2005年10月25日
FMI、コンベンションの独自運営を継続

FMIはここ数年の参加者の落ち込みから、5月のコンベンションとマーケテクニクスの売却を検討していて、先週末には売却がほぼ決定したという噂もあったのですが、しばらくは今までどおり独自で運営してゆくということを決定したようです。

なぜ来客数が落ちているのかというと、ミールソリューションのような分かりやすい課題をここ数年生み出せていないこと、また小売とメーカーが巨大化して、小売企業がそれぞれコンベンションを開催したりして、FMIが開催することの価値が低下してきていることがあります。

例えば現在食品卸としてはマクレーンに次いで2位のC&Sが会員ではない(全米最大の食品小売企業であるウォルマートも確か会員ではない)、といった問題も抱えています。

FMIはいま大きな転機を迎えています。

鈴木敏仁 (06:47)


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2005年10月22日
アルバーソンズ買収ビッドにクローガーが参戦

資本売却を検討しているアルバートソンズに対し、クローガーが買収の申し入れをしたというニュースが流れました。
ディールに近い人からのリークのようで、両社ともにノーコメント、正式なニュースではあません。

クローガーがアルバートソンズを買収するには、FTCからかなりの店舗売却命令が出ることが予測され、紆余曲折があるでしょう。南カリフォルニアなど競合しているエリアが非常に多いですから。
ただニューイングランド地方やシカゴなどクローガーとしては欲しい地域がある、ということで、買収参戦はありえない話ではありません。

またセブオンとオスコーという傘下のドラッグストアチェーンに対しては、CVSがすでにビッドしているようなのですが、ウォルグリーンとライトエイドも参加しているという話もあるようです。
セブオンは南カリフォルニアで非常に強く、この市場に参入したばかりのCVSとしてはセブオンは喉から手が出るほど欲しい企業だろうと思われ、これはロジカルです。
一方ウォルグリーンは買収を一切せずに大きくなってた企業ですし、ライトエイドはお金がないし、後者2社は可能性が低いと思われますね。

アルバートソンズがクローガー傘下に入るということは、ちょっと想像がつかないのですが、予断は許されません。
アルバートソンズ、どうなるんでしょうね。

鈴木敏仁 (09:19)


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2005年10月20日
スーパーバリュが新フォーマットを開発

スーパーバリュが新しい小売フォーマットの実験を開始することを19日に発表しました。
低価格のナチュラル食品がコンセプトで、店舗名はSunflower Market、来年1月にインディアナポリスに開店させるそうです。

店舗面積は340縲鰀420坪、アイテム数は8,000縲鰀12,000、Nature's BesというPBも開発したそうです。

カギは低価格であること、小型店であること。
セブアロットがヒットし、同社は低価格志向の小型店舗の運営に自信を持っています。

当然物流は同社が担うわけですが、W.Newell & Co.という特殊な生鮮を扱う子会社がメインとなるようです。つまりPBも含めたグローサリーはスーパーバリュ、オーガニック等のスペシャリティペリッシャブルは子会社、という役割分担です。

私はこの発表を聞いて、'なるほど'とひざを打ちましたね。こういうアプローチがあるのかと。
ただ小型店舗にオーガニックをアメリカ人が買いに行くのかどうかは別問題で、実験結果に注目です。

鈴木敏仁 (05:01)


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2005年10月19日
商品POPを使わないアメリカ

先月某家電大手メーカーさんの米国研修で講師をつとめたときのことです。
米国は基本的に、商品にくっつけるPOPはたくさん使わない国です。理由はよくわからないのですが、張ってはがす、つけるはずす、という経費を考えたら、商品パッケージにできる限り説明させてしまおうとするからだろうと思っています。
つまりメーカーさんのデザインにかなり依存しているというわけです。

しかしこれはグローサリーのこと。
例えばアプライアンスは小さな商品説明タッグがついているだけで、ただ置いてあるだけという印象が強い。
これを見て、店頭についてはアジアの方が勝っているという印象を、東南アジアの某国の責任者の方が持っておられました。

確かにそうかもしれないとそのときは思ったのですが、しかしふと、今私が日本へ行くと、POPが多すぎてウザったく感じていることを思い出しました。
店頭でカラフルな文字が氾濫していて、商品がよく見えない。
もうちょっと、静かにしてくれ、という感じです。

これはひょっとすると、美的感覚の違いに根ざしているのかな、などと感じています。
米国人は店頭にすっきりした整然を求めているのに対して、アジア人は混沌を求めている。
または両者ともにその環境に慣れているので、他国に行くと違和感を感じてしまう。
私は米国が長いので、こちらの環境に慣れてしまった、というわけですね。

ただ家屋に対する美的感覚は逆で、つまり日本人は侘び寂びの世界でごちゃごちゃさせないすっきりとしたデザインを求めるのに対して、欧米人はたくさんの複雑な装飾をつけたがります。

矛盾です(笑)
今後解決すべきテーマの一つが増えました。

鈴木敏仁 (03:07)


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2005年10月17日
卸ビジネス、2つの方向性

卸ビジネス、または中間流通(この表現、私はあまり好きではありません)の方向性について、米国の状況から考えるというネタを、今日一つ書き終えました。
月間マーチャンダイジングの連載用で、前回と今回の2つに分けました。

簡単な骨子は、グローサリー業界型とドラッグ業界(またはカージナルヘルス型)があって、どちらもベンチマークして行かねばならないだろうというものです。
前者は分解型、後者は総合型、と言い換えてもいい。

これだけでは良く分からないですね(笑)

ブログでは説明しきれないので、興味のある方はぜひ雑誌をご購入ください。

ちなみに現在体調を崩し、ヘロヘロのやばい状態です。
締め切りがまだ一つあり、今週末からは出張という過酷な環境に直面し、危機感の真っ只中にいます(笑)

鈴木敏仁 (07:30)


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2005年10月17日
シアーズが返品手数料プログラムを導入

シアーズが17日に、家電、ハードウェアツールについて、15%の返品手数料を課すことを発表しました。

アメリカでは無条件返品が当たり前だと思っている日本の方が多いようですが、何の条件もなく返品を受けるのはノードストロムだけでしょう。
DSでは少なくともレシートは必要だし、返品までの期間もある(カテゴリーによって期間は異なる)。SMもDgsも、たぶんいかなる小売企業も、返品には条件をつけています。

ベストバイは商品カテゴリーによっては返品に対して15縲鰀25%の手数料を課しています。
また非常に細かい返品ポリシーがあって、ちゃんとサイトで公開もしています。

米国のすべての小売企業は、返品は無条件で受けるなんて、いったい誰がいいだしたことなんでしょうね。
木を見て森を見たつもりになっている人って、識者も含めて一杯いて、この識者が知ったようなことを言うものだから、混乱が生じます。困ったものだなと思ってます。

鈴木敏仁 (04:02)


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2005年10月14日
ホームデポが外部取締役に課したルール

ホームデポが外部取締役に対して、年間に最低丸一日、本社のエグゼクティブかミドルクラスの管理職とセッションを持たねばならないというルールを作ったそうです。

これは、外部取締役の形骸化、つまり経営サイドが出した経営結果や計画書に対してめくら判を押すことを防ぐ意味があります。

取締役会の本来の役割は、資本サイドの代表として経営を監督(ガバナンス)することにあります。そして外部取締役は、内部取締役とは異なるスタンスで、つまりピュアな資本サイドの代表と機能します。
この取締役会が経営サイドの支配下に置かれては、ガバナンス機能が果たせない。しかしガバナンス機能を果たすには、外部取締役はその企業のことをある程度は知らなければならない。

これを実現するためにホームデポは業界に先駆けての91年に、外部取締役は1年に最低1回は店舗に行かなければならないというルールを作りました。

そして今回も、業界に先駆けてのルール設置です。

ホームデポがどういう企業風土を持っているのか、よく分かる事例だろうと思い紹介しました。

鈴木敏仁 (04:49)


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2005年10月11日
ファザードに店舗名がない専門店

DSCF3343.jpg
この写真、ビクトリアガーデンというライフスタイルセンターで撮ったある専門店のファザードです。
よく見ると分かりますが、店舗名が表に一切ない(笑)

これは、日本進出を決めたアバークロンビー&フィッチが展開している別フォーマット、ホリスターです。
アバクロの廉価バージョン、とでも言えばいいでしょうか。

店舗名を表につけないというのは、ターゲットとする若年層を意識したものなのでしょう。
クール、という印象はありますね。
ただよほど強いインパクトをファザードに作らないと、それがホリスターだと分からないかもしれない。
非常に斬新なデザインではあり、この問題はクリアしているようには思います。

若い人たちを対象とするためには、いろいろアイディアをひねらなければならないという例でした。

鈴木敏仁 (01:47)


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2005年10月 7日
ウォルマート、都市型アパレルラインを導入

アパレルを強化することを宣言していたウォルマートが、新ラインの投入を発表しました。
名称はメトロ7。

年齢層25縲鰀45才、消耗品を買いにくるが、アパレルは他で買うという、アーバンに住む女性をターゲットとする。1年半をかけて6,000人にアンケート調査した結果が反映されている。
価格帯は9.99縲鰀29.99ドルで、ジョージラインよりも若干高め。

今週中にメトロポリタンを中心に500店舗に導入し、来年春には1,000店舗にまで広げるそうです。

まあたぶん、一朝一夕には売れないでしょうね。
確かにターゲットはものすごくうまくいってますが、もう10年以上も取り組んできている結果なわけですから。

鈴木敏仁 (09:32)


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2005年10月 5日
アホールドがアルバートソンズ買収に意欲

10/4にロイヤル・アホールドのCEOアンダース・モバーグが、アルバートソンズ買収に興味があるとの声明を出しました。
ただし、全資本ではなく一部の商圏のみ、またアルバートソンズとは交渉の席についたわけではないと断りがついてます。

アホールドはスキャンダル以降後ろ向きの戦略に終始してきましたが、ようやく攻めのコメントが出てきたという印象です。

バイアウト企業を除き、アルバートソンズに興味を持つのはやはりヨーロッパの企業ですね。

鈴木敏仁 (06:56)


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2005年10月 5日
村上ファンドとアルバートソンズ

村上ファンドが阪神電気鉄道の株式を買い進めているそうですね。
これに対して、電鉄側が実に稚拙な反応をしている。
我が国の会社のシステムにおいて、資本と経営が分離していない典型例です。
上場している以上、誰が株主になっても文句は言えない。いやなら上場しなければいい。

以下asahi.comの記事を抜粋します。

「阪神電鉄は今年、鉄道営業開始から100周年を迎えた。村上ファンドが目をつけたのは、この100年の間にため込んだ沿線不動産をはじめとする膨大な含み資産だ。 」

これは要するに、資産をためこみ、株主に価値を還元してこなかったということに他なりません。
現株主はずっと低いリターンに甘んじてきたということ。

「買った株を後に高値で売り抜けるのも投資ファンドがよくとるスタイルだ。」

これは当たり前の戦略です(笑)
よくとるスタイルではなくて、それが投資ファンドの仕事です。
可能な限り安く買って、可能な限り高く売る、商売の基本じゃないでしょうか。
'売り抜ける'や、'よくとるスタイルだ'という表現に若干の批判的な意図を感じますが、どうでしょう。

「阪神電鉄首脳はこう漏らした。'皆さんに助けてもらわな、あかん'」

誰に助けてもらうのでしょう(笑)?
助けてもらうのではなくて、株主にきっちりリターンを返すことが肝要なんじゃないでしょうかね。
このコメントのレベルは、かなり幼稚です。

アルバートソンズは、再建策の1つの選択肢として資本売却を視野に入れてます。
どうしてなのか。
阪神電鉄はこのあたりから学ぶ必要がありそうです。

鈴木敏仁 (06:38)


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2005年10月 3日
ウォルマートが西友を子会社化

先週の9月30日(金曜日)に、西友が第三者割当増資をウォルマートに割り当て、ウォルマート保有の西友株式の持ち株比率が50%を超えることが発表されました。

今年中にウォルマートが持ち株比率を上げるのかどうか、随分いろいろな意見を聞きました。西友が悪すぎて、たぶんウォルマートもカルフールのように撤退するのではないかという意見が多かったように思います。

しかし私は、絶対に子会社化するだろうと思ってましたし、そう言い続けてました。

子会社化して、やりたいことをやって、ダメだったら撤退するのかもしれないけど、子会社化もしていない段階で放り投げるようなことはありえないだろうというのが私の見解でした。

それと、引き受け額の約6億ドル(675億円)は、ウォルマートによる年間設備投資額の5%にしか過ぎません。そう、西友の規模はウォルマートにとっては非常に小さいものなんです。この程度なら、増資を引き受けないと考えるほうがおかしいわけです。

子会社化して、今後ウォルマートからどのくらい一線級が送り込まれるのか。または西友を再建できる有能なリーダーを社長としてたてられるか。このあたりに今後は注目です。

鈴木敏仁 (04:08)


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ペプシネックス



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