2013年12月27日
クリスマスまでに届かなかったクリスマスプレゼント

アメリカの歳末のネット販売ではクリスマスまでに届く注文の締め切り日というものが設定されているのが普通です。
クリスマスプレゼントを買うわけですから、前日までに届かなければ意味ながなくなってしまいますから。

このデッドラインまでに注文した商品の一部がクリスマスまで届かなかったようで、メディアがこぞって取り上げています。
予測を超える商品ボリュームがデリバリーフローに流れ込んで、パンクしてしまったようです。
UPSとFedExの2社がドミナンスしているアメリカですが、UPSが白旗を上げたようですね。
FedExは公的には大きな障害は起きていないとコメントしているのですが、メディアの論調だと一部トラブルは発生している模様。

ただ宅配業者だけに責任があるわけではなく、リテーラーにも責任の一部はあります。
UPSはたぶんリテーラーの販売予測を土台にしてインフラを組んでいたはずなので。

ウォルマートやアマゾン等の大手の多くが遅配の影響を受け、各社ともに値引きやギフトカード等によってお客に謝罪しているようです。

こrれが何に影響するのか、楽しみですね。
私のヨミとしては、アマゾンが宅配を自前化し始めるんじゃないかなと。
こういうトラブルはセンター発からお客の手元着まで一気通貫で管理していれば回避しやすい類のものですからね。

鈴木敏仁 (02:07)


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2013年12月26日
楽天のハイロー依存について

日本でふと楽天の記事が目について東洋経済を買いました。
これがネット上で公開されている記事です。
ネット通販王国・楽天市場の変調
全文は公開されていませんが、おおよそ言いたいことは分かると思います。

これを読んで感じたのは、楽天の価格戦略はリアルにおけるハイローのスキームそのままじゃないか、ということです。
ハイローの麻薬性をこの記事はとても良く表現しています。

アマゾンの一日の売価変更の回数はトータルで250万回だそうですね。
ダイナミックプライシングと呼ばれます。
競合の価格を絶えずモニターして、競合が変えると、それに合わせて即座に変えるということをする。
また商品をチェックしている人の購買履歴や行動によっても価格をダイナミックに変える。
当然時間セール等の短期セールもやってますが、楽天のようにこれのみに依存するということはしない。

これがネットでいま進化しはじめている価格システムです。

ホームページのUIコンセプトの古さ、モバイル対応の遅さ、そしてリアル型プライシング。
楽天が変調しているのは自明の理なのではないかというのが私の感想なのでした。

ちなみにアマゾンは損益計算書ではなくキャッシュフローを最重視する経営戦略を取っているのですが、これを本質から理解し行動できる小売企業の経営者は楽天も含めて少なくとも日本にはいないと思います。
だからアマゾン(というよりもベゾス)は赤字を計上しても平気なんです。
この点においてアマゾンは恐るべき小売企業なのです。

鈴木敏仁 (12:16)


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2013年12月24日
ドミニックスのシカゴ撤退の影響度

セイフウェイ傘下のドミニックスが今週末までに店舗を閉鎖するのですが、売り先として決まっているのは4店舗がジューエル・オスコ、11店舗がラウンディズだけ。
その他は交渉中とされているのですが現状では決まっておらず未発表です。
72店舗ですから57ヶ所が空き物件となってしまうわけですね。

この物件を埋めるために市が動いています。
食品組合の幹部や前ドミニックス幹部をタスクフォースのメンバーとして市が任命、14人体制で買い手を見つける努力をしているとメディアが報じました。

職が失われる、食品供給チャネルが減る(つまりフードデザート化する)、税収入が減る、が行政にとって問題なのでしょうが、今回の撤退はタスクフォースを結成して対処しなければならないほいど深刻な問題化しているということなんですね。
セイフウェイが撤退を先延ばししたつけが市行政にまで及んでいるというわけです。

出店は楽ですが、撤退は難しい。
何事も、やめる、減らす、削減する、は難しく、これに知恵を絞る人、または組織が勝つ、というのが私の持論。
セイフウェイもこの点において平均的な企業だったというわけです。

<追記>
アメリカの今週はクリスマス休暇モードでして、ニュースのボリュームもがっくりと減りました。
私もそれに合わせてエントリーを減らすことにします。
年明けまでボリュームが減りますがご容赦ください。

鈴木敏仁 (11:58)


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2013年12月23日
[ターゲット] 情報漏洩の影響で週末の客足ダウンか

先週、カード情報の大量漏洩が判明したターゲットですが、その影響で先週末の客足が落ちたのではないかという推測記事がメディアに掲載されています。
推測数値は昨年対比で3~4%ダウン、ターゲットはノーコメントです。

先週末は歳末商戦最後のウィークエンドですから、言ってみればラストスパートの最重要の休日と言うことになります。
漏洩による客足ダウンを恐れた同社は週末のみ全品10%オフのプロモーションをかけたのですが、効果が出なかったのかもしれません。

私個人の印象なのですが、実はこの歳末商戦中のターゲットの店頭は最もつまらなかったんですよね。
ウォルマートの店舗ごとに異なるダイナミックな販促や、ホームファッションのピアワンやベッドバスビヨンドといった企業のきらびやかがクリスマス陳列と比較すると、弱かった。
いつも通りのセンスある標準化されたディスプレーではあったのですが、他企業のような売ろうとする意思を感じなかった。

これも客足減に影響してるんじゃないかと密かに思っています。

ターゲットはすでに訴訟を起こされてます。
前回のTJマックスの時は、捜査費用、セキュリティシステムのバージョンアップ、訴訟費用等々の損失総額が1億ドル超だったそうなので、今回もそれに近い費用負担を強いられることでしょう。

鈴木敏仁 (04:50)


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2013年12月20日
[ターゲット] 4000万枚のカード情報が漏洩か

4000万枚分のカード情報がハックされて漏洩した可能性があるとターゲットが明らかにしました。
11月27日から12月15日までの間に店頭で使用されたカード情報が盗まれた可能性があるとしています。

現在調査中でこれ以上についてはノーコメントなのですが、メディアによるとカードリーダーになんらかのマルウェアが仕込まれた可能性が高いようです。
それとおそらく相当技術の高い組織犯罪だろうとのこと。
ターゲットは業界でもセキュリティ技術が高いことで有名な企業なので、それなりの組織でないと不可能だと思われるからですね。

またこの企業がハックされたと言うことは、どんな企業でも対象になるということを意味してます。

磁気ストライプを使った決済システムは1970年代の技術ですよね。
これが今でも使われていること自体がすでに無理があります。

ちなみに2007年にTJマックスがハックされてまして、そのときは4560万枚でした。
4,560万人のデータが漏洩したTJマックス

消費者からすると磁気ストライプなんて早くやめてもっと安全な非接触型に変えろよと言いたいところなのですが、しかしそうしたところでハッカーも腕を上げて挑戦してきていつか必ず破られてしまうものでして、セキュリティというものは実はイタチごっごでどうしようもないとも言えます。

鈴木敏仁 (02:30)


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2013年12月19日
[ホールフーズ] 店舗数の目標を1200へ上方修正

ホールフーズは今後10年間で1000店舗体制とするという目標を掲げていたのですが、共同CEOのジョン・マッキーとウォルター・ロブがメディアの質問に対して目標は1200店舗だと答え、上方修正したことが明らかとなりました。

低所得層エリアや人口が少ない町での小型店舗の実験が好調に推移していることが背景にあるようです。
デトロイトでの店舗は予測の2倍の売上高で動いているとのこと。
この実験店舗についてはチェーンストアエイジ誌10月15日号に書いているのでご参照ください。

現在の同社の店舗数は370店舗前後なので、これから3倍にするというわけです。

現在のホールフーズは都市型の派手な店舗の印象が強いですが、ブレッド&サーカスやフレッシュ・フィールズを買収してから大都市へと参入したのであり、それ以前は普通の郊外で展開していたわけです。またワイルドオーツの買収で小型フォーマットのノウハウを手に入れた。
ですから、大都市ではない郊外の人口の少ない町で小型店舗を運営することに、それほどハードルはないと実は言える。

ホールフーズの店舗運営思想は伝統的なチェーンストアの経営理論とはかなり異なります。
これが1000を目指すとどうなるのか、興味津々です。

鈴木敏仁 (04:14)


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2013年12月17日
[ローマンズ] 連邦破産法11条の適用を申請、清算の準備を開始

オフプライスストアのローマンズが倒産し連邦破産法11条の適用を申請したのですが、今回は資産を清算するそうで、12月30日のオークションに向けて準備を開始したと発表しました。

ローマンズは創業1921年の老舗でオフプライスストア業態の中では古い企業です。在庫オーバーとなった見切り賞品を買って安く売るオフプライス型のパイオニアはファイリーンズで創業は1908年、ローマンズはたぶんその影響を受けて創業した企業じゃないかと思います。ダッフィーズやシムズといった競合が生まれましたが、古い企業はすべて消えてなくなっていて、ローマンズが最後の一社でした。

このローマンズも倒産は今回で3回目、長く低迷した後の清算ということになります。

TJマックスとロスの二社が強く、販売力と言うよりも調達パワーで中堅レベルではもはや生き残れなくなってしまったということなんでしょうね。

鈴木敏仁 (12:57)


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2013年12月 9日
[ジャイアントイーグル] スペシャリティ・ファーマシーを買収

ジャイアントイーグルがスペシャリティファーマシーを買収すると発表しました。
企業名はRx21、C型肝炎と臓器移植に特化したファーマシーだそうです。
ジャイアントイーグルはもともとスペシャリティ・ファーマシーを部門として持っていて、これを強化する目的のようですね。

スペシャリティ・ファーマシーとは通常では扱わない特殊な病気向けの調剤を取り扱うファーマシーで、大手ドラッグストアは傘下に所有しているのですが、スーパーマーケット企業が持つというのはあまり聞かないので興味深いです。

クローガーは業績好調の理由の一つとして食品以外の市場を取り込んできたことをあげていて、その一つがヘルスケアです。
ジャイアントイーグルの今回の買収も同様の戦略ということになるでしょう。

日本のスーパーマーケットとアメリカのスーパーマーケットは、このあたりに戦略的な大きな違いがあると思っています。

鈴木敏仁 (07:31)


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2013年12月 8日
[シアーズホールディングス] ランズエンドをスピンオフ

シアーズが傘下のランズエンドをスピンオフして上場させる予定であることが分かりました。
時期は不明。
ランズエンドは2002年に19億ドルで買収した企業です。

同社は2011年にオーチャード・サプライ・ハードウェアを、昨年にはシーアズ・ホームタウン&アウトレットをスピンオフしてまして、これで三社目。

シアーズは表面化はしていませんが店舗も徐々に切り売りしてまして、どんどん縮小しています。
そして次はシアーズ・オートセンターで、その次はPBのケンモアとクラフツマンではないかとも言われてます。

このあたりまで行くとシアーズのコアビジネスがほとんどなくなるのですが、店舗はぜんぶ売却して最後に残すのはネット販売のみ、なんシナリオがありえるのかもしれません。

鈴木敏仁 (04:21)


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2013年12月 6日
[R2Link] 忘年会やります!

下記日程にて忘年会を開催しますので、ご都合付く方、ぜひともご参加ください。

日時:12/11 19時~
場所:東京駅八重洲口付近のお店
詳細:R2Link忘年会

参加表明はコミュニティにてお願いします。

鈴木敏仁 (09:10)


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2013年12月 5日
パネルディスカッションに参加します

来週の月曜日に開催されるパネルディスカッションに参加します。

イベント名:Tip Meeting 2013
主催:株式会社モーダルコンセプトジャパン
共済:株式会社エイジス、株式会社リテイルサイエンス
日時:12/9/2013 15:40~
場所:品川プリンスホテル

詳しくは上記イベント名のリンク先をご参照ください。

鈴木敏仁 (05:16)


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2013年12月 5日
[ラウンディーズ] ドミニックス11店舗を獲得

ランディーズがシカゴを撤退するセイフウェイからドミニックス11店舗を獲得すると発表しました。
総額は3,600万ドル。
来年前半にはマリアノズ・フレッシュ・マーケットへの改装を終えて再オープンする予定とのことです。

来年の新店は5店舗でトータル29店舗となる予定なのですが、これに11店舗が加わると40店舗となりますね。
今後数年間で45~50店舗体制へということを言っているのですが、一年に5店舗ほど新店として増やしていくとすると、あと3年ぐらいで目標に達するということになります。

1号店のオープンしてからおそらく5年も経っていないはずなので、あっという間に50店舗ですね。

鈴木敏仁 (04:59)


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2013年12月 4日
[アマゾン] サンフランシスコでポップアップストアをオープン

アマゾンがサンフランシスコのショッピングモールにポップアップストアをオープンさせました。
期間は2週間、資料の写真を見るにテナントとしての出店ではなくて、通路上の一時的な出店形式となっています。
タブレットやペーパーホワイトに加えて、アダプターやカバーといったアクセサリーも売っているようです。

現在アマゾンの端末を売っているのはベストバイだけで、ウォルマートやターゲットといった主要リテーラーはみな販売をやめてます。
理由はオフィシャルには説明されていませんが、競合問題だろうと言われています。

このポップアップストアの目的は人の目に付かなくなってしまった端末を、自らリアルで売ることを試しているのでしょうね。
もちろん歳末に合わせての広告目的もあるでしょう。

日本でも報道されていると思いますが、プライムエアと呼ぶ無人ヘリコプターを使用した宅配サービスの実験をしていることをTVメディアが報じ、数日前に話題になりました。
現時点での常識で考えてもハードルは非常に多く、仮に実現したとしての相当先のことになるんじゃないかと思うのですが、その成否は問題ではなく、各紙に記事にさせることによる広告効果を狙ったものであろう事は容易に想像が付きます。
ネット上でも拡散していることが見て取れますし、ベゾスの思惑通りにいったのではないでしょうかね。

スティーブ・ジョブズも宣伝が上手で有名でしたが、ベゾスも相当なものだと思います。

鈴木敏仁 (02:12)


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2013年12月 1日
再びウォルマートの大陳

本日で店舗視察3日目です。
毎日ウォルマートを見ているのですが、初日にめちゃくちゃに荒らされていた売り場が、日を追うごとに徐々に回復してゆくのが見られておもしろいです。
写真は再び度肝を抜かれた大陳。
ウォルマートは各店舗がそれぞれ異なる商品を山積みしてるので、どこに行っても楽しい。
売ろうという強い意思を感じることができて、なんだかんだ言ってやはりウォルマートは強いなあと感じます。

ウォルマートの大陳

鈴木敏仁 (08:46)


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