2005年12月31日
米国年末商戦の行方は・・・

27日にWSJ誌で発表された数値によると、米国歳末商戦は対前年比で8.7%増という、まずまずの結果が出ました。

これはマスターカードが所有するデータサービス、SpendingPulseによる調査の結果で、11/25-12/24までの期間のものです。

一方全米小売連盟(NRF)は、6%増という予測を維持してます。

いずれにしても、ガソリンの高騰や金利の上昇などネガティブ要因があったにもかかわらず、米国の消費は冷え込んではいないという印象です。

最終的な結果は1月初旬には出てくることでしょう。

鈴木敏仁 (03:52)


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2005年12月29日
総合業態と専門業態

総合業態とはウォルマートのように、様々なカテゴリーを幅広く提供する業態のこと、専門業態は特定カテゴリーに特化して狭く深く提供する業態のことです。
ウォルマートやターゲットは総合業態、トイザラスやホームデポは専門業態ですね。

この両者、いつも競合関係にあるのですが、時代によって優劣があります。
米国においては、80年代は専門業態の時代、90年代からは総合業態の時代と言う事ができるかもしれません。

さて、トイザラスの苦戦を引き合いに出して、総合業態が専門業態に勝るという言い方をする人がいるのですが、これはだめになった理由を知らない人の意見と言う事ができます。

トイザラスは時代の変化に対応し切れなかっただけです。
企業変革を怠った。

例えばベストバイは数年前に業績悪化に陥り、痛みを伴う企業変革に取り組み、業績を回復させました。現在もビジネスモデルの転換に余念がありません。
ホームデポは言わでもがなで、経営者をメーカーから招聘して企業文化を変えてしまいました。

こういう変革を怠ったのがトイザラスなんです。または、変革への取り組みが遅すぎた。
だから負けた。
総合業態が専門業態に勝るというロジックを実証する好例としては適格ではありません。

どちらが勝るという議論は不毛でしょう。
総合・専門いずれにしても、刻一刻と変化する消費者ニーズに合わせて、企業変革を怠らない企業が生き残って行くのです。

鈴木敏仁 (01:16)


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2005年12月27日
ロサンゼルス市議会がスーパーマーケット労働者保護条例を可決

ロサンゼルス市議会が22日に、SM労働者を保護する条例を可決しました。

1、1万5000スクエアフィート(423坪)以上のグローサリーストアを買収した場合、既存の労働者を少なくとも90日間解雇できない。
2、90日間を過ぎてからは書面による査定を行い、十分な評価がある限り、既存の労働者を使わなければならない。
3、雇用カットは年功序列を考慮に入れなければならない。

アルバートソンズによる資本売却プランが、可決に影響を与えたとのこと。
表決は11対2でした。
食品労働組合の勝利です。

グローサリーワーカーに限定されている点において、つまり他のビジネスとの公平感を考えると、これはかなり保守的な条例と言わざるを得ません。
米国文化のフェアネスの精神から言えば、'あらゆるビジネスにおいても、他社を買った場合は3ヶ月間は既存労働者を解雇できない'とすべきところでしょう。

SM企業は上訴するとしていますが・・・。

鈴木敏仁 (10:16)


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2005年12月26日
ベストバイがパシフィックセールスを買収

家電DSのベストバイがパシフィックセールスという企業の買収を23日に発表しました。
日本の皆さんにはまったく知られていない企業だと思うのですが、ロサンゼルスに住んでいる人の間では知る人ぞ知るという店で、「えっ、ベストバイがパシフィックセールスを...」という感想を強く持ちました。

この企業のフォーマットは、一言で言えば、家屋のリフォーム時に必要となる家電を中心とした商品を、ショールーム形式で売るというものです。
グリル、冷蔵庫、電子レンジ、エンターテイメント関連(大型テレビやスピーカー)といった家電系から、トイレ、バス、シンク、シャワーヘッドなどなどホーム系まで、幅広く取り揃えます。
特にSub Zeroなどハイエンド型に強い企業です。

私が家をリフォームしたときは、工務店からスペックを渡されて、この店に買いに行ったものでした。

店舗数は14、年商は3億2000万ドル、1960年の創業で、どうやら創業者が引退するため売却したようです。

このM&Aはベストバイの長期戦略を考えるに、実に興味深いものであります。
これも詳しくは、アメリカ流通eニュースに書くつもりです。

鈴木敏仁 (08:39)


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2005年12月22日
読者の皆様に感謝

本日まで一週間ほど日本に滞在していました。
この記事は成田でアップしています。

今回お会いした方の多くが私のブログを読んでいることを知り、ちょっと驚くのと同時に、更新に対するやる気がもりもり出てきました。
ほんとうにありがとうございます。
基本的に宣伝はあまりせず、好き放題書きたいと思っているのですが、結果として読者が少しずつ増えてくれたらいいなと思っています。

私のような人間にとって、ブログは実に有効な情報発信ツールです。
しかし情報発信ツールとしてのみならず、アーカイブとしても非常に優れた機能を持っています。過去どんなことがあったのか、整理されたデータとして格納できる。
過去を振り返ってみて、米国流通業界についての流れがおおきく分かるようなサイトになればと思っています。

また、コメント機能によって、複数の人間が、どこにいても、いつでも、会話形式で参加できるという機能があります。
例えばプロジェクトを立ち上げたときに、ブログを作り、参加人員全員で進行状況を入力して行く。
次のプロジェクトのときに、その資料をひっくり返す必要がありません。
世界中のどこにいても、その情報を引き出すことできる。

企業の場合はイントラブログとなるわけですが、私のサイトでも何かできないか、いろいろ模索して行こうと思っています。

鈴木敏仁 (10:36)


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2005年12月22日
米国産牛肉の輸入解禁と、真実のありかについて

米国産牛肉が制限つきで輸入解禁になりました。
米国において、安全性の議論をほとんどしないマスコミの態度に、報道規制がしかれている気配を感じているということはすでに書きました。食品業界というものは保守的なもので、この点については日米変わらず、さらに政治が利権で絡んでいる点も同じだろうと思います。

そういうことで、ごり押しする態度を合わせて、米国のやり方に不満を私は持っていました。
もうちょっと安全性について敏感になれよと。

ところが、現在日本にいるのですが、アエラという雑誌が日本の牛肉の安全性も怪しいという記事を掲載していて、読んだら目からうろこが落ちました。
日本は安全だと思っているけど、実はそうでもない。
アメリカの強引さ、不合理さばかりに目が行っていて、日本の安全性についての議論が消えてなくなってしまっている。

例えば、証券取引の不祥事も、当初私は「他人のミスにつけこんで大金を儲けた会社は利益を還元するのが当たり前だろう」と思っていました。
しかし某誌の記事で、フェアな市場というものを維持したいならば返金などするべきではない、という内容を読んで、これまた目からうろこが落ちました。
つまり、私が仮に誤って注文して10万円を損失したとして、注文ミスだから10万円返せ、などとは言えないわけです。
数100億と10万円は違うという論理は、市場というきわめて客観的なシステムの前では機能しません。
僕にとっては、10万円はとても大きな金額です(笑)

例えば、国が莫大な赤字国債を発行して国民に大きな借金をしている。
健全な感情からは、借金はいけない、と思う。私も日本の将来は暗い、と思ってしまう。
ところがマクロ経済のプロには、国民がとりあえず許容しているのだから問題ない、という見方をする人がいるんですね。
つまり、個々人の感情はさておき、実態は日本国民には赤字国債を買う余裕があるわけで、もし余裕がなくなったら買えなくなって国は赤字国債は発行できなくなるだけだけのことだ、というわけです。
利払いに耐えられなくなったら、自然と借金を減らす努力を始める。今がそのターニングポイントかもしれない。
こんな話を聞いて、私はまたまた目からうろこが落ちるわけです。

今感情的に感じていることも、他の視点から見ると滑稽なただの感情論なのかもしれない。

今回のことで私は、物事を見るときには、上から下から、右から左から、そして斜めからも見ないと、その真実や本質は分からないのだということを、あらためて実感しました。
木を見て森を見た気になってしまってはいけません。
自戒を込めて。

鈴木敏仁 (03:32)


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2005年12月20日
スパルタンがD&Wフードセンターを買収

19日に発表されたニュースです。
スパルタンはミシガン州、インディアナ州、オハイオ州のインディペンデントSM350店舗に供給しているホールセラーで、また別途にSM64店舗も所有している企業です。

一方のD&Wはミシガン州の西部に20店舗を展開するいわばローカルSMで、インディペンデントとしては有名な企業でした。
ウォルマートとマイヤーの競合が売却理由として引き合いに出されてます。

ここでもウォルマートか...という感じですね。
こういう著名なローカル企業が独立を失うというのは少々残念ではあります。

鈴木敏仁 (07:27)


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2005年12月16日
アルバートソンズを買収するのはサーベラス連合?

WSJ紙が今日、業界筋の話として、サーベラス連合がアルバートソンズ買収に最も近いと報じました。
週末にもアルバートソンズは緊急取締役会を開催するようです。

ちなみにアルバートソンズ買収に入札した企業グループは、以下の5グループとされています。

1、サーベラス・キャピタル・マネジメント、キムコ・リアルティ、スーパーバリュ
2、コールバーグ・クラビス・ロバーツ、アポロ・アドバイザーズ、テキサス・パシフィック・グループ
3、トーマス・H・リー・パートナーズ、ベイン・キャピタル、ウォーバーグ・ピンカス、クローガー
4、ウォルグリーン
5、CVS

ウォルグリーンとCVSはドラッグストアのみの買収入札の模様。
CVSは好条件を出していて、サーベラスと競っているそうです。

著名なバイアウト企業の勢ぞろいですね。
市場総額が大きいですから、このレベルでないと買えないということです。
クローガーとフレッド・マイヤーをつなげた、ユカイパがいないのは意外でした。

鈴木敏仁 (06:37)


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2005年12月15日
ウォルマート、ブラジルで140店舗を買収

ウォルマートが14日、ブラジルのSonae's(ソナエズ、かな?)140店舗を買収すると発表しました。総額は6億3500万ユーロ(約7億5700万ドル)。
140店舗にはハイパーマーケット、スーパーマーケット、そして卸が含まれています。
この結果ウォルマートのブラジルでの店舗数は295店舗となり、業界3位となります。

Sonae'sはポルトガル資本ですが、カルフールに店舗を売るなどブラジルからの撤退を模索していました。
ちなみにウォルマートは昨年ロイヤル・アホールドから2億500万ドルでスーパーマーケットを買収していて、ブラジルは小売資本が大きく動いています。

また、ラテンアメリカでは今後も買収を視野に入れていくと、クレイグ・ハーカートがコメントしています。

ウォルマートがブラジルに進出したのは95年のことで、すでに10年が経過してます。
10年かけて、業界3位になった。
ブラジル事業が黒字か赤字か何もコメントはないのですが、じっくりと腰を落ちつけて取り組んでいるわけで、これはたぶん日本でのアプローチにも当てはまることでしょう。

鈴木敏仁 (09:14)


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2005年12月14日
ベストバイが減益、その理由は・・・

ベストバイが第3四半期の業績を発表しました。
売上高は10.4%増の73億3500万ドルでしたが、純利益高は6.8%減の1億3800万ドルで、増収減益でした。
ちなみに営業利益高は18.9%減でした。

理由はコストアップ、具体的には同社が昨年来取り組んでいるカスタマー・セントリシティというプログラムが経費増に大きく貢献してしまったということです。

CEOのブラッド・アンダーソンは「変革活動に投資し過ぎた」とコメント、しばらくスローダウンして利益が出せるモデルになるよう調整するとしています。

このカスタマーセントリシティについては、販売革新(商業界)7月号に書いたり、流通eニュースで書いたりしているのでここでは詳細は書きませんが、簡単に言えば対象顧客を絞り込み、商圏顧客のプロフィールにアソートを合わせ、ロイヤルカスタマーには良いサービスを提供し、そうでないカスタマーにはサービスを限定するという戦略です。

SM業界のロイヤルティマーケティングとはアプローチが少々異なっていて、非常におもしろいのですが、コストアップ要因があり、懸念されていました。
同社は売り上げ増がコストアップを相殺するとしていたのですが、今回の決算でバランスが悪くなってしまったことが分かってしまったわけです。

非常にユニークでおもしろいプログラムではあり、壁を乗り越えてワンステップ先に進めるよう頑張ってほしいなと思っています。

鈴木敏仁 (08:34)


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2005年12月13日
神がウォルマートで買い物をするのか?

食品労働組合がバックアップするWake-up Wal-Martというグループが9日に、テレビコマーシャルを使った新たなアンチウォルマート運動を開始しました。
その内容というか、アプローチが例を見ないもので賛否両論呼んでます。

「ジーザスはどこで買い物をするか?」

ジーザスはウォルマートの貪欲な価値観を容認しない、という論旨です。
宗教グループのリーダー65人の署名入りの手紙もリー・スコット宛に別途送ったそうです。

一握りのグループが、自分たちの価値観を戦術として宗教に持ち込むのはどういうものかなと言う気がするんですけど、どうなんでしょうね。
真剣にそう思っているのか、議論を起こして注目を浴びることを目的としているのか、ちょっとはかりかねるところがあります。
いずれにしても、我々日本人にはちょっと想像もつかないアンチ運動だと思います。

鈴木敏仁 (09:18)


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2005年12月 9日
性差別と人種差別で、ベストバイを6人が提訴

ベストバイが提訴されました。
白人の男性が昇進で優遇され、女性や有色人種が差別されているという主張。
団体訴訟の承認を求めてますが、承認されると大きな規模となります。

ウォルマートばかりが脚光を浴びているので、掲載しました。
シアーズ、ホームデポ、アルバートソンズ・・・、どの企業も訴訟を一杯抱えてましてね。
ウォルマートの場合は、労働組合がキャンペーン張ってますから、ネガティブニュースがどうしても表面化しがちですが、ウォルマートだけではないということです。

米国人の訴訟好きについてはいろいろ言われてます。

一つには米国経済の運営方式、つまりレッセフェール型の市場原理主義体制においては、訴訟という手法が一つのチェック&バランス機能を果たしているのだ、と私は思っています。

確かに性差別や人種差別があるのかもしれない。
それを例えば日本の場合はお上が介入して指導してしまうかもしれない。
しかし米国の場合そういうことに当局が介入するということはあまりありませんから、社員(または元社員)が訴訟を起こして修正をかけようとする。
それで、バランスが取れる。

これは性善説かな。

性悪説で説明すると、企業訴訟はただのゆすりです(笑)

鈴木敏仁 (04:47)


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2005年12月 8日
シアーズエッセンシャルズ早くもペースダウン、次はシアーズ・インサイド

DSCF3030.jpg
シアーズエッセンシャルズとは、簡単に言うとKマートの店舗をシアーズに転換したフォーマットです。
死んでるKマート店舗を活性化する、モール内で冴えないシーアズを外に出したい、といった目論見で作られた実験フォーマットで、今年一年で50店舗をリモデルしました。

12月6日に発表された第3四半期の決算につけられたコメントで、会長のランパートは、実験結果はミックスで、来年からの出店計画を見直すとしました。

そりゃまあ、そうでしょう。

6月にグランドオープニングで店舗を見に行ったのですが、ほとんどショールームで、何の魅力もありませんでしたから。
マーチャンダイジングどうのこうの言う前に、店舗にまったく活気が感じられない。
売ろうという意欲が欠落している。
行き過ぎた経費削減が、縮小均衡に陥るという典型例です。

いきなり50店舗というのも、いただけませんでした。
あのウォルマートでさえ、ネイバーフッドマーケットはまず4店舗を作って、しばらく実験してましたから。
1店舗を作って、売れるのかどうか調整してから増やすのが常道でした。
会長のランパートが小売素人と言われるゆえんでしょう。

でもってかわりに、Kマート店舗にケンモア、クラフツマンやダイハードといったシアーズPBを導入する、'シアーズ・インサイド'戦略に切り替えるとのことです。
なるほど、マイクロソフトにインテル・インサイド、Kマートにシアーズ・インサイド、ですか(笑)

ちなみにシアーズ・ホールディング(業界ではKシアーズと呼ばれてます)、増収減益でした。

鈴木敏仁 (03:37)


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2005年12月 7日
マーシュ・スーパーマーケットが第3四半期に赤字計上

インディアナ州とオハイオ州にSM119店舗、コンビニエンスストア160店舗を持つマーシュ・スーパーマットという企業があります。いわゆるリージョナルチェーンで、公開企業です。

この企業が11月29日の決算発表で、第3四半期に340万ドル赤字に転落することを明らかにしました。

既存店と新店の不振と、販売管理費の上昇を直接的な理由としているのですが、新旧店舗が不振で経費が上がったら、業績は悪化するに決まってますね(笑)

'株主価値の向上のために、企業売却も含めた戦略的オルタナティブを模索する'とし、そのためにメリルリンチをすでに雇った模様です。

米国のSMは、こちらの業界用語で言うところのバリュー型(つまり低格志向)かスペシャリティ/グルメ型は好調ですが、これも業界用語のメインストリーム型(つまり普通のSM)は、ウォルマートとの競合に苦しむという図式がここ数年のトレンド。

つまり真ん中はどんどん淘汰されて言っている現状で、ウィンディキシーの倒産(チャプター11申請)や、A&Pの苦戦もすべてその流れの中にあります。

マーシュの赤字も同じ文脈で説明できるわけで、ああここにも敗退しつつある企業がいたのか、というのが率直な感想です。

鈴木敏仁 (04:38)


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2005年12月 6日
ブラックフライデーとサイバーマンデー

ブラックフライデーに最も忙しかったネットショッピングサイトはeベイで、950万ユニークヒットだったそうです。
次いで、アマゾンの460万ユニークヒット、ウォルマートの340万ユニークヒット、ターゲットの290万ユニークヒット、そしてベストバイの210万ユニークヒット、でした。
ニールセンによる調査結果です。

全体では、29%アップの1720万人が金曜日にネットで買い物をしたそう。

ちなみに翌週の月曜日は、みんなが会社に戻ってネットで買い物を始める日だそうで、本格的なネットショッピングシーズンの始まりということで、、'サイバーマンデー'と呼ぶのだそうです。

ブラックフライデーとサイバーマンデー、覚えておいて損は無いかもしれません(笑)

鈴木敏仁 (09:43)


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2005年12月 6日
今日はアルバートソンズ資本買収申込みの締め切り

DSCF2499.jpg
今日12月6日は、アルバートソンズに対する資本買収申込みの締め切りだそうです。
買収総額は160億ドルに達する見込み。

現時点で買収申込みをすると推測されているのは、アポロ/KKR/テキサス・パシフィック連合、サーベラス/キムコ・リアルティ/スーパーバリュ連合、ユカイパ/デュバイ・インベストメント連合、の3つだそうです。
著名なバイアウト企業がほとんど名前を揃えていて、やはりアルバートソンズ並みのディールとなると出てくる企業も違うという感じです。
ちなみにこれほどの案件は、しばらくは無いだろうと言われています。

驚いたのは、なんとスーパーバリュが名前を連ねていることです。
この企業は、小売売上高がすでに半分を超えていて、'小売企業が卸もやっている'という説明が正しく、さらに小売ビジネスを強化しようということなのでしょう。

ちなみにクローガーはこれらのグループと今後組むか、または買収後に売却される店舗を待つか、というような状況らしい。

どうなるんでしょうね。
興味津々です。

鈴木敏仁 (08:58)


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2005年12月 6日
広がる処方薬の自動販売機

DSCF3532.jpg
米国では処方薬をキオスクで受け取るシステムの実験が広がり始めてます。
自動販売機という表現はよくないかもしれませんが、とりあえず分かりやすくするために使いました。

写真はロングスに設置されたキオスクで、現在1店舗で実験中です。
ScriptCenterと呼ばれ、Asteres社という会社が運営してます。
カリフォルニア州ファーマシー委員会による認可が降りて、ウォルグリーンとセイフウェイも実験を開始するそうです。

仕組みは、まず氏名、住所、生年月日、自宅の電話を申し込み用紙に記入し、処方箋と一緒に提出します。
次回店舗に来て受け取るときはキオスクに行き、登録画面を選択し、処方せん番号と生年月日を入力、そしてIDとパスワードを発行してもらう、という手順です。
次回からは、パスワードを使ってキオスクで受け取ることになるわけです。

ただし、繰り返し処方(Refill)に限定され、要服薬指導、サイズの大きい薬、要冷蔵薬などは、キオスクを利用できません。

一方ニューヨークでは、デュエイン・リードが60店舗にキオスクをすでに設置してます。
こちらは処方薬引き渡し用ではなく、受け付け用で、双方向ビデオがついて、スキャナーがついて、これで処方せんを提出し、後日薬を送ってもらうか、店で受け取るか、という仕組みになります。

またマンハッタンのKマートもキオスクを実験的に設置しているようです。

この動きはすべて、高齢者の増加に伴って処方薬ニーズが高まること、しかし薬剤師は慢性的に不足していること、そして薬価削減によって処方薬が儲からなくなっていること、などを背景としています。

合理的ですよね。

我が国では、ドンキホーテが双方向ビデオを導入しようとして、猛反発を食らったことは記憶に新しい。
日本もこれから高齢者が増えて、しかし薬剤師が不足していて、環境は米国と一緒なのですが、しかし既得権を持った人たちが新しいイニシアチブをいっせいにつぶしにかかる。
いかにも日本らしい。

我が国でも面分業は確かに広がっているようですが、米国ではさらに一歩進み始めているという例を今日は引きました。

鈴木敏仁 (02:01)


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2005年12月 5日
年末商戦スタートは・・・

ちょっと遅くなりましたが、歳末商戦最初の週末、つまりブラックフライデーから始まった3日間の速報が、翌週の月曜日11月28日に明らかになりました。

まずNRF(National Retail Federation)による調査は、対前年比で22%伸びて279億ドルを売り上げたとしています。平均支出は一人当たり302.81ドルでした。4209人に対する聞き取り調査、つまりパネルデータですので、100%正確というわけではありません。
NRFは歳末商戦全体に対しては、昨年の6.7%増を下回る対前年比で6%増という予測ですが、当初の予測5%を若干上方修正していて、この3日間が予想以上だったことを示唆しています。

一方ShopperTrack RCTという調査会社は、金曜日の売上高は0.9%減としています。こちらはモールやストリップセンターの小売店舗4万5000店舗をモニターした結果ですが、ウォルマートやベストバイなどのモール外チェーンストアが含まれていないため、こちらも100%正確ではありません。

ウォルマートの11月の既存店成長率は4.3%増で、当初の見込み3縲鰀5%を上回りました。
こちらは昨年の戦略失敗を糧にした結果で、これも全体のバロメーターとは言えません。

今年は買わねばならないという売れ筋玩具が無いようです。
従ってチェーンストアが売れ筋をガンガン値下げしてロスリーダーにしてお客を引くということができず、玩具専門チェーンで説明を聞きながら買うというお客が多いのだそうです。

ガソリンの高騰などで財布の紐がしまるのではないかとという懸念していたわりには悪くは無いが、しかしもろ手を上げて'今年は売れるぞ!'というわけでもない、というような感じでしょうか(笑)

歳末商戦は始まったばかりです。

鈴木敏仁 (09:46)


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2005年12月 3日
アホールドが株主に和解金11億ドルの支払いで合意

オランダ資本の多国籍リテーラー、アホールドの米国事業のひとつ、外食サービス卸のUSフードサービスが粉飾会計でスキャンダルに見舞われたことは記憶に新しいですが、この事件発覚直前に株を購入した株主が団体訴訟を起こし、和解金としてトータル11億ドルを支払うことが11月28日に発表されました。

日本円で1300億円超...すごい額ですねえ(笑)
キャッシュフローがあるから大きなダメージではないと言っていて、まあ、大企業はこのくらいの特別損失は吸収できちゃうというわけですが。。。

この一週間日本に出張していて、更新遅れてます。
今成田のラウンジからアップしてますが、やっぱりブログは便利ですねえ...。
少しずつ遅れを取り戻そうと思ってます。

鈴木敏仁 (11:41)


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