2007年10月31日
【ステープルズ】 UPSと共同で中国に進出

オフィス用品ディスカウンターのステープルズが、Fedexと並ぶ大手宅配企業であるUPSと共同で中国に進出したそうです。

名称はステープルズUPSエキスプレス、オフィス用品販売と海外宅配のコンビネーションフォーマットを開発、2店舗を北京にオープンさせました。年末までにあと2店舗をオープンさせる予定。
オフィス用品にはDocument Processing Serviceを含むというのでたぶん書類を印刷して綴じて文書化するというようなサービスも提供し、海外宅配にはPackagingを含むので段ボールなどの包装も販売するのでしょう。


こういうアライアンスがあり得るんですね。海外に出るときは単独ではなくシナジーを出せるどこかと組むという手もあるというわけです。

鈴木敏仁 (05:17)


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2007年10月30日
【サムズ】 食品のネット販売をテスト

メンバーシップホールセールクラブのサムズクラブが、グローサリー商品のネット販売のテストを開始するようです。生鮮をのぞく加工食品と、紙製品などの非食品も含み、現在対象となっている商品のアイテム数は750縲鰀1,000となってます。


成否を占うのが難しい試みですね、これ。

メンバーシップホールセールクラブというビジネスモデルの一つのカギは、宝探しにあります。お客もそれを楽しみにし、小売側はそれによって客単価を上げる。これがたぶんネットだと難しい。

それと、キャッシュ&キャリーから離れることで、作業コストが上がってしまうかもしれない。

でも、サムズ価格でネットで買えるというのは、魅力ではあります。


ウォルマート本体も近いうちに食品のネット販売を始めるかもしれませんね。

鈴木敏仁 (06:44)


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2007年10月29日
トップスという食品メーカーの倒産

日本では食品企業による偽装問題が噴出しています。アメリカでは偽装ではなく、プロセスの怠慢による汚染によって実際に病人が出てしまい、大量のリコールとなってメーカーが倒産にいたっています。

メーカー名はトップスミート、同社製のハンバーガー用ミートパティを食べた40人がO-157を発症し、11トンの商品のリコールとなって、倒産しました。

COOのコメントを直訳します。
「わずか一週間で、全米最大の冷凍ハンバーガーメーカーから、大量のリコールを乗り切ることができない倒産企業になってしまった」。

汚染にいたるプロセスはすでに明らかになっているのですが、結局のところ決められた手順を守らず省いてしまったことにあります。


偽装というものは、いつかこういうことにつながる可能性があるのだということを、食品企業の担当者は想起しておく必要があります。このくらいいいだろうという小さな怠慢が、いつか企業倒産にいたることもある。当たり前だけど、病人が出てからでは遅いのです。

鈴木敏仁 (02:55)


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2007年10月29日
「ウォルグリーンのカフェW、'気軽にコーヒー一杯'という市場」Vol.11,No.44

アメリカ流通eニュース

 スターバックスに行って遅めの朝食を取る、これが我がファミリーの日曜日の朝の行動パターンとなっている。スタバはクロワッサンやコールドサンドウィッチに加えて、ホットサンドウッチも数年前から品揃えしているし、ミルクやアップルジュースもあるので、朝食用のレストランとしての機能を十分に備えているのである。
 たぶん30年ぐらい前ならば、こういうニーズをデニーズといった朝食レストランや、セブンイレブンといったコンビニが埋めていたのかもしれない。しかし、デニーズやセブンでは、いまやもうイケてないのである。
 スタバが掘り起こしてみせたものはコーヒー一杯に4ドル近くも支払うニーズであり、そしてしゃれた雰囲気の中でコーヒーを気軽に飲むという習慣を根付かせた点において大きな価値があるわけだ。
 'コンビニエンス'というニーズはいついかなるときでも存在する不変の需要なのだが、需要の様相はその時代によって微妙に異なる。コンビニエンスに飲んだり食べたりするニーズにおいて、スタバが新たに掘り起こし普及させたものを取り入れようとする企業が増えてきている。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:41)


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2007年10月26日
南カリフォルニアの山火事災害に寄付続々

ご心配をおかけしたようで、メールをいくつかいただきました。ありがとうございました。
幸いにも災害時点からはかなり遠く問題は何も無かったのですが、山火事の最盛期には風向きのせいで灰を含んだ空気が町を覆い、大変でした。空の色が変わるほどでしたから、凄さが分かるというものだと思います。おかげでアレルギー性鼻炎の症状がでて困りました。


さてこの災害に対して、小売企業による寄付活動が始まりました。
ウォルマートとターゲットによる現金100万ドルの赤十字への寄付を筆頭に、セイフウェイの50万ドル、クローガーの20万ドル、スーパーバリューの10万ドルなど、大手が続々と名乗りを上げてます。
また現物寄付も活発化してます。食品と日用品をトラックで、避難している球場などへ届けているようです。

日本でも地震災害時に小売企業・・・というよりも店舗の現場の人たちがかなり貢献したときいてますが、やはり地域に密着しているビジネスですから、こういうときの活動に日米かわりはありません。


ただちょっとシニカルなんですが、現物支給の費用がメーカー持ちになったりすることもありまして、そういう内情を知っていると、ちょっと冷めた目で見てしまいます・・・。

鈴木敏仁 (01:04)


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2007年10月25日
【ウォルマート】 カンファレンス2日目

一昨日に引き続き、昨日も証券アナリスト向けのカンファレスがありました。
さらに出てきた情報で気になるものをまとめておきます。

◇国内については、長期的な観点では、今後リタイヤして年金で暮らす人がどんどん増えてゆくので、低価格政策には大きな機会がある。
>>低所得層には、資産は持っているけど年金だけでやって行きたい、お金を使う意欲はない、という人たちも含まれます。これ、けっこう見過ごされている視点なんですね。ダラーゼネラルやファミリーダラーといったバリューDSもこの層に支持されてます。ウォルマートもこの層を狙うと明言したわけです。ただ同社の場合、店が大きすぎます。つまり、高齢者は歩き回りたくないので、小型店志向なんですね。ハードルはあります。

◇海外については大きな成長を見込んでいるが、成長のほとんどは中国、カナダ、メキシコとなる。とくにメキシコ、中央アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、中国と行った途上国に期待を寄せている。

◇海外への設備投資は、今年度が10億ドル増えて45億ドル、来年度が53億ドル、再来年度が58億ドルと、年々増やしてゆく予定。

◇ロシアへの進出を考えている。

◇「西友を100%子会社化し非上場とすることは、非常にチャレンジングな市場において、する必要のあることをフレキシブルに自由にやれることになる」(リー・スコット)

◇日本事業をドイツ事業と比べると、市場が細分化されていること、好立地が多いこと、この2つが異なっている。


いろいろ書きたいことがあるのですが、残りは流通eニュースに書こうと思っています。

鈴木敏仁 (03:43)


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2007年10月24日
【ウォルマート】 来年度以降の営業戦略を発表

ウォルマートが恒例のアナリストミーティングを昨日と今日に分けて開催中でして、これに合わせて今後の成長戦略をリリースしています。今日もカンファレンスがあって、いろいろまだ出てきそうですが、とりあえずメジャーな戦略が出揃ったので、ハイライトをまとめておきます。


◆「設備投資を押さえ気味にしつつ、営業キャッシュフローの改善につとめる。この戦略によってフリーキャッシュフローが増え、戦略的な買収の原資となり、配当と株の買い戻しで株主へリターンできる」(トム・シューイーCFO)
>>これが今年の戦略のすべてをおおっているトーンです。設備投資を押さえ(つまり新店を減らし)、営業キャッシュフローを増やし(つまり既存店をてこ入れし)、増えたフリーキャッシュフローを使って、戦略的買収をし(つまり海外に投資し)、配当と買戻しで株主を満足させる、ということです。

◆今年度の設備投資額は150億ドル(昨年は157億ドル)、その後2年間の設備投資額は140縲鰀150億ドルとなる予定。
>>今年度のオリジナルの予算は170億ドルでしたので、20億ドルも下がったことになります。また内訳を見ると、国内投資を減らしつつ、海外投資を増やしてゆく、という構成となっています。

◆今年度のスーパーセンター新店数は195(昨年度は281店舗)、その後の2年間は140縲鰀170となる予定。

◆今年度の増床率は6%(昨年度は8%)、その後の2年間は5縲鰀6%となる予定。

◆今年度の売上高成長率は9%(昨年度は12%)、その後の2年間は5縲鰀8%となる予定。


証券アナリストの反応はと言うと・・・
ウォール街が期待していたものよりも成長戦略の減速が少なかったことと、低い国内成長が海外への投資の大きさ(つまり西友)で相殺されてしまったこと、が指摘されています。
このため、株価は一日でおよそ3%下落しました。


株式という観点から見ると、ウォルマートは今、成長株のままでいるのか、それとも安定株となるのか、揺れ動いていて、これがアナリストをじらせています。
一般論としての業績は決して悪くないのですが、成長企業としてはもはや受け入れられなくなってきていて、だからいろいろ批判を受けているわけです。
ちなみにウォルマートの株価は2000年ごろからずっと平行線で上がっておらず、これがいろいろ言われる最大の要因となっています。


ところで昨日、西友について、週刊東洋経済からコメントを求められ取材を受けました。来週号に掲載されるそうです。西友についてはあちこちで私の考えを書いてきてますが、ここで2つだけ書いておきます。

ウォルマート幹部からはシステムやら物流やらへの投資がどうのというコメントばかり目につくが、人材に対する投資はどうしたのか?

カレジッスキーは、現場に火をつけるチアリーダー役に徹する必要があるんじゃないのか?


いろいろ書きたいことがあるんですが、今日はここまで。

鈴木敏仁 (02:50)


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2007年10月23日
【トレーダージョーズ】 中国産の成分を含む商品を中止

トレーダージョーズが中国産の成分を含む商品のマーチャンダイジングをやめるようです。中国産商品は安全だと考えているが、消費者の信頼が落ちているためやむをえない、というスタンスです。'お客が要望するからしかたない'ということですね。
複数の成分が混ざっていて産地を特定できないものについては、その限りではない、としています。

トレーダージョーズは全商品の8割ぐらいがプライベートブランドですから、自社開発商品に中国産成分を入れないということを意味しています。
完全チャイナフリーを宣言した小売企業は、このトレーダージョーズが最初じゃないでしょうか。取り扱い品目数が少ないですし、PBがほとんどだから、可能なんでしょうね。


そう言えば先日、ウォルグリーンの店長に、歳末用商戦用に仕入れる玩具等の商品に中国産が多いと思うがどう考えているかと質問したのですが、あまり気にしてない、という返事が返ってきました。

温度差がかなりあるようです。

鈴木敏仁 (01:34)


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2007年10月22日
「ウォルマート、拡大再生産のペースをスローダウン」Vol.11,No.43

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートがこの時期に恒例となっている証券アナリスト向けのカンファレンスを開催した。来年以降の成長戦略を軸とした政策発表の場であり、いつも内外の注目を集める。今年は、当然のことながら意識してのことだと思うが、直前に西友に対するTOBを発表しており、国内以上に海外事業についての動向に注目が集まったように思う。
 以下、概要と西友についての情報をざっとまとめておく。

鈴木敏仁 (01:38)


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2007年10月22日
【ウォルグリーン】 調剤ミスで患者が提訴

ウォルグリーンが調剤ミスで提訴されました。

妊娠したので医者に行き、処方されたのが妊娠中用のビタミン。これをウォルグリーンに持って行き、処方されたのがホジキン病に使うケモセラピー用の強い薬で、飲んだらめまいと吐き気が続いたがつわりだと思い服用を続け、一ヵ月後に流産してしまった、というのがストーリーです。
この女性には、肺がんなどの悪性腫瘍のリスクが高くなる、子供が作れない、といった後遺症が残る可能性があるようです。

正しい薬の名前がMaterna、間違ったのがMefford、似ていますね。

ウォルグリーンはまだ公的に間違いを認めていません。
訴訟で戦うのか、示談するのか、も分かりません。


このニュースを取り上げた理由は、最大手のウォルグリーンといえども、こういう調剤ミスを起こして提訴されるのだということを知っておいて欲しいからです。つい数年前には、身体障害となった子供が勝訴したケースがありました。これはテクニシャンが服薬指導するというしてはいけないことをしてしまったことが発端でした。

ファーマシーとはこういうリスクを潜在的に抱えるビジネスです。いかに減らす仕組みを作れるかがカギになるというわけですが、100%なくすことは不可能だということが、ウォルグリーンを見れば分かります。最先端の技術を使って管理しているのがウォルグリーンでして、このウォルグリーンでさえ100%ミスをなくすことができないわけです。

日本のドラッグストアも調剤併設に余念がないですが、こういうことが今後起こることは避けられない。ミスを犯さない作業システムへの注力はあたりまえですが、万が一のためのリスク管理も考えておく必要がある、というわけです。

鈴木敏仁 (01:30)


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2007年10月19日
【ホームデポ】 マーケティングのトップが辞任

CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)のロジャー・アダムスという人が辞任しました。
就任したのが05年の2月のことなので、2年半でやめてしまったことになります。

ホームデポ、相変わらず人の出入りが激しい。
これでは、企業文化が育たないし、根付かない。
赤字に転落したわけではないですから、どうのこうの言うレベルではないのですが、昔のホームデポに戻るにはまだ時間がかかるような気がする、そんなことをふと思うニュースでした。

鈴木敏仁 (04:44)


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2007年10月18日
【アバクロ】 9月の既存店成長率は4%ダウン

ふと気づいたのですが、アバークロンビー&フィッチの業績があまりよくないです。

先週リリースされた9月の業績によると、売上高が1%増に対して、既存店成長率が4%とマイナス成長でした。
フォーマット別では、アバークロンビー&フィッチがゼロ、アバークロンビーが5%減、ホリスターが7%減、ルエルが11%減、となってます。

年度初頭から今までの通年では、売上高16%増、既存店成長率は1%減です。


既存店が伸び悩み始めているようで、ピークをそろそろ超えたような印象じゃないでしょうか。それと別フォーマットが少々悪い。
異様なぐらい支持されて伸び続けてきたアバクロですが、そろそろ飽きられてきましたかね...。

鈴木敏仁 (03:26)


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2007年10月17日
【ウォルマート】 依然RFIDにコミット

先週末にWSJ誌がウォルマートに対してシニカルな記事を掲載していることをエントリーしました。
ウォルマート時代の終焉?

この記事の中に、ウォルマートはRFIDイニシアチブをやめた、というような文面がありました。メーカーに対する影響力が薄れてきたという論旨の中で出てきた言葉なのですが、推進すること自体をやめたのか、メーカーに対して協力要請することをやめたのか、文脈がいまひとつクリアではありませんでした。前者なら少々驚きです。

これに対して、ウォルマートの幹部が業界の展示会でのスピーチでRFIDの価値について強調する発言をしています。RFIDによって欠品問題が10%改善するだけで2億8700万ドルの売り上げ増につながり、これほど効果的な仕組みはないという論旨です。

ただ、RFIDの導入にROIを見出せないサプライヤーが少なからずいて、メリットを見出してもらうよう彼らと協働しなければならない、ということを付け加えており、強気でサプライヤーに要求していた以前のスタンスとは若干のシフトを感じます。

一歩後退、といったところでしょうか。
たぶん、WSJ誌の論旨は後者だったのでしょう。
メーカーに対してRFID装備をごり押しすることをやめて、投資に対する効果が出るような仕組みづくりを一緒に考えようというスタンスに変わったということのようです。

WSJ誌はネガティブな論調でしたが、RFIDは必要だろうというコンセンサスは業界全体にあり、時間をかけて進んでいくものと理解するのが正しいと思ってます。

鈴木敏仁 (03:30)


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2007年10月15日
【ウォルマート】 環境スコアカードをマーチャンダイジングに生かす

先週ウォルマートがサプライヤーの幹部250人を招いてカンファレンスを開催しています。テーマはサステナビリティ。ここでCEOのリー・スコットが、環境スコアカードは現在はボランタリーベースなのだが 竏停・ つまりスコアカードの成績が何かに影響を与えるということはないのだが、2縲鰀3年以内にはバイヤーが商品を選択する際の一つの指針となるだろうと語っているようです。

チラシやエンドといった陳列優位置を失うかもしれない、とまで言っている模様。消費者デマンドが大きいといったウォルマートを納得させるようなものがあればいいが、なければアソートしない、そう。

環境スコアカードの結果がおそらく品揃えに影響を与えるだろうということはずっと言われてきていたことなのですが、ここまではっきりと公式の場で言明するのは始めてなのではないでしょうか。

ウォルマートのサステナビリティイニシアチブは、確実に進んでいます。

鈴木敏仁 (02:44)


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2007年10月15日
「ニューエコノミーと流通業界」Vol.11,No.42

アメリカ流通eニュース

 アメリカの流通業界は進んでいるという表現を使う人がいまだにけっこういる。戦後60年間、アメリカに劣った日本が一生懸命キャッチアップしてきたという図式で考えると、こういう言い方が出てくるのだろう。しかし破壊された社会を立て直すという期間においては遅れていたのかもしれないが、そういう期間はとうの昔に終わり、日本はすでに成熟経済に入っており、遅れているとか進んでいるという表現はもはや用はなさないと思っている。
 少々古い本で恐縮だが、最近「勝者の代償」という書を読んだ。いまアメリカで起きている経済や社会の現象は「ニューエコノミー」化によるものなのだが、これは偶然アメリカにおいて世界に先んじて起きてしまい、そして世界中の多くの国でいま同じことがおきつつある、と説いている。アメリカに先見の明があったというようなことではなく、偶然アメリカで最初に起きてしまったということと、他の国々においてはアメリカナイズされているのではなく必然として起きているのだというロジックである。
 今後の日本の流通業界を見通す上で、非常に参考になる見方である。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:37)


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2007年10月12日
【ターゲット】 今週末に61店舗を同時オープン

ターゲットが週末の14日に、全米で61店舗を同時にオープンさせるそうです。

ターゲットは例年この時期に出店を集中させます。昨年は59店舗でしたので、今年は2店舗ほど増えました。いつ頃からなのか記憶が定かではないのですが、ここ10年くらいは10月の大量同日出店を実施しているのではないでしょうか。

新店をまとめてオープンさせると、広告宣伝費の節約にはなります。61店舗は全米に散在してますが、一定地域内に数店舗ずつを分類することができますので、地域ごとには節約になるのでしょう。
またあえて新店効果と歳末商戦をぶつけて相乗効果をあげようとしているのかもしれません。

ただ、これだけの店舗数を一日に集中するというのは、大きなリソースが必要となりますよね。
新店オープンは負荷がかかりますから、一年間にばらして平準化する方が普通なんじゃないでしょうか。
ちなみにウォルマートは一年間を通して新店オープンがあり平準化してますが、ざっとながめると1月の新店が多い傾向があります。おそらく暇な時期を選んでいるのでしょう。

鈴木敏仁 (10:56)


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2007年10月11日
【テスコ】 グランドオープニングは11月8日

9日付けで出されたプレスリリースによると、ロサンゼルス、オレンジ、リバーサイド、サンバナディノの4地域で6店舗を、11月8日に同日オープンさせるそうです。オープニング11月1日説と、フェニックスで一号店をあけるという説と、いろいろ錯綜していたのですが、やっと確定しました。

ロケーションはまだ明らかになってません。
CEOのサー・テリー・リーヒーは来るのか、来るならどの店舗か、というのが私の個人的な現在の興味です。
リボンカットなどやるのかな。

今のところ、年末までにラスベガス、フェニックス、サンディエゴを含んで30店舗、2010年までに350店舗を予定しているようです。配送センターも作ってしまいましたから、投資に対する経済効率を考えるとこの店舗数はコミットするでしょう、おそらく。


さて、同じく小型店舗を展開しようとしているファミマですが。
ファミマ!!に行ってきました
繁盛フォーマットをいまだ作れていません。というか、なぜ売れないのかを総括し、売り方や商品を大きく変えるという修正を、はたで見る限りにおいてはあまりやっていない。
店舗数も縮小した模様。


配送センターまで作り、350店舗をコミットしようとしているテスコとの違いはいったいなんでしょう。

テスコは、実に10年以上もアメリカにオフィスを持ってずっと調査してきている。
さらに、ホームステイまでしてアメリカ市場を知ろうとしている。
そして、倉庫を借りて実際に店舗を作って実証実験までやっている。

恐ろしいほどのプラグマティズムです。
徹底的なリアリズムと言いかえても良い。


米ファミリーマートにこのスタンスがあったのかどうか、じゃないかと思ってます。
両社、実に対照的です。

鈴木敏仁 (12:34)


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2007年10月10日
【ホームデポ】 女性を狙う実験フォーマット

ホームデポが今月末に実験店を2店舗オープンさせるそうです。女性にターゲットを絞ったフォーマット、ホームデポとエキスポを合わせたコンセプトだそう。

特徴を列記してみると・・・。

1、面積は9万sqf=2,500坪、これはレギュラーフォーマットとそれほど変わらない面積です。
2、建築資材などのプロ向け売場をなくし、その代わりに、バスとキッチンのショールームや、ホームオーガナイザーといった売場を作る。
3、アウトドア売場は屋外用ファニチャーに重点を置く。
4、倉庫形式はやめて普通のゴンドラ形式とする。
5、ライティングやカラースキームを柔らかく変える。

ホームデポは4月に小型フォーマットの実験を始めてます。
ホームデポが小型実験店舗をオープン

立て続けのテストという印象ですよね。

同社の過去の歴史を振り返ると、別フォーマットにいくつか挑み失敗、次はプロ向け事業に本腰を入れたが結局売却、そして再び別フォーマットへ挑戦、という経過をたどってます。本体の成長が頭打ちになるということはだいぶ前から分かっていたことで、別事業へなんとか参入し、ことごとく失敗に帰してきました。

プロ向けを売却し、一般消費者向けビジネスと言うコアに戻り、自分の土俵で再び別フォーマットへの挑戦を開始したというわけですが・・・。

ホームデポのフォーマットはもともとプロを意識していますから、売場がきれいとか、分かりやすいとか、そういうこととは無縁です。プロ用の店で普通のお客も買える、というアピールですね。その結果、雑然としていてサービスも悪い、というイメージができあがってしまっていますから、これを打ち壊すのは骨の折れる作業でしょう。

とりあえず、この実験店は見てみたい店の一つです。

鈴木敏仁 (02:02)


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2007年10月 9日
アルディ、来年は100店舗の出店予定

「15年前は確かにBクラスの物件にしか出店できませんでした。しかしここ数年Aクラスへの出店が増えてます。どんな収入層もお金を節約したいものなのです」。
アルディの店舗営業役員による地元紙のインタビューへの答えを意訳しました。

つまり、今までは低所得層向きのエリアにしか出店できなかったが、いまはそういうわけでもなくなってきた、ということを言いたいわけです。
お金をジャブジャブ使っても使い切れないような人たちと、一生懸命働き節約して金持ちになった人たちと、金持ちにも2種類あります。後者は、コモディティに関しては無駄なお金はびた一文も使いたくないという人たちでして、実はウォルマートやダラーツリーを結構利用しているということが知られてます。
当たり前の話ですが、倹約好きだから、お金が溜まるわけです。

ちなみにウォルマートはそういうコモディティだけを買いに来る人たちにウォンツ商品も売りたいのですが、なかなかうまく行ってません。


このアルディ。
今年は65店舗、来年は100店舗をオープンさせるそう。

こんなエントリーをしたのが7月のこと。
実は巨大な成長企業アルディ

マスコミ嫌いなので実情が一切分からないのですが、こういう断片的なニュースを拾い続けると、業績けっこういいんだなということが分かってきます。

鈴木敏仁 (01:22)


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2007年10月 8日
「マクドナルドからサブウェイへ、ウォルマートのテナントの変化に戦略転換を見る」Vol.11,No.41

アメリカ流通eニュース

 先日シアトルのウォルマートスーパーセンターを視察したときのこと。ちょうどランチタイプだったのでイートインを探したところ、入居していたのはいつものマクドナルドではなくてサブウェイであった。私のウォルマート店舗の訪問回数は外部の人間としてはかなり多い部類に入るだろうと思っているのだが、マクドナルドの印象が強く、サブウェイがテナントだった店舗の記憶がなくて、ちょっと驚いた。
 資料によって、実は現在1,419箇所がサブウェイで、マクドナルドが入居する店舗数は1,021店舗だということが判明した。サブウェイの方がすでに多いのである。たぶんサブウェイが入っているにもかかわらず見過ごした店舗もあるのだろう。
 このマクドナルドからサブウェイへのシフトは、おそらくウォルマートの戦略転換に関連しているのだろうと考えている。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:36)


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2007年10月 8日
22店舗を同日オープンさせたJCペニー

先週の金曜日、JCペニーが一日に22店舗を開店したようです。
今年度に入ってから現在まで新店数44、年度末までに50店舗をオープンさせると公言しています。また2011年までに250店舗を開店させるそうで(リロケーション含む)、新店ラッシュはその一環でもあります。

この22店舗のうち、20店舗がモールの外。ここ数年モールの集客力の低下が目立っているのと、コールズがモール外にポテンシャルがあることを証明したため、JCペニーはここ数年モール外出店を強化してます。

JCペニーがリストラモードに入ったのは90年代後半のことでした。それからおよそ10年。アラン・クェストロムのもと再建に成功し、現CEOマイク・ウルマンのもと今度は拡大基調に入っています。
22店舗の同時オープンに、この拡大企業の息吹を感じ取ることができんじゃないでしょうか。

鈴木敏仁 (12:33)


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2007年10月 5日
ウォルマート時代の終焉?

昨日のWSJ誌が、「Wal-Mart Era Wanes Amid Shits」というタイトルで、ウォルマートの時代が終わりに近づいているという大きな記事を載せていました。
サブタイトルは、「ライバルは低価格に対抗する戦略を見つけた、世界は変わった」です。

要約すると、ターゲットやクローガーなど競合企業が戦略シフトによって戦い方を変え、そのためウォルマートの成長ももはや終わりに近づいている、という内容です。全体をおおおっているトーンはウォルマートに対してネガティブな印象が強く、これを読んだらおそらく普通の人は、「ああ、ウォルマートがもう終わりなんだな」と思うことでしょう。

でも、詳しく読むと、流通の素人が書いているなということがよく分かるんですよ。例えばペプシがFuelsophyという新しいエネジードリンクを今年の初頭に出したのですが、チャネルとして選択したのがホールフーズでした。これをもって、ウォルマートの影響力がなくなってきた、と言おうとしている。
しかしながら、これは商品特性とウォルマートの対象顧客が合致しないからに過ぎないわけですよね。

一面に掲載されているグラフが売上高成長と株価で、売上高が伸びているのに株価は2000年ごろから平行線でして、これをあえて並列させて見せているのは、株価を問題視しているんだな、ということが感じられる。つまるところ、株価が上がっていないから、もう終わりだ、と結論付けているのかな、とも思えてしまうわけです。

もうすぐ恒例のアナリストカンファレスがあるので、それを見込んでの意図的な過激な記事、ということかもしれませんねえ。株価をなんとかしろというメッセージをこめているような気がする。


そう言えば、90年代にウォルマートがV字回復したときは、ウォール街による批判がきっかけでした。買う価値がないと言われて、奮起した。ただ今回は回復しなければならないほど業績が悪いわけでもないですからねえ。
世界最大の売上規模を持ちながら、昨年度末の時点で売上高成長率9.3%増、当期純利益率3.3%、総資本営業利益率12.5%、ですから。
これで、株価が上がらないという理由だけで「終わりだ」と言われてしまうわけです。日本の流通業界の数値平均からすると、少々厳しすぎるかなという気がしないでもないです。

鈴木敏仁 (02:24)


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2007年10月 4日
カタログの復活

シアーズが歳末商戦に向けて、カタログ配布を復活させるそうです。名称は'ウィッシュブック'、188ページと往年の800ページという分厚いカタログの4分の1のサイズで、半分は玩具だそう。

シアーズがカタログをやめたのは93年のことでした。この企業はもともとカタログ販売が出自ですから、オリジナルのビジネスをこの時点で捨てたわけですね。売上減が理由でした。

こういうエントリーを昨年末に書きました。
カタログ配布量の増加が意味することは・・・
ネットによってカタログが減るかと思いきや、ネットとリアルの相乗効果を狙って逆にカタログの配布量が増えている。

シアーズはカタログをやめた時点で、そういう時代が来るということを予測できなかったのでしょうね。
JCペニーはカタログを捨てず維持してますが、いまやネット販売の売上高が10億ドルを超えています。

この復活、シアーズの支持層だったシニアには受けるんじゃないでしょうか。あの懐かしのカタログの復活、という感じです。孫に買う玩具が売れるかも。でも売上に対するインパクトは短期的には限定的だろうなあ・・・。
長期的にどうするのか、ネットとのシナジーを狙って行くのか、このあたりを知りたいところです。

鈴木敏仁 (01:41)


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2007年10月 3日
アンケートを実施しています

数週間前よりR2Linkにて投票アンケートを実施しているのですが、とても興味深い結果が出ています。
いまのところ、以下のようなテーマで5つほどたてています。

西友ウォルマート、次の一手は?
三越と伊勢丹の提携交渉のゆくえは?
スーパーマーケットを選ぶ理由?
POS情報のデータ公開は、有償とすべき? 無償とすべき?
レジ周り商品の売上は大事?

たとえば、【三越と伊勢丹の提携交渉のゆくえは?】では、成立するだろうという答えが73.8%、成立しないだろうという答えが19%となっています。つまりR2Linkのこの問いに対する答えは「成立するだろう」に傾いているわけです。

これが集合知、ネット上の不特定多数無限大による叡智、ということになります。


コメントも記入できるのですが、皆さんのご意見、ほんとうにおもしろいです。こういう見方やヨミもあるのかと、参考にさせてもらってます。
自分の見方が、集合知と合っているのか、ずれているのか、そんな確認も即座にできます。

不定期となりますが、今後も長くテーマを立てていき、皆さんの意見を集約して行きたいと思っています。


これを読んでいる方で、まだR2Linkに登録されていない方は、ぜひお越し下さい。
そしてこの投票に参加して、楽しんでみて下さい。

鈴木敏仁 (12:43)


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2007年10月 2日
メーカーに恩恵が薄い? ウォルマートの環境イニシアチブ

先週ウォルマートに関して、衣料用洗剤を濃縮型に絞るウォルマートと、ウォルマートによる温室効果ガス排出量削減イニシアチブ、という関連する二つの記事をエントリーしました。

双方ともにウォルマートによるサステナビリティイニシアチブなわけですが、ここでウォルマートは'Win-Win-Win'という表現を使っているようです。小売、メーカー、そして消費者の三者がWinする、という言い方です。

これに対してAdvertisingAge誌がシニカルな見方を記事としています。総体としてのエネルギー消費量の削減をメーカーに迫るウォルマートのイニシアチブはメーカーによる大きな初期投資を必要とするのだが、それによって達成されるコスト削減分のご利益のほとんどはウォルマートに行ってしまう、という主張です。
P&Gだけでも2億ドルの投資が必要となるんじゃないかと言う見方があるのですが、メーカーに対するリターンは大きくはないだろうとしています。


この記事を読んで、物事は複眼で見る必要があるなとあらためて感じました。

ふと思ったことです。

日本の小売企業はメーカーに対して協賛金による支援をなにかにつけて要請するのですが、金銭をダイレクトにねだるやり方はもう時代遅れではないかと思っています。そろそろこのあとあと禍根を残しがちなやり方から、ウォルマート流のナレッジで支援を要請するやり方に進化したほうが良い。

今回のサステナビリティイニチアチブも、メーカーが投資し、ウォルマートがリターンを得るのであるならば、'ダイレクトにお金をねだらない実に巧妙な支援要請戦略である'と言うことができるわけです。

鈴木敏仁 (12:13)


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2007年10月 1日
リーダシップランキングに入らない日本企業

Fortune誌10月号に、The Top Companies for Leaders 2007というランキングが掲載されています。強いリーダーを開発する仕組みを構築している企業をグローバルで集めてランクを作っているものです。
ここに日本企業の名前がまったくない。
総合ランクに加えて、アジアパシフィックというセグメントがあるのですが、中国、インド、マレーシアの企業がランクインしているにもかかわらず、日本企業はいっさい入っていません。

これは、どうしてなんでしょう。

アメリカのビジネス誌ですから、身びいきするのはよくわかる。トップ20に米国企業が10社も入っているのですが、比率として本来そんなに入るはずはないと思う。ただ日本企業が一社も入っていないというのは、どうも理由が分かりません。
トヨタや松下など、人材教育jに熱心ないい会社はいっぱいありますから。

選択の基準となったリサーチの方法を読んでも、日本が出てこない理由がどうも分かりません。


英語に弱いということがあるのでしょうか。
それと、日本の企業はもともとリーダーを養成するという思想がありませんでしたので、そのせいかもしれませんね。マネジャーを養成する仕組みを持った企業はあまたあるけれど、人を統率できるリーダーを輩出させる体系的な仕組みを持った企業は、ないのかもしれません。
マネジャーとは権威を与えられた上で一定部門内を管理する能力ですが、リーダーシップとは部門を超えて権威の及ばない人たちをも動かせる能力のことで、厳密に言うと双方は異なります。

ただ、なんかこう腑に落ちない、気にいらないランキングではありました。


ところでこのランキングで、1位はゼネラルエレクトリック(GE)、2位はP&Gでした。
実は某酒類飲料メーカーさんが特約店に対して発行しているHot Lineという小雑誌に、社員教育をテーマにアメリカの流通業について寄稿したばかりなのですが、私が選択した企業はGEとP&Gでした。
はからずもこの2社がFortune誌に1位と2位に選ばれて、手前味噌ながら私の見立てに間違いはなかったなとひそかに思っているところです。

企業の強さを最後の最後まで突き詰めると、つまるところは社員教育に対する思想に行き着くと最近思い始めてます。その教育も技術論だけではなく、根本的なところに存在する社風というか、英語で言うとバリューとなるわけですが、そういうものを繰り返し繰り返し教え込もうとする仕組みを持った企業が、未来永劫反映を続けるのだろうなと、やっとこの年になって気がついたわけです。

GEもP&Gも、そういう会社です。
GEはコングロマリットですが、家電製品に注目すれば消費財メーカーです。P&Gも消費財メーカー。消費財を作るメーカー2社がトップに立つところに、日本とアメリカの違いというか、アメリカのおもしろさを感じています。

鈴木敏仁 (03:54)


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2007年10月 1日
「大手小売企業の進出で俄然にぎやかになってきたハワイ市場」Vol.11,No.40

アメリカ流通eニュース

 ウォルグリーンが来月ハワイに初出店する。これで出店していない州はアラスカだけになるそうだ。今後5年間で25縲鰀30店舗をハワイに集中出店するとしている。
 ハワイに進出を宣言する本土の大手企業が増えている。ターゲット、ノードストロム、ホールフーズの三社がすでに予定しており、ウォルグリーンはいわば先陣を切るような格好といえる。ウォルマート、サムズ、コストコ、セイフウェイ、ロングスなどもともと出ている企業もあり、狭いハワイで大手チェーンの競合に激しさが増すことになりそうだ。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:34)


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