商品の最近のブログ記事

2014年6月27日
トレンドセッターとしてのトレーダージョーズ

今日は少々趣向を変えて商品の話を。
下の写真はトレーダージョーズで売っているPBで、1つ目は韓国海苔、2つめは濃縮コーヒーです。

韓国海苔が登場したのはいつだったか覚えていないのですが、ここ数年のことです。
これをアメリカ人が食べるのか・・・、と店頭で初めて目にしたときは驚いたモノでした。
ところがエンドで積まれている商品を大量に買っているアメリカ人を見て、なるほどそういうものかと。
スナックとして売っているのですが、塩が効いているのでポテトチップのように止まらなくなってしまう、いわば中毒性がある。
我々が通常食べる普通の海苔だったら売れないでしょうが、スナックにすればアメリカ人も海苔を食べはじめるわけです。

濃縮コーヒーはこの半年ぐらいじゃないでしょうかね。
これも店頭で見たときは驚きました。
用途はホットでもアイスでもということなのですが、日本ならアイスでしょう。
アメリカでアイスコーヒーが定着したのはまだこのほんの10年以内のことですが、缶コーヒーやスタバで買うレベルで、家庭で飲む人は少なような気がするので、アメリカ人はホットで飲むのかもしれません。
これはたぶんまだあまり売れていないように思います。

濃縮コーヒーは他で売っている店を私は知りません。
スナック韓国海苔はひょっとしたらホールフーズにあったかな・・・というレベルで、これもまだ一般スーパーマーケットにはないですね。
でも両方ともにこれから一般に普及する可能性は十分にあるとみています。

この2つを見て思ったことは、トレーダージョーズの新商品に対する積極的な姿勢。
ガッツがあると言っても良い。
ハイリスク・ハイリターン。

まだ存在しない市場で商品を開発するということは、トレンドセッターになろうとしているとも言えます。
このマーチャンダイジングに対する積極的な姿勢の積み重ねが今のあの魅力的なPB群につながっているわけ。

後追いしてるだけじゃダメということです。

鈴木敏仁 (01:10)


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2012年12月19日
大手出版社のペンギングループが価格談合訴訟で和解

米司法省が大手出版社5社とアップルを相手取って、電子ブックの価格談合で提訴していたことは二度ほどエントリーしました。
[バーンズ&ノーブル] 米司法省による和解案に反対表明
連邦裁判所が電子書籍の価格協定問題で米司法省と大手出版三社の和解を認可

この5社うちの3社が9月に和解し、今回はペンギン社が和解したので残りはアップルと出版大手1社となりました。

今後価格に関する契約を小売と結ばないというのが和解の内容で、実質は出版社側が談合を認めたものだと思います。
ただしあくまでも和解であって訴訟で白黒つけたわけではないので、出版社側は法や規制に抵触したことを認めていません。

残るはアップルとドイツ資本のマクミラン社なのですが、4社が脱落したことで形勢は圧倒的に不利です。
これからどう動くのか注目したいと思ってます。

鈴木敏仁 (12:04)


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2009年10月26日
[プライベートブランド] 作業効率化の小さなヒント

昨日長期出張より戻りました。
先週後半はウォルマートニュースが一杯出てきましたが、もうあちこちで報道されてますからここではちょっとおきまして、ちょっと視点を変えまして、研修で私がどんな話をしているのかということに少しだけ触れようかと思います。

まずは、いい題材を動画に撮ったので、ビジュアルにお見せします。

店舗はファミリーダラー、1つ目と2つ目がプライベートブランド(PB)、3つ目と4つ目はナショナルブランド(NB)、5つ目は再びPBです。
両面をお見せしていますが、このうち、1つ目と2つ目(PB)、3つ目(NB)、5つ目(PB)は両方とも同じデザインですね。

なぜだか分かりますか?

前面を前に合わせるフェースアップという作業を軽減するためです。

つまり、PBを開発する時に、パッケージに印刷しなければならないデータに余裕がある場合、可能な限り同じデザインを両面に印刷し、店頭作業を軽減するということを考えているというわけです。

これによって、一箱について1秒間の作業が軽減される。
店員一人による一回の時間短縮は小さいが、これが積み重なり、そしてチェーンストア全体になると膨大な作業改善につながる。

そしてこういう小さい作業軽減の積み重ねが、日米の小売業界の生産性の違いにつながっているのだと私は考えています。
つまりアメリカのチェーンストアとはこういう思想があらゆるすべての業務の底辺に流れていて、その結果が日本よりも高い生産性として表出しているのだと言うことです。


ちなみにこのデザインは、ウォルマートやトレーダージョーズなどPBシリアルに導入している企業が多くいのですが、フレッシュ&イージーやファミリーダラーなどけっこういろんな商品を両面デザインとしている企業も存在します。

また今回はNBにも両面同じ印刷商品がありましたが、これはおそらくこの業態のために開発されている商品だからで、通常NBはこういうことはしません。

こういう話を私はセミナーでしています。

なおご参考までに、今回のセミナーでゲストスピーカーとしてお話しを伺ったのは、以下のような方々と内容でした。
・ウォルグリーンの前ビューティケア担当役員から、ウォルグリーンのビューティケア戦略について。
・元ウォルマートの幹部で、現在某メーカーの役員から、PDQの作り方とウォルマートの新戦略について。
・元某大手メーカーのブランドマネジャー、元3PMD企業社長で、現在メーカーの流通戦略コンサルタントの方から、メーカーの流通戦略について。


トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (11:16)


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2009年8月11日
先週のニュース

先週一週間のニュースで、細かいものは省いて気になるものを3つだけピックアップしておきます。

【ネットワークソリューション、57万4,000人のデータ漏洩の可能性】
ネットワークソリューションはEコマースのソフトウェア企業で、私はドメイン管理で使用していて、その程度しかこの会社について知らなかったのですが、零細小売企業で使用されるクレジットカードのトランザクションも扱っていたんですね。
漏洩した小売企業数は4,343社に上るそうです。
このニュース、例えばTJマックスの4,560万人に比較すると規模が小さいからか、あまり取り上げられていないように思います。
以前も書いたように思うのですが、こう事例が重なると消費者としては"自分のデータは漏洩するものである"という前提でいなければならないようで、暗澹とした気分にならざるを得ません。


【ターゲットがアマゾンとのコラボを解消へ】
ターゲットはネット販売の運営をアマゾンに委託しているのですが、契約が切れる2011年をメドに自社運営に切り替えるそうです。またひょっとすると契約切れの前に切り替えてしまうようなニュアンスもあります。
たぶんボリュームが増えてきたのでしょうね。


【プライベートブランド市場、2003年から60%の成長率】
PBについてはいろいろな資料が最近出てまして、4月にもエントリーしています。
消費者意識の変化と市場シェアの増加

今回のものは、「The US Private Label Food Market - Forecasts to 2013」というタイトルで公表されたものです。
この急成長の結果、食品市場に占めるPBの比率は売上高で19%(2003年は15%)、売れ個数で24%(2003年は20%)となっているそうです。
景気が上昇しない限りこの傾向はしばらく続くでしょう。30%に限りなく近づいていくのではないでしょうか。

鈴木敏仁 (03:23)


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2009年4月23日
[プライベートブランド] 消費者意識の変化と市場シェアの増加

プライベートブランドに関する調査レポートが2つ出たのですが、双方ともに非常にポジティブな結果で、アメリカでPBがかなり浸透してきたことが分かりました。

一つ目はNPDグループ、昨年アメリカの世帯におけるPBのシェアは24%で、1999年の18%から6ポイントも上昇しています。また97%の世帯が定期的にPBを買っているという結果も出ています。

二つ目はIRI、こちらは1,500人を対象としたパネルデータです。
○地域によってPBシェアが異なっていて、最も高いのが西部で25.2%、最も低いのが北東部で19.2%。
○5人に4人はPBの品質を認めている。
○80%がPBにポジティブな意識を持っていて、2007年の73%から7ポイント増加。
○パーソナルケアカテゴリーはブランドメーカーが強い。


ざっと見て、20%は超えている感じはしますね。アメリカは伝統的にブランドメーカーが強かったのですが、状況が大きく変わってきました。
景気の悪化と、各社の努力と、二つがうまくからみあってシェアが伸びています。

鈴木敏仁 (12:41)


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2008年9月22日
[R2Link] 2008春縲怏ト 私のおススメ新商品募集!

R2リンクの新商品コミュニティ『新商品おためし隊』にて、「2008春縲怏トのおススメ新商品」を大募集しています。
この春から夏にかけて出会った新商品のなかで、お気に入りのモノがありましたら、ぜひご紹介ください!

☆★2008春縲怏ト 私のおススメ新商品募集!★☆

鈴木敏仁 (01:03)


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2007年9月19日
拡大するマーサ・スチュワートの商品ライン

来週Kマートが、商品を切り替えた新マーサ・スチュワートラインを投入するそうです。ご存知の通り、名称はマーサ・スチュワート・エブリデイ、カテゴリーはホームファニッシング。Kマートに初めて導入されたのが97年のことなのですが、それ以来商品を大きく刷新したことはなかったそうです。

倒産でイメージが落ちたこともあって、マーサ・スチュワートはKマートでの販売をやめたかったようですね。しかしKマートにとってはドル箱ブランドであるため、引き続き売りたい。契約内容についていろいろ駆け引きがあったようで、両社の確執が報じられたりしました。

両社の契約は09年に切れるそうで、確執についてはまだ決着がついていません。


マーサ・スチュワートはメイシーズと組んで、'マーサ・スチュワート・コレクション'というホームファッションラインを導入しています。価格帯はプレミアムとなるので、Kマートラインの上位に位置する商品ラインですね。

コストコと組んで食品にも参入する。
ワインを作るというニュースも流れたばかりです。

刑務所入りというネガティブイメージをはね返し、マーサ・スチュワートの小売業界での存在感は増すばかりです。

鈴木敏仁 (02:30)


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2007年8月16日
米マテル社の自主回収

玩具大手メーカーのマテルが、中国製玩具の安全性に問題があるとして自主回収を進めているのはご存知の方も多いと思いますが、対象商品が拡大しつつあります。
14日に発表のあったアイテムは、基準値を超える鉛を含んだ塗料を使ったミニカーで、およそ50万個が対象となるそう。

小型で強力な磁石がついた玩具のリコールをはじめたのが1日のことでした。はずれたものを乳児が誤飲し死亡する事故が05年に発生しているものなのだそうですね。

グローバルレベルで、トータルすると1900万個のリコールになるとしてます。またこれからさらに対象商品が拡大する可能性を否定していません。

ニュースでは、ウォルマートやターゲットの店頭から撤去される商品の模様が放映されています。

現在消費者対象にマテルが打っている手は二つ、一つ目はCEOロバート・エカートがビデオで謝罪、オンラインでリリースされました。二つ目はニューヨークタイムズとウォールストリートジャーナルで一面を買って謝罪広告を載せています。

大きな問題が発生する前にリコールに踏み切ったこと、CEO自らがすぐに出てきて謝罪したこと、このあたりが評価されています。リスク管理はまずまずということですね。
ただ今年の歳末商戦に向けてかなりのダメージを負ったという見方もありますし、ひょっとするとバービーを含むマテルのブランドの転換点になるかもしれないとする識者もいますので、予断は許しません


日本でも同様なのですが、アメリカでも、練りハミガキ、タイヤ、ペットフード、シーフードと、中国からの輸入商品で問題が多発してます。Made in Chinaに対する信頼性が揺らぎ始めている。
我が家も、少なくとも食品に関しては中国製は可能な限り避けるようになってしまった。

この中国製品のアメリカにおける最大の輸入企業が、実はウォルマートです。
じわじわと影響が出てくるのかもしれないと思ってます。

鈴木敏仁 (03:13)


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2007年8月14日
ダンキンドーナッツのコーヒー

P&Gがダンキンドーナッツからライセンス供与を受けて、'ダンキンドーナッツ'ブランドのコーヒーを販売するそうです。チャネルは、スーパーマーケット、マスリテーラー(ウォルマートやターゲット)、メンバーシップ・ホールセールクラブ、そしてドラッグストア、つまり日常の商業全体ということですね。8月半ばに販売開始だそうですから、もうどこかで売っているのかもしれません。

これ、売れるんでしょうかね・・・?
ダンキンは、スターバックスの成功を横目で見ながら、最近フォーマットの転換を行いました。ドーナッツにコーヒーを加えたカフェ化なのですが、スタバが上層だとすると、ダンキンは中層以下を狙っている。

ダンキンドーナッツ2.0

今回のニュースは、スタバがリテールチャネルで豆を売っているのを横目で見て、これもコピーする、ということになる。したたかというか、なんというか。


ちなみに本日のAdAgeは、P&Gが来月の9月に、デュラセル(乾電池)、フォルジャーズ(コーヒー)、そしてプリングルス(ポテトチップ)の売却の可能性を検討する、と記事にしていました。クラフトはマックスウェルハウス(コーヒー)、ポスト(シリアル)の売却を検討している可能性があるそう。
ユニリーバによる衣料用洗剤事業の売却プランに典型ですが、儲かっていても成長性を見込めない北米事業の売却をアメリカの大手メーカーは考えているらしい。

とすると、ダンキンコーヒーも導入早々に他社に移ってしまうのかもしれないわけですねえ・・・。

鈴木敏仁 (05:11)


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2006年8月30日
オーガニックNBアイスクリームの登場

ユニリーバが北米で持っているアイスクリームブランドのブレイヤーズが、9月にオーガニックアイスクリームを投入するそうです。味はバニラ、チョコレート、コーヒー、バニラファッジの4種類。価格は1クォート(0.946リットル)で$4.99縲鰀$5.99。

とうとうNBアイスクリームにもオーガニックが登場するというわけです。オーガニックミルクは完全に定番化していますから、乳製品関連ということで、ありえる話ではありますが、オーガニックがついにここまで来たかというのが私の感想です。

ちなみにSM各社がPBを作るなどオーガニックはトレンドで、その反動でそろそろ生産が追いつかなくなってきてるみたいですね。

鈴木敏仁 (04:48)


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