ベストバイがマグノリアというローカルチェーンを買収したのは2000年のことでした。ハイエンド・オーディオ&ビデオと呼ばれますが、高価格帯のテレビとオーディオに特化したスペシャリティストアフォーマットで、当時はシアトルに13店舗展開する企業でした。
当時の年商が1億ドル、買収総額は8700万ドルですから、ベストバイにとってはわずかな金額だったことでしょう。
この当時私はメルマガにこのM&Aを書いているのですが、読み返してみると、その真意というか、ベストバイがやろうとしていたことを完全には理解していませんでした。
大型フォーマットがいずれ飽和するから、傘下に新たなフォーマットを増やそうとしている、程度しか見ていなかった。
しかしベストバイがまずやったことは、店舗内店舗化でした。テレビとオーディオの売場に「マグノリア」という名称をつけ、ファザードにも「マグノリア」名を明記する。
サブブランド化です。
たぶんこのサブブランド化の取り組みがおおよそ終ったのでしょう、メインブランドとして全面に押し出す、つまり専門店そのものを拡大するプランを発表しました。ただし80坪程度ですから、フォーマットは小さい。また店舗はベストバイ本体の横に出すとしているので、まあ、コバンザメのような感じですね。
このやり方、つまり店舗内のサブブランド化と、店舗外展開という戦略は、参考になるでしょう。'マグノリア'だけではなく、大型耐久家電の'パシフィックセールス'、モバイルの'ベストバイモバイル'など。
シナジーを効かせるというわけです。
買収してから7年目というのも、いいですよね。買って急いで
拡大するのではなく、まずは店内サブブランドとし、じっくりと検討してどう拡大するのがベストかをじっくり考える。
ベッド・バス&ビヨンドも似た戦略を取ってます。スペシャリティディスカウンターが多角化をはかる場合、この手法はひとつのベンチマーク対象になるでしょう。
トイザラスもこういうやり方をとっていたら、不調に陥ることもなかったでしょうねえ、たぶん。
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