2007年12月24日
「店舗進出だけではないテスコの米国事業、ダンハンビーとクローガーの関係」Vol.11,No.52

アメリカ流通eニュース

 英テスコが店舗による進出に先立って10年以上にわたり、アメリカにオフィスを持ってフィージビリティスタディをしていたことは知る人ぞ知る事実なのだが、その間店舗に関する研究調査をしていただけではなかった。
 具体的な事業を2つ展開していたのだが、1つ目がネット販売ノウハウのセイフウェイへの提供で、これは店舗での進出が決まった段階で提携関係が解消されている。2つ目がロイヤルティデータの分析ビジネスで、クローガーからの依頼を請け負ったのが02年のことで、こちらは現在も関係が続いている。
 分析しているのはダンハンビーというテスコの子会社だ。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (12:40)


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2007年12月21日
[サーキットシティ] 第3四半期に大幅赤字決算

サーキットシティが第3四半期(11月30日期末)に、赤字2億730万ドルを計上したことが明らかとなりました。売上高は3%減で、減収減益、既存店成長率は5.6%減でした。

「コスト削減イニシアチブが売上に与える影響を軽く見すぎていた、我々が現在注力しているのは売る社風の再構築である」(CEOフィリップ・シューノバー)

今年初頭にこういうエントリーがあります。
明暗分けた二大家電ディスカウントストア

コメントにあるコスト削減イニシアチブが人員削減を直接的に意味しているわけではないのですが、そのあとの'社風の構築'という文言を見るに、'人を削ってモラルが落ちて売れなくなった、売る社風を作らねば・・・'ということを言おうとしているのだと私は読みました。
3,400人を解雇して、そのツケがまわってきたということです。

アナリストからは'タオルを投げろ'、つまり資本売却(または倒産)したほうがいいのではという質問が出てまして、そろそろそういう話が出るような状況となってきているようです。歳末の予測もあまり芳しくない模様。昨年も赤字、今年も赤字の公算が高いようです。株価は在4ドル台、10ドル切ると、おおよそ投資家からはそういう話が出てきます。


人を切るということは、こういうことです。

話は大きく飛びますが、ウォルマートがドイツで失敗した理由の一つに、インタースパー買収後にウォーコーフから優秀な人材が一気に抜けちゃったから、というのがありましたよね。
人材って大切ですが、小売業ではとくに店長レベルの人材がとくに大切だと僕は考えてます。

西友のカレジッスキー、ずいぶん解雇したけど、モチベーションを上げる施策はなにか打っているんでしょうかね。サニーからも随分人が流出したようだし、今回の希望退職でも店長が随分辞めたそうです。人材って、何物にも替え難いと僕は思うんですが・・・。


>>来週の25日はクリスマス、アメリカはクリスマス休暇に入ります。ニュースも減ってきてますので、Retailwebもお休みを頂きます。1/02に営業開始しますので、よろしくお願い申し上げます。
良いお年をお迎え下さい。Happy Holidays !!

鈴木敏仁 (02:13)


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2007年12月20日
[ホールフーズ] レジのポリ袋を来年早々に廃止

ポリ袋の全店廃止に向けて、本社があるオースティンの2店舗で使用をテスト的にやめたそうです。100%リサイクルの紙袋の使用だけとし、来年早々には全店へ水平展開する予定とのこと。

またエコバッグの使用を促すために、使用の際の値引きを5セントから10セントへと値上げするとしています。


どこが最初に取り組むかと思っていましたが、やはりホールフーズでした。たぶんポリ袋を使用しているどの企業も、業界の動きを横目で見ながら横並びしているように思っているので、ホールフーズの一歩リードといったところです。
これから他社がどう動くかですね。

ちなみにホールフーズで何回かエコバックを使っているのですが、値引きしてもらったことがありません。たぶんレジのキャッシャ竏窒ェ忘れてたんだと思う。5セント引くというルールを持っているということすら知りませんでした。まあ、そんなもんです。公式発表と店舗エクセキューションに乖離があるのはよくあることです^^;

鈴木敏仁 (01:09)


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2007年12月19日
[コストコ] CEOの報酬は最低レベル

コストコのCEOジム・シネガルの06年度の報酬が、ストックオプションも含めたトータルで320万ドルだったことが報じられました。コストコの期末は8月末で、こういった書類の提出がちょうど今ぐらいの時期だから情報として出てきたものです。

大手企業の報酬の中間値は830万ドルなので、320万ドルというのはかなり低いという論旨。またS&P500社においても最低ランクになるだろうとのこと。

基本給は35万ドルで前年と変わらず。
この基本給は、コストコという企業のサイズからすると異常に低いのですが、シネガルが店長の給料の2倍以上は取らないというタガを自分ではめているということは有名な話であります。取りすぎると社員のモチベーションが下がるからですね。

取締役会としてはもうちょっと取って欲しいのだが、これ以上もらってもモチベーションやパフォーマンスが高まるとは思えない、というシネガルの意思を尊重している、と書いてありました。


シネガルは創業者として、現在の株価で1億6500万ドルという自社株を大量に保有していて、まあいわば資産家であるわけで、そういう意味では100万ドルや200万ドル多くもらったところで、モチベーションにはつながらないのだろうとは思います。ただ米国大手企業の経営者が報酬を取りすぎていることが矢面になっている今、やっぱり彼のスタンスは尊重したい。

こういう経営者の下、社員のモチベーションが下がることはないでしょう、たぶん。


ちなみにウォルマートのリー・スコットの基本給は130万ドル、報酬総額は1570万ドル。
ターゲットのロバート・ウルリッチの基本給は170万ドル、報酬総額は1820万ドル。

話はすっ飛びますが、西友の外人CEOおよび外部から来たCOOとCFOの報酬と、店員の給与の差を知りたいところです。

鈴木敏仁 (01:36)


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2007年12月18日
[ゼイバーズ] 故ムレイ・クレイン氏の功績

ゼイバーズゼイバーズはNYマンハッタンにある高級グローサリーストアとして有名ですが、この店舗の'顔'として活躍したムレイ・クレインという方が亡くなりました。84歳でした。

ドイツで生まれ、ホロコーストで家族を失い、ソ連で強制労働され、アメリカに移民してゼイバーズで働き始めたのが53年、94年の引退時には共同オーナーになっていた、という経歴を持った人です。

実はこの人を私は知らなかったのですが、NYでは有名だったようです。

この人の手によって、普通のユダヤ人向けのデリカだったゼイバーズが高級グローサリーストアへと進化したのだそう。また、ハイエンドの高級食材を扱いながら、依然ユダヤ人向けのド定番を置く、というアソートメントで一世を風靡したのだそうです。
それと、高級グローサリーの販売手法にロスリーダーと言う考え方を始めて導入した人だとあって、驚きました。高級なグルメ食品のそばで、トラッフルのチョコレートを赤字で売ったり、コーヒーやジャムの低価格PB、低価格デリを売ることで、ハイエンド+ロープライスというトレーダージョーズのようなモデルを確立したとありました。

ゼイバーズって日本の食品小売業界の人たちにとっては視察の定番のような存在で、僕もかなり訪問したことがあります。ただその価値がいまひとつ分からなかった。
今回の資料を読んで、ようやくどういうことなのかが分かりました。

鈴木敏仁 (02:05)


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2007年12月17日
[米アルディ] 来年中に店舗数は4桁へ


アルディ
米アルディが、来年1年間でカンザス州への進出を含む100店舗という積極的な出店プランを明らかにしています。毎年70~100店舗をオープンさせる出店戦略を持っていて、来年のプランもその一環です。

買収ではなくすべて自前の予定。いま900店舗なので来年中には4桁になるとのこと。

右下の検索窓で検索していただくと分かりますが、当ブログでは何回かアルディを取り上げていまして、来年の100店舗プランも10月末に書いてます。今回はその確認ということになります。

日本の業界誌ではほとんどネタにもならないアルディですが、私はずっと注目してます。今年はベントンビルの店舗を見てきましたが、ビジネスモデルを再確認できて感動しました。

同社傘下のトレーダージョーズやセブアロットといったバリューDSを徹底的に研究すればするほど、このフォーマットには魅入られていきます。フレッシュ&イージーもアルディを含むバリューDSの本質的な部分を理解していないと分からないでしょう、たぶん。

鈴木敏仁 (01:20)


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2007年12月14日
[セイフウェイ] PB商品Oオーガニックを外部販売

セイフウェイが自社PBであるOオーガニックを外部販売するそうです。外食卸のシスコと契約し外食チャネルで販売することがすでに決まっていて、またアジアと南アメリカでパートナーシップによる販売を考えているそうです。
Oオーガニックは現在300アイテム、昨年の売上高1億6400万ドルから今年は3億ドルとなる見込みで、大成功ブランドとなってます。

傘下のブラックホークがクローガーでギフトカードを販売 でも書きましたが、セイフウェイは現在本業以外でビジネスを立てることに熱心で、この件もおそらくその延長線にあるのではないかと思います。

Oオーガニックのポジションはプレミアムなのですが、セイフウェイはセレクトというこのポジションでの成功ブランドを持っていて、もともとPBの扱いに長けた企業です。セイフウェイのマーケティング担当トップが辞任 で書いたように、9年前にペプシからマーケティング役員を迎え入れて、メーカー並みのブランディングを実現してきました。単にオーガニックがトレンドだから、ではなくて、それなりの技術を持っているというわけです。

例えば、こんなチラシというか、カタログが我が家に届いてます。
ボンズのカタログ

ブランドからメッセージ性を感じる取ることができて、小売企業の単純なPBとは一線を画してます。


ところでCEOのバードは、小型店舗開発の噂を肯定したようです。フレッシュ&イージに難敵現る、となりますかどうか。

鈴木敏仁 (01:28)


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2007年12月13日
[オフィスデポ] 第4四半期の業績悪化を予測

オフィデポが第4四半期の業績悪化を予測していることを発表しました。直訳すると、雇用の鈍化、住宅市場の弱さ、クレジット市場の不安定感(サブプライムローン問題)が、スモールビジネスの支出を抑え始めている、ということが理由だそうです。

競合ステープルズが同様の理由をもとに下方修正をしていないため、会社固有の問題ではないかというアナリストの指摘もあるのですが、住宅問題がオフィス用品ディスカウンターに影響を及ぼすというのは、新鮮な発見でした。
直接影響を受けるホームデポ、間接的に影響を受けるベッドバス&ビヨンドぐらいまでは容易に想像がつきますが、スモールビジネスにも影響が出るからオフィス用品が売れなくなるというのは、当然のことながら起こることです。

「風が吹けば桶屋が儲かる」、サブプライム問題が及ぼす影響の裾野はけっこう広いようです。

鈴木敏仁 (02:41)


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2007年12月12日
[ウォルグリーン] 160店舗にATMを導入

ウォルグリーンがニューイングランド地域の銀行、ウェブスターバンクのATMを160店舗に導入することを発表しました。来年後半までには500店舗にまで拡大する予定。セブンイレブンによるシティバンクのATM、デュエイン・リードによるチェースのATMと同様に、使用料は無料とするそうです。

アメリカのドラッグストアは利便性、つまりコンビニエンス性を前面に押し出していて、コンビニエンスストアと真正面から競合してますが、このATMイニシアチブによってますますその色が濃厚になってきたように思います。ウォルグリーンはカフェWというドリンクバーを100店舗に導入してますし、コンビニとの競合はさらに激しくなりそうです。

鈴木敏仁 (02:52)


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2007年12月11日
[ウォルマート] 中国での成長を年率30%と予測

ウォルマートが中国事業の成長率を年間30%以上と予測していることが明らかとなりました。100店舗目の開店許可を当局から得たことを祝うための席上で発表されたようで、この席には米国商務省長官のカルロス・ギティエレスといった要人も招かれていたようです。

中国での店舗数は現在94、今年一年間の新店数は24でした。


とうとう100店舗に達するというわけですが、今後しばらくは30%の成長を見込むという強気の見通しからは、中国事業が健全な状態にあることをうかがわせます。イギリス、カナダ、メキシコに次ぐ4つ目の海外事業の柱に育つのも時間の問題という気がしてきました。

鈴木敏仁 (01:16)


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2007年12月10日
[コンプUSA] 業績回復せず清算へ

コンピューター専門のディスカウントストアチェーン、コンプUSAが歳末商戦終了後に全店舗を閉鎖し、企業を清算する予定であるというニュースが流れています。正式にリリースされたものではないので100%とは言えないものの、WSJなど確実なソースが流してますからほぼ間違いないようです。

同社は84年創業、PCブームに乗って急成長しましたが90年代後半に業績不振に陥り、99年にメキシコのビリオネア、カルロス・スリムが買収、03年にはグッドガイズを買収しててこ入れをはかったのですが結局上向くことがありませんでした。今年の初頭に全店舗の半分を売却、その後の戦略転換(コンプUSAの戦略転換)、そして今月初頭にゴードン・ブラザーズというリストラ専業企業に売却され、今後の行方に注目が集まっていた矢先のことでした。

現在店舗数は103、推定年商はは15億ドルだそうです。

不採算店舗を売却したけれど、売却すらできない赤字店舗をいまだに抱えているということなんでしょうかね。黒字化をはかるということをせず、一気に清算してしまうという点に、アメリカ流の割り切り感やスピード感といったものを感じます。

コンプUSAについては10年以上前にメルマガで、たぶん将来は明るくない、という文章を書いたことがありました。コンピューターが特殊な商材であるうちは専門店業態として成立しますが、一般に普及して家電化したらたぶん無理だろうというのが私の論旨でした。テレビ屋とかステレオ屋といったフォーマットがないのと一緒、業種は業態へと進化して行くのです。


ふと気づいたのは、コンプが出たあとに、フレッシュ&イージーのような企業が入って行くんだろうなということ。たぶん水面下では交渉が始まっていることでしょう。

鈴木敏仁 (04:19)


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2007年12月10日
「シアーズホールディング、売れなくても強気な理由」Vol.11,No.51

アメリカ流通eニュース

 シアーズホールディングが先月末に発表した第3四半期の決算によると、売上高は3%ダウンの115億ドル、純利益高がなんと99%ダウンの200万ドルで、非常に大きな減益を記録している。既存店成長率はシアーズ4.2%減、Kマートが5%減だった。
 同社による説明は、競合要因、経済の不安定、暖かい気候でアパレルが売れなかったこと、これに加えて不動産景気の悪化が売上高の4割を占めるホーム関連部門とアプライアンスに影響を及ぼした、ということであった。
 このおよそ100%ダウンとうい数値は小売業としてはかなりのものだと思うのだが、リリースされたコメントを読むに、どうもオーナーのエディ・ランパートはどこ吹く風という印象である。
 資料をいろいろ読み込むに、どうやらこれには理由があるようだ。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (12:39)


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2007年12月10日
「セイフウェイ傘下のブラックホーク、プリペイドカードで急成長中」Vol.11,No.50

アメリカ流通eニュース

 プリペイドカードというビジネスが存在する。紙の商品券をカードにしたものと思えば良い。例えばレジ周りなどに置いてあり、レジに持って行きお金を支払い、裏にプリントしてあるバーコードをスキャンすると登録され、後はお金と同じように利用することができるので、便利である。
 一般的にはサードパーティ・プリペイドカード市場と呼ばれるが、この業界のトップがブラックホーク、次がインコムという企業。このブラックホーク、セイフウェイの子会社なのだが、急成長中で、セイフウェイにとっては孝行息子となりつつある。

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鈴木敏仁 (12:37)


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2007年12月 6日
期間限定プロモーションの流行

先月初頭にこういう記事をエントリーしました。
[ターゲット] 年末商戦に期間限定プロモーション

今年はどうやら、この限定販促が流行のようです。ロイターの配信記事によると...。

▼先週トイザラスが金曜の夜と土曜日の午前中に限定して、マッテルのバービー3割引。ハスブロのMrポテトヘッドを4割引、を実施。
▼JCペニーは土曜日のみ有効のクーポンを発行。
▼アンテーラーロフトは同じく土曜日に限定して100ドル以上の買い物に対して2割引を提供。
▼オールドネイビーは12月6日までなら2割引を実施。
▼メイシーズは11月28日縲鰀12月3日の期間のみ10縲鰀20%割引のメール販促を実施。

こういうのもありましたね。
[ベストバイ] ロイヤル顧客を特別イベントに招待
これは対象顧客も絞ってますが、一日だけですから期間限定という意味では一緒です。


みんな横並びでやってるのが、おもしろいですね。こういうのにも、流行があるということが分かります。
各社の意図は、クリスマスぎりぎりまで買い控えられるのを防ごうということだろうと思うのですが、効果のほどは現時点では不明。歳末商戦はまだはじまったばかりです。

鈴木敏仁 (04:14)


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2007年12月 5日
[A&P] パスマーク買収を完了

A&Pによるパスマークの買収が完了しました。買収総額は6億6500万ドル。買収後の規模は、店舗数が450、売上高は94億ドル。

プレスリリースによると、NYのメトロポリタンエリアでリーディングシェアとなり、フィラデルフィアとバルティモアでシェアを大きく前進させる、となってます。現在出張中で資料がないのですが、たぶんマンハッタンを中心とした都市部ではシェア1位となるんでしょうが、ちょっと郊外に出るとストップ&ショップのシェアの方が高いと思います。

この買収劇、裏にはロン・バークルがいますね。最近はホールフーズとワイルドオーツをくっつけたし、古くはクローガーとフレッド・マイヤーの合併を実現させた流通業界のディールメーカーです。


ちなみに負け組み同士の合併で、効果に対する周囲の見方は冷ややか、1+1が2を超えることはたぶんないと私も思ってます。このA&Pと倒産したウィンディキシーの苦戦はまだしばらく続くでしょう。

鈴木敏仁 (03:39)


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2007年12月 4日
[テスコ] 北カリフォルニアへの進出決定

アメリカの出店予定数を、来年早々に100店舗という目標数値から、09年までに200店舗と、数値を上方に動かしました。どうやら北カリフォルニアへの進出を公式決定したようで、Stocktonという地域に配送センターを建設する計画のようです。

発表された資料によると、この配送センターもロサンゼルス同様、1ヶ所が500店舗をカバーすると書かれているので、もうすでに1000店舗近い出店の絵を描いているということになります。
また、各店舗間の距離は2マイル(約3キロ)以内にする、とも資料には記されている。密集という表現がふさわしい。


ものすごいスピード感ですね。
競合が何かをやる前に、立地をいっきに制覇してしまおうという意図がひしひしと感じられます。

鈴木敏仁 (04:24)


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2007年12月 3日
[レディクリニック] 対象市場をミドルクラスに

インストアクリニックについては、何回かエントリーしました。
RediClinicとスティーブ・ケース
CVSがインストアクリニックを買収
インストアクリニックと米国医療システムの破綻
ウォルグリーンによるインストクリニックの買収

簡単に行ってしまえば、医療という問題を抱えているシステムがあって、この問題の一部を解決するようなビジネスとして登場したのがインストアクリニックと言うことができる。低所得層にコンビニエンスな医療を提供しようとした。

しかし、低所得層地域では、なかなか採算ベースに乗らないということが分かってきたそう。低価格としたんだけど、それでも低所得層には高すぎる。また病院が、本当に支払えない人には無料診療を提供したりしますから、あえてお金を払う必要がない、ということもあるかもしれないですね。
アメリカの病院は、無料診療をある程度実施すると、税金控除があるみたいです。

このためレディクリニックが戦略を転換し、中所得層の地域に32ヵ所インストアクリニックを作ったところ、うまく行くことが分かったそうです。医者のアポを待つ必要がないという、便利さがウケている。

レディクリニックのCEOのコメントが面白いので、意訳します。
「現在のヘルスケアシステムは、少数の複雑な症例向けにデザインされている。我々は大多数のシンプルな症例を対象とするビジネスだ」。(Forbes)
これは、分かりやすい。

このインストアクリニック、CCCという業界団体もできてしまいましたし、定着し伸びることは確実だと思うのですが、対象市場が少し変わってきたというのは興味深いです。

鈴木敏仁 (04:43)


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2007年12月 3日
「米国流通業界の小型化トレンドを理解するヒント」Vol.11,No.49

アメリカ流通eニュース

 アメリカでは過去長いこと店舗の大型化が大きなテーマであった。おそらくこの30年くらいは特にこの傾向が強かったのではないだろうか。オールドエコノミーからニューエコノミーへの社会変質が始まったのがおよそ30年前、この頃から女性が働き始め、そのため買い物時間が短くなり、ワンストップショッピングに対するニーズがどんどん高まっていった。
 そして、調達、物流、保管、店舗運営・・・といった諸々の技術の進歩がこの店舗の大型化をサポートしたのである。
 ところがここ数年業界で指摘され始めてるいのが、小型店舗ニーズなのである。ベビーブーマーが高齢化し、巨大な店舗を歩き回りたくない、もっと手ごろな店舗が欲しい、というニーズが高まってきているという見方である。
 これについて食品系のレポートで、「伝統的なグローサリーストアへの回帰現象だ」、とするコメントを見たのだが、回帰ではなくて進化だと私は考えている。

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鈴木敏仁 (12:35)


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