2009年11月30日
[ブラックフライデー] 歳末商戦がスタート、今年の行方は・・・?

11月の最終木曜日がサンクスギビングデー(感謝祭)で国民の祝日、翌日の金曜日は祝日ではないのですが休みとしてしまう組織が多く、土日を合わせて4連休。木曜日はゆっくり過ごして、翌金曜日から歳末用の買い物を始める人が多く、そのためこの日が歳末商戦の始まりと見なされ、黒字=儲けの象徴としてつけられた名称がブラックフライデーですね。

この日の業績は歳末のベンチマーク指標として使われるため、業界では注目されます。

NRF(全米小売業連盟)の調査によると、この週末の総来店客数+ネット購買者数は1億9,500万人で昨年の1億7,200万人よりも13.4%増でした。
一方、週末を通しての一人当たりの客単価は$343.31で昨年の$372.57から7.8%減でした。
買い物客数は増えているけど、購買額が減っている、というわけです。
トータルは412億ドルで前年比0.5%増でした。

もう一つ、ショッパートラックという調査会社によると、売上高は106億6,000万ドルで昨年から0.5%増でした。2008年が3%増、2007年が8.3%増なので、じりじり落ちています。
(調査対象店舗数は5万店舗)


この歳末最初の週末の数値が歳末全体の業績を反映するわけではありません。昨年はブラックフライデーの業績が前年比で上がったのにもかかわらず歳末全体の数値は落ちてます。

ただ景気が悪い中、買い物客数が上がっているというのは悪いことはないでしょう。


約1ヶ月間の長く熱い商戦の火蓋が切られました。
今後に注目です。

鈴木敏仁 (12:17)


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2009年11月25日
[ホールフーズ] 健康保険料にインセンティブを提供

健康な人には保険料を20~30%割り引く、こんなプログラムを導入することをホールフーズが発表しました。
評価の尺度は、血圧、コレステロール値、ボディ・マス・インデックス、たばこ、の4つ。これらの指標が良い人は保険料が安く、悪い人は保険料が高くなる、というプログラムです。

アメリカの保険会社は保険料算出に際してたばこを考慮はしていると思うのですが、その他の項目を尺度として使用している会社は知りません。

CEOのジョン・マッケイのコメントがおもしろい。
"We're making an investment and we expect a return"
投資に対するリターンがある、と言ってまして、つまり割り引くことが投資で、リターンは社員の健康状態が良くなって保険料が下がることを意味しています。

いつもながらホールフーズはラジカルです。


<追記>
明日は感謝祭で国民の祝日、金曜日は平日なのですがほとんどの人が休んでしまうので、私もお休みをいただきます。明日から4日間エントリーがストップしますことご了解ください。

鈴木敏仁 (01:26)


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2009年11月24日
[ウェッグマンズ] スーパーマーケットが調剤を売るには

今日は視点を変えます。

先日ウェッグマンズに行って見つけた販促用の小物です。
イートインのテーブルの上に乗ってました。
3面ともにファーマシーの宣伝です。

公的資料では、ウェッグマンズの調剤売上高の比率はは全体の13%と、非常に高いんですね。一店舗当たり約6,000万ドル売るとして、単純計算で780万ドル、およそ7億円以上の調剤を一つの店が売る計算となる。

ウェッグマンズを訪問して、総菜と食品の華麗な売場だけ見て帰る人が多いと思うのですが、この企業は非食品も非常に強いということを見過ごしていることになります。


ではなぜこんなに売れているのかというと、ヘルスケアに対する長いコミットにあるんだろうというのが私の考えです。この企業のヘルスケアに対する取り組みはもう10年以上も前からのことなんですね。
売場でなにか特に派手なことをやっているわけではなくて、でもコツコツと小さなプロモーションを積み上げてきている。

このテーブル上の販促はそういう小さな積み重ねの一つであるわけです。


それと、調剤だけを売ろうとしているわけではなくて、ヘルスケアというものを包括的に売ろうとしている。

ウェッグマンズのPB例えばPB。このパッケージにの左上にLとVというマークがついてますが、前者がLactose Free、後者がベジタリアン、こういった健康を意識する人向けのサインを全PBにプリントしています。

このマーク、糖尿病や心臓病を気にしている人向けなど、他にもいくつかあります。
 


つまり、調剤だけを切り取ってを売ろうとするだけではなくて、健康そのものを大きく捉えた取り組みをしていて、これが調剤の売上高にも影響を及ぼしていると思うんですね。


調剤を宣伝する看板日本のスーパーマーケットは食品以外の商材を売るのがとても下手なのですが、店頭に置いておしまいというパターンがほとんどなのではないでしょうか。あとはチラシで価格販促し、山積みし、POPを一杯付けるというお決まりの販促で、結果としてあまり売れないのですぐにやめてしまう。


アメリカのスーパーマーケットが調剤をよく売っている理由は、アメリカ人が細かいことを気にしないからだ、ではない。
そういう努力を長いことやってきたからなんですね。 
 


とりわけウェッグマンズは、長期的なコミットメントと、包括的な取り組みと、小さな努力の積み重ねで、他社を大きくリードしているというわけです。

鈴木敏仁 (01:59)


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2009年11月23日
[ギャップ] 2年ぶりの増収、オールドネイビーに期待

ギャップが第3四半期に増収増益を記録しました。売上高が35億9,000万ドルで前年比1%増、最終利益高が3億ドルで前年比25%増、引っ張ったのはオールドネイビーで売上高8.3%増、既存店成長率が10%増でした。
ただしギャップ本体は相変わらずで、売上高7.8%減、既存店成長率は7%減でした。

もうずいぶん長いこと売上を落としてきているギャップですが、そろそろ均衡したようで、荒利益率が3.8%上昇して42.5%となり、営業利益率13.9%、最終利益率8.6%と、利益を出す体質に戻っています。
なんとなく、経費を削りすぎたんじゃないかと思うような数字ではありますが。

同時に、5億ドルの株の買い戻しを取締役会が承認しています。
これは健全な財務のデモンストレーションといったところでしょう。


オールドネイビーは景気が悪い今の時代にぴったりマッチしてはいますよね。
ただいつの頃からか変化がなくなってつまらなくなってしまいました。店内環境は創業のころとほとんど変わっていないように思うのですが、いまどきスーパーマーケットでさえ10年ぐらいのスパンで大きな改装をする時代ですから。
オールドネイビー強化を打ち出しているので、どう変えるのか楽しみなところです。


底を打った感は相変わらずするので、完全復調まではもうちょっと、といったところじゃないでしょうか。


トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (02:10)


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2009年11月20日
[スーパーバリュ] プライオリティはセブアロットとSKU数の削減

CEOのクレイグ・ハーカートが地元紙のインタビューに答えて、プライオリティを3つ掲げています。

一つ目がSKU数の削減。
二つ目がセブアロットの出店の加速。
三つ目が財務内容の改善。

二つ目はすでに出ていてエントリーしてます。三つ目は投資家向けでしょう。
注意を引くのが一つ目のSKU数の削減ですね。

在庫の削減は不可避でしてどの企業も減らしているのですが、SKU数の削減はリスキーです。対ウォルマートという観点からは、価格勝負ができない以上、アソートメントが一定量ないと勝負なりません。店舗の特徴がなくなってしまうリスクがある。

クローガーとセイフウェイが対ウォルマート戦略においてすでに活路を見いだしている中、スーパーバリュのみ遅れているのですが、どうもまだロードマップがはっきり見えてきませんね。

鈴木敏仁 (01:34)


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2009年11月19日
[ターゲット] アーバンエリアでの小型フォーマットの開発を示唆

昨日Pフレッシュについてエントリーしましたが、今度は全国紙がCEOステインハフェルのインタビュー記事を掲載、大都会の人口密集地用の小型フォーマットの開発を考えていることが明らかになりました。ただし現段階ではまだ研究中で、プロジェクトとして決定したというわけではありません。

いまだ新店による拡大余地は十分にあり、設備投資の振り向け先は生鮮を導入するPフレッシュによる改装と、新店と、この二つで十分だというアナリストのコメントが載っています。アーバンに出る必要はまだないというわけですね。

もともとターゲットは都会向けのマーチャンダイジングなので、機会は大きいだろうなと個人的には思います。ターゲットが作る小型店とはどういうものなのかということを考えるだけでも楽しい。ウォルマートの小型店舗って結局スーパーマーケットですすから、それとは一線を画した何か新しいものを作って欲しいですよね。

鈴木敏仁 (12:03)


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2009年11月18日
[ターゲット] 生鮮強化型プロトタイプを拡大

ディスカウントストアタイプに生鮮をアソートしたタイプのPフレッシュを、現行の108店舗に加えて来年350店舗を追加することを業界誌が報じました。現在の店舗の好成績を反映しての拡大で、最終的には全店舗に水平展開するそうです。

ここ数週間忙しくてまだこのタイプは見ていないのですが、業界誌の写真を見る限り、根菜を中心とした日持ちの長い青果類と、ハムやソーセージといったチルドが加えられているようです。スーパーターゲットの、カテゴリーにすると90%、skuにすると60%の食品をカバーすると言っています。
フローズンはもともとスーパーマーケットの並みのアソートがありましたし、グローサリーもかなり幅広かったので、このコメントに誇張はないかもしれません。

カギを握るのは物流と店内オペレーション、当然スーパーバリュには問題があるはずもなく、あとは店内オペレーションということになるのですが、廃棄ロスが死命を制する総菜やパック野菜などををどこまで管理できるかが勝負ということになります。


単なるこれも憶測ですが、これでたぶん通路にすると3本ぐらいの既存売場が削られたはずで、それがどこなのかに興味があります。おそらく、ハードウェアやスポーツ用品あたりでしょうね。

鈴木敏仁 (02:10)


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2009年11月17日
[コストコ] コカコーラ製品の販売を停止

コストコがコカコーラの販売を中止しました。理由は価格を巡っての対立。クラシックだけではなく、チェリーコーク、コークゼロといった全炭酸飲料に加えて、水のダサニや、ビタミンウォーターも含まれています。

こういう軋轢はまあよくあることなのですが、大手チェーンストアと大手メーカーなので、インパクトは強いですね。ただコストコは割と強気というか、訴訟も辞さないスタンスを持った企業なので、ニュースを聞いて驚くということはありませんでした。

だいたいこういう問題が起こるには、価格だけではなくていろんなことが背景にある場合が多いです。
そして、しばらくするとどちらかが歩み寄って解決します。

ただここ数年小売側にパワーがシフトしていること、原価が下がっているはずなのに売価が落ちないメーカーへの不信、などがありまして、こういうケースはあちこちで今後も出てくるのかもしれませんね。


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鈴木敏仁 (02:32)


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2009年11月16日
[ウォルマート] サプライヤーへの支払いを短縮して金融支援

ウォルマートが金融収縮を背景として、衣料サプライヤーに対して支払い短縮化のオプションを提供し始めました。通常の支払いサイトは60~90日で、これに対して10~15日間のサイトを提供。目的は商品の安定供給を確保するためですね。

資金繰りがたいへんなこのご時世に、ウォルマートの衣料サプライヤーは一息ついていることでしょう

適用を受けられるサプライヤー数は1,000社以上、他の分野のサプライヤーに拡大する予定は今のところないとしています。

小売業というものはすべからく、支払いを長くすることで回転差資金を出して、無利子のファイナンスをサプライヤーから受ける、というのが通常の商慣行なわけですね。
今回のウォルマートのプログラムはその逆で、支払いを短くしてサプライヤーに対してファイナンスを提供しているというわけです。


ウォルマートのサプライヤーに対する姿勢というものが垣間見れるニュースだと思います。

鈴木敏仁 (01:40)


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2009年11月13日
[ダラーゼネラル] 再上場で7億1600万ドルを調達

ダラーゼネラル本日、ダラーゼネラルがニューヨーク証券取引所に再上場しまして、7億1,600万ドルを調達しました。公開時の株価は21ドルで、23.10ドルまで上げて、引け値は22.73ドル、8.2%の上昇ですから、まずまずといったところでしょう。

小売業界では、1995年のインティメイト・ブランド、1997年のアメリカストアズに次ぐ、規模の大きさの上場だそうです。


ダラーゼネラルは2007年にバイアウトされて非上場になった経緯があります。
KKRがダラーゼネラルを買収

買収したのはあの有名なコールバーグ・クラビス・ロバーツ、バイアウトのパイオニアですね。
最上場できたのでこのバイアウトは成功でした。

KKRはトイザラスも所有しているのですが、復調していて再上場は近いだろう言われてます。おそらくこちらも成功するんじゃないでしょうか。


金融がいまへたってますから、こういうニュースは悪くはないですよね。

鈴木敏仁 (09:12)


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2009年11月12日
[ターゲット] 賞味期限切れ商品の販売でペナルティ

賞味期限切れのベビー用粉ミルクを販売していたとしてニュージャージー州がターゲットを提訴、、過失を認めない条件で37万5,000ドルのペナルティを支払うことで和解したことが明らかになりました。

ウォルマートとドラッグフェアも問題を抱えていて訴訟がペンディングになっているそうです。

実は数日前にニューヨーク州において、同様の賞味期限切れ商品の販売問題でCVSが87万5,000ドルの和解金を支払うというニュースが報じられたばかりなんですね。

昨年はライトエイドが47万5,000ドル、デュエイン・リードが20万ドルをニュージャージー州に支払っています。


店舗で店長インタビューすると、うちはちゃんと賞味期限切れは毎日チェックしている、と答えるんですよ。
なるほど、アメリカはしっかりしてるんだな、となる。
でも実は結構苦労しているんだということが、こういうニュースを聞くと分かります。

いや、うちも大変なんだよ、なんてことを店舗訪問時に我々に対してぼやくわけがないですから。
これが店長インタビューの限界でして、このあたりに気づいてしまった私は研修時にもうあまりやらなくなってます。

アメリカには返品がないという神話に近い誤解があるのですが、これもおそらく店長インタビュー当たりから来てるものでしょう。店長が、売れ残す、なんて格好の悪いことをオフィシャルな場で言うわけがないです。


この賞味期限切れ商品、アメリカの小売企業にとっては(そして当然日本の小売企業にとっても)潜在的なリスク要因で、システム的に解決するソリューションが求められています。


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鈴木敏仁 (01:50)


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2009年11月11日
炭酸飲料だけで繁盛するグローサリーストア

ガルコズ・ソーダ・ポップ・ストア今日はまた視点を変えて、おもしろいお店の話をします

午前中にセミナーでのスピーチがありパサデナまで出かけたのですが、その帰りにちょうど良いのでおもしろい店に寄ってきました。行きたいと思いつつ、少々遠いのでなかなか行けなかったお店です。


店舗名はガルコズ・ソーダ・ポップ・ストア
およそ300坪ぐらいのお店に、並んでいる商品のほとんどが炭酸飲料という、驚くようなお店です。

HPによると、もともとはイタリアンのグローサリーストアで100年近く営業しているのだけれど、今のオーナーが炭酸飲料に子供の頃から興味があったのと、大手飲料メーカーが競合店と同じ仕入れ値を提供してくれないことに対抗して、世界中から炭酸飲料を集めてアソートしはじめたのがこういうフォーマットとなったきっかけだそうです。
400種類以上の炭酸飲料を揃えているそう。


主通路の内側にゴンドラが3本並んでいるのですが、並んでいる商品のすべてが炭酸飲料という光景は、いろんなグローサリーが詰まっている光景しか見たことのない私にはやはり驚きの一言で、思わず笑みがこぼれてしまいました。

パレットのまま無造作に積んであるアイテムもあって、壮観の一言。

アメリカの研修では普通チェーンストアしか視察しませんね。
でもこういうお店もあるということを知って損はないと思うのですよ。インディペンデントとして生き残っていくためには何が必要なのか。


実は今をときめく繁盛店舗のトレーダージョーズは、当時カリフォルニアに進出してきたセブンイレブンに対抗するためにコンビニから業態転換して生まれたフォーマットなのですが、この店と同じように、ナショナルブランドは仕入れない、というところからスタートしています。


オーナーがYoutubeに出てますので、貼っておきます。英語ですが、雰囲気は分かるでしょう。オーナーの熱意が伝わってきます。
このビデオが行きたいと思い始めたきっかけなのでした。

このオーナー、これとまったく同じ格好でお店にいましたよ。


とりあえず6本買いました。見たこともない銘柄ばかり。
これから冷やして飲んでみようと思っているところです。
ガルコズ・ソーダ・ポップ・ストア

鈴木敏仁 (02:42)


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2009年11月10日
[ホームデポ] 駐車場の空きスペースを切り売り

ホームデポが駐車場の空きスペースを、ファストフードやペットストアなどの小型店舗に切り売りする試みを始めたと、アトランタの地元紙が報じています。
現在市場には数百ヶ所が売りに出ていて、そのうちのいくつかに買い手が見つかっているそうです。

ホームデポは自社所有物件が多く、決算報告書上では2,274店舗のうちの89%、トータルすると2億1,200万スクェアフィートが自社所有なのだそうです。これにはパーキングロットとガーデンエリアが含まれていないので、実際の所有面積はもっと大きくなる模様。
時価にすると地面だけで83億ドル、建物は170億ドルになるそうです。

アメリカにおいては、駐車場はピーク時を想定して広さが決定されています。平常、やたらだだっ広い駐車場を目にして驚く我々日本人ですが、混雑時が前提となっている。土地に限りがある日本とは作るときのベースが全く違う。

これをホームデポが切り売りし始めると言うことは、想定ピークが下方にずれたということを意味しています。

要はつまり、お客が少なくなったということですね。
昔日の感があります。


ちなみにターゲットが自社物件の多い企業だということは知っていたのですが、ホームデポもだとは見過ごしていました。

実はウォルマートも建物は自社所有が多くて、決算報告書によると国内店舗の85%が自社物件です。土地については表記がありません。

アメリカの小売企業のマジョリティはテナントしてショッピングセンターに入っているのですが、おそらく大型店舗はユニークな建物となるため自社開発/所有となるのだろうと思います。

鈴木敏仁 (02:53)


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2009年11月 9日
[アホールドUSA] 事業部門を2つから4つへ再編

オランダのアホールドが事業再編を進めていて、その一環で米国の事業部門を2つから4つへと再編成することが発表されました。
現在は、ストップ&ショップ/ジャイアント・カーライルと、ジャイアント・ランドバーの2つなのですがこれを、ストップ&ショップ・ニューイングランド、ストップ&ショップ・メトロニューヨーク、ジャイアント・ランドバー、ジャイアント・カーライル、の4つに分割するとしています。

目的は今後の事業買収に備えるためとしているのですが。
どうも私は売却の用意を始めたのではないかとうがった見方をしています。アホールドは米国ビジネスをデレーズ(主要フォーマットはフードライオン)に売却した方が良いのではないかと言う人がいまして、そういう話が出てくるのとほぼ同時期の再編なので、どうしてもそういう見方をしてしまいます。

ちなみにこの米国ビジネスの2008年度の売上高は218億ドルで、小売業ランクにすると17位、決して小さな規模ではありません。

鈴木敏仁 (02:22)


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2009年11月 6日
[CVSケアマーク] PBMをめぐる不公平取引でFTCが調査を開始

CVSケアマークがPBMビジネス事業において48億ドル分の契約を失ったことが報じられました。この契約解消は来年の業績に反映される模様。ちょうど第3四半期の業績が発表されているのですが、こちらは大幅な増収増益となっています。
来年、これがかなり落ち込むということですね。

CEOのトム・ライアンによる大口契約を失った理由の説明は、プライシングとカスタマーサービスとなっています。ケアマークとの契約によってCVS店舗でしか調剤を買えないようになってしまうことが調剤コストに影響すると考える組織が出てきているということになります。

加えて、不公平な取引を理由としてFTC(公正取引委員会)が非公開で調査に入っていることも明らかにしました。ケアマークと契約している組織に対してCVSでの調剤購入を強制しようとしていることが紙面に書かれてしまったのがこの5月のこと、これが調査の理由です。
個人経営調剤薬局グループが合併に異議申し立て


CVSによるケアマークの買収は水平ではなくて垂直に近い方向で発生しているため、通常の独占問題とは異なる複雑な課題が出てきているように思います。驚くようなビジョンによって生まれた統合と言えるのですが、その壮大さゆえに課題も多いということなのでしょう。

鈴木敏仁 (01:42)


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2009年11月 5日
[マイヤー] 価格販促をシンプル化

マイヤーは中西部地域でスーパーセンターを展開している企業です。ウォルマートとターゲットに押されてしまって苦戦中、負け組に入ってしまっていて店を見ても完成度が低く、興味をあまり引かない企業なのですが、このニュースは気になってエントリーしています。

いまアメリカで価格戦争が激化していることはすでに書きましたが、マイヤーも同じ土俵にいて価格競争に巻き込まれています。
同社はこの価格販促の種類を3つに集約して、プロセスをシンプル化するという取り組みを始めました。
名称は3つ、Everyday Best Price、Sale、そしてPrice Drop。

この3つを簡単に説明すると・・・

Everyday Best Priceは新たに値下げして固定した価で、市場で最も安いことを保証。
Saleは通常の短期間の価格販促。
Price DropはSaleよりも期間の長い価格販促


この販促プログラムを減らすというイニシアチブはとても重要だと私は思っています。結局のところ、価格競争で勝つために最後に必要なことは経費コントロールであって、この経費を下げるために本質的に必要なことは全プロセスのシンプル化にあるというのが私の持論です。

<追記>
出張から戻りました。トロントからシカゴへ移動しサードパーティマーチャンダイジング企業最大手ドライブラインの副会長によるレクチャー、それからシンシナチへ移動してダンハンビーUSAを訪問してきました。

ドライブラインはたぶんいまアメリカで売上高ベースで業界において一番大きな会社です。ホームストアというマーチャンダイジングプログラムがここ数年すでに急速に広まり定着してしまったのですが、これをさらに一歩進めようとしている。この分野は一般的な店舗視察ではまったく見えない話なのですが、裏側ではどんどん進化しているのを再び実感しました。

ダンハンビーUSAは言わずとしれたテスコの子会社ダンハンビーとクローガーのジョイントベンチャー、ロイヤルティマーケティングで唯一大成功している企業で、年率40%近い勢いで成長しています。伺ったプレゼンの内容はおそらく氷山の一角に過ぎないのですが、その氷山の一角だけでも驚くような技術力を感じました。

この両分野、日本は完全に遅れてます。なんとかしなければ、という思いを新たにしたのでした。


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鈴木敏仁 (11:15)


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