先週末のビジネスウィークがコストコを記事にしていました。原価の上昇をそのまま価格に反映せず、知恵を絞って売価上昇を抑える姿が書かれていて興味深いものがありました。
タイトルは、Costco's Artful Discount = コストコの巧みなディスカウント。
ついでにインタビューが動画になっていたので、紹介します。
商品パッケージを丸型から四角に変えることでパレット上に乗る個数が増え、つまり積載効率が上げることで2万4000個のパレット分、トラックにすると600台分を節約した、ということが前半で、後半に出てくるのが創業CEOのジム・シネガルです。
シネガルはいま72歳、そろそろ引退が近く、こうやって出てくることも少なくなっていくことでしょう。また今まであまりメディアに出ることがなかったのですが、ここ数年露出することが多く、これもおそらく自分の年齢を考えてのことなのだろうなと思ってます。
さて記事でおもしろかったポイントが二つありました。
1つ目はアソートメントにウォーターフォードやハーマンミラーなどのラグジュアリーブランドが増えていて、あるファッションブランド企業の幹部をして、「いまにサックスみたいになってしまうだろう」と冗談交じりに言わしめている点。
コストコの強さのカギの一つは、コモディティディスカウント(ニーズ)と、シーズナルやスポットによる宝探しと(ウォンツ)とが巧妙に混在しているところにあります。ラグジュアリーアイテムは後者の典型的な商品カテゴリーですが、その範囲がどんどん広がっている。
コストコのイメージがただの安売り屋じゃなくなっていることと、当然販売力と、2つがブランドメーカーに訴求しているんでしょうね。
2つ目は"簡単には値上げしないよ"というシネガルのコメント。
「最大の懸念は、10セント、1ドル、100ドルと値上げすることが何でもないことだと考え始めて、我々の道を見失うことにある。そういう規律なしでは、我々の存在価値はなくなる」
戦うことなしに値上げすることはしない、と言う。
その一環として、上記のパッケージングの見直しがあるわけです。
これ、小売業(だけじゃなくて一般的にも)のイロハのイのようなものですが、見失いがちなMD哲学です。創業CEOがいまでも率先してやっていることに価値がありますね。
コストコ好調の要因を垣間見れる記事でした。
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