2010年10月29日
[レッドボックス] デジタルダウンロードに参入

親会社コインスターの決算発表に合わせてレッドボックスが新戦略を発表しました。自動販売機によるディスクのレンタルと、ネットによるデジタルダウンロードと、双方をミックスしたサービスの提供を来年までに開始します。

CEOの説明が一番分かりやすい。
"ディスクビジネスは依然として好調でしばらくはこの好調が続くだろうが、デジタルへジョジョへ移行していく流れの中でこの領域に参入しておく必要がある"

どういうサービスとなるのかは今のところまだ不明ですが、例えばデジタルダウンロードを何回か使ったらDVDレンタルは一枚無料とか、双方のからめてシナジーを上げて行くようなものになるのでしょう。


課題は価格、レッドボックスがここまで普及できた理由は一泊1ドルという破格のレンタル料にありまして、デジタルの世界でレッドボックスがどこまで安さを実現できるのか未知数です。

ネットフリックス、アマゾン、ウォルマートなど、デジタルダウンロードにはすでに参入している企業がいますしね。


とにかく、ディスクを使うレンタルビジネスは徐々に無くなっていくのだということを、ディスクを使ってビジネスを展開している企業の経営者がはっきりと口にしたということが重要だろうと私は思っています。

レンタルだけではなくて、ディスクを販売するという小売ビジネスも少しずつパイが小さくなって行くのでしょうね。


ちなみにレッドボックスの自動販売機数は現在28,900台で、頭打ち感が出てきている模様です。

鈴木敏仁 (01:46)


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2010年10月28日
[ウォルマート] 南アのマスマート、買収の方針転換へ

数週間前に南アのマスマートを買収するプランを持っていることを明らかにしたウォルマートですが、全株買収による子会社化ではなく、全株式の半分以下の買収として上場を維持する方針へと転換した模様です。
マスマートがメディアに語りました。

理由は不明。
ウォルマートはいま全店を回ってデューデリジェンスを実施しているところだそうで、その過程で戦略を変更する何かがあったのかも知れませんね。
日本のように、徐々に株を買い増して行くのかもしれない。


ちなみにこの買収プラン、注目をかなり浴びていて、今後の行方に注目が集まっています。
南アという地域に欧米小売企業が入り込んでいくことが珍しいことと、市場の大きさと、買収規模の大きさと、3つがあるんでしょうね。


この南アの話を聞いて私がふと思ったのは、欧米の昔の植民地政策の延長線上に存在していて彼らにとって進出することになにかと無理がないんだろうなと言うことなんですね。

日本の小売企業が南アに進出するなんて、とうていありえませんものね。
欧米の小売企業にとっては、過去に植民地化したことによる欧米文化の下地があるし、一度出ているから意識的にもそれほど遠い国でもない、ということなんだろうなあ。

インド、東南アジア、南米、すべてその伝です。


まあしかし、これが成就すると、南北アメリカ大陸、ユーラシア大陸、アフリカ大陸への進出となるわけです。
残るは南極大陸、でしょうかね^^

鈴木敏仁 (01:14)


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2010年10月27日
[ウォルグリーン] PBMユニットを売却か

出張で更新が滞ってしまいました。毎日が忙しく、出張していると体と頭が疲労して文章が書けなくなってしまいがちです。半日セミナーし、午後は店舗を見て回り、他都市へ移動し、を繰り返しますので、余裕がなかなかありません。

今回はすでにエントリーしたウォルグリーンの役員の他に、商品のパッケージやPDQ(段ボールでできたケース兼陳列ディスプレー)を作っているメーカーのウォルマート担当部長や、ウォルマート関係者とも会って話を聞きました。

どういう人と会って、何を聞き出すか、がとても重要なのですが、今回もとても良い話が聞けたと個人的には思っています。大切なことは、いま起こっていることの背景を知ること、店頭だけでは分からないことを補完することに意義があります。


さて出張中にたくさんニュースがありましたが、少しずつ追いつくとして、今日は一番気になるものを一つ。

ウォルグリーンがPBMユニット(ウォルグリーン・ヘルス・イニシアチブ)の売却を検討しているらしい。公の事実ではなく、周辺情報をメディアが報じているもので確実な話ではありません。
3社が興味を示しているようなのですが、その中にどうやらCVSケアマークも入っているようです。
売却予想額は5億~10億ドルとなる模様。

資料によると、上位3社(メドコヘルス、エクスプレス・スクリプト、CVSケアマーク)で市場の60%を占めていて、ウォルグリーンのPBMは9位で市場の2.6%を占めているに過ぎないそう。
つまり、本体にレバレッジかけるには規模が小さすぎるということなのだと思います。考えられる戦略は、他のPBMを買収して規模を大きくするか、または売却してリソースを有効に活用する、の2つの選択肢となって、同社はいま後者を検討しているというわけです。


CVSケアマーク解体論も出てますし、垂直方向で事業を持つことのリスクを考えてのことかも知れません。


実際に売却するしないは別として、ウォルグリーンとCVSの戦略的な方向性の違いが理解できるニュースではないかと思います。

鈴木敏仁 (10:01)


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2010年10月20日
[アメリカ流通視察] 大手メーカーの力技

昨日はシカゴでウォルグリーンのビューティ担当の元幹部に話を伺いました。

今回で2回目、昨年もいろいろ参考になる話が聞けたのですが、今回も面白かった。

その中からひとつだけ。

某大手メーカーがスキンケアで、マス環境にしてはプライスポイントの非常に高い商品を販売しています。
ブランド名は伏せます。

もうかれこれ2年ぐらいになるんでしょうか、これはセルフじゃなかなか売れないだろうなあと思っているんですが、なかなか棚から消えません。
これについて質問してみました。

「あれ、売れてるんですか?」
「あまり売れてないわね」
「ああいう高額アイテムは商圏を選ぶと思うのですが、なぜ全店に置いてあるんでしょう?」
「それは、○○○(メーカー名)ですからねえ。ウォルグリーンでも売れるのは数100店舗ぐらいだろうけど、メーカーのCEOが直接ウォルグリーンのCEOに話をつけて全店配荷にしてしまう。政治力ですよ。」
「ああ、日本でもよくある話じゃないすか、それ(笑)」


そうか、あのアイテムは○○○の力技で棚の上に並んでいるわけなんですね~。

こういう話も知ることが、アメリカ流通業界の本当の姿を理解する第一歩でしょうね。

鈴木敏仁 (05:39)


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2010年10月19日
[米国流通視察] グローサリーを売るホームセンター

メナーズ@シカゴ今日は午後までシカゴで、その後移動しましていまはベントンビルにいます。

シカゴでメナーズを見てきました。
本社はウィスコンシン州、中西部で250店舗近くを展開しているホームセンターです。

この企業、一部の店でグローサリーやHBCを売ってまして、ちょうどその店近辺をまわる予定を組めたので、足を伸ばしてみました。

う~ん、なるほど、こういうことかと。
いまは時間がないので表現ができないのですが、これもありなんだろうなと。

アメリカのハードウェアストアって、ホームデポのようなウェアハウス型が全盛になる前は、町の中の雑貨屋を兼ねていた時代があって、食品や薬も売ってたんですね。

その延長線上にあると思えば、決しておかしな売り方でもないわけです。

まあしかし、ホームデポやロウズに慣れてしまっている私には雑然とした売り場がけっこうおもろく、お客も入っていて、こういう店もあるんだよねと楽しんでしまいました。

鈴木敏仁 (06:17)


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2010年10月15日
[ウォルマート] メディアの論調の変化にみるアンチウォルマート意識の動き

昨日ウォルマートは証券アナリスト向けのカンファレンスを開催しまして、現在から来年ぐらいにかけての戦略について説明がありました。
詳細はメルマガに書くつもりなのでここではおきまして、小型フォーマットの実験を本格的に開始するという内容がありました。
反対運動の多く、立地にも限りがありますから、都市圏には小型が良いというのは理にかなっています。

シカゴの中心部周辺での営業が市によって認可されたという話を以前エントリーしたことがあります。イメージ改善の努力や、景気の悪化による税収減などもあって、都市によってはウォルマートに寛容になってきているというわけです。

これについて、今日のWSJ紙がおもしろい記事を載せていました。

タイトルは「天使のターゲットvsのけ者ウォルマート」。
労働環境がたいして変わらないし場合によっては低い場合もあるターゲットの進出はOKなのに、ウォルマートに対する風当たりは強い、というストーリーなのですが、以前はバランスを欠いたアンチウォルマート的な記事傾向が強かったので、かなり変わってきたなという印象を持ちました。

中小の零細小売店の方がよほど労働環境は劣悪なケースが多く、そういう例は個人的にも一杯知っているので、アンチウォルマート運動が盛んだった時代からなぜウォルマートがこれだけ非難されるのだろうと思っていたのですが、一つは競合企業が後ろ盾になっているということと、一つはスケープゴートなんだと理解すればいいわけです。
小さい企業を非難するよりも、大きな企業を非難する方が、何かと影響力は大きいですから。


まあしかし、メディアの論調が変わってきたということは、風当たりも少しずつ柔らかくなって来るるんじゃないでしょうかね。

<追伸>
16日から10日間の長い出張となります。いつものことですが、その間、エントリーが減りますがご了解ください。

鈴木敏仁 (01:12)


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2010年10月14日
[JCペニー] アックマンが大株主に、今回の目的は何?

アクティビスト型の投資家ウィリアム・アックマンがJCペニーの株式を16.5%取得していることが分かりました。
アックマンについては昨年の5月、ターゲットで取締役の席を求めて委任状の争奪戦をしかけて、ここでも何回かエントリーしていますね。
[ターゲット] 外部取締役の席を巡っての委任状争奪戦の勃発

企業の価値に比較して株価が低い企業に投資し、積極的に活動してリターンを求めるタイプの投資家を英語でアクティビストと呼びます。

ターゲットでは、自社クレジット事業の資産の売却を求めたり(結局ターゲットは半分を売却)、自社ビルのREIT化を求めて拒絶されたりし、取締役の席を求めての委任状争奪戦ではメディアの脚光を浴びたのですが結局これも負けるといういきさつがありました。

基本的に不動産を所有している小売企業や外食企業を狙うのがその手法で、JCペニーも1108店舗中の416店舗が自社資産なのだそうです。
また手持ちの現金および現金等価物が20億ドルもあって、これを例えば負債の返済に充てるといった提案をして行く可能性が指摘されています。


同時に、REITのヴォーネイドが9.9%を取得していて、アックマンと連携するというようなことが証券取引所への書類に記載されているようなんですね。

ヴォーネイドは商業不動産、とくにショッピングセンターに強いREITで、JCペニーの大家でもあるんですが、とすると、大家が店子に投資家と組んで何かを仕掛ける可能性もあるというわけで、アメリカっておもしろいなあと人ごとながら思います。


JCペニーは軋轢が起きる可能性を想定してゴールドマンサックスを雇ったそう。投資家対策にも金がかかるというわけです。


トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (01:36)


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2010年10月13日
[ターゲット] 初の海外進出へ

海外と言っても、ほとんどアメリカと変わらないカナダの話ですが。
2014年から2015年にかけて6~10店舗、その後は10年ぐらいのスパンで200店舗程度まで増やす可能性があるということを広報がコメントしています。

ターゲットがいつ海外に出るのか、業界ではずっと興味を持って見られてきたのですが、国内にまだまだ拡大余地があるというスタンスで海外進出は当分ないというのが同社の戦略でした。

これが180度転換したことになります。
小型フォーマットの開発も含めて、ここ数年で同社の戦略が微妙に変化したんじゃないでしょうか。

ただ4年後というのは、どうなんだろうなと。
小型フォーマットの開発もだいぶ先のことなのですが、もうちょっとスピードを上げた方がいいんじゃないかと思うのは、私の考えすぎなのでしょうか。

鈴木敏仁 (02:34)


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2010年10月12日
[ギャップ] ロゴの変更を数日で断念

ギャップが先週の7日にロゴを新しいものに変えたのですが、反対意見が多いため元に戻してしまいました。
ロゴを変えたのはホームページ上で、店舗の看板を変えたわけではなく、コストがかからないので簡単に元に戻すことができたのでしょう。ただし代理店を雇って新ロゴを作成しており、開発コストはかかっているようですが。

反対意見が殺到したのはFacebookで、その意見に従うように元に戻してしまった、ということになります。


いまどきの、企業とお客が双方向でネットでコミュニケーションを取りながら、その意見を企業戦略の参考にして行く格好の好事例、ということになるんでしょうかね。

でも、どうも釈然としないものが残ります。


たぶんロゴを変えたという事実は一般的にはほとんど気づかれていないんじゃないでしょうか。新しいロゴを見た人もほとんどいない思う。
反対意見が殺到したということなんですが、個人的には決して悪いロゴじゃなかったと思ってまして、ごく一部の保守的な人たちの意見に過ぎないんじゃないだろうかと。
否定的なコメントが1000件以上も寄せられたということなのですが、わずか1000件ですからね。


だいたい、こういうクリエイティブな案件は、マジョリティの意見を聞いていたら絶対にうまくいかないのですよ。

責任者の感性で決めて、あとは反対があってもどんどん遂行してしまうのが正しい、と思う。ロゴなんて、しばらくすれば見慣れてしまうものですよね。


ということで、今回のギャップの一連の動きは、どうも今ひとつよく分からないのでした。

鈴木敏仁 (01:20)


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2010年10月11日
[ジンボリー] バイアウトされる理由

子供服チェーンのジンボリーが金融グループにバイアウトされることが分かりました。買収するのはベインキャピタル、総額は18億ドル、現在の株価に23%のプレミアムを乗っけての売却です。

数週間前から売却先を検討しているというニュースが流れていたので驚きではないのですが、ふと気になって財務状況を見たところ、まったく問題ないんですね。
少なくともこの3年間は増収増益で、総資産も伸びているし、かといって自己資本比率も64%で問題なし、期末のキャッシュフローは潤沢ですし。
何よりも株価が60ドル台で、通常経営が行き詰まると10ドル以下に落ちるものでして、経営状態が逼迫していないということは株価が物語っている。

では何故バイアウトされるのか。
業績が傾いたときにのみ"ハゲタカファンド"がやってくる、ぐらいのイメージしかない日本人には分からないかもしれない。
例えば日本のメディアは資本を他者に売ることを"身売り"としか表現できないのだけれど、このジンボリーのバイアウトを"身売り"と表現したら見間違います。

株価収益率が業界平均よりもかなり低く、一方財務状態は健全であるため、バイアウトのターゲットとしては最適だ、というような説明がされているんですね。
このような健全だけど株価が安い上場企業をバイアウトするということはつまり、いまが買い時だから、市場に流通している株も全部買ってしまって手中に収めてしまう、ということです。

経営側の判断は、かなりのプレミアムを乗っけているので既存の株主にとっての利益ともなる、なのでしょうね。

資本と経営が名実ともに分離していて、バイアウトという金融技術が成熟している(たまに成熟を超えて行きすぎますが)、アメリカならではという気がします。


ちなみに個人的な話ですが、ジンボリーは私が業界誌に書き始めたときに初めて本社取材した企業でして思い出深い企業です。
またその記事をあるコンサルタントにパクられて単行本に書かれ、出版社に電話して抗議したのですが、証拠を持って来いと言われ、年に日本に数回しか出張で行かない私にはフォローできないと悟って、あきらめたという曰くがついてます。

それから私は、コピーするならどんどんしろ、自分は絶えずその先を行くよう頑張ればいいじゃないかと、腹をくくったのでした。

ということで、忘れられない企業なんです、ジンボリー。

鈴木敏仁 (02:38)


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2010年10月 8日
[ウォルマート] メーカーに原材料の共同調達を呼びかけ

ビジネスウィーク誌がおもしろい記事を掲載しています。
ウォルマートのグローバル調達部門が、大手メーカーと協力して原材料を調達すればいっそうのコスト削減につながるとして、各社に参加を呼びかけているというもの。

すでに複数のメーカーと協力して調達して効果を上げている。例えばブラジルでは炭酸飲料メーカーと砂糖を共同で仕入れてコスト削減を実現、チリでは紙製品サプライヤーと共同で紙を仕入れてオフィスで使用する紙のコストを下げることができたとしています。

でも、ブランドメーカーとは話し合いが進んでいない。当たり前の話ではありますが、原料データや製法が分かってしまう可能性があるからで、取材に応じている担当者も大手メーカーとこのテーマについて話し合うのは難しいと語ってます。

原料データが分かってしまうという問題もあるけれど、ウォルマートはPBの原価削減にこれを利用するわけで、潜在的に敵対する領域での協働ですから、大手ブランドメーカ-が乗ってくる可能性は高くはないでしょう。


ただ、このウォルマートによるアプローチは驚くべきものがあると思います。

以前エントリーしましたが、ウォルマートは全米でも最大級のロジスティクス企業で、トラックの輸送コストが専門企業よりも安い場合がある。そのためメーカーに対して自社トラックを使うよう呼びかけるというようなことがありました。
これと本質部分は一緒です。


ウォルマートの規模の大きさを実感できる事例ではないかと思います。

鈴木敏仁 (01:13)


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2010年10月 7日
[ウォルマート] ヒューマナと提携して格安健康保険を提供

ヒューマナ社はHMOなどのマネッジドケアを提供する健康保険プロバイダーです。この企業とウォルマートが提携、メディケア・パートDの調剤で、月額15ドルの格安プランを導入することを発表しました。
他の平均的な調剤プランと比べると年間450ドル近く節約できるとしています。
指定された調剤ロケーションであれば、一番安いと患者負担金2ドルでジェネリック調剤が購入できるようになる。この指定されたロケーションというのはおそらくウォルマートの調剤だと思うのですが、ひょっとすると患者の都合も考えて他のファーマシーも含むのかも知れませんね。
(本論とはずれるのでHMOやメディケア・パートDといったアメリカの健康保険システムについての説明は省略)

ウォルマートは数年前にジェネリック4ドルという画期的な価格プログラムを投入し、全米の小売企業に大きな影響を与えました。結局誰もが追随せざるを得なくなった。

今回もそうなる可能性が強いと指摘されています。

ウォルマートは商品の売価を下げようとしているだけではなく、薬の売価も下げようとしている。
アメリカの健康保険システムはきわめて窮屈でひどい状況です。政府による改革が遅々として進まない以上、民間企業に頑張ってもらわざるを得ないわけですが、その民間企業としてウォルマートが他社に先駆けてどんどん新たなプログラムを投入し、消費者が薬を手に取りやすい環境を作ろうとしている。

そう考えると、ウォルマートという企業の価値が、日本の小売企業とはもはや違う次元にあるということが分かると思います。


ちなみに4ドルプランは米国ウォルマートのCEOに昇格したビル・サイモンが絵を描いたとされ、この成功がサイモンのステップアップの柱の一つになっていると言われています。

鈴木敏仁 (02:12)


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2010年10月 6日
アマゾンのプライムに対抗する送料定額サービス

本日のWSJ誌がおもしろい記事を掲載していました。
アマゾンのプライムに対抗するためにリテーラー数社がまとまって同様のサービスを提供するという話です。

アマゾンのプライムとは年間79ドル支払うと通常配送の送料がすべて無料になるというプログラムです。アマゾンは数値を公開していないのですが、このプログラムに参加しているメンバー数は米国内で2~300万人、グローバルでは500万人近くが利用しているのではないかとアナリストが予測しています。

送料はネット販売のハードルですね。
買う側は、自分の都合と(つまり店に買い行って浪費する時間や受け取りの都合など)送料をはかりにかけて買うかどうかを決定します。
購買の決定プロセスにこういう余計なものがあると買う比率ががっくりと落ちてしまうものなのですが、アマゾンはこれを定額としてハードルを下げたわけです。


今回取り上げられていたのはショップランナーという会社で、トイザラス、スポーツオーソリティ、バーンズ&ノーブル、オートゾーンなどの大手小売企業数社と契約し、アマゾンと同じ年間79ドルで、複数のリテーラーを縦断して定額サービスを提供するのだそうです。


まだ始まったばかりで、サービス提供側がペイするのか、消費者が受け入れるのかどうか、などなど未知数ではあるのですが、ただアイディアはすごいですね。こういう発想があったのかと、私は単純に驚いたのでした。

鈴木敏仁 (12:23)


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2010年10月 5日
[フレッシュ&イージー] 13店舗閉鎖で初のスクラップ

フレッシュ&イージーが11月2日までに13店舗を閉鎖することを明らかにしました。場所はアリゾナ6店舗、ネバダ6店舗、南カリフォルニア1店舗。
ただしおもしろいのは、"店舗周辺の住宅事情と雇用環境が良くなってきたら再オープンさせる"、と付け加えているんですね。

それまでリースを支払い続けて場所を占有しておく、と考えるのはちょっと無理がありそう。シンプルに、リース条件のしばりがあって完全撤退できないと考える方がいいのかもしれません。
またひょっとするとサブリースしてしまう可能性もある。

もしくは、このニュースが忘れられた頃にひっそりと撤退してしまうということも考えられる。いま13店舗を完全撤退と発表するとマイナスイメージが強すぎますから。

この発表と同時に新店プランも明らかにしてます。半期で19店舗、そして今後2年間で200店舗だそうです。


英テスコが半期の決算を発表したのですが、フレッシュ&イージーは売上高3億9,270万ドルで前年比47%増、最終利益は1億5,100万ドルの赤字、既存店成長率は10%増でした。店舗数は159店舗。
以下コメントです。
"一店舗当たりの売上高は損益分岐点に着々と近づいている。通年の赤字幅はそろそろ山を越すと予測するが、今年の赤字が昨年より大きく改善されるということはまだないだろう"

単純計算で一店舗当たり247万ドル、年商にするとおよそ500万ドル。
私の感覚としては、確かにあともうちょっとで損益分岐点を超えそうな数値だと思います。

トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (02:41)


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2010年10月 4日
インストアTVがうまくいっていない理由

日本では各社がこぞって導入しようとしているデジタルサイネージとしてのインストアTVですが、アメリカではウォルマート以外ほとんど見ることがありません。
このウォルマートも今年初頭にネットワークをバージョンアップする予定だったのですが、まったく音沙汰がありません。

その理由について、アメリカのメジャーな流通メディアは私の知る限りまったく説明していないのですが、広告業界のメディアがようやく書いてくれました。
In-Store TV Still Fighting for Respect


要点のいくつかをまとめておきます。

・回線の工事費などインフラへの投資が高く、広告でこれをまかないづらい。
・効果的なコンテンツの開発に誰も成功していない。
・成長を見込んで参入した企業のほとんどが失敗しこの取り組みに対する業界内のイメージが悪化してしまった。


インストアTVって可能性は感じるんですが、テレビをただ置いて、普通のコマーシャルコンテンツを流しているだけでは、ダメでしょうね。
私もウォルマート店内で、エンドに設置されているTVをしばらく眺めていたことがあるのですが、TVを見入って商品をカートに入れる人は皆無でした。

日本ではメーカーが店頭に小さなモニターを持ち込んでコマーシャルを垂れ流したりしてますけど、あれも設置から撤収までのすべてのコストを勘案したらほとんどペイしていないんじゃないでしょうか。


アメリカの小売企業ってこのあたり非常にシビアなんですが、一方日本の小売企業はこういう一見すると見栄えの良いものにころりとまいってしまう傾向が強いんじゃないでしょうかね。


これ、少々考えることもあるので、メルマガにでも書こうかと思ってます。

鈴木敏仁 (03:11)


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2010年10月 1日
[ウォルマート] 今後5年以内に従業員数は300万人に

人事担当役員のスーザン・チャンバースがインドで開催されたカンファレンスでスピーチ、今後5年間で従業員数が36%増えて現在の220万人から300万人となるという見通しをコメントしました。
そのほとんどが、米国外での増加となるそう。

ふと気になって調べてみましたが、2005年時点で茨城県の人口がおよそ300万人です。つまりこれから5年間で、ウォルマートが雇用する人数は茨城県に住んでいる人口並みになるということ。
我々日本人には想像もできないマネジメントの難しさというものがあるように思いますね。


話は変わりますが、先日同社は南アでの買収に動き出しました。この買収を最終的に決断したのは現CEOのマイケル・デュークとなるわけですが、先日Fortune誌が掲載した特集記事によるとこの人は決断力と行動力に優れた方のようで、その性格が発揮されたように思います。
高値だそうで、アナリストには反対意見が多いのですが、行けると決断してさっさと買収提案してしまった。
韓国やドイツからの撤退も、デュークが国際事業の責任者となったとたんに決まった話でしたが、デュークが当時のCEOだったリー・スコットに現状を説明して、ぱっと決断したということが書いてありました。

ウォルマートはとてつもなく規模の大きな会社ですが、こういう人がリーダーだと、動きが緩慢になることがなく、いわゆる大企業病に陥るリスクも軽減され、そういう意味でもウォルマートはまだまだ行けそうな気がしてきます。

鈴木敏仁 (10:49)


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