小売視察の研修ツアーから戻りました。
今回はダラスからロサンゼルスと店を見て回ったのですが、車のシガーソケットからUSB給電が可能になるアダプターを視察中に買おうと思い、ちょうど良いので各店舗の品揃えや価格を調べてみました。
もともと一つ持っており今回は追加の購入で同じものを買おうと思っていたのですが、実はこの商品がウォルマートにしかないことを今回初めて知ったことが第一の発見。ブランド名はRayovac、商品名はUSB Car Charger、7ドル弱で買った記憶があったので市中価格もこんなものだろうと思っていたのですが、実はこれが最低価格であることに調べて気づき、これが第二の発見でした。
以下、各店舗の状況。
[ベストバイ]
Roketfish: 29.99
Energizer: 16.49
[ターゲット]
Belkin: 19.99
Just Wireless: 15.99
[ウォルグリーン]
Living Solutions: 7.99
[ウォルマート]
Griffin: 9.88
Rayovac: 6.97
<特記事項>
・ベストバイのRoketfishはプライベートブランド。
・EnergizerとRayovacは電池会社で商品は家電売場ではなくレジまわりの電池売場にある。
・Rayovacは業界第三位で、EnergizerとDuracellしか置かない小売企業が多い中、ウォルマートのみRayovacを取り扱う。
これを見て驚くのは、ベストバイがどこよりも高く、そして最低価格の商品を置いていないということです。
ベストバイの品揃えの貧弱さはかなり前から気づいていました。ネットとの直接競合を回避するためなのかなと思っていたのですが、しかしそれにも限界がありますよね。このアソートだとお客は"ベストバイは高い"という印象しか持たないでしょう。
Rayovacを扱っていないのであるならば、せめてウォルグリーンが持っている商品クラスはアソートする必要があります。
差別化するために高価格のPBを置く目的は分かりますが、高級家電チェーンではないのだから、せめて10ドル以下のアイテムを1skuは持たねばならない。可能であるならば、上(Roketfish)、中(Energizer)、下(Living Solutions)、と三価格帯を揃えるべきでしょうね。
ビジネスウィークがベストバイについての良い記事を掲載しているのですが(The Battle for Best Buy, the Incredible Shrinking Big Box)、品揃えについての言及はありません。たぶんこの点について指摘しているメディアはほとんど無いように思います。
CEOとなったジョリーがこういうマーチャンダイジングの細かいことに気づくかどうか。
小売経験の無い人だから無理かもしれませんね。
ディスカウントストアとしてのベストバイのレゾンデートルが揺らいでいるように思います。
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