2008年2月29日
[ターゲット] ファッションを売るために必要なもの

モデルを使わないファッションショー、というタイトルでで昨年11月にエントリーしたターゲットによるファッションショーですが、映像を見つけたのでアップしておきます。昨日少々暗いビデオを載せましたので、これで相殺しようと思います(´・`)

ターゲットのファッションショーは、ブランディング(またはマーケティング)の一環です。
ウォルマートと同列のディスカウントストア業態に属する企業ですが、コアコンピタンスがまったく異なる。差別化とはこういうことなわけで、必ず同質化競争に陥る日本の小売企業は参考とすべきポイントだと考えています。


ターゲット主催の、もう一つおもしろいファッションショーもYouTubeで見つけたのですが、これはR2Linkに載せようと思ってますので、乞うご期待!

鈴木敏仁 (12:47)


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2008年2月28日
米国史上最大の牛肉リコールでアメリカは変わるのか?

一部日本でも報道されているようですが、カリフォルニア州の牛肉加工会社が製造する冷凍牛肉に歩行困難な「へたり牛」の肉、つまりBSE感染もありえる肉が混入していた可能性が見つかり、会社が自主回収を始めました。総量は1億4300万ポンド、6万5,000トンにのぼり、全米史上最大の食品リコール量になるそうです。

販売した加工肉の多くが学校給食として流通していたそう。

またすでに過去かなりの量が消費されてしまっている模様。

米農務省は、危険が発生する可能性はきわめて低いという見解を示してます。
また一部小売にも流通していたようですが、どこで売られたのかという情報公開は今のところ拒否しています。


以下個人的な見方ですが。

アングロサクソンは食に対する意識が総じて低く、そのため食の安全性に対しても日本のように過敏になることがないです。日米間に発生している牛肉の貿易規制問題に対する両国の温度差も、このあたりに起因しているんじゃないかと思ってます。アメリカ自体にそういう世論が無いんだから、日本が求めるような厳しい安全基準を適用する必要なしと判断している。
また食品業界がかなり強く、議会や当局に対して業界が圧力をかけていることも考えられますよね。

これが、今回のリコールの影響で変わるかどうか。
世論がどう動いて行くか。
ここに興味を持ってます。

以下、正視に堪えない映像なので、嫌いな方は見ないで下さい。
問題となっている牛肉加工会社に告発者が覆面で潜入して一部始終を撮影し、これが露呈することがリコールへとつながりました。

そのビデオが、こうやって一般の目にさらされてしまう時代なんだということを、我々は知る必要があるでしょう。


鈴木敏仁 (01:49)


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2008年2月27日
業績悪化が目立つ決算数値

昨日から今日にかけて、大手小売企業が数社、第4四半期と07年度の決算数値を発表しました。
ちょっと数値が並んでしまいますが、以下のとおりまとめてみます。

ノードストロム、
Q4:売上高 -4.4%、最終利益高 -8.6%、既存店成長率 -0.7%
通年:売上高 3.1%、最終利益高 5.5%、既存店成長率 3.9%

ターゲット
Q4:売上高 0.8%、最終利益 -8.1%、既存店成長率 0.2%
通年:売上高 6.5%、最終利益高 2.2%、既存店成長率 3.0%

ホームデポ
Q4:売上高 1.5%、最終利益 -27.5%、既存店成長率 -8.3%
通年:売上高 -2.1%、最終利益高 -23.7%、既存店成長率 -6.7%

ロウズ
Q4:売上高 -0.3%、最終利益高 -3.4%、既存店成長率 -7.6%
通年:売上高 2.9%、最終利益高 -9.5%、既存店成長率 -5.1%

オフィスデポ
Q4:売上高 1.0%、最終利益 -85.2%、既存店成長率 -7.0%
通年:売上高 3.3%、最終利益高 -31.3%、既存店成長率 不明


まず目立つのがホームデポでして、通年での売上減は初めてなのだそうです。減収減益で既存店成長率もマイナスですから、かなり悪いです。競合のロウズと比較しても、悪さが目立ちます。住宅不況という外部要因と、マネジメントのつまづきという内部要因と、ダブルパンチを食ってるわけで、苦戦はしばらく継続することでしょう。

次にノードストロム、通年ではすべてプラスですが、第4四半期にガタっときている。
[ウォルマート] 強い低価格イメージが意味するところ
ここでも書きましたが、昨年半ばぐらいから中所得層以上に影響が出始めたんじゃないかという仮説にマッチします。

同じことがターゲットにも言えます。ウォルマートよりも対象とする所得層が高く、そのため第4四半期に影響が出たと見ることが可能じゃないかと思います。
また戦略戦術の失敗もいくつか指摘されてもいるのですが、詳細は省きます。


ここでウォルマートを業績を記してみます。ターゲットと比較して下さい。

Q4:売上高 8.3%、最終利益4.0%、既存店成長率 1.4%
07年度:売上高 8.6%、最終利益 12.8%、既存店成長率 1.6%

ターゲットは通年での既存店成長率が上回っているだけで、あとはすべてウォルマートの後塵を拝しています。
少なくとも、ウォルマートにはマイナス成長という数値が存在しません。ここ数年ターゲットは絶好調でずっとウォルマートを凌駕してきましたが、ようやく逆転したという印象じゃないでしょうか。

おととい書いたエントリーのように、ウォルマートの業績は決して悪くはないんです。
景気の不透明感が増してきている中、強い企業と弱い企業の差がこれからどんどん出てくるような気がします。

鈴木敏仁 (02:42)


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2008年2月26日
[クローガー] インストアTVネットワークを開始

KTVと呼ぶ店舗向けのTVネットワークの開始を発表しました。

○各リージョナル本社にスタジオを設置しブロードキャスト用のスタッフを雇う
○対象は社員、顧客、ベンダー、コミュニティ
○ライブ、またはオンデマンド形式、オリジナルのコンテンツを放映スケジュールに従ってブロードキャストする
○ポータブルカメラを利用して、例えば地域イベントを撮影するなどスタジオの外にも出てゆく

対象が4つある点がおもしろい。いろいろなテーマでコンテンツを作り流してゆくというわけです。あるときは売場にあるモニター向けかもしれないし、あるときはバックルームの店員向けかもしれない。

これからコミュニケーションツールとして映像がどんどん使われてゆくと思います。例えばイントラにしても、電話やメールに加えて映像をどんどん使ってゆく時代になるでしょう。そのために、リージョナル本社別にスタジオを作るという時代になってきている。
設置コストやデバイスなどトータルとしての管理費が安価になってきたというのもあるでしょうね。

ちなみにインストアTVで最も進んでいるのはウォルマートです。

もう一つちなみに、日本では各メーカーがモニターをバラバラに店内に設置しており、当然映像にも統一感がまったくなくて、それがどんどん増える傾向にあり、私は個人的に日本の店舗状況はカオス化しはじめているように感じてます。

ウォルマートやクローガーのように、そろそろ小売企業側がイニシアチブを取ってコントロールするときが来ているように思うんですが、どうなんでしょう。

鈴木敏仁 (02:49)


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2008年2月25日
[ウォルマート] 強い低価格イメージが意味するところ

シティグループの投資家向けシンクタンクがおもしろい調査結果を発表しています。

「ウォルマートのEDLPメッセージは強く一環しており、厳しい市場環境において消費者に共鳴を与えている・・・なんと87%の消費者がウォルマートが最低価格を提供していると答えている」
「低価格に加えてワンストップショッピング環境を提供しているというイメージもあるが、ターゲットはベーシックニーズのディスティネーションとして認知されていない。これが、ターゲットの既存店成長率が12月にマイナス5%、1月にマイナス1.1%だったのに対して、ウォルマートが二ヶ月続けてプラスを記録した理由の一つだ」


ウォルマートは戦略転換でわずかに方針がぶれましたが、ロープライスリーダーであることにこだわり続けると昨年末の決算でスコットがコメントしているとおり。再び低価格志向へ戻りました。この低価格志向にこの企業は何年こだわり続けているのか、ということをふと考えてしまいました。
途中若干ぶれるけど、必ず戻る。
一貫したメッセージを長年にわたって発信し続けることが、お客をしてウォルマートは安いという安心感を与える源泉であるわけです。


ところでターゲットの数値の落ち込みは要注目かなと思ってます。
ダラーゼネラルやウォルマートの伸びが鈍化し始めたのは原油の高騰が目立ち始めた06年の頃からでしたが、ウォルマートの業績を見る限り鈍化傾向は止まったように感じます。07年度の決算におけるリー・スコットのコメントも一昨年に比べるとかなり明るいトーンでした。
一方ここに来て、ターゲットの業績に悪化傾向が見えてきている。

このことから、中心顧客が低所得層である企業群に真っ先に影響が出たが、これがひと段落し、いまは中所得層以上を中心顧客としている企業群に影響が出始めた、という仮説が立ちます。


偶然こういう記事を目にしました。
西友売却か超大型買収かウォルマートに迫られる決断

「既存店売上高は2007年度通期でわずか1%の伸びにとどまった。前年度の1.9%の伸び率から約半減した。」とネガティブな書き方をしているのですが、いまや果たしてこの見方が正しいのかどうか。ひょっとするといまだ1%も伸びているという表現の方がいいのかもしれない。
「中流層以上を対象にする競合と比べてもウォルマートの業績の伸びの鈍化は明らかだ」とありますが、ウォルマート以外にも伸びの鈍化傾向が今は出てきてますから、現段階で相対評価するならば、ここまでネガティブなトーンで書くのはどうかなとも思います。半年くらい前ならばこの評価は正しかったので、少々鮮度が悪いかもですね。


なんとなく、景気悪化傾向の中、ウォルマートに追い風が吹いてきているのかもしれないなという気がしてます。
コモディティではいまだに圧倒的な支持を獲得しているわけだから、弱いファッション領域をなんとかできるかどうかが今年の業績のカギなんでしょうね。

鈴木敏仁 (03:30)


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2008年2月25日
「P&Gの人員解雇なきリストラ」Vol.12,No.09

アメリカ流通eニュース

 原材料費の高騰を理由としてメーカーによる価格の値上げが相次いでいる。ほとんどが'企業努力の範疇を超えてしまったためやむなく値上げする、ご理解いただきたい'というスタンスだ。日米のニュースを見比べていると、アメリカでももちろん値上げの動きはあるのだが、日本の方が値上げの動きが強いように感じている。
 たぶん日米ともにインフレ懸念はますます加速してゆくのだろう。
 さてこの環境の中で、消耗必需品業界において最大のメーカーであるP&Gがリストラプランを発表した。なるほどそういうものだろうなと思わせるプランで、いろいろ考えることが多かった。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:10)


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2008年2月22日
[シャーパーイメージ] 連邦破産法11条の適用を申請

シャーパーイメージが連邦破産法11条の適用を申請し倒産しました。負債総額は1億9900万ドル。今後は全184店舗の半分に当たる90店舗を閉鎖し再建を目指すとしてます。

資料によると、04年から売上が落ち始め、05年から07年にかけて赤字を計上し、昨年の時点ですでに再建を専門とする企業からCEOを迎え入れていて、倒産は既定路線だったようです。昨年末の歳末商戦の結果上向く兆候が見られなかったため、倒産に踏み切ったということでしょう。

この企業のマーチャンダイジングの特徴は、ギフト用の変わったおもしろい商品を集めるコンセプトで、ざっくりと表現すると'王様のアイディア'です。アパレル業界の不振について何度か書いてきましたが、こういう商品は景気が悪化すると真っ先に買われなく商材と言う事ができます。

ただ同社の場合、景気の悪化だけに倒産の理由を帰することはできません。
Ionic Breezeというプライベートブランドの空気清浄機が爆発的に売れて業績を上げた時期があったのですが、それ以降ヒット商品が出なかったということがあります。また数年前にコンシューマーレポートで言われているほど効果がないと批判され、それ以降このアイテム関連の訴訟が増え、これが信用不安を増大させたことも倒産の理由だそうです。

そう言えばこの商品を輸入していた某大手商社の人から日本で非常に売れていると聞いて、いやアメリカではそろそろやばいよ、と伝えたことがあるのですが、それからどうなったのかは知りません。


さて、実は同じ日に、リリアンバーノンというカタログ販売企業も倒産してます。こちらも雑貨系で同じようなギフト商材を扱う企業です。非上場なので詳細はわからないのですが、売却か破産を検討しているとのこと。


これから景気が悪化してゆくと、ますます倒産企業が増えるだろうと予測する専門家がいます。
この2つの倒産がプロローグになりそうな気配が濃厚となってます。

鈴木敏仁 (03:02)


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2008年2月21日
[フレッシュ&イージー] 50店舗目をオープン

昨日、カリフォルニア州パームデザートに50店舗目をオープンさせたそうです。今週末までにさらに3店舗を追加し、月末までに53店舗になるそう。
昨年の11月8日がグランドオープニングですから、およそ3ヶ月間で50店舗をオープンさせたわけです。驚異的なスピードで出店してゆくということは当初から分かっていたことではありますが、あらためてすでに50店舗と聞くと、やはり凄いことだなと思わざるを得ません。グローバル企業テスコの力技、といったところでしょうか。


さて別のニュースソースから、この新フォーマットがまったく儲かっていないんじゃないかという話が出ていることを知りました。金融機関主催のカンファレンスであるコンサルタントが、週の予測平均売上高が5万縲鰀6万ドル(スクェアフィートあたり5ドル)にとどまっていて、目標としている20万ドル(スクエアフィートあたり14縲鰀22ドル)に届いていないようだとスピーチしました。
この予測数値はあくまでも、競合企業、ベンダー、店長といった関連する人たちへのインタビューをベースにした分析によるもので、テスコによる公式発表ではありません。またテスコはこのスピーチに対してノーコメントです。

平均的なスーパーマーケットは週に30万ドル弱を売り上げますから、5縲鰀6万ドルというのは低いですね。単位面積あたりの売上高も、やはり10ドルくらいは欲しいところなので半分くらいの効率しかないということになります。
あくまでもコンサルタントによる予測数値なので100%正確とは言えないのですが、しかしいい線いっているような気がします。混雑しているという話は聞いてませんから。

一からフォーマットを作るということがいかに難しいかということが良くわかるのですが、まあしかし、このくらいはおそらく想定内なんじゃないでしょうかね。トライアル&エラーで、これからどれだけ修正をかけていけるかがカギでしょう。

鈴木敏仁 (02:00)


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2008年2月20日
[ウォルマート] わずか3ヶ月間で売上高1,000億ドル超え

ウォルマートが第4四半期および通年の業績を発表ました。

第4四半期:売上高8.3%増、最終利益4.0%増
07年度:売上高8.6%増、最終利益12.8%増
既存店成長率:年間1.6%増

この数値をどう読むかはメルマガの方に書くつもりです。

一つだけここで特筆しておきたいのは、第4四半期の売上高が1,062億6,900万ドルで、初めて1,000億ドルを超えたことにあります。現行為替レートだと約10兆円。最近いろいろ言われてますが、わずか3ヶ月間でこれだけの金額を稼ぎ出すということに対して、やはりシンプルに敬意を表さざるをえません。
さらに、これだけ稼ぎ出しながら増収増益、増収の方は下げ傾向にありますが、増益の方は二桁ですから。

ちなみに年商は3,745億2,600万ドル、現行レートで41兆円超。為替を生活レートで考えると、50兆円を超える価値はあると思います。
日本の平成20年度の一般会計概算要求額は約85兆6918億円、ウォルマートの売上高は日本の国家予算の半分を超える規模なのだと考えると、その大きさが実感できるというものじゃないでしょうか。

鈴木敏仁 (01:20)


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2008年2月19日
[ウォルマート] 新フォーマットのロゴ

Marketsideウォルマートが今年の夏にフェニックスで開発する予定の新フォーマット、マーケットサイドのロゴが商標登録されました。右下にグリーンの文字でmarketsideとあり、左側にはフレッシュフードがスタイリッシュにデフォルメされて3つ積み重なってます。 ウォルマートにしては、けっこうしゃれたロゴじゃないでしょうか。

ウォルマートという文字がこれに加わるのかどうかは不明。むかし、ネイバーフッドマーケットにはウォルマートという文字はいっさい使われていなかったのですが、ウォルマートの知名度を使うほうが得策と考えて実験途上で加わった経緯があります。
今回の新フォーマットでどうするのかは興味をそそるところです。

鈴木敏仁 (07:27)


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2008年2月18日
[ウィルソン・レザー] 160店舗を閉鎖、100人弱を解雇

カバン等の革製品専門のチェーンストア、ウイルソン・レザーが260店舗中の160店舗を閉鎖すると発表しました。残りの100店舗は同社がスタジオコンセプトと呼ぶ、女性向けアクセサリーを中心としたフォーマットへと8月までに転換するそうです。またおよそ1000人弱を解雇するとしています。


年初より続いている各社の縮小プランをまとめると・・・。

チャーミングショップ150店舗と200人
アンテーラー117店舗
タルボット78店舗
メイシーズ2500人超
ホームデポ500人
エディバウアー123人

ホームデポを除き、すべてファッション系です。
こう並べてみると、財布の紐はまずウォンツニーズから締まってゆくということがよく分かるんじゃないでしょうか。

鈴木敏仁 (01:39)


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2008年2月18日
「ウォルマート、第4四半期に10兆円超え」Vol.12,No.08

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが第4四半期および通年の決算を発表した。全米最大規模でしかもコモディティ販売をメーンとする業態であるため、ウォルマートの業績はアメリカ経済の基礎体力を色濃く反映しているとも言え、その決算は毎度のことながら内外の注目を大きく浴びる。
 決算発表をざっと読む限り、昨年来立てて来た戦略が良い方向に向かっているためか、そのトーンは楽観的とはいえないものの悪いものではなかった。ただ経済そのものに対する見方はかなり不透明で、アメリカ経済に明るい兆しはいまだ見えてこないようだ。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:08)


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2008年2月15日
[ウォルマート] ブルーレイ支持を表明

ウォルマートがブルーレイ支持を決めました。今後数ヶ月をかけてHD DVDアイテムを店頭から引き上げてゆくとのこと。

先週はベストバイが同様の発表をしてます。世界最大のリテーラーと、全米最大の家電リテーラーが相次いで決めたことで、HD DVDの敗退は決定的となったのではないでしょうか。
ちなみにNetflixというDVDのネットレンタル最大手企業もブルーレイ支持を先週発表してます。

鈴木敏仁 (04:23)


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2008年2月14日
[トレーダージョーズ] 中国産青果の一部の販売中止

青果の一部の輸入販売をやめるそうです。具体的には、ガーリック、冷凍オーガニックホウレンソウ、しょうが、枝豆、青大豆。アメリカの食品リテーラーとしては、輸入制限に公式に踏み切った最初の米国小売企業ということになるんじゃないでしょうか。

チャイナフリーに対して少々過敏になりすぎじゃないかなという気もちょっとだけしていますし、この措置の良し悪しついて論ずる知見は持ち合わせていないのでここではおきます。
私が注目したいのは、一般のマススーパーマーケットに先駆けてトレーダージョーズが輸入制限に踏み切ったことにあります。この企業のコンセプトのユニークさを象徴しているようで、興味深いのでした。

鈴木敏仁 (03:13)


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2008年2月12日
[ステープルズ] 環境問題を理由に海外メーカーとの取引中止

オフィス用品DS最大手のステープルズが、シンガポールに本拠を置く大手製紙メーカーAsia Pulp & Paper社との取引を中止することを明らかにしました。APP社は熱帯雨林の破壊で非難を浴びているそうで、ヨーロッパーの小売企業や米国でも競合のオフィスデポなどが取引をやめていました。

そういう環境の中でステープルズも、遅ればせながらAPP社との取引中止に踏み切ったというわけです。米国最大手で取引量は少なくないですから、与える影響は大きいことでしょう。
ちなみにAPP社はステープルズに対してプライベートブランドのコピー用紙などを供給してきたそうです。


米国企業は市場の大きさから規模が大きいですね。
ですから、こういうやり方でも影響を与えることができる。
環境意識があまり高くないアメリカですが、国家ではなくウォルマートを筆頭とするリテーラーがが牽引し変えていこうとするということは、良いことだと思います。

鈴木敏仁 (03:09)


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2008年2月11日
[ウォルマート] インストアクリニックの新強化戦略

先週発表されたリリースによると、ウォルマートが自社名を使ってのインストアクリニックの展開を始めるそうです。サービス自体は他社に委託するが、名称を'The Clinic at Wal-Mart'で統一するとのこと。
ウォルマートの店内ではすでに77ヶ所でテナントがクリニックを展開中、2010年までに400ヵ所まで増やすそうです。

名称をウォルマートにしつつのこの委託戦略を英語でコブランデッドと呼んでいるのですが、理由はどうも、ローカルごとに実績と信頼を持っている各病院に委託して行こうとするためのようですね。冠をウォルマートとすることで統一感を出し、しかしサービス事業者の名前をサブブランドとして出すことで安心感を出す。
また最近インストアクリニックに対するメディカルグループからの反発もあり、ローカル病院と組むことでこれをかわす狙いもあると思います。

すでにローカル病院の手によるインストアクリニックが成功している模様で、これを土台としてます。
またAOL創業者スティーブ・ケースが所有しているチェーンクリニックとしてのレディクリニックともコブランデッドをするそうです。


ウォルグリーンやCVSはインストアクリックを買収し、子会社として自社展開しようとしてますが、ローカル病院と手を組むウォルマートのやりかたはすでに存在する医療サービスを上手に利用するものですから、なかなか優れたやり方だと思います。

鈴木敏仁 (01:51)


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2008年2月11日
「アーバンアウトフィッターズによるガーデンビジネスへの挑戦」Vol.12,No.07

アメリカ流通eニュース

 アーバンアウトフィッターズというアパレル専門店チェーンがある。ギャップのようなメインストリームファッションとは異なるテイストを訴える非常にユニークなマーチャンダイジングで人気がある企業だ。06年度の年商は12億2471万ドル、ユースアパレルセグメントでは6位にランクされる。
 このファッション企業が、本社があるフィラデルフィアのローカルナーセリー(ガーデンセンター)を買収することを発表している。
 この企業のコンセプトと同じようにこの買収戦略もユニークだ。

鈴木敏仁 (01:06)


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2008年2月 8日
【第4回R2ネットワーキング@名古屋】開催のお知らせ

日本唯一の流通業界専用SNSであるR2Linkが、来る2月13日に名古屋で交流会を開催します。
オフィシャルな交流会はこれで4回目ですが、初の地方都市での実施となりました。
この機会に、様々な分野で働く流通業界人たちと交流し人脈を増やしませんか?

★日時:2月13日(水曜日)、19時開始
★場所:『嘉ッ波』

詳細と申込みはこちらへどうぞ!
第4回R2ネットワーキング@名古屋

>>この交流会出席のため、10日より日本に一週間滞在します。ニュースの配信がイレギュラーになりますが、ご容赦下さい。

鈴木敏仁 (01:40)


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2008年2月 8日
1月の成長率は過去最低水準

昨日、大手リテーラーが1月の既存店成長率を発表したのですが、多くの企業が予測を下回るマイナス成長で、消費の冷え込みが鮮明となってきました。
プラスだったのはウォルマートの0.5%増などの一部で、ほとんどの企業がマイナスでした。とくにアパレル系企業の落ち込みが目立ちます。ノードストロム6.6%減、コールズ8.3%減、リミテッド8.0%減など。おそらく最も数値の悪かったのがチコスFASの22%減でした。

ちなみにコストコは7.0%増・・・ただ一社、気を吐いてます。

国際ショッピングセンター協議会(ICSC)による43社の調査では平均0.5%増、トムソンファイナンシャルによる調査だと0.3%増、となってます。ICSCによると、1月の0.5%増は1970年に調査を始めて以来最低の水準だそうです。

アナリストが注目しているは、ギフトカードの使い方でした。プレゼントとしてギフトカードを贈るのがアメリカでは主流になりつつという話はここで何度かしていますが、12月のクリスマスプレゼントでもらったカードを1月に使う人が多いわけです。
ウォルマートによると、このカードを食品などの消耗品の買い物に使う人が多く、エレクトロニクスなどのウォンツ系商品を買う人が減ったのだそうです。また使うのを先延ばししている傾向も見えているそう。


ということで、アメリカ市場の消費減退は明らかとなりました。
すでに店舗閉鎖やリストラプランが続々と出てきてますが、これかれさらにそういうニュースが増えるんじゃないでしょうか。

鈴木敏仁 (01:30)


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2008年2月 7日
[メイシーズ] 2500人以上をレイオフ

メイを買収し、デパートメントストアとして初のナショナルチェーンとなったメイシーズですが、業績が良くないことは何度か書いてきました。昨日1月の業績を発表、既存店成長率が7.1%減となり、予測の4縲鰀5%を上回ったことが分かりました。

これを受けて、新たな再建策を取ることをあわせて明らかにしました。

まずサポート機能の集約を図り2500人を解雇する。合併後、マーケティング強化にリソースを集中する一方、機能の集約を怠ってきたため高経費体質になってしまったことが背景にあります。
また昨年来導入しているマイメイシーズと名づけたローカライゼーションイニシアチブを強化する。これはマネジメント層の意見や顧客調査を元に店舗ごとの品揃えやサービスを変えて行こうとするものです。


噂は沈静化してますが、この企業にはいまだバイアウトされる可能性が高いと思ってます。

鈴木敏仁 (03:21)


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2008年2月 6日
[チャーミングショップ] 150店舗の閉鎖と200人の解雇

ファッションバグチャーミングショップとは、ファッションバグやレーンブライアント等の名称で全米に2,453店舗を展開している専門店チェーンです。
150店舗のうちの100店舗はファッションバグ、200人の解雇には本社社員も含まれています。


現在、衣料系小売企業の株価がおしなべて低下しています。アバクロなどの一部を除きかなり落ち込んでいるのと、10ドルを割り込んでいる企業が多い。消費意欲減退の影響を最初に被るのがファッション系リテール、これが株価に大きく反映されているということだと思います。

消費環境の先行指標として捉えることが可能なのかもしれません。木曜日に1月の小売業売上高が発表されますが、けっこう低くなりそうな気がしています。

鈴木敏仁 (01:41)


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2008年2月 5日
[ウォルマート] 国際食品安全イニシアチブ(GFSI)を採用

自社開発のプライベートブランドと一部の生鮮について、食品安全マネジメントのグローバル規格であるGFSI(Global Food Safety Initiative)を採用すると発表しました。アメリカの食品リテーラーとしてははじめてだとのこと。

食品に関する安全規格は世界に複数存在しています。英国のBRCやアメリカのSQFなど。しかしバラバラに存在していると効率が悪いので一つにまとめて行こうとしているのがGFSIです。ちなみに日本が採用しているISO22000はまだこのGFSIから認証を受けていないそうです。


日本ではちょうど事件が起こって意識が高まっているところですが、アメリカでも実は問題が起こってます。最近ではカリフォルニアで狂牛病に感染した牛が流通したのではないかというニュースが流れたばかり。でも、食品業界による圧力か、または単純にアメリカ人の食意識が低いのか、日本のような大きなニュースになるということがありません。

そういう中で、ウォルマートが動き出したというのは、価値があるのでしょう。

ちなみにGFSIをサポートしているのはウォルマートの他に、カルフール、テスコ、メトロ、ミグロ、アホールド、デレーズ、だそうです。日本の小売企業の名前がないですね。また、欧米がアジア抜きで標準化をどんどん進めていく、という図式でしょうか・・・。

鈴木敏仁 (04:18)


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2008年2月 4日
[コストコ] ビールにプライベートブランド導入

商標登録を申請したそうです。名称はカークランドシグネチャーで、種類はヘフェヴァイツェン、アンバー、エールの三種類、コードン・ビアシュという地ビール企業が製造を請け負います(英語ではCraft Beer)。

実は1月30日に、コストコはワシントン州を相手取っての酒類に関する訴訟で敗訴しています。アメリカでは禁酒法時代の規制の名残がまだ残っていて、酒類流通は規制で完全に保護されています。赤字での販売は不可能ですし、卸を絶対に使わなければなりません。また小売業者は卸にCODで払わなければならないという規則まであります。

これにコストコが挑戦、06年に地裁で勝訴したのですが、控訴審で敗訴したというわけです。最高裁まで行くのか、または行ける類の訴因なのか、このあたりは今のところ分かりません。

これが偶然なのかどうか。
ぼくは意図的だろうと思ってます。


大手チェーンストアによる販売量はビール市場の40%、ワイン市場の38%を占めているそうです。この中で、コストコの占める比率はかなり高い。ワインを最も売っている小売企業だそうですし。
コストコによるPBビールが持つ影響力は小さくないでしょう。

鈴木敏仁 (02:40)


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2008年2月 4日
「保守的な酒流通に挑戦したコストコの敗訴」Vol.12,No.06

アメリカ流通eニュース

 アメリカの酒流通は非常に保守的で、ウォルマートのような大企業であってもメーカーと直接取引ができず、必ず問屋を通さなければならない。この硬直した流通システムの風穴を開けようとしたのがコストコで、本社のあるワシントンで州を相手に提訴、06年に地裁で勝利したのだがしかし州が控訴、そして控訴審で逆転敗訴という結果が出たのが先月末のことである。
 ここで酒類流通について少し書いておこうと思う。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:04)


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2008年2月 1日
[ウォルマート] パッケージング・スコアカードの公式使用を開始

ウォルマートは昨年来、パッケージング・スコアカードというプログラムの実験をしていました。どういうものなのかは、こちらをお読み下さい。
ウォルマートのパッケージング・スコアカード

昨日、実験段階を終えて実用段階に入るという発表がありました。
公表資料によると、参加サプライヤー数は6371社、アイテム数は97,000だそうです。2013年までにパッケージの総量を5%を減らすことを目標としています。


アメリカの商品は、日本の商品よりももともと無駄が多いと思ってます。例えばサプリメントなどは、けっこう大きなボトルなのに中身はかなり少ないということは茶飯事。たぶん商品を目立たせたいからなのでしょう。
ですから、5%減らしたとしても、日本から比べると・・・という気がしています。

とまあシニカルに見てはいるのですが、この努力は買いたい。基準がもともと大きく無駄が多いアメリカで、その基準を変えることの出来るのはウォルマートくらいしかいないでしょうから。

またこのスコアカードがバイイングにどう影響するのかは興味のあるところです。
環境スコアカードをマーチャンダイジングに生かす
影響が出てくることは必須であるわけですが、その出方に注目したいと思ってます。

鈴木敏仁 (02:19)


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