2006年4月30日
ウォルマートのアップスケールMD実験店舗

DSCF3803.jpg今日は取材で、ダラス近郊のプラノという町に最近オープンしたウォルマートの新店に来ています。
カフェで無線LANが使えるというので、遊びごころでためしたら本当につながった(驚)
ということで、ウォルマートのカフェから今回は投稿してます。
年寄りくさいけど、世の中、本当に便利になりましたね(^^)

この店、高所得者を市場として意識して開発されたフォーマットで、今までのウォルマートとはまったく次元の違う店となってます。
理解として重要なことは、これが今後のプロトタイプになるわけじゃなくて、いままで相手にしてこなかった高所得者に対して売る技術をここで試しているわけです。うまくいったら、高所得者の多い商圏にその売り方を持ち込もうとしている。

こういう店を見ると、思わず興奮して、未来型店舗、なんて表現する人が出てくると思うのですが、そういうわけではないということを、ここで明言しておきます。

詳しくは、これから執筆する販売革新(掲載号は不明)をご参照ください。

鈴木敏仁 (02:16)


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2006年4月29日
ホームデポがオンライン/カタログ企業を買収

買収する企業名はホーム・デコレーターズ・コレクション、買収額は明らかにされていませんし、この企業の売上高も不明。

ホームデポは昨年、高所得者市場を狙ったオンライン/カタログ企業を2つ立ち上げています。1つは10クレセント・レーン、1つはペイシズ・トレーディング・カンパニー

ホームデポはすでに自身でオンライン販売を開始していますが、この2つは上層市場を狙うことによる補完的な役割を果たさせようとしているのだろうと思います。
そして今回の買収は、このビジネスのてこ入れを目的としている。

ちなみにすべて、ホームデポダイレクトという子会社がこの事業を推進しています。目標は2010年までに売上高10億ドルとのこと。

従来のDIYビジネスに限界が見えてきて、取り付けサービスや、大工などのプロを対象としたビジネスといった、異なる分野に今後の成長を見込んでいて、その一環がこのダイレクトビジネスというわけです。

ノンストアリテーリング(オンラインとカタログを合わせた総称)としてのこの分野を考えると、まず比較的高額商品であることと、カラーやデザインのコーディネーションのために、実際に目で見て手に取らないとお客は満足しないという特性があります。
一方、大型商品が多いため、店舗で買ったところでいずれにしても配送してもらわなければならないため、オンラインのネックである配送料がハードルとはならないという特性もある。
また低回転商品が多いため、店舗にすべてを陳列在庫できないという特性もある。

個人的な経験を元にして言うと、店舗とオンラインを両方比較しながら買い進めてゆく人が多いと思う。店舗での品揃えには限界があるため、実際に店舗で確認しつつ、ノンストアでも商品を探す。家族一緒にノンストアで商品を決めて、実際に店舗には一人で行って買う。または店舗で確認し、ノンストアで家族で確認して買う。
いろんなバリエーションが考えられますが、ようはストアとノンストアがお互いに補完し合うということです。

そういう意味で、この分野のノンストアリテーリングはポテンシャルはあると思ってます。

鈴木敏仁 (09:19)


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2006年4月28日
イケアとユニクロ

イケアが日本でオープンしたようですね。

唐突ですが、イケアのビジネスモデルは'ユニクロ'だと私は思っています。

イケアはエンターテイメント性が非常に高い店作りを完成させています。そのご利益は、一歩足を踏み入れたとたんアドレナリンが上昇し、陳列商品すべてが素晴らしく見えて、さらに価格も安いため、思わず買ってしまう、と言う点にあります。

しかしながら、商品自体は価格なりでして、決して長持ちするものではありません。
私の経験から言うと、本棚で5年、タンスで8年、といったところでしょうか。
実際のところ、買ってすぐに壊れたものもあります。

先週日本で、とある方と面談中ユニクロの話が出たのですが、'ユニクロの商品は洗ってはいけない'と。
洗うと一気に痛むため、できる限り洗わずに長持ちさせなければならないという冗談です(^^)
例えばブレザーをシーズン前にいくつか買い、1縲鰀2年で痛んだら捨てて、次を買って・・・という短いサイクルを繰り返しているそうです。
使い捨て感覚で着る、そういう商品なわけですね。

イケアもそうだと私は思います。
価格が安くて驚きますが、長持ちはしません。価格なり、という表現がピッタリです。

ネガティブな意図で書いているわけではありません。
そういう市場も少なからずあるということです。
住宅を所持せずアパートを転々としている人たちとか、新婚などの家具初心者とか、そういうライフスタイルの人たちに大きく支持されています。

ちなみにイケアの革新性とは、組み立て家具をショールームで売るモデルを確立したことにあります。
後にも先にもイケアしか存在しません。

ところできわめて個人的な価値観ではありますが。
いい家具は100年単位で持つため、高価であっても安い家具を買うよりもお得だと思ってます。
傷ついたら表面を研磨したりして生まれ変わらせることもできますが、廉価版はできません。本当にいい家具は、子供たちへと代々受け継いで行かせることもできます。
長い長いスパンで見ると、高級家具のほうが安く上がると私は思ってます。

鈴木敏仁 (08:23)


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2006年4月27日
ブログ機能とショッピング

ホームページのブログ化プロジェクトを立ち上げてから9ヶ月がたとうとしています。オリジナルを作ったため、Movable Typeの勉強をしなければならず、いまだに悪戦苦闘しているのですが、かなり分かってきました(笑)
持っている機能もかなり把握できてきました。やっぱり使ってみないと分からないものですね。

このブログはもともとホームページを紹介しあうログとしてできたもので、これが発展して個人の日記として使っている人が多い。そういうものだと思っている人も多いことと思います。
しかしながら、特定の機能に注目するならば、いろいろなバリエーションをこれから考えていくことができると思います。

例えば私は主に情報発信の場として使ってますが、アーカイブとしても使い始めてます。つまり「あれ、何だっけ?」というようなときに、この自分のHPを開いて過去の記事を検索するときが増えてきた。

さて、ブログはRSSフィードという機能を持っています。
これ読んでいる方の中には、ヤフーなどのポータルに登録している人も多いと思うのですが、このRSSが使われているわけです。
これを小売業界で使うという話が出てきています。

つまり小売企業がブログ機能を使ったページを作り、例えば新商品情報などをRSSを使って発信するわけです。消費者は情報を自分で取捨選択できる。メール送信と違って、受け手が自分でコントロールできるところが優れている。

ブログ型を採用しているネット販売サイトはすでに増えてきていますが、小売業界でRSS機能が今後注目されるときが来ると思ってます。

鈴木敏仁 (02:11)


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2006年4月26日
ウォルマートの在庫削減イニシアチブ

4月18日にウォルマートが2回目となるメディア向けカンファレンスを開催しました。メディアバッシングを回避するために、ウォルマートの本当の姿をメディアに浸透させることを目的として、昨年から始まったものです。

このため先週中ごろから、ウォルマートに関するニュースが大量にでメディアに出ています。
詳細はアメリカ流通eニュースでまとめるつもりですが、一つだけおもしろいのを紹介しますと・・・

在庫の削減を新たなイニシアチブとしてたてました。数年前でしたか、在庫の増加率を売上高成長率の半分に抑えることを目標数値としたのですが、以来目標にはまったく達していなかったので、真剣にこれから取り組むと。

加えて、ネットワーク・リミックスという物流イニシアチブに、これもたしか去年くらいから取り組んでます。主にグローサリー分野ですが、簡単に言うと、商品回転数によって配送を組みなおすものです。

さてこの結果何が起きるかというと・・・メーカーに対する負荷の増加です。
P&Gやハーシーなど不満を表明する企業も少なからず存在するようです。

つまり全体最適になっていない可能性があるわけですね。

ウォルマートのポジティブな発表を見ているとすべてハッピーに進んでいると思いがちですが、実はそういうわけでもないということです。

ただ、こういう私の記事を読むと、'なんだうまくいってないんじゃん'と逆に一方的にを思い込まれてしまうかもしれませんが、そういうわけでもありません。ウォルマートは改善文化を持ってますから、これからコラボレーションしながら解決していってしまう可能性の方がたぶん高いでしょう。

鈴木敏仁 (05:33)


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2006年4月26日
WIN-WINコミュニケーション

kitten using XOOPS」さんから、チックフィレのネクタイ販促に対してトラックバックをいただきました。
私がこのコメントを拝見して思い出したのは、ベニハナのロッキー青木のパフォーマンスです。ライブドアの堀江氏あたりの行動もこれに近いかも。
まあ派手な行動は一歩間違うと鼻白むもので、おっしゃるとおり、やっぱりスマートなのがいいですね。

鈴木敏仁 (02:02)


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2006年4月25日
カージナルヘルスのCEO、ロバート・ウォルターズが引退表明

一度記事として掲載しましたが、ドラッグホールセール業界にカージナルヘルスという大手企業が存在します
この企業の創業者、ロバート・ウォルターズがCEOをやめることを17日に発表しました。
後任はP&Gでグローバル・ヘルス事業部門の責任者だったケリー・クラーク。ウォルターズは引継ぎのためしばらくチェアマンとして残ります。

カージナルヘルスは売上高750億ドルと言う巨大なドラッグホールセラーですが、実はウォルターズが一代で築き上げた企業なんです。
たぶん日本ではあまり知られていないのではないでしょうか。

彼はハーバードを卒業してすぐに小さな食品ホールセラーをバイアウトしました。その後50社以上の企業を買収してここまで成長させた。
たぶん頭脳明晰でありつつ、買収企業をどんどん取り込める懐の深さもあわせ持った人なのでしょう。

あまり表に出ない人で、米国においても知名度と言う点では低いのですが、こういうところにも傑出した経営者がいるということを知っておいて損は無いと思います。

ちなみにケリー・クラークを引っ張ってきた理由の一つは、彼の海外経験の豊富さもあるようです。
物流とはきわめてドメスティックなビジネスでしてグローバル化とはほぼ無縁なのですが、カージナルヘルスの利益の半分以上は物流以外から来てまして、この物流以外の事業においていっそうのグローバル化の必要性に迫られているわけです。
クラークは日本駐在の経験もあるようで、カージナルヘルスが日本にも今後関係してくる可能性は高いと思っています。

鈴木敏仁 (03:44)


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2006年4月24日
チックフィレのネクタイ販促

先日ダラスのホテルでエレベーターに乗っていたところ、一緒に乗っていた方がかなり派手なネクタイをしていました。
一目で、ファストフードチェーンのチックフィレだなと分かる(笑)
他にも同乗者がいたのですが、そのうちの一人の女性が思わず、「ナイスなネクタイね」と声をかけました。
思わず声をかけざるを得ないほど、派手なネクタイだったんです。
皆さん、うんうん、みたいな感じで、場が一気になごみました。

すかさず彼は、ポケットからカードをみんなに配った。
一食分フリーの販促でした。
はあ縲怐Aこりゃ見事だなと、思わず脱帽です。

派手なネクタイのおかげで声をかけられるということを、彼はもう最初から分かっていて、即座に販促するということも規定の行動だったのでしょう。
押し付け販促とは違い、ものすごくスマートで、店に行きたくなりましたよ。

あ、そういえば、つい最近日本のマックの方とお会いしましたが、こちらは名刺がユニークでした。
裏面にビッグマックなど一枚一枚異なるいろいろな商品がプリントされていて、かじったあとのように紙が少し欠けている。
アメリカに戻ってから、家族に見せびらかしてしまいました。

皆さん、頑張ってますね(^^)

鈴木敏仁 (04:02)


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2006年4月24日
「変革を志向するウォルマートの新たな取り組み」Vol.10,No.17

アメリカ流通eニュース

 4月18日にウォルマートが2回目となるメディア向けのカンファレンスを開催した。メディアバッシングに業を煮やした同社が昨年からはじめたもので、今回はおよそ70人を集めて本社近くのホテルで2日間にわたって実施された。
 かなり多くの新イニシアチブを発表したようで、各メディアそれぞれが、それぞれの思惑によって様々な記事をリリースしているのだが、ここで簡単にまとめておこうと思う。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (02:01)


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2006年4月21日
リーダーのコミュニケーション手法

P&GのCEOアラン・ラフリーは、'CPGメーカーにとって消費者がボスであり、The two moments of truth with consumerにおいて、その信頼を勝ち取らなければならない'、としています。

最初の瞬間は消費者が棚の前に立ち、商品を手に取るときで、全世界160ヵ国で毎日3,000万回発生している。
この瞬間に責任を持つのがMarket Development Orzanaization(マーケティングやセールスなど市場に直接関係する組織)。

2つ目の瞬間は消費者が実際に使用するときで、全世界で20億回発生している。
この瞬間に責任を持つのがGlobal Business Unit(R&Dなど商品開発や管理に関係する組織)。

ブランド開発管理と、セールス&マーケティングは、車の両輪なんだということを言いたいわけですね。

このThe two moments of truth、どうやら企業戦略にもなっているようです。
またこの言葉を冠として、商品を手に取るときを分析する、つまりインストアマーケティング専用の部門まで作ったようです。

米国のCPG業界で最近良く目にする言葉でして、かなり浸透していると言っていいでしょう。
とくにインストアマーケティングが重要だということをことさら強調したいときに、引用する人が増えている。

この言葉、個人的に私は非常に良いと思っていますます。
耳障りというか、音感というか、心に響くものを持っている。

ラフリーという人は、何か重要なことを伝えるときに、スローガン化するのが好きなのだそうです。
ブランド開発維持と、セールス&マーケティングが車の両輪であることは、当たり前のことではあるのですが、こういう心に残る短い言葉で言われると、あらためて納得してしまう。
これによって、全社員が同じ価値観を共有できるようになる。

こういう本質を突いた、分かりやすくて覚えやすい、短い言葉で、リーダーは社員とコミュニケートする必要があります。

ちなみに日本語では、「2つの真実の瞬間」。
ちょっと分かりづらいです(笑)

鈴木敏仁 (05:39)


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2006年4月19日
ホールフーズ、自然エネルギー、そしてブランディング

少々旧聞に属しますが、ホールフーズが企業として使用する電力すべてを風力発電に切り替えることを発表しています(1月10日)
これによって同社は、自然エネルギーを使用する最大の北米企業となるそうです。

ちなみに自然エネルギーの購入額によるランクがありまして、上から順に;ホールフーズ、ジョンソン&ジョンソン、スターバックス、セイフウェイ、HSBCノースアメリカ、AMD、ホワイトウェーブ・フーズ、ステープルズ、モホークファインペーパー、タワーカンパニー、となっています。
リテーラーは4社、CPGメーカーが2社、外食1社。
うがった見方ですが、消費者に直結するビジネスは、こういうイニシアチブを企業イメージの観点で利用しがちなのかもしれません。

ホールフーズの人気はブランディングの勝利という記事を以前載せました。
ではブランディングにどういう手法を取っているのか。

この分野では、小売業界人たちが従来使っている宣伝手法は通用しません。
お客はすぐれて知的な満足度を得るために、ホールフーズで買い物をしている。
このお客に対して、テレビやチラシなどの伝統的なメディアは通用しないでしょう・
チラシに、「わが企業は環境に貢献してます」なんて書いたところで、説得力はまったくない。

全米最大の自然エネルギー使用企業となる、という行為そのものが非常に具体的な宣伝活動となっているわけです。

ちなみにホールフーズは、もともとチラシなど伝統的なメディアはいっさい使いません。値下げ販促もしませんし、ましてやロイヤルティマーケティングなんてまったく必要としてない。
つまりホールフーズもウォルマート同様EDLPなんです。

これで、全米規模にまで成長した。

要する、伝統的なスーパーマーケット戦略を土台としていないのです。
ホールフーズを視察する流通人も多いと思うのですが、粋な店舗を表面だけ見て感心する前に、企業運営の土台から違うのだということに思いをいたすべなのではないでしょうか。

鈴木敏仁 (04:17)


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2006年4月17日
ウォルマートの組織論と日本の官僚組織

4月7日の記事、「ウォルマート、経営陣の入れ替え人事」に対して、知人より興味深いメールをいただきました。
NEC Solutions (America), Inc.のダラスのオフィスに駐在員として来られている間宮祥之さんです。

ウオルマート経営陣の入れ替え人事の記事を拝読致しました。
「リーダに専門性を求めない」と言う方針は、ある意味日本の官僚組織と
似ていると感じています。
日本の官僚は功罪半ばであるものの、組織の運営自体はうまく動いている
とも言え、この点がウォルマートとの共通点なのかもしれません。

2月、3月はベントンビルに週一回のペースで行きましたが、そこで感じ
たことはミドルマネージャが強い権限を持っていると言うことです。
日本の官庁同様、経営陣はビジョナリで実務はミドル(官庁で言うところ
の課長補佐)が動かす体制なのでしょう。
鈴木さんの記事を拝読し、合点がいきました。

現場の方がそう感じているわけです。

チームワークを強調するなど、ウォルマートには日本的な組織論があるのですが、洋の東西を問わず、ビジネスに必要な本質は同じだというのが、私の考えです。
チームワーク、ハードワーク、リーダシップ、etc.
まったく関係ない部署を転々とさせる手法など、まさに日本的ですよね。

アメリカには、経営(またはリーダー)と言う専門職がある、と理解することもできます。
だから、CEOがあちこち移動する。野球の選手と同じです。

間宮さん、ありがとうございました!

鈴木敏仁 (04:21)


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2006年4月17日
「増えるインストアクリニック、その背景は・・・」Vol.10,No.16

アメリカ流通eニュース

 店舗内に簡易クリニックを設置し、簡単な医療行為を提供するインストアクリニックを実験する企業が増えてきている。現時点で発表されているだけでも、ウォルマート、ターゲット、マイヤー、クローガー、パブリックス、ハイビー、ブルーノズ/バイロー、CVS、ライトエイド、ロングス、と、枚挙にいとまが無い。
 各社ともに実験段階で今後どうなるかは不透明だが、取り組み企業は確実に増えている。ウォルマートの事例をとりあげながら、背景を簡単にまとめておく。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:22)


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2006年4月17日
ウォルグリーンのCEOにジェフ・レイン

ウォルグリーンのCEOに、COOのジェフ・レインが7月に昇格するそうです。
現CEOのデイビッド・バーナーはチェアマンとして残り、しばらくオペレーションには関与する、としています。

少々裏話的な話をしますと、バーナーはウォール街受けが良くなくて、かなり近いうちに役を解かれるだろうと言われていました。CEOになったのは02年ですから、4年という短期政権でした。
実は・・・レインも評価は高くは無いようで、次は他からヘッドハントするだろうと読む人もいました。

ウォルグリーンの組織文化は結構ガチガチなんだそうで、純血主義でもありますから、結局玉突き人事になった、というような気がします。

ちなみにウォルグリーンの管理層には、ケビン・ウォルグリーンという血統書つきの人物がいるんですね。まだ若いのですが、近い将来この人がトップに着く可能性があると私は思ってます。
つまりサラリーマン経営者が二人続いているのが現状なのですが、結局は彼へのつなぎだろうと。

ファミリー企業には、サラリーマン企業には無い、よさがあります。
S&P500社の3分の1に、創業ファミリーが何らかの形で(取締役か上級管理職)関与していて、これら企業の業績は非家族経営企業よりも高い、という意外な調査結果があるくらいなんです。

鈴木敏仁 (01:22)


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2006年4月17日
Sayuriを見ました

某大手メーカーさんのセミナーで、日本に来ています。

今日は流通ネタから離れての、独り言です。

こちらに来る飛行機の中で、「Sayuri」を見ました。
ちょっとそれは本当の日本じゃないぜ、こんなのあるわけ無いじゃんみたいなシーンが一杯あって、そういう目で見るとしらけてしまう映画なのですが、そういうのは抜きにすれば、決して悪い映画ではないでしょう。
監督自身、本当の日本とは違うことなど先刻承知の上で、これがアメリカ人が考えている日本の世界なのだと言い切ってます。興行収入を上げなければなりませんから。

私の琴線に響いたのは、こういう映画をアメリカ人が作る時代になったんだなとういことです。
ラストサムライもそうですね。
Japan Coolなんて言葉が使われる時代です。

願わくば、日本側から見た「ヒロシマ」を作る勇気のあるアメリカ人が現れるといいな、などと思ったりしてしまいました。
なんでこんなこと言ってるのかというと、「戦場のピアニスト」を見て、ユダヤ人って自分たちを宣伝するのが本当に上手な人たちだなあ、と感じたからです。
911でアメリカ人は精神的な大打撃を受けたけど、ヒロシマはもっと凄惨だったんだよって、あの人たちに伝えてあげたいんですけどねえ。
興行収入見込めそうに無いから、まず無理でしょうが。

鈴木敏仁 (01:18)


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2006年4月14日
リー・スコットが1ヶ月間の長期休暇

ウォルマートのCEOリー・スコットが、5月に1ヶ月間の長期休暇をとるのだそうです。

うらやましいですぅ・・・(笑)

CEOが1ヶ月のながきに渡って不在となるというのは、一般的に言ってもまれなようです。
やめる準備なのかというAPの記者の質問に対して、広報は「まったく違う」と答えているのですが。
何を意味しているのか、いろいろ勘ぐってしまいます。

批判の矢面に立ち、批判をなだめ、すかし、イメージアップをはかるという、小売とかけはなれた仕事をしなければならなくなって、単に疲れてしまった。
メンザーとデュークという時期CEO候補が、自分がいなくてもしっかりやってくれることを見届けたい。
・・・など、など。

ちなみにスコットは現在57歳です。

鈴木敏仁 (02:57)


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2006年4月13日
ボシュロムのコンタクトレンズ洗浄剤

日本ではあまり話題になっていないようですが、ボシュロムの商品が米国ではちょっとホットな話題です。
Fusarium Keratitis(日本語だとフザリウム角膜炎だそうですが・・・)というまれな目の病気に感染した109ケースのうち、26人がボシュロム製のReNu(ソフトコンタクトレンズ用洗浄・すすぎ・消毒(保存)液)を使っていたというニュースが流れ、いまだ感染源として特定されたわけではないものの、疑惑の目が向けられてしまった。

どうやらシンガポールでまず問題が表面化し、香港から中国へ飛び火して、アジアで売上がかなり落ち込んでいるみたいですね。
これがアメリカにもやって来た。

ボシュロムはReNuの出荷を自主的にストップし、ウォルマートやウォルグリーンは商品を棚から引き上げました。

FDAが因果関係を特定したわけでありませんので、リコールする意図はまだ無いようです。
しかし放置しておいていいのかどうか。
決断に迷うところでしょう。

ボシュロムは今のところリテーラーからの返品は受け付けないとしています。棚から撤去された商品はバックルームに寝かされている。
いつまで寝かせるのか、リテール側も判断が難しいところでしょう。

すでにブランドイメージはかなりダメージを受けたという指摘もあるのですが、これからの対処の仕方しだいでは、さらに傷つく可能性もある。
こういうときに、企業の真価が問われます。

ちなみにリコールの可能性うんぬんの話が出てくると、どのくらいのブローカーやサードパーティマーチャンダイザーを動かすんだろう、リバースロジスティックス企業は関連するかな、とおもわず考えてしまうのは、職業病みたいなものでしょうか(笑)

鈴木敏仁 (08:50)


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2006年4月12日
JCペニーとセフォラがアライアンス

この秋からJCペニー店内にセフォラがStore wihin a store(店舗内店舗)タイプで出店するという公式発表がありました。
セフォラは現在125店舗を北米に展開していますが、JCペニーではこれら既存店舗の売れ筋をMDするとのこと。またネット販売でもコラボレーションするとのことです。

JCペニーには、「JCペニーのポップアップストア」でも指摘したとおり、若年層を取り込みたい、またはイメージアップを図りたいという思惑があります。
当然セフォラには、売る場所を広げることでもっと認知度を上げたいという意図がある。

言われてみればなるほど、これはあり得るなというアライアンスではあります。

鈴木敏仁 (03:34)


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2006年4月11日
マーサ・スチュワート、メイシーズで新ブランドを開発

Kマートでホームファッションラインを販売し大成功したマーサ・スチュワート(企業名マーサ・スチュワート・オミニメディア、略称MSO)が6日、メイシーズで新たなブランドの販売を開始することを発表しました。
ブランド名はマーサ・スチュワート・コレクション、07年の秋の発売を目指すそうです。

Kマートでの名称はマーサ・スチュワート・エブリデイ、ドル箱ブランドだったのですが、倒産後はKマートのイメージ悪化と不透明な将来性から、独占ブランドであることをやめたいマーサ・スチュワートと、ドル箱を失いたくないKマートと、確執があったようです。

双方のバッティング避けるために、マーサ・スチュワート・コレクションはマーサ・スチュワート・エブリデイよりも高価格帯とするようですが、完全に競合を回避できるのかどうか。

いまだ行き先がはっきりと見えてこないシアーズから、少しずつ他社にシフトして行くという戦略が、今回の発表には見え隠れしています。

ちなみにインサイダー取引で塀の向こうに行ったマーサ・スチュワートですが、すっかり復活してしまいました。たぶん日本なら、こう簡単には表には出て来れないでしょうねえ。
政治家は簡単に復活してきますが、彼女のようなビジネスはイメージが大切ですし。
マーサはテフロンです(笑)

鈴木敏仁 (06:00)


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2006年4月10日
シニア向けシリアルの売り方

全米のスーパーマーケットで数年前からとてもユニークなシリアルが売られ始めています。
メーカー名はKashi、このメーカーはヘルシーなシリアルに特化した企業なのですが、いくつかあるブランドの一つ、Good Friendsには、対象をシニアと女性に絞りきった商品が存在します。
(ちなみに詳しくはしりませんが、Kashiという名前は日本語から取ったのかもしれませんね。 )DSCF3742.JPG

右の写真はクローガーのエンドに詰まれたシリアルです。クリックして拡大していただいてよく見ると分かりますが、パッケージに男女のカップルが使われているのがシニア向け、女性二人が並んでいるのが女性向けです。
味とスペックが若干違うのですが、共通点は大麦やふすまなどヘルシーな原料を使用していることにあり、相違点は2つ、ファイバーの量がシニア向けのほうが多く、女性向けにはレーズンが入っていることです。

さてユニークなのはパッケージなのですが、とくにシニア向けに私は興味を持ちました。

シニアに商品を売るときに、'この商品は老人向けです'と宣伝文句を書いたり、それが分かるような広告を作っていては、売れません。現代のシニア、またはこれから高齢化するベビーブーマーは昔に比べると非常にアクティブで、自分は年を取っていると思いたくない、思われたくない、という人たちです。
そういう彼らに対して、これはお年より向きです、としても、売れるわけが無いのです。

じゃあどうすればいいかというと、それとなく暗示する、微妙な作戦が必要となります。
このメーカーの場合、笑顔がはじけたシニアの男女を並べることで、この問題を解決しようとしています。パッケージのどこにも、これは高齢者向きです、などとは書かれていません。 写真によって、誰を対象としているのかを分からせようとしている。
ただこの商品のように顔を前面に押し出す商品というのは他に例が無く、ニッチに特化したメーカーならでは言えるかもしれません。

もう一つ大切なことは売り方です。

このエンドはコンビネーションストアのシリアル売場近辺からはかなり離れたドラッグサイド、ファーマシーの真向かいにありました。
つまりヘルスソリューションの一環として売っている。薬剤師が推奨するようなこともあるのでしょう。
シリアルをドラッグの視点で売るというのは、とても参考になると思います。

 

鈴木敏仁 (06:28)


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2006年4月10日
「本社人員300人を解雇する好調企業ベストバイ」Vol.10,No.15

アメリカ流通eニュース

 ホームページに記事を掲載したが、ビジネスウィークが選ぶ優良企業50社の19位にランクされたのがベストバイである。11位のロウズが上にいるだけで、44位ステープルズ、50位ホームデポと他はランクが低いし、この4社しかディスカウントストア業態からランクインした企業はいないことからも、その好調ぶりが分かるというものだ。
 この好調企業が4月3日に、本社社員300人の解雇を発表した。店舗も含めた全社員12万人強のわずか0.25%の人員削減をあえて実施し、あえて発表する意図を考えてみたい。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:17)


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2006年4月 7日
ウォルマート、経営陣の入れ替え人事

ウォルマートが経営陣のシャッフルをしました。
詳しい部署名や役職名などは省きますが・・・

ローレンス・ジャクソン:人事から調達へ
スーザン・チャンバース:リスク・福利厚生管理から人事へ
ローリン・フォード:ロジスティックス・サプライチェーンからITへ
リンダ・ディルマン:ITからリスク・福利厚生管理へ
ジョニー・ドッブス:ロジスティックスからロジスティックス・サプライチェーンへ

このうち最後のドッブスのみ同じ部門での上方向への昇進、その他の4人は横方向への移動です。

昨年には、全海外責任者のジョン・メンザーと、全国内責任者のマイケル・デュークを入れ替えるという、もっと影響力の大きな人事を実施しています。

ウォルマートはリーダーに専門性をあまり求めません。
本当のリーダとはどんな部門でもリーダーとなれる、という考え方を持っている。サム・ウォルトンの考え方でした。
どんどん部門を変え、どこにいても業績を伸ばせる人物を見つけ出して、そして若くてもどんどん昇進させて行く。

仕事をポンと変えることで、刺激を与えて、能力を伸ばす、という目的もあったそうです。

今回の人事は、典型的なウォルマートの手法と言えるでしょう。

鈴木敏仁 (05:27)


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2006年4月 6日
英マークス&スペンサーが米キングス・スーパーマーケットを売却

マークス&スペンサーが米国で所有するキングス・スーパーマーケットを、6150万ドルで金融グループに売却することを発表しました。

マークス&スペンサーは5年前に売却を決め、ダゴスティーノが1億6000万ドルで買収に合意したものの資金調達問題でご破算となり、その後複数のディールがあったものの最終合意に至らず、03年8月に売却を断念した経緯があります。

マークス&スペンサーは現在ビジネスの再構築の真っ最中で、今回の売却はそのプログラムの最後なのだそうです。

さて今回このニュースを取り上げたのは、英国企業でさえアメリカでは苦労する、ということを言いたいからです。

直営で出しても大変だけど、資本で出るだけでも苦労する。

日本市場特殊論をぶつ方には、アメリカ市場特殊論を説明してあげたい。日本だけが特殊なのではなくて、世界中のそれぞれの国が特殊なんです。同じ言語をしゃべるイギリスとアメリカでさえ違う。
そしてそれぞれが、海外で苦労している。

それだけ海外ビジネスとは難しい。

直営でアメリカに出たユニクロやファミリーマートは、たぶんかなり苦労することでしょう。人種的にも文化的にも近いヨーロッパ企業でさえ大変なんですから。

ちなみに仏カジノも、傘下の米スマート&ファイナルの売却プランを発表しています。

鈴木敏仁 (04:15)


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2006年4月 5日
ベストバイによる300人のレイオフ

ベストバイが本社社員300人のレイオフを明らかにしました。
先月末に発表された決算は絶好調で、ここで全社員12万人のわずか0.25%の解雇をする、またはあえて発表する理由は何なのでしょうか。

詳細はアメリカ流通eニュースに書きますが、私はベストバイ絶好調の理由の一つをこのあたりに見出しています。

鈴木敏仁 (10:08)


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2006年4月 4日
フォーチュン500社とドラッグホールセラーの健闘

フォーチュン誌が好例の米国企業売上高ランキングを発表しました。

1位はエクソンモービルで、ウォルマートは2位に後退。
石油の高騰で、石油会社は軒並み売上高を急上昇させていることと、ウォルマートの成長率が鈍ってきたことの、2つの要因が考えられます。

50位までのCPG関連の流通企業を挙げると・・・
11位:ヒューレット・パッカード、14位:ホームデポ、16位:マッケソン、19位:カージナルヘルス、21位:クローガー、24位:P&G、27位:アメリソースバーゲン、28位:コストコ、29位:ターゲット、31位:ファイザー、32位:ジョンソン&ジョンソン、33位:シアーズ・ホールディング、42位:ロウズ、45位:ウォルグリーン、、47位:アルバートソンズ、50位:セイフウェイ

ドラッグホールセラーの順位が結構高いことに気づきました。
マッケソン、カージナルヘルス、アメリソースの大手三社ともに、ファイザー、J&J、そしてウォルグリーンよりも売上規模が大きい。

ドラッグホールセールは完全なる上位集中業界で(その理由はここでは譲ります)、それがこのランクに現れている。我が国の今後の行き先を示唆しているように思うのですが、いかがでしょうか。

鈴木敏仁 (04:38)


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2006年4月 3日
ウォルマート、高所得者向けマーチャンダイジングの実験店をオープン

ウォルマートが3月22日に、アップスケールショッパー向けのスーパーセンターをダラス近郊にオープンさせました。
ここで言うアップスケールとは、ミドルインカム縲怎nイインカムの世帯を意味しています。特に女性に焦点を絞るとしています。

新しいアイディアやマーチャンダイジングをここで実験して、結果がよければ他店舗(たぶん高所得層商圏の店舗)に波及させる。
アパレル売場の改善やオーガニックの導入、さらに無線LAN可能なコーヒーショップなど、いろいろな新しい取り組みを実験しているみたいですね。

ウォルマートはここ5年くらい、ローカルマーチャンダイジングに取り組んでます。今回のはその一環だと思えば分かりやすい。
出店先に限界が見えてきて、これから都会や高所得層エリアにも店を作っていかなければ成長は維持できない、そういう状況でいままでの店作りではお客を呼べませんから。

ウォルマートとしては、この領域は踏み込まざるを得ない、といったところなのでしょう。
ターゲットとの競合対策という問題もありそうです。

ちなみにオーガニック500アイテムを導入したのですが、これが結構米国のメディアを賑わせてます。
サプライヤーに介入してゆく同社の取引手法が、オーガニックというユニークなビジネスになんらかの影響を与えるのではないか(ひょっとしたら悪影響)という懸念があるんですね。
--この点については、別途書きたいと思います。

消費者としては、これで価格が安くなってくれれば、それでいいんですけどね(笑)

鈴木敏仁 (01:22)


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2006年4月 3日
「ダブルクーポンをやめるボンズ」Vol.10,No.14

アメリカ流通eニュース

 南カリフォルニアのボンズが3月31日に、ダブルクーポンを撤廃することを表明した。
 ダブルクーポンとは、クーポンの割引券面額を使用時に2倍にするもので、いわば販促がエスカレートして誕生して定着した手法である。
 米国におけるクーポン販促はほとんど文化の域に近く、新聞に折り込まれるクーポンを切り取って、店舗で割り引いてもらう消費行動はデイリーライフとなっている。ほぼ全SM(やDgs)がクーポンを受けとるのだが、ダブルクーポンとするのはそのうちの半分だそうだ。
 今回のボンズの決定は、クーポンを使用する消費者行動の変化が背景にあるようだ。その成否によっては他に波及して行きそうで、内外の注目が集まっている。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:14)


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2006年4月 1日
[月刊MD]アルバートソンズ解体とM&A

 アルバートソンズの売却が決まった。総額は負債も含めると174億ドル(1ドル120円換算で2兆880億ドル)に達する超大型M&Aである。
 米国経済史上、単独企業による買収ディールで最大のものはアメリカオンラインによるタイムワーナー買収で、総額は1659億ドル。また買収ファンドなどと日本では称されるバイアウト企業単独によるものでは、89年にKKR(コールバーグ・クラビス・ローバーツ)が買収したRJRナビスコで総額300億ドルというのがある。
 今回の案件は卸、小売、バイアウト企業によるコンソーシアムであり、単独企業による巨大案件との比較はできないのだが、バイアウト企業が絡むものとしては5本の指に入るものと言えるだろう。
 Kマートによるシアーズ買収が115億ドルであり、少なくとも小売業界においては最大規模の巨大なディールである。

<続きは月刊マーチャンダイジング06年4月号をご覧下さい>

鈴木敏仁 (02:38)


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2006年4月 1日
[販売革新]セイフウェイ「ライフスタイル」・・・脱価格競争のブランディング新フォーマット

 南カリフォルニアで03年末に勃発したスーパーマーケット労働者によるストライキは、もともとはセイフウェイ対労働組合という対決図式で発生したものであった。しかしクローガーとアルバートソンズという他の競合大手二社もセイフウェイに協力する形で労働者をロックアウトし、大手三社が肩を並べて組合と戦うという図式へと発展したのであった。
 つまりそもそもセイフウェイが対立の元凶なのであり、組合員の矛先も主にセイフウェイに向かい、ストライキ終了後の業績悪化もカリフォルニアをドミナンスとするセイフウェイが最もひどかった。
 この間、非常に目立ったのはCEOスティーブン・バードの一貫した強硬姿勢なのであった。業績悪化も一時的なもので、すべては先行投資のようなものだと証券アナリストとのカンファレンスで発言し、組合員の反発を招いたりしたのだが、意に介さず最初から最後まで強気で変わることがなかった。
 バードはもともと、その昔セイフウェイがバイアウトされたときにコンサルタントから転進した人物で、当時最悪の状態にあった同社の再建に多大な貢献をした人物である。おそらくどん底から這い上がる経験が、今回の一貫した姿勢につながっていたものと思っている。たぶんよほどの自信があったのだろう。
 その自信が、たった今セイフウェイが取り組んでいる新たなイニシアチブに表現されていると私は感じている。すでにストライキ中から将来へのビジョンを描いていたため、揺らぐことがなかったのだろうと思っているのである。

<続きは販売革新06年4月号をご覧下さい>

鈴木敏仁 (02:33)


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