2018年5月31日
[ウォルマート] 超富裕層対象のパーソナルショッピングサービスを開始

お客がSMSで欲しいものを送信すると、それを当日に届けてくれるというビジネスをウォルマートがはじめました。
名称はジェットブラック、メンバー制で月額50ドル(ただし初回だけで翌月からは上がるようですがいくらなのかは不明)、招待制、場所はマンハッタンのみ、取り扱い範囲は日用品からラグジュアリーまですべて、です。

欲しいものを一言だけ送信すると、会員情報をベースとしてAIが何を必要としているのかを判断し、これを判断基準としてコンシェルジェが商品を調達し、届ける、という仕組みだそう。
会員情報は、例えばシャンプーはこれ、といった好みをアンケート形式で収集するわけですが、家に行って聞き取り調査もするようです。

レント・ザ・ランウェイ共同創業者のジェニファー・フライスが会社をやめて、ウォルマートR&D部門のストアNo8と組んではじめた、という点がこのビジネスのキモでしょう。

資金はすべてウォルマートなのかそれともフライスもいくらか負担しているのか不明ですが、あのウォルマートがこういうことをバックアップするという点が面白いし、それを一度成功した起業家がやるという点がさらに面白い。

うまくいくのかどうかは不明ですが、こういうことを続けていると、ウォルマートのデジタル上のイメージがどんどんアップするでしょうし、なによりノウハウが蓄積しますよね。

この手の余裕を感じるのりしろのような取り組みは、とても重要だと思います。

鈴木敏仁 (02:16)


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2018年5月29日
不明ロス率は1.82%

グローバルレベルでの昨年の不明ロスの金額は約1,000億ドル、売上高対比で1.82%、という調査結果が出ました。
(Sensormatic Global Shrink Index)

アメリカ単独だと1.85%で、平均値より高い理由はアメリカが全体に占める割合が大きいからだそう。
またアメリカで不明ロスが起こるの最大の原因は万引きなどの外部要因で35.6%、次が店員による盗みなどの内部要因で24.5%でした。

カテゴリーによって異なるので一概には言えませんが、世界的な目安としてこんなものだ、ということを頭に入れておくと良いでしょう。

鈴木敏仁 (04:39)


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2018年5月25日
マーヴィン・エリソンがロウズのCEOに

マーヴィン・エリソンがJCペニーのCEOをやめて、ロウズのCEOに就任すると発表がありました。
想定外の話で、"おぉ、そう来たか"と驚いたのですが、いろいろ考えると面白いネタではあります。

エリソンはターゲットからスタートして、ホームデポで花が咲いた人です。
ダメだった店舗をどんどん再生していくような店舗運営に突出した能力を持った人だったようで、ホームデポでかなり若いときに役員となっています。

次のCEOとも言われていたのですが、前CEOのブランクの後任として選ばれたのが商品部畑のクレイグ・ミニアで、レースに負けたエリソンがどう動くのかなと思っていたら、なんとJCペニーのCEOにヘッドハントされた。
ペニーがガタガタだったときだったのですが、それなりに回復させて、さあ次に打つ手は?というときに、ホームデポと競合するロウズのCEOになったわけです。

JCペニーに限界を見いだした。
デパートの経営はこれ以上は無理だと判断した。
自分をCEOにしなかったホームデポに逆襲したい。

野次馬としてはこういう理由を考えることができて、だから面白いネタなのです。

ホームデポはいま絶好調なのですが、ロウズは後塵を拝していてなかなか追いつけません。
エリソンはホームデポ再建の立役者の一人なので、その成功事例がロウズに持ち込まれることになります。
ロウズがこれからどう変わるのかに注目ですね。

鈴木敏仁 (12:01)


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2018年5月24日
[クローガー] 英オカドとの提携とホームシェフの買収

クローガーが立て続けに2つ、新たなEC関連の投資案件を発表しました。

1つめはイギリスのネットスーパー、オカドへの投資とフルフィルメント技術のアメリカへの導入です。
オカドはフルフィルメントのAIオートメーションで知られていて、プラットフォーム化して他社へ技術を販売もしている企業です。

クローガーは株式6%を取得し、アメリカでの独占使用権を得る。
すでにセンター2ヶ所の建設を予定し、3年間で20ヶ所を計画しているそう。

AIオートメーション化にはそれ相当の投資がかかります。
ROIついては見解が分かれていて、正解はないというのが現状でしょう。

2つめはミールキットを売るネット通販企業ホームシェフの買収です。
買収額は7億ドル、ただし最初に2億ドルを投資し、一定のゴールを満たしたら残りの5億ドルを支払って傘下に収めるという条件付きとなっています。

クローガーはすでに店頭でミールキットを売っています。
包装形状からみるにアウトパック、たぶん自社PCではなく他社から仕入れているとみています。
これをホームシェフに入れ替えるのでしょう。
もちろんネットでの販売も開始する。

これからシステムを開発するよりも買ってしまった方が早いという、ECの世界ではよくある戦略をクローガーも取りはじめたようです。

鈴木敏仁 (01:36)


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2018年5月21日
[ホールフーズ] アマゾンプライム会員向けの値下げを開始

プライム会員向けの特典提供がなかなか始まらないと5月14日にエントリーしたばかりですが、やっと開始しました。
ただしフロリダの28店舗のみ、対象商品も限定してのスタートで、今夏中には全店舗展開を目指すとのこと。

ホールフーズのアプリでプライムアカウントとリンクさせ、レジでQRコードをスキャンすると値引きが適用されるというシステムです。

アマゾンによるホールフーズの買収目的はデータですから、これでようやくスタート地点に立てるといったところでしょう。

ちなみに対象商品のみ値引きとなっていますが、どうせなら全品10%引きぐらいはやって欲しいところです。
ちょっと腰が引けてるかなと思うのですが、システムダウンを起こしたくないからなんでしょうね。

鈴木敏仁 (02:00)


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2018年5月19日
【グローバル流通最新トレンド】 ライブトーク 青木英彦さん

5月8日に配信したライブトークをYouTubeにアーカイブしました。
今回のゲストは野村證券のアナリスト、青木英彦さんです。

鈴木敏仁 (02:10)


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2018年5月15日
アマゾンゴーの次の出店エリアはサンフランシスコとシカゴ

今年中に6店舗をオープンさせるという噂があったアマゾンゴーですが、次はサンフランシスコとシカゴとなるようです。
アマゾンが認めているようなのでオープンは確実、ただしいつかは分からないので今年中ではないかもしれません。

投資が重いとかいろいろ言われてますが、私の見立てではROIは考えているほど低くないはずなので、10店舗ぐらいまではあっさりと行ってしまうと思っています。

ちなみにアメリカでは"無人店舗"という表現は使いません。
無人で店舗は絶対に運営できませんから。
キャッシャーフリーとかキャシャーレスが一般的な呼称です。

鈴木敏仁 (08:55)


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2018年5月15日
セミナーのご案内

ダイヤモンドリテールメディアさん主催の「グローバル流通最新トレンド」セミナー、今年は9月6日に開催予定です。
詳細は後日アップデートしますが、ご興味のある方は日時をおさえてください。

今年もやっぱりテーマはアマゾン主体になりそうですが、もしご希望がありましたら私宛に直接ご連絡くださいませ。
喜んで検討させて頂きます。

鈴木敏仁 (08:38)


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2018年5月14日
[ホールフーズ] アマゾンとのシステム統合が進まない理由

もうまもなく開始するだろうと言われつつ、なかなか導入されない、ホールフーズでのプライム会員向け特典の提供ですが、ホールフーズのレジやスキャンといったオペレーション系のシステムが問題を起こしていて、そのため遅れているという話をメディアが報じています。

今月後半にプライムナウの発注プロセスをアマゾンのITシステムに乗り換える予定があるそうですが、これもホールフーズのシステムが使えないからだろうとみられている模様。

もともとホールフーズはデジタル意識が低く、そろそろなんとかしないとまずいぞとあせって、それがアマゾンに買収されるモチベーションになった経緯があります。

アマゾンにとってはホールフーズ規模のリテールのシステムははじめてでしょうから、自分たちでさっさと開発して入れ替えるというわけにもいかない。
統合には時間がかかりそうな感じがしますね。

ちなみに基幹システムも含めてクラウド(AWS)への移行がはじまっているようです。

鈴木敏仁 (02:17)


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2018年5月 4日
[ウォルマート] インドのフリップカートを150億ドルで買収

ウォルマートがインドのEコマース企業、フリップカートを買収することで両社が合意したと報じられました。
買収総額は150億ドル、フリップカート発行株式の75%を取得するとのこと。

単独買収ではなく、買収にアルファベットが参加するという情報もあります。
またソフトバンクが所有する20%の株式、200億ドル分を売却するとも報じられています。

インドでEC2位のアマゾンも競争入札していたらしいですが、規制当局の承認を得られないだろうということで、ウォルマートと合意したそうです。

ただしすべて関係者から漏れ出た情報で、両社ともにノーコメント、正式発表は10日以内で、その間にディールが変わる可能性もあります。

イギリスでアズダから手を引き、インドでフリップカートを買収する。
ポートフォリオの入れ替えですね。

鈴木敏仁 (08:06)


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2018年5月 3日
ライブトークの告知

5/8の13時より、Facebookのタイムライン上でライブトークを放映します。
今回で3回目、ゲストは証券アナリストの青木英彦さんです。
ご期待下さい!

[ライブラリー]

鈴木敏仁 (03:51)


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2018年5月 2日
[メイシーズ] バックステージ専用の配送センターを2019年にオープン

バックステージはメイシーズが2015年に開発したオフプライス業態です。
NYで4店舗を実験店としてオープンさせて、2月の時点で7店舗まで増えました。

これを既存店のインストアショップとして展開させ始めたのが2016年で、2月の時点で52店舗、年内にさらに100店舗を加える計画を持っているのですが、このバックステージ専用の配送センターをオープンさせると発表しました。

ノードストロムが展開しているオフプライスのノードストロムラックは総売上の33%、店舗数では235店舗で本体117店舗を大きく上回っています。
メイシーズはこれを長く横目で見ていたのですが、2年前に実験的にはじめて、配送センターの建設に踏み込んだことでとうとう本腰を入れ始めたというわけです。

レギュラーストアの中にオフプライスを入れ込むのは諸刃の剣です。
そういう意味で成否に注目ですね。

鈴木敏仁 (07:12)


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