2012年3月30日
[ダラーゼネラル] 一万店舗目をオープン

年内にも10,000店舗を突破する予定だったダラーゼネラルですが、本日新店がオープンして予定通り5桁の大台に乗せました。
場所はカリフォルニア州のメルセド、中央カリフォルニアに位置する穀倉地帯ですね。
フォーマットは通常タイプではなく大型のダラーゼネラルマーケットでした。

同社は西海岸進出にあわせて配送センターもオープンさせるそうで(場所はベーカーズフィールド)、ということはおそらく300~500店舗レベルで店舗の投入を考えていることを意味します。ダラーゼネラルの看板がこのロサンゼルスに増殖する日もそう遠くはなさそうです。

鈴木敏仁 (02:00)


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2012年3月29日
[ベストバイ] 赤字決算と50店舗の閉鎖

ベストバイが第4半期と通年の業績を発表したのですが、赤字決算で既存店もマイナスでした。
50店舗の閉鎖と小型のモバイル専門店100店舗の新店プランも合わせて発表。

第4四半期は前年比3%の増収で17億ドルの赤字、既存店成長率は2.4%減。
通年では売上高507億ドルで前年比2%増、赤字は12億3000万ドル、既存店成長率は1.7%減でした。

赤字の要因はヨーロッパ事業の清算に伴う減損が大きく、これがなければ黒字だったようです。

ただ既存店成長率のマイナスと、50店舗の閉鎖が気になります。
とくに店舗閉鎖。
大型店舗をサポートできなくなりつつあるというのは数年前からの傾向で、どうやってダウンサイジングしていくかが課題となっているのですが、大型店舗をどんどん増やしてきた大手ディスカウントストアの時代が終わって、次のステージへと向かいつつあるような感触を強く持っています。


同社はいままで何回か壁にぶつかっていて、その都度乗り越えてきた歴史を持っています。
いままさに再び壁にぶつかっているような印象で、だとするとこれをどう乗り越えるのか、どう変革の道筋は立てていくのか、興味は尽きません。

鈴木敏仁 (02:55)


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2012年3月28日
[ラルフス] EDLPという名の販促キャンペーン

スーパーマーケットの業界誌がラルフスがEDLPを導入したと報じました。
「えっ、あのラルフスが?」と驚いて、さっそく店頭に行ってみたのですが、どうやら低価格を強調した新しい販促キャンペーンのようで、やはりウォルマートが戦略としているEDLPとは別物でした。

"カード使用でこの価格"という典型的なFSPで、チラシにも掲載され、期間は一週間ですので、これはどう考えてもハイロー。

業界誌ではラルフスの担当者が、「お客がEDLPを望んでいるので、値下げに投資することに決めた」とコメントしてまして、はっきりとEDLPと言っているのですが、"毎日"が7日間なのか365日なのか、定義なんてないですから、どう表現しようと問題は実はないのですね。

日本にもEDLPを標榜するスーパーマーケット企業が増えてきてますが、基本はやはりハイローでしして、ウォルマート型のEDLPを目指して実施している企業はほぼないと思って間違いないでしょう。

このあたりについてはいまちょうど出ているチェーンストアエイジ誌に書いてますので、興味のある方はぜひお読み下さい。


頭上のサイン
販促キャンペーンのサイン@ラルフス

カード使用で2つで4ドル
販促キャンペーンのPOP@ラルフス


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鈴木敏仁 (01:20)


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2012年3月27日
[マイケルズ] 来週中にも再上場か

6年前に投資グループにバイアウトされたマイケルズが早くて来週中にも上場するのではないかというニュースが流れています。
所有しているのはブラックストーンとベインキャピタル、買収総額は約60億ドルでした。
もし上場すると、今年最初の大規模IPOになるだろうとのこと。

マイケルズはクラフトのディスカウントストアチェーンですね。今月初頭現在で1,066店舗、売上高は42億ドル、最終利益高は1億7,600万ドル、バイアウト以降ずっと増収増益で好調だそうです。

このマイケルズ、現在のCEOはジョン・メンザー、ウォルマートで活躍していた人で、海外事業の責任者だったこともあるのでご存じの方も少なくないでしょう。
そしてメンザーの前はブライアン・コーネル、サムズの前CEOで、これから古巣のペプシに戻ってひょっとしたらペプシの時期CEOかなどと言われてます。

マイケルズがバイアウトされた当時は経済が好調で市場にお金が余っていた時代でした。
ダラーゼネラル、トイザラス、ニーマンマーカス、ジョアン、ペトコ等々、その当時にたくさん買われたのですが、再上場したのは今のところダラーゼネラルだけです。
投資会社としては"出口"を見つけたいところでしょうが、そう簡単にはいかないということなのでしょうね。

鈴木敏仁 (01:07)


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2012年3月26日
[ダラーゼネラル] 二桁の増収増益を記録

ダラーゼネラルが2011年度の第4四半期と通年の決算を発表したのですが、相変わらずの絶好調です。
売上高は148億718万ドルで前年比13.6%増、最終利益高は7億6,669万ドルで22.1%増、既存店成長率は6.0%増でした。
2/3時点での総店舗数は9,937店舗、2011年度の新規出店数は625店舗。

ダラーゼネラルが再生して再び快進撃を始めたのは、再上場した2009年の頃からだと思います。
つまり前年が悪かったから数値が良くなったと言うわけでも無く、ただ単純に調子が良くてその結果が数値に表れているというわけですね。
150億ドルという年商規模で成長率が年率10%を超えるというのは、やはり凄いことだと思います。

このコメントは何度も書いているような気がするのですが、ダラーゼネラルの勢いはまだしばらく止まりそうにありません。

鈴木敏仁 (01:23)


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2012年3月23日
[ウォルマート] スキャンエラーで再び制裁

スキャンエラーとは、棚の上の価格とレジでの価格が違っていることを意味した業界用語。
あってはならないことですが、しかしながら往々にして発生してしまうものですよね。

アメリカではこれをお役所が監視しているのですが、カリフォルニア州の法務長官がウォルマートに課徴金を求めて裁判所に書類を提出しました。
金額は200万ドルです。

ウォルマートは2008年に同じスキャンエラーで140万ドルの制裁金を課されているのですが、同じ事を繰り返してしまったようです。
[ウォルマート] スキャンエラーで140万ドルのペナルティ支払いに合意


これ、役所が見張っているという点に興味を引かれています。
当然のことながら税金を使ってフィールド人員を雇って価格調査を実施するわけですが、制裁金が入ってくるからコストは埋められるし、たぶんそれ以上のリターンがあるはずですよね。地方自治体の収入を補うというわけです。
市民が損をしている分を自治体の収入として吸い上げる、という言い方もできます。

こういうことをやっていると言う話は日本では寡聞にして聞かないですが、小売企業としては気づかれると困る制度かもしれませんね。

鈴木敏仁 (04:35)


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2012年3月22日
大手スーパーマーケットが相次いで"ピンクスライム"の使用を中止

この数週間、アメリカの食品業界ではピンクスライムという加工肉が話題になってまして、その影響でセイフウェイ、スーパーバリュ、フードライオンといった大手スーパーマーケット企業が使用または購入を中止すると発表しました

ピンクスライムとは、精肉の加工段階で余って出てくるくず肉を加工し、アンモニアで防腐処置た加工肉で、ひき肉のかさ上げのために混ぜ込で使用されているものです。どうやらもともとは家畜用のエサだったようですね。
いちおう米農務省は安全性に問題は無いとしているものなのですが、これをメディアが報じ、加工段階を写した動画がけっこうセンセーショナルであったため、消費者が反応して話題になっていたものです。

今回の小売企業の発表に先立ってマクドナルドも使用の中止を決めてまして、アメリカではけっこう流通している普通の加工肉なんだなということが分かります。

あまり話題になってませんが日本ではどうなんでしょう。
こういう話は結局世論が動かしていくものでして、日本でもやっているとしても、メディアが騒がない限り表に出てくることは無いでしょうね。


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鈴木敏仁 (12:48)


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2012年3月21日
[CVSケアマーク] ビューティ360から全面撤退

CVSがビューティ360から撤退することを発表しました。現在25ヶ所、撤退後の空きスペースをどうするのかについては言及してません。

ビューティ360を開発したのは2008年の11月のことでした。
二度ほどここでもエントリーしています。
[アメリカ流通視察] ビューティ360の革新性
[アメリカ流通視察] 多店舗展開を決めたビューティ360


二つ目のエントリーで、プレスティージブランドと契約したという話を書いているのですが、結局品揃えされることはありませんでした。
情報ソースの勘違いだった模様。


結局、アメリカのドラッグストアにはプレスティージを引っ張ってこれるだけのフォーマットを開発する力は無いということが判明しちゃいましたね。
ウォルグリーンがニューヨークとシカゴのフラッグシップストアで同じ事をやろうとしていますが、たぶん無理でしょう。
やっぱりヘルスケア業態であって、ビューティはマスまでということなですねえ。

こうなると、カナダのショッパーズドラッグマートの凄さがいっそう際立ってきます。

鈴木敏仁 (12:40)


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2012年3月20日
[アマゾン] キーバ・システムズを7億7,500万ドルで買収

アマゾンがキーバ・システムズを7億7,500万ドルで買収すると発表しました。
キーバ・システムズはロボットを使用したマテハンシステムを手がけている企業で、アマゾンが買収したおむつのネット販売企業のクィドシと、靴のザッポスが配送センターでキーバのシステムを使っています。
また、ウォルグリーン、ギャップ、ステープルズ、クレート&バレル、といった大手企業も利用し始めているそうです。

どういう仕組みかは、映像を見れば一目瞭然。

つまり、バラピックするときに、通常は人間が移動して商品を集めるわけですが、キーバの場合はロボットが棚を動かしてしまうというわけです。
発想の転換ですね。


買収した理由は、アマゾンが自らシステムを使用するためだけというよりも、投資的な意味合いの方が強そうな感じですね。
リリースを読む限り目的は明言されいません。
アマゾンは秘密主義でして必要以上のことをあまり語らない企業です。

仮にこの技術がこれから主流になっていくならば、競合企業もそれを使わざるを得なくなるわけで、その技術をアマゾンが握ってしまっているとなると、つまり裏側のシステム(いわゆるフルフィルメント)をアマゾンが支配してしまうというような状況が生まれるのかもしれない。
そんなことも視野に入れているような気がしています。

鈴木敏仁 (01:56)


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2012年3月19日
[シアーズホールディング] 新たな撤退店舗数は半期で43店舗

シアーズホールディングの今年度の撤退店舗数は半期までで43店舗であることが分かりました。
内訳は、シアーズ・ホームタウンストアが43店舗、シアーズ・ハードウェアストアが10店舗、グレート・インドアズが9店舗となっています。すべて核フォーマットはない別業態ですね。

グレート・インドアズはこれで事業そのものからの完全撤退となります。
先月の研修時に時間が作れたのでホテルのそばのグレートインドズを訪問、最後の記念に写真を撮ってきました。
グレートインドアズ@ダラス


昨年発表した120店舗の閉鎖では1億7000万ドルを調達するとしてました。
先月の発表では11店舗の追加閉鎖と小型フォーマットからの撤退で7億7000万ドルを調達。今回ニュースはこの先月分の撤退プランのようです。

とにかく現金を捻出して急場をしのごうということなんでしょうね。


この企業の再生に疑問符が付く理由は、こういう撤退プランしか出てこないところにあります。
客数が落ち続けているシアーズとKマートという店舗フォーマットを早急に改革しなければならないと思うのですが、道筋がいまだにまったく見えてきません。

鈴木敏仁 (11:59)


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2012年3月16日
[ライトエイド] アナリストによる投機的コメントで株価上昇

クレディスイスの証券アナリストがウォルグリーンによるライトエイド買収は価値があるとリサーチレポートでコメント、これを受けてライトエイドの株価が14日に高騰、1.80ドル台から2.10ドルまで上げて、いまは2.00ドル台で上下しています。

アナリストによるコメントに過ぎず、ウォルグリーンが本当に買収するかどうかとは無関係な話なのですが、ただ、なるほど、そういうのもありなのかと、ふと気づかされました。

ウォルグリーンはPBMのエクスプレス・スクリプトとの関係がこじれて取引がなくなり、今年度は売上が落ちます。この落ちる売上はすべて競合のドラッグストア、またはファーマシーに流れていったわけです。

このエクスプレス・スクリプトは競合のメドコを買収しようとしています。ファーマシー業界からはパワーバランスがPBMにさらに傾いてしまうことを懸念して一斉に反発の声が上がっているのですが、それほどPBM業界は力を持ちつつある。
ウォルグリーンが売上を大幅に落としてでも取引中止を決断した理由の一つは、このパワーバランスの修正的な意味合いもあるわけです。

そしてこのバランスを維持するために、リテーラーが他企業の買収によって大きくなることは意味がある。

アメリカのドラッグストア業界はこの10年、一気に寡占化して上位集中しました。中位レベルのドラッグストアがいなくなってしまった。
この寡占化によってM&Aの動きはほぼ終わったと思っていたのですが、しかしPBMがいっそう強くなるにつれ、さらに上位集中へのインセンティブが働き始めていると見ることができる。


つまりアメリカのドラッグストア業界には、合従連衡の可能性はまだまだ残っているということなんですねえ。

今回のニュースでいまさらながら気づかされました。

鈴木敏仁 (02:43)


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2012年3月15日
[ウォルマート] ウルトラバイオレットに参画、DVDをクラウド化するサービスを提供

ウルトラバイオレットは大手映画会社が画策している新しいサービスです。DVDにコードを添付し、買った人がこれをネット上で入力するとその作品をストリーミングやダウンロードで見ることができるようになるプログラムで、昨年の10月に始まりました。

これにウォルマートが参画、、すでに購入したDVDをウォルマートに持参すると2ドルの手数料でクラウド化し、傘下のVuduで視聴できるというサービスの提供を始めます。


このウルトラバイオレットってほとんど知られてなくて、私も今回の発表を聞いてから調べたくらい。どうも大手映画会社の足並みが揃っていないようで、そのため大々的な宣伝をしていないようですね。
致命的なのはディズニーとピクサーが参加していない点です。ウルトラバイオレットは仕組みが不完全だという言い方をディズニーがしているようなのですが、アップルが背後にいるのではないかという話もあるようです。アップルとディズニーはもともと近い存在で、そしてiTunesとウルトラバイオレットは競合しますからね。

ウォルマートとしてはVuduの強化と、ちょっとでも来店動機が増えれば良いということなのでしょうね。
先行特権だけのようで、数ヶ月後には他の競合小売企業も参画できるようですし。


個人的にはこのウルトラバイオレットというプログラムにいまひとつピンときません。
DVDというリアルなパッケージビジネスの延命策だろうと思うのですが、別にDVDを買わなくてもストリーミングできてしまう時代がもう来てますから。


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鈴木敏仁 (01:59)


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2012年3月14日
[A&P] 破産法の手続きを終了し非上場企業として再出発

2010年の12月に連邦破産法11条の適用を申請して破綻したA&Pが、手続きを終えて非上場企業としてビジネスを再開しました。
その間に受けた金融機関からの資本融資総額は4億ドル、加えてエグジットファイナンスとして6億4500万ドルの融資枠を獲得しています。撤退した店舗数は75店舗、残ったトータル店舗数は320店舗です。

大手小売企業に買収されるという噂もたったのですが、結局だれも手を上げたなかったのはA&Pの状態がかなり悪かったからでしょう。
今後はどこまで売上を戻せるかという点と、、その上で再上場するのか、またはどこかに売却されるのか、が注目点でしょうが、どこかとくっつくというシナリオが一番現実味があるように思います。
クローガー、セイフウェイ、アホールド、バイロー、といったところが候補でしょうかね。

鈴木敏仁 (01:59)


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2012年3月13日
[バーンズ&ノーブル] 大手出版社ペンギンの"店舗内店舗"を拡大

バーンズ&ノーブルが大手出版社ペンギンと組んで、専用の売場(200sqf、約5坪)を10店舗に作って実験していたのですが、好調なので25店舗に拡大することを明らかにしました。また知育本や知育ゲーム用の売場の拡大、繁盛店40店舗のヌック売り場を2倍にするプランも合わせて発表しています。

このペンギン売場、言ってみれば集英社や講談社の売場を作っているようなものですが、マグカップやバッグなど書籍以外も売っているいる点がカギです。つまり、本はデジタル化して行くが、マグカップはデジタル化しない、ということです。

知育系の売場やヌック売場の拡大も、要はデジタル化しない領域の拡大でして、バーンズ&ノーブルがいま何をしようとしているのかが透けて見えるように思います。

鈴木敏仁 (03:15)


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2012年3月12日
[スプラウツ・ファーマーズ・マーケット] サンフラワー買収でコピー企業をすべて統合

スプラウツ・ファーマーズ・マーケットによるサンフラワー・ファーマーズ・マーケットの買収が発表されました。
スプラウツは104店舗、サンフラワーは35店舗、合わせて139店舗のチェーンストアが誕生するのですが、売上高が20億ドルに近づくとのことで、規模がかなり大きくなってきました。

スプラウツは昨年初頭にヘンリーズを買収したのですが、今回のサンフラワーの買収で類似したフォーマットをすべて合わせてやっと統一できたことになります。

昨年ここでエントリーしていますが、スプラウツ、ヘンリーズ、サンフラワーの3つは、実はおもしろい経歴を持ってます。

ヘンリー・ボニーという創業者が最初に作ったのがヘンリーズで、これを1999年にワイルドオーツに売却。
ボニー一族が再び創業したのがまったく同じコンセプトのスプラウツ。
ホールフーズがワイルドオーツを買収、スピンオフされたヘンリーズを買収したのが投資会社のアポロマネジメント。
ワイルドオーツを売却したマイク・ジランドが2002年に創業したのがヘンリーズと同じコンセプトの(つまりスプラウツと同じ)サンフラワー。
アポロが中心となってスプラウツがヘンリーズを買収(大株主はアポロ、経営はボニー一族)。
そして今回スプラウツがサンフラワーを買収。


スプラウツはいまのチェーンストアが失ってしまったユニークなおもしろさを持ったフォーマットです。
今回の統合で成長に弾みがつくかもしれませんね。
投資会社が大株主なので近いうちに上場もあるかもしれません。

鈴木敏仁 (01:33)


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2012年3月 9日
"ショールーミング"の拡大で店頭がサンプル置き場化する

ショールーミング(Showrooming)という表現が業界で最近使われ始めてます。お客が店頭に行って商品を手に取り、その場でスマホを使って価格調査をし、ネットで安い商品を注文して、その店では買わずに帰るという購買行動が増えて来ていて、この店頭の商品をネットショッピング用の実物サンプルとして使うことがショールーミングと呼ばれ始めてます。

調査企業のNPDグループによると、この購買行動が顕著なのがホーム分野で、消費者の15~20%がこの分野での買い物でショールーミングをしているそう。
ここで言うホーム分野とは、キッチン用品やキッチン家電、クリーナー、電動工具、といったカテゴリーです。

人間というものはやはり買い物時は実物を手にとって確認したいものですが、ショールーミングの比率はカテゴリーによって違うだろうなということは調査を見なくてもおおよそ見当がつきますよね。

家電やホームファッション系は確実に影響を受けそう。
例えばリンゴを買うのにショールーミングはしないでしょうが、電子レンジを買うときはショールーミングする。
またNBもショールーミングの対象になりやすそうですね。


ターゲットが店頭をショールーム化しないために、独占商品の開発や取引価格の値下げといった協力を要請するメールをサプライヤーに送ったという話が数ヶ月前にメディアに流れました。
つまりこれについてアメリカの大手各社はすでにアラートレベルを上げているんですね。

日本の流通業界ではあまり話題になっていないような気がするのですが、どうなんでしょう。

スマホの普及とアプリの進化が、お客の買い物行動に影響を与え始めています。

鈴木敏仁 (12:59)


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2012年3月 8日
[ウォルマート] セルフレジの展開を加速

ウォルマートのCFOが証券会社主催のカンファレンスでプレゼン、セルフレジをこれから増やすと発言しました。
目的はコスト削減。
ウォルマートは一部の店でセルフレジを入れてますが、他社に比べると展開が遅く、おそらくレジを変える投資コストと、人員削減によるコスト削減とをはかりにかけていたのではないかと思ってます。ただの推測ですが、レジを変えるコストが低くなってきたのかもしれません。

これ自体はそれほど大きなニュースではないのですが、彼の一言が興味を引きました。
「米国ウォルマートの平均的なトランザクションの2秒毎に1200万ドルがキャッシャー賃金として費やされている」
ちょっと調査して計算すれば出てくる数値ではありますが、セルフレジを入れるか否かの判断にはこういう数値的な背景が必要なわけですよね。
ROIを意識しているということを感じさせるコメントでした。


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鈴木敏仁 (04:37)


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2012年3月 7日
[フレッシュ&イージー] 年内の損益分岐点超えを明言

テスコのCEOフィリップ・クラークがフレッシュ&イージーの収益について言及、「早くて年内には損益分岐点を超える」とコメントしたようです。FT紙による取材に答えたもの。2012~2013年度にかけて損益分岐点を超える月が出てくるという表現なので、年間を通して利益が出るという言い方ではありません。

それと、損益分岐点が超えはじめるということと、十分なリターンが出ることは異なる、投資をしている以上リターンを出さなければならない、ということを言っています。これまでの累積赤字を念頭に置いての発言でしょうね。

推測ですが進出以来、累積赤字は7億ポンド、総投資額は10億ポンドと見積もられています。
すべてを回収して英国本体に貢献し始めるにはいましばらく時間がかかることでしょう。

鈴木敏仁 (05:58)


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