回の訃報でふと思ったのでした。
そういえば、ウォルマートもロブ・ウォルトンという創業者の子息が会長で、似通ったところがありますね。

鈴木敏仁 (06:04)


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2007年2月19日
サイモンがミルズ買収

ミルズが苦戦していることはすでに報じました。

「ミルズ売却?」
「存亡の危機にあるミルズ、その真相は?」

今年の初頭の1月に、カナダのブルックフィールドという会社が13億5000万ドルで買収に名乗りを上げ、いったんは正式に決定したのですが、米国ショッピングデベロッパー最大手のサイモンプロパティーズが16億4000万ドルのオッファーを出して、こちらで最終決定となりました。

もうすでに書いたことなので詳細は省きますが、ミルズは無理な拡大戦略と、あの有名な巨大インドアモール型プロトタイプの陳腐化(いまはウェストフィールド的なライフスタイル型のほうが優勢)、会計ミスなどが重なって、業績を落としてきました。

サイモンの資本が入って一息といったところですが、ミルズ型モールの陳腐化にどう対処するのか、これからが本番といったところでしょう。

鈴木敏仁 (05:02)


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2007年2月19日
「ネット販売2.0の時代」Vol.11,No.08

アメリカ流通eニュース

 ネット販売が注目され始めたのはネットバブルの時代で、バブルがはじけた後はスポットライトがすっかりあたらなくなってしまったが、ピュアなネット企業も、リアルとネットを持つデュアル企業も、それぞれがますますネットを強化して売上を伸ばしているというのが現状である。
 さてこのネット販売、ひとつハードルを越えて今は次の次元へと進み始めている。アマゾン形式の商品レーティングを取り入れて、いわば双方向形式として成功する企業が増えてきているのである。ネット販売2.0、といったところだろう。

鈴木敏仁 (12:21)


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2007年2月16日
ホームデポ、フロアストア事業から撤退

フロアストアとはリフォーム時のフロアの張替えを主業務とする専門店フォーマットで、2000年にダラス郊外のプレーノに1号店をオープンさせ、以降サテライト型のショールームを近隣に5ヶ所追加、03年にはフロリダ州に2店舗目をオープンさせたものです。

今回の撤収は、リソースを既存店に集中させるためとしていますが、ナーデリ辞任後に、戦略が大きく転換されたことを感じさせるニュースと言えます。

ホームデポは今までたくさんの別フォーマットを作ってきましたが、よく考えてみると一つも成功してません。多角化のよほど下手な企業と言えると思いますが、おそらく新しいアイディアを生み育てる手法が確立されていないのでしょう。
これだけ大きな企業で、まったくうまくいかない企業というのも珍しいかもしれません。

鈴木敏仁 (07:43)


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2007年2月15日
サムズが女性にフォーカス

オーランドで開かれているカンファレンスでサムズの役員が、女性客の取り込みを考えていることをコメントしました。

サムズは強敵コストコの後塵を拝すること、もう10年近くになるのでしょうか。一店舗あたりでコストコはサムズのおよそ1.5倍近く売るため、どうしても比較されてしまいます。

DSCF4687.jpg一度コストコを模倣しようとして、ダメで、方向転換して基本に立ち返り法人向けにフォーカスを絞ることを決めたのが数年前で、これはおおよそうまく行ってます。
ただやはりコストコの恐ろしいくらいの繁盛ぶりを横目で見て、対象顧客を拡大しないと追いつけない、ということでしょうか。
法人顧客を相手にしつつ、女性を取り込むということは簡単なことではないでしょう。
(写真はロゴを一新したベントンビルの新プロトタイプ)

店内をこざっぱりさせた新プロトタイプをベントンビルに作り、これを水平展開させるようですが、それだけではダメでしょう。MDをどう変えるのか。アパレルや生鮮をアップグレードするのか

言うはやすし、行なうは難し、じゃないでしょうか。

鈴木敏仁 (05:51)


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2007年2月14日
JCペニーのマーケティングキャンペーン

今年は13日から開始しました。
『JCペニーのポップアップストア』で書いたように、昨年はアカデミー賞のスポンサーとなリ、合わせるようにマーケティングキャンペーンを展開したのですが、今年も同様に今月末のアカデミー賞に合わせたようです。
ポップアップストアかどうかは今のところ不明ですが、マンハッタンで少なくともスペースを確保して商品を陳列し、キャンペーンの開始を大々的に宣伝しているようです。

今年はスローガンがあります。「Every Day Matters」、毎日が大切、くらいな意味でしょうか。商品だけではなく、'エクスペリアンスを売る'ことに焦点をあててマーケティングを組むとしています。
またこのスローガンは今年から2011年までの中期計画を支える柱になるそうです。

良いスローガンだと思います。
セイフェイは、「Ingredents for Life」。
アメリカは、単語3つなんです。

鈴木敏仁 (06:08)


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2007年2月13日
プロ向け事業の見直しを開始、ホームデポ

ホームデポが、プロ向け事業のユニットであるホームデポサプライの戦略的な見直しを開始すると発表しました。この見直しとは、売却、スピンオフ、または株式の公開(IPO)のいずれかだそうです。

1月初頭にボブ・ナーデリが辞任しましたが、引き金を引いたのは投資家でした。そしてこの投資家がホームデポサプライに懐疑的で、今回の戦略的見直しへと踏み切ったのもこの投資家の影響が強いと言われています。

切り離すことによるメリットは、店舗へリソースを集中できるようになることにあります。ロウズがひたひたと追っかけてきているのですが、ホームデポは店頭サービスのレベルが低いままでいるという批判が多い。
ホームデポは過去8年間に30社を買収し、100縲鰀130億ドルを投じていいるのですが、それを店舗に投じていたら・・・ということですね。

しかしながら、プロ向け事業に参入するという意図は決して間違ってはいないと思ってます。要はちょっと偏りすぎたのかなと。
どのくらいの価値で切り離せるのか分かりませんが、分離することがこの企業にとって本当にいいことなのかどうかは、ちょっと分からないところがあります。

非常に高度な戦略的判断が求められる案件ですね、これは。

鈴木敏仁 (05:02)


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2007年2月12日
コールズによる新ライン、'Elle'

アパレルチェーンのコールズが、'Elle'というブランドを開発し独占販売する計画を発表しました。
昨年同社はヴェラ・ワングというウェディングドレスで有名なデザイナーズブランドの独占販売を実現、同じ戦略の中でElleを作るということのようです。

さてポイントは2つ。
1つ目はElleが雑誌のタイトルである点ですね。つまり日本で言えば、アンアンやノンノで独占ラインを作るということを意味してます。おもしろいです。コールズと言うフォーマットのポジショニングを考えると、ヨーカ堂やイオンが'アンアン'というアパレルラインを作るようなものです。
2つ目はとりわけヴェラ・ワングに当てはまりますが、他ですでに存在するブランドを、自社で独占的にPBのようなポジショニングで売るブランドをキャプティブブランドと呼び、ターゲットがこれを随分強化してきている点です。

コールズは若干成長が鈍化してきていて、このブランドイニシアチブはマーチャンダイジングのてこ入れの一環ということになります。

鈴木敏仁 (04:48)


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2007年2月12日
「パッケージング・スコアカードでパッケージの効率化」Vol.11,No.07

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートのCEOリー・スコットが、英国皇太子が主催するPrince of Wale's Environment Programmeで環境イニシアチブについて講演した。聴衆は英国大手小売企業の幹部である。スコットはこの講演で、取り組んでいる環境運動を「サステナビリティ360」と命名していることを明らかにした。社員、サプライヤー、そして消費者とを、360度全方位に巻き込んで行くという意味だろう。
 米国小売業界の環境に対する取り組みはイギリスや日本に後れを取っており、現状におけるウォルマートに対する評価はイオンやテスコよりも低い。しかしウォルマートという超巨大企業が真剣に取り組み始めたのだというインパクトが大きいわけで、だから英国皇太子がスコットに話をさせたというわけだろう。
 ウォルマートの最終的な目標は、消費エネルギーをすべて自然エネルギーとする、廃棄ごみをゼロとする、環境循環型の商品だけを売る、と言われている。規模が大きいだけに、これが本当に達成されたら確かに大きな成果になるだろう。
 この3つに絡んでいるのが商品パッケージなのだが、同社はサプライヤーに対してパッケージング・スコアカードまで作ってのコラボレーションを要請しているのである。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (12:17)


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2007年2月 9日
サーキットシティ、69店舗閉鎖へ

国内7店舗、カナダ62店舗、だそうです。
また経営陣のリストラも開始するそう。

歳末商戦の結果に従い、年初に店舗閉鎖や倒産という話が多いのがアメリカなのですが、今年は今のところほとんどない状況にあります。
理由は良く分かりません。昨年末の結果が決して悪くはなかった、ちょうどいまキャッシュが枯渇している企業が偶然ない、などなど・・・。

そのような中でのサーキットシティの縮小計画は目を引きます。
好調ベストバイとウォルマートとの競合に苦戦していて、第3四半期には赤字を計上しています。

気づかなかったのですが、この企業は国内643店舗に対して、カナダ800店舗で、カナダのほうが店舗数が多いんですね。ただしカナダはどうやら店舗のサイズが小さいようです。
カナダ事業は撤退したほうがいいんじゃないかという論調もあり、採算割れしている模様。

サーキットシティの不調の原因と、ベストバイの好調の原因を比較すると、小売企業にとって何が必要なのかということが良く分かると思ってます。

鈴木敏仁 (04:40)


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2007年2月 8日
ウォルマートの性差別訴訟

女性が不当に差別されているとして7人の女性によって訴訟が起こされたのが01年、これが団体訴訟として一度認可されたのが04年、ウォルマートが不服を申し立て審議が続き、6日に団体訴訟としてカリフォルニア州で最終的に認められました。

98年からウォルマートで働いたことのある全女性従業員、160万人が対象となり、米国史上最大規模の団体訴訟になるそうです。

ウォルマートは、差別は個別に発生しているものであり、訴訟も個別に起こすべきだと主張してました。一方原告側は、組織だって行われていたと主張していた。
3人の裁判官は、2対1で後者を支持したのだそうです。

経緯を読むにまだまだ先が長そうで、ひっくり返ることもあるようなので、これでウォルマートが多額の和解金を支払うということにはならないようです。

企業対労働者という視点で見ると、企業にとっては一部で発生した問題が団体訴訟となってしまう道を開いてしまうもので受け入れがたいものでしょう(ただし今はカリフォルニアだけですが)。
労働者にとっては、労働環境を改善する道を新たに開くことを意味しているので喜ばしいことかもしれません。

ひたすら規模を追求してきたウォルマートですが、訴訟の規模も大きくなってしまうというのは皮肉かもしれません。

鈴木敏仁 (03:47)


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2007年2月 7日
ウォルマートの動画ダウンロードビジネスのインパクト

サイトからの有料動画ダウンロードサービスを2月6日に公式に開始しました。ベータ版です。テクノロジーパートナーはHP。

本件、「アップルが開けたパンドラの箱」でも書いているのですが、ウォルマートとターゲットが大手配給会社とかなりの摩擦を起こしていました。配信価格と原価をどうするか、DVD価格との調整をどうするかという、大手配給会社側に大きなハードルがあったのですね。
おそらくいろいろありそうな気がするのですが、表面的には解決した模様です。ほぼ全大手配給会社と提携し、現在は3000タイトル、これからどんどん増やすとしています。
価格は7.50ドル縲鰀14.88ドルというレンジで、新作から旧作まで幅広く提供するとのこと。DVDとダウンロードのバンドル販売もあります。

ウォルマートは全米のDVD販売市場の40%を占めているそうで、だから一気にここまでこぎつけることができたと言えます。アップルはディズニー、アマゾンはパラマウントなど、動画ダウンロードを提供している他社は一部の配給会社としか契約できていませんから、ウォルマートは一気に先頭に踊り出たと言えるでしょう。
アップルによって音楽ダウンロード市場でドミナンスされてしまった失敗は今回は犯さないという強い意図があるとも言われてます。

ウォルマートが家電DSのベストバイに先駆けた点も、ある意味凄いことだと思ってます。

市場としてはまだ小さく今後伸びるかどうかも不透明ではあるのですが、レンタル市場とか、PC市場とか、様々な市場への影響を与え、そして影響を受けるビジネスと思われ、とても興味深いニュースだと思います。

鈴木敏仁 (02:36)


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2007年2月 6日
ベストバイがインド進出か

ベストバイがインド進出に向けて、現地企業との交渉に入った模様です。ローカル誌が報じました。
RPGエンタープライゼズという企業とジョイントベンチャーについての可能性について交渉しているのだそうです。RPGは、まだ正式な提案がベストバイから来たわけではない、とコメントしてますので、少なくとも話し合いは持っていることは確実のようです。

ベストバイは中国にもう出ましたから、次のアジア圏としてインドを狙っているということになります。

ウォルマート、テスコ、ベストバイ・・・欧米流通企業のインド進出が続きます。

鈴木敏仁 (03:44)


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2007年2月 5日
「実験フォーマットの撤退とベストバイの企業文化」Vol.11,No.06

アメリカ流通eニュース

 ベストバイが実験フォーマットのエスケープの撤退を決めた。04年末のオープンなのでおよそ2年間の実験であった。今後は得た結果を生かしつつ、ベストバイ店舗内に店舗内店舗(Store within a Store、以降SWS)を作る予定としている。
 ほぼ同じ時期に同社はeqLife、エスケープ、スタジオDと3つの実験店をあけているのだが、スタジオDは昨年中にクローズし、eqLifeは社員ベンチャーとしてスピンオフしたため、自らの手で多店舗展開できるフォーマットにすることができたのは一つもなく終ったことになる。
 これをもってしてベストバイを揶揄することはできないと私は考えている。絶えず新たな挑戦を続ける同社の姿勢に、現在の好調の要因を見るのである。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (05:12)


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2007年2月 5日
サステナビリティ360

ウォルマートのCEOリー・スコットが英国皇太子が主催するPrince of Wale's Environment Programmeで環境イニシアチブについて講演しました。
取り組みにつけたれた名称はサステナビリティ360...これは全方位的なアプローチという意味でしょう。消費者、サプライヤー、社員、商品、コミュニティ、すべてにかかわるのがサステナビリティ360、だと。

例えば、Global Innovation Projectsという名称の取り組みでは、社員とサプライヤーにいかに自然エネルギーを使うかということを考えてもらう。

こういうプロジェクトをいくつか並行させて行くようです。

ウォルマートが環境問題の本場イギリスで取り組みについて講演するというところに、同社の本気度が伺えると思ってます。

ちなみに今回のスコットのスピーチ原稿はすべてネットで公開中。こういうことは以前なかったことでして、栄誉ある講演なので特別に公開したのか、はたまた単純にイメージアップのためなのか・・・。

鈴木敏仁 (04:10)


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2007年2月 2日
コストコ、絶好調をアピール

コストコが株主総会を開催したのですが、以下のような好調さをアピールしています。

一店舗あたりの平均売上高1億2900万ドル。
2億ドルを超えた店舗は41店舗。
会員数は4850万人。
昨年11月に500店舗目を開店、今後米国だけで341店舗、グローバルで521店舗を増やす予定。

2億ドルは220縲鰀300億円くらいの価値があります。およそ3000坪がプロトタイプですから、猛烈な繁盛店をかなり持っていることが分かります。

また今後521店舗増やすという点には、個人的には少々驚いてます。
コストコ、絶好調です。

鈴木敏仁 (10:12)


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2007年2月 1日
ターゲットが生鮮を自社物流へ

フローズン、チルド、青果専用の配送センターを、来年8月をメドにオープンさせることを明らかにしました。ロケーションはフロリダ州レイクシティ、米国南東部エリアをカバーすることになるとのこと。

同社はこれまではスーパーバリュから供給を受けてきました。
スーパーターゲットはながく赤字経営じゃないかと言われてきたのですが、黒字化しているようなコメントが最近目に付き、モデルが確立しつつある印象です。初の生鮮物流センターの導入は、モデルができあがってきた一つの証左とも言えそうです。

鈴木敏仁 (06:46)


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