2007年7月31日
ベストバイ、マグノリアを拡大

ベストバイがマグノリアというローカルチェーンを買収したのは2000年のことでした。ハイエンド・オーディオ&ビデオと呼ばれますが、高価格帯のテレビとオーディオに特化したスペシャリティストアフォーマットで、当時はシアトルに13店舗展開する企業でした。
当時の年商が1億ドル、買収総額は8700万ドルですから、ベストバイにとってはわずかな金額だったことでしょう。

この当時私はメルマガにこのM&Aを書いているのですが、読み返してみると、その真意というか、ベストバイがやろうとしていたことを完全には理解していませんでした。
大型フォーマットがいずれ飽和するから、傘下に新たなフォーマットを増やそうとしている、程度しか見ていなかった。

しかしベストバイがまずやったことは、店舗内店舗化でした。テレビとオーディオの売場に「マグノリア」という名称をつけ、ファザードにも「マグノリア」名を明記する。
サブブランド化です。

たぶんこのサブブランド化の取り組みがおおよそ終ったのでしょう、メインブランドとして全面に押し出す、つまり専門店そのものを拡大するプランを発表しました。ただし80坪程度ですから、フォーマットは小さい。また店舗はベストバイ本体の横に出すとしているので、まあ、コバンザメのような感じですね。

このやり方、つまり店舗内のサブブランド化と、店舗外展開という戦略は、参考になるでしょう。'マグノリア'だけではなく、大型耐久家電の'パシフィックセールス'、モバイルの'ベストバイモバイル'など。

シナジーを効かせるというわけです。

買収してから7年目というのも、いいですよね。買って急いで
拡大するのではなく、まずは店内サブブランドとし、じっくりと検討してどう拡大するのがベストかをじっくり考える。

際立つベストバイの買収戦略

ベッド・バス&ビヨンドも似た戦略を取ってます。スペシャリティディスカウンターが多角化をはかる場合、この手法はひとつのベンチマーク対象になるでしょう。
トイザラスもこういうやり方をとっていたら、不調に陥ることもなかったでしょうねえ、たぶん。

鈴木敏仁 (02:50)


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2007年7月30日
なぜウォルマートは日本で幸せを見つけられないのか?

フォーチュン誌が非常に良い記事を掲載しています。
タイトルは『Why Wal-Mart can't find happiness in Japan』。

気になったところをわずかだけ抄訳抜粋します。

1)米国内は成長が飽和化し始めており、国内成長への偏りすぎを回避する必要があり、日本での失敗は許されない。

2)04年に1500人の大幅解雇をしたが、もともと日本の文化に馴染まない上に、外国人の手によるものというネガティブな意味合いが加わってしまった。

3)Always low pricesというモデルは開発国では受け入れられるが、高品質の他にないような商品に対して高額を支払う日本のような国ではうまくいかない。

4)基本的な疑問は適正なマネジメント体制をウォルマートが作っているのかということだ。日本で成功している米国企業のほとんどは、たとえばマクドナルドのように、上級管理職を日本人とし、権限委譲を行っている。しかしウォルマートはイギリス人やカナダ人などの外人チームに頼っている。カレジッスキーも日本語をしゃべらない。

5)ウォルマートの海外事業は中央集権型モデルだ。カレジッスキーの仕事はベントンビルの命令通りに仕事をすることにある。

6)カレジッスキーは学習中であることを認めている。

総体として、基本的に日本での課題をよく整理した文意であると思いました。

4縲怩Uは、アメリカの流通メディアでさえも今まで出てこなかった論旨なのですが、私はこれが問題だとずっと思っており、ようやくアメリカ人も分かったか、という気がしました。
海外事業のトップが本社の意向を伺いながら仕事をすると、現場との乖離が起きて、必ず失敗します。これは基本中の基本でして、日本企業がアメリカに出てきて失敗するのも、このケースがほとんど、20年以上アメリカにいて、これが理由で撤退していった日本企業を一杯見てきてます。

さらに、新任のCOOも小売業の外からですね。CEOが日本語をしゃべれず、日本でのビジネスを学習中で、そしてCOOもこれから学習するというわけで、どうやって経営するのか、大変だろうなあと思います。

いまの西友に必要なのは、小売の現場を良く知っていて、落ち込んだ現場を元気付けられるチアリーダー型の経営者でしょう。マイクロマネジメント型ではないと思う。
とりわけ企業再建には通常のマネジメント能力とは異なるものが求められるわけでして。
このあたりを、ウォルマートは分かっているのでしょうかねえ・・・?

ちなみに3はちょっと違うなあという気がしてます。日本人はモノを見る目が成熟していて、価値のない低価格はアピールしない、という表現が正しいように思います。

鈴木敏仁 (05:10)


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2007年7月30日
「ウォルマートによる新たな戦略模索始まる」Vol.11,No.31

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが新学期シーズンに合わせて、1万6,000アイテムをいっせいに値下げするキャンペーンを実施している。通常この時期はどの企業も値下げプロモーションを実施するものなのだが、このアイテム総数は目を引く。ウォルマート自身にとっても、過去にないアイテム数なのだそうだ。
 一方、広告エージェンシーを変えてからはじめてリリースしたテレビ広告では商品セレクションをメインに据え、従来の低価格を前面に押し出すやり方から大きく舵を切っている。
 店頭では低価格メッセージを打ち出しつつ、広告では低価格を出さないという、微妙な戦略を取っているところが今回の特徴となっている。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:09)


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2007年7月27日
ギャップの新CEO

前任のプレスラーを解任して以来ずっと経営者を探してきたギャップが、再びアパレル経験のない人をCEOとして据えることを発表し、周囲を驚かせてます。

新たにCEOになるのはグレン・マーフィー、小売経験は20年以上、カナダのショッパーズドラッグマートで6年間CEOを勤めていた人物で、その前は書籍チェーンのCEO、その前はスーパーマーケットのロブロウて働いていたそうです。

この人、年齢が45というところに驚きました。30台後半でショッパーズドラッグマートの経営者になっているのですが、その前も書籍チェーンでCEOやっているわけで、よほどの技量とリーダーシップを持っているものと思います。
ただこの若さで、ショッパーズドラッグマートをどうしてやめたのか、知りたいところではありますね。

ショッパーズドラッグマートでは改革を引っ張ったのだそうです。おそらく新しいプロトタイプの開発にも携わったのでしょう。
先月本社を訪問し、店舗もいくつか見てきたのですが、日本人の常識では出てこない非常に斬新な新プロトタイプを持ってます。とくにビューティの売り方が斬新で、大きなポテンシャルを持っていると思っています。

ただアパレル経験はない。
ギャップはショッパーズドラッグマートを改革した手腕に期待しているようです。
若さというのもあるかもですね。

少なくとも現場経験があるという点で、この人事は評価したいと思います。ただアパレルをしらない人がどこまでできるかは未知数です。
もうひとつは、創業一家とどこまでうまくやっていけるか。とくに創業者ドン・フィッシャーはいまだに経営に関与しようとする人で、この人との折り合いの悪さがプレスラー解雇につながったとも言われてます。この際だから完全に引いてしまうといいと思うんですけどねえ...。

鈴木敏仁 (04:59)


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2007年7月26日
ウォルマートのアパレル担当役員が辞任

アパレルとホームファッションの商品担当役員だったクレア・ワッツが先週辞任しました。

この人はもともとリミテッドにいた人で、ウォルマート入社は97年、ここ数年の戦略転換にのって出世を続けてきました。ニューヨークオフィスの開設、メトロ7、マーク・アイゼン、ジョージME、といった新ラインの開発、といったことに責任を持っていた人だそうです。

新しいアパレル戦略がうまく行かず、在庫が積みあがってしまったことは何回かエントリーしたと思います。
辞任の直接の理由については書かれていないのですが、この責任を取ってやめた、ということでしょう。日本なら異動(または降格?)で済むところですが、アパレルのエキスパートとしてやってきて、責任者となって失敗すると、やめるしかないわけでしょうか。いろいろ考えてしまいます。

価格レンジを上に広げすぎてしまった反省で、レンジをせばめ、低価格帯を重視する、基本に戻るということをウォルマートは最近言い始めてます。ユニクロのように、価格は安いけど、そこそこファッショナブル、こういう商品戦略を取る必要がこの企業にはありそうです。

鈴木敏仁 (03:54)


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2007年7月24日
ウォルマートがネット販売2.0へ進化

ネット販売2.0という表現は私が勝手につけた表現です。

今までのネット販売はいわばカタログだったわけですね。リテーラー側が提示し、お客が見て買う。情報の流れは一方通行でした。ところがアマゾンが、消費者に商品評価をさせてしまうシステムを作って成功してしまった。ユーザーがサイト構築に積極的に参加してしまうという意味で、ウェッブ2.0型の新しいパラダイムを作った。

つい最近まで、ネガティブな評価が増えるのを恐れて、大手リテーラーはこの仕組みを横目で眺めてきました。しかし、ぼつぼつと取り入れる企業が出てきて、うまくいってしまい、保守的な業界にも少しずつ浸透し始めています。

私の知る限り、ターゲット、ホームデポ、ロウズ、ウォルグリーン等が商品レビュー&レーティングのシステムをすでに取り入れてます。これに、ようやくウォルマートも重い腰をあげたということです。

この商品レビュー&レーティングのシステムについては、いろいろ分かってきていることがある。ポジティブな評価の方が多いこと、ネガティブな評価は潜在的な問題点を洗い出す有効なツールになること、評価を知ってからかうので返品が減ること、などですね。

実は現在東京にいるのですが、昨日の講演のテーマが『流通小売業界とウェブ2.0』、このあたりの話をさせていただきました。

ナレッジのあり方が劇的に変化しています。今まではつかむことができなかった情報を、ネットを使っていかに表出させてすくいだせるか、これがこれからのテーマとなっていくことでしょう。

鈴木敏仁 (05:24)


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2007年7月23日
ファーストリテーリング、バーニーズ買収提案の背景

10日ほど前のことですが、ジョーンズ・アパレルグループという、衣料コングロマリットのCEOが辞任しました。ここ数年業績が悪く、ブランドの整理を中心にリストラをしてきたのですが、なかなかうまくいかない。昨年はプライベートエクイティに資本売却を検討するも、良いオッファーがなくてあきらめ、この失敗が取締役会および株主とこのCEOとの関係を悪くした、と言われてます。

この企業、傘下にバーニーズを持っていて、リストラの一環としてこれをアラブの投資企業に8億2500万ドルで売却を決めたのですが、これに対してファストリテーリングがカウンターオッファーをかけたことはご存知のことと思います。いったん契約は成立しているのですが、アラブ系投資企業との契約内容に、他からオッファーがあったら契約は見直しても良いという項目があったようです。

さてこのジョーンズアパレルが抱えている問題は、どうもリズクレイボーンとほぼ同じもののようなのですね。こういう記事をエントリーしました。
リズクレイボーンの減益
この記事の内容が、ほぼそのままジョーンズ・アパレルに当てはまるようです。

ちなみにこのリズクレイボーンもほぼ同じ10日前にリストラプランを発表していて、両社足並みがそろってます。

一方、この2社に影響を与えているデパートメントストア業界集約の張本人、メイシーズも業績が悪い。そしてこちらにはKKRへの資本売却の話が出ている。非上場となって、長期的な視点で経営にあたりたいというのが、現経営陣の本音のようです。

そういえば、リミテッドも本体の売却が決まりましたね。
アメリカのアパレル業界は、とくに中間価格帯を中心として大きく動いています。

ファーストリテーリングによる買収オッファーの裏には、こういう状況があるのだということをお話しておこうと思って今日はアパレルを俎上に上げました。

鈴木敏仁 (04:40)


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2007年7月23日
「色あせないラルフ・ローレンのきわめて巧妙な企業戦略」Vol.11,No.30

アメリカ流通eニュース

 先日アウトレットに行く機会があったのだが、早めの時間に行ったせいかすいていて、いつも混雑していて買うのを敬遠するラルフ・ローレンで久しぶりに買い物をすることができた。
 20年以上前、西武百貨店に勤めていた時代、確か西武が日本での販売権を持っていてはずで、社員販売で買ってよく着たことを思い出した。当時のマネジメントクラス以上の流行ブランドで、若い我々は背伸びをするような感じで着たものであった。
 手元にある買ったポロマークを眺めて、当時を思い出しつつ、ふと思ったのは、これほど長く買い続けられるアパレルブランドというものも珍しいな、ということである。
 さらによく考えると、ラルフ・ローレンの流通戦略は驚くほど優れていることが分かってくる。ファッションショーに登場するようなプレスティージさと、アウトレットで販売するようなマスなイメージとを、これほどたくみに管理し成功しているアパレル企業は他に無いのではないか。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:08)


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2007年7月20日
マッケイの謝罪

昨日テスコが正式リリースで、ロサンゼルスエリアに12店舗をオープンする予定であることを公式発表しました。場所と日時は不明ですが、たぶん調べれば分かることでしょう。グランドオープンに向けて、着々と準備が進んでいるようです。


さてホールフーズのジョン・マッケイが自身のブログでヤフーへの匿名投稿について公式謝罪し、取締役会による内部調査が始まったことによりアップデートを一時中断するとしました。

マスコミが大きく騒いでいるので、とりあえず謝っておこうということでしょうかねえ・・・。悪い意味ではなく、いい意味で、マッケイが本当に反省しているとは私には思えないのですよ。

本日のWSJ紙がマッケイについて特集してました。マッケイの生い立ちから、創業、成長、買収と、インタビューをベースにして書いてあって、なかなかおもしろかった。

気に入った部分がいくつかあります。はしょりながら簡単にメモします。

ホールフーズの商圏であるダラスにワイルドオーツが出てきたため、報復のためワイルドオーツの本拠地があるコロラド州ボルダーに店を出し、価格を意図的に安くして攻撃した。 このときマッケイはワイルドオーツの創業者に、リスクという名称のボードゲームを送りつけ、中のメモには「備えあれば憂いなし」と書いてあった。

これはすばらしい。競合とはこういうものです。ウォルマートのサム・ウォルトンやホームデポのバーニー・マーカスにも同じような逸話があります。

ホールフーズは大きくなったが、クランチーでカウンターカルチャーな文化を持っているというイメージを維持している。

クランチーというのは、パリパリとかジャリジャリした、といった滑らかではない状態を意味してます。カウンターカルチャーと合わせて、なにかこう、きしみながら体制に反抗してゆくようなイメージをいまだにお客が持っているということです。店員にタトゥーを入れている人をよく見かけるのですが、店員自体がそれを体現しているわけです。

マッケイはいまでもしばしばサンダルやショートパンツで仕事している。

常識で動く人ではないということです。これもすばらしい。

ナチュラルフード信望者のあいだでは、マッケイをビル・ゲイツやスティーブ・ジョブスと比較することは珍しいことではない。彼は業界のロックスターのようなものだ。もし彼が辞任するようなことになったら、業界は大切なビジョナリーを失うことになるだろう。(業界誌編集長)

こういう思いを経営層も共有しているのならば、マッケイが解雇されるということはないと思うんですけどねえ・・・。

SECが法に抵触していると判断したなら仕方ないでしょうが、つまらないマスコミの扇動でこういうユニークな経営者が辞任に追い込まれることだけは避けたいところだと、少なくとも私は思ってます。

>>明日より一週間ほど旅に出ます。エントリーが不規則になりますが、ご容赦の程を。

鈴木敏仁 (05:41)


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2007年7月19日
ラッキーの復活

北カリフォルニアにスーパーマーケットのラッキーが戻ってくることになりました。

まずちょっとヒストリーを書きますと・・・。

ラッキーはサンフランシスコ近郊を発祥とするスーパーマーケットですが、1号店は1935年にオープンしてまして、もともとは由緒正しい老舗です。
その後1988年にアメリカンストアズが買収し、このアメリカンストアズを1998年にアルバートソンズが買い、アルバートソンズはこのラッキーをすべてアルバートソンズ名に転換してしまったため、ラッキー名は消えてなくなりました。

このアルバートソンズが資本買収され分割された後に、セブマートというローカル企業が北カリフォルニアの130店舗をアルバートソンズLLCから買収。そのうちの41店舗をセブマートとし、72店舗をラッキーに変え、5店舗を閉鎖する、というのが今回セブマートが明らかにしたプランです。
残りの12店舗はネバダエリアにあり、今後6週間以内にどう変えるかを決めるとしています。

およそ9年近くのブランクが、店舗名復活にどう作用するのか。
なかなか興味深い実験じゃないでしょうか。

ついでながら、セブマートのラッキー運営方針がおもしろいので、付け加えます。

1、セブマートの基本戦略である、低価格と、お客が望む商品とサービスを提供する、を踏襲する。

2、ロイヤルティカードは導入しない。COOいわく、「カードは信頼置けない。すべての顧客は等しく大切だと信じている。なぜ選別し、リワードする必要があるのか。すべてのお客に同じ価値を提供すべきだ」

3、店舗ごとにプロダクトミックスは変える。

4、レジに3人並んだら新しいレジをオープンさせる、"Three's Crowd"ポリシーを復活させる。

>>ロイヤルティカードのくだりが気に入りました。日米ともに猫も杓子もという感がありますが、私はへそが曲がっているので、こういう流れに掉さす方針が好きです。

鈴木敏仁 (03:50)


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2007年7月18日
南カリフォルニアのスーパーマーケットストライキ回避

04年に勃発したストライキは記憶に新しいところですが、労働契約の更新時期が再び訪れ、企業と組合が1月から交渉を続けてきたのですが、ようやく折り合いがついたようで、契約内容を批准する方向で組合が動き出しました。
今週土曜日に実施される投票で、最終結果が出ることになります。

企業側とは、アルバートソンズ(スーパーバリュ傘下)、ラルフスイ(クローガー傘下)、ボンズ(セイフウェイ傘下)で、カバーされる店舗は785店舗、6万5000人が対象となっています。

交渉が決裂し、歩み寄り・・・というプロセスを繰り返してきていて、途中ストライキに入るのではという観測が流れたこともありました。

しかし私が得た情報だと、基本線は合意にあったようで、たぶんないだろうと予測してました。つらい思いは二度とゴメンだという思いは、組合員側にも経営側にもあったのではないかと推測しています。

投票で最終決定したわけではないので予断は許しませんが、とりあえずみんなほっとしているのではないでしょうか。

鈴木敏仁 (01:48)


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2007年7月17日
IHOPがアップルビーを買収

今日は外食産業のニュースを一つ。
パンケーキを核にした朝食型のレストランで知られるIHOPが、ディナー型レストラン大手のアップルビーを買収することを発表しました。

買収後の売上総額は70億ドル、総店舗数は3,250となり、ファストフードを除くフルサービス型レストランとしてダーデンを抜いて売上1位となるそうです。昨日エントリーで俎上に上げたランキングを見ると、A&Pやベッド・バス&ビヨンドのちょと上ぐらいといったポジションですね。

買収総額は21億ドル、サイズとしては中型案件ですが、すべてを現金でまかなうところにちょっと引っかかりエントリーしています。

IHOPの現CEOジュリア・スチュワートは、傾いたIHOPを、全店舗をフランチャイジングに転換することで業績を上向かせました。これと同じことをアップルビーに適用しようとしている模様。アップルビー508店舗はすべて直営なのですが、これをフランチャイジングにすれば、IHOPと同じように立て直せると読んでいるわけです。

買収資金のほとんどは借り入れであり、これはつまり買収対象を担保として調達し、買収後は固定資産を売却することによって返済を済ませることを意味している。バイアウトに非常に近い。同業が実施するバイアウト、というy表現もできそうです。

アップルビーはTGIフライデーをコピーして生まれ、そういうタイプが存在しなかった田舎や郊外を出店先として選ぶことで急成長した企業でした。
にぎやかな装飾と、フライ系の当時人気のあったメニューで、受け入れられた。

しかし、ここ数年業績を落としていた。
理由は変革を怠ったことにあります。
昔のまま今に至っているのですが、飽きられてしまったのですね。装飾もメニューも。いまは、フォーマットは10年はもたないと思ったほうがいい時代です。
また出店エリアが低縲恍・鞄セ圏にあり、ガソリン価格の高騰によるレジャー費減の影響も指摘されてます。

フランチャイジングにすることで変わるのかどうか、今後に注目でしょう。

鈴木敏仁 (03:21)


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2007年7月16日
小売売上ランキングに外食企業を加えると・・・

National Retail Federation(全米小売業協会)が発行しているStoresという業界誌が出した06年度の小売業界売上ランキングに、外食企業が含まれています。この手のランキングとしては初ではないかとのこと。

ライフスタイルセンターに代表されますが、核テナントとしてレストランを誘致するショッピングセンターが増えてきていて、小売フォーマットと補完、または場合によっては競合することもあり、そういう意味で含んでみたようです。

100位以内に入っている企業はというと・・・

16位:マクドナルド
35位:ヤム・ブランズ(ピザハット、タコベル、KFC)
42位:スターバックス
53位:ダーデン・レストラン(レッドロブスター、オリーブガーデン)
73位:ブリンカー(チリーズ、ロマノス・マカロニグリル)
80位:アウトバック・ステーキハウス

日ごろ売上高規模を比較することがないのですが、こう見ると、外食企業のポジションのようなものが見えてきて、個人的にはなかなか興味深いランキングでした。

鈴木敏仁 (06:00)


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2007年7月16日
「常識破り、ジョン・マッケイの匿名投稿」Vol.11,No.29

アメリカ流通eニュース

 ホールフーズの創業CEOであるジョン・マッケイが、ヤフーファイナンスのフォーラムに匿名投稿をしていた記事をマスコミが俎上に上げて論議を呼んでいる。自社がテーマのフォーラムで、現在買収プランが暗礁に乗り上げているワイルドオーツについてのコメントを繰り返していたりして、これが証券取引所の公的調査につながる可能性もあるようだ。
 マスコミの論調はネガティブなのだが、私は違うことを感じたのであった。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:07)


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2007年7月13日
ジョン・マッケイの匿名投稿

ホールフーズの創業CEO、ジョン・マッケイによるヤフーファイナンスへの匿名投稿が論議を呼んでます。

マッケイが99年から06年にかけて、ヤフーのファイナンシャルフォーラムで、匿名で自社や競合企業についてのコメントをしていたようなのですが、これがFTCに提出した資料の中にあり、マスコミが発見して大騒ぎしているんです。

「ホールフーズがワイルドオーツを買うか?いまの価格じゃ買わないね」
「ワイルドオーツはいまに倒産するだろう」
「経営陣は何をやっているのか分かっていない」

というようなことを書いていたのだそう。

おそらく裁判所から関連全資料の提出を求められ、マッケイが自主的に出したものと思われます。

ホールフーズは公式コメントで、「書かれているコメントのほとんどは無関係なことである」とし、マッケイは自身のブログで、「楽しいからやっていただけだ、匿名で書くやりかたは多くの人がやっているあたりまえのやりかただ。自分を分かるように書いたこともない」、と説明しています。

論議となっているのは、これが裁判所の決定にどう影響を及ぼすのかという点と、ホールフーズそのもののイメージがどうなるのかという点です。ほとんどの論調はネガティブ、つまりFTC側に有利となり、ホールフーズのイメージは悪化する、というものでした。

個人的な感想としては、実にマッケイらしいなと。マッケイは型破りな人ですから。こういう人だから、ホールフーズのようなモデルを創業できたのだと思います。

創業CEOが匿名とはいえ経営者が一般人とネット上でどんどん意見交換する。時代はますますフラットになり、情報伝播スピードは飛躍的に早くなる。これがウェブ2.0時代というものでしょう。

鈴木敏仁 (06:11)


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2007年7月12日
実は巨大な成長企業アルディ

先週末にテキサス州での拡大プランを明らかにしました。ダラス/フォートワースエリアに09年秋までに25縲鰀50店舗と配送センターをオープンさせる。この配送センターは最終的には50縲鰀100店舗をサポートする。
つまりこの商勢圏において最大で100店舗くらいの展開を考えているということですね。

一方、今週早々には、オーストラリアでこの2ヶ月以内に150店舗目をオープンさせ、今後年間に30縲鰀40店舗ペースで増やしてゆくことを発表してます。まだ進出6年目だそう。

アルディはマスコミに出ないことを企業ポリシーとしてますので、何をしているのか一切分かりません。アメリカでも実はけっこうな規模なのですが、その大きさを一般の人たちはほとんど実感していないことでしょう。

アメリカに進出してきているのは南アルディでして、昨年度の年商は32億8484万ドルでスーパーマーケット業界27位。北アルディ傘下にあるトレーダージョーズの昨年度の年商は43億2250万ドルで同業界19位。

両方足すと76億ドルを超え、アルディグループという視点で見るとマイヤーを抜いて同業界10位となってしまうのです。
これ、日本ではほとんど知られてないんじゃないでしょうかねえ。

ほとんど知られず、静かに静かに、しかし着実に成長している優秀な企業がこのアルディなのです。

鈴木敏仁 (04:55)


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2007年7月11日
ステープルズの新ライン、『トランプオフィス』

オフィス用品ディスカウンターのステープルズが、ドナルド・トランプをキャラクターとした椅子のオリジナルコレクションを導入しました。その名も、トランプオフィス

ドナルド・トランプは不動産で富を築いた有名な人物ですが、最近はテレビへの出演も増え、一般人への知名度もかなり高く、これを利用してステープルズが「トランプブランド」を開発したということでしょう。

森ビルのオーナーが、アクスルでモリブランドを作るようなものでしょうか。または、ライブドアの堀江貴文がホリエモンブランドを作ったようなものかな。
比喩としてはあまり良くないですが(笑)

トランプという人も、たいした人ですね。脱帽です。
ただ、売れるかどうかは、別の問題はありますが。359.99ドル縲鰀549.99ドルですから、ジョークで買うには安くはないです。

鈴木敏仁 (03:41)


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2007年7月10日
リミテッドブランズによる'リミテッド'売却

リミテッドブランズが、その会社名の由来ともなっているオリジナルの専門店チェーン、リミテッドを手放すことを発表しました。リミテッドの方向性と革新性でエントリーしたときは、たぶんもう机上に乗っていたのでしょうね。

「売却」ではなくて「手放す」とした理由は、資本の75%をプライベートエクィティのサンキャピタルという企業に移転する、としているからです。リミテッドブランズは4200万ドルの損失処理をする。
お金を投入して買う企業がいなかったということなのでしょう。

また残る最後のアパレルチェーン、エキスプレスの売却も同時に発表しています。こちらは資本の75%を6億200万ドルで、おなじくプレイベートエクイティのゴールデンゲートキャピタルという企業に売却する。

すべて丸ごと売却せずに25%ずつ資本を手元に残している理由は明言していないのですが、たぶん創業者ウェクスナーの気持ち、なのでしょう、おそらく。アパレル事業に対する愛着がまだあるものと推測します。
これでリミテッドブランズは、アンダーウェアのビクトリアズシークレットと、パーソナルケアのバス&ボディワークスの、2つのビジネスに完全に集中することとなりました。

市場の変化、自分の強さと弱さ、そういったものに従って業態を乗り換えて変化してゆく。'小売業は消費者変化対応業だ'を体現しているように思います。

参考までに、バス&ボディワークスと実験フォーマットのC.O.Bigelowについては、パーソナルケアのセレクトショップ、をご参照くださいませ。

鈴木敏仁 (03:41)


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2007年7月 9日
メイシーズ株価高騰の背景には・・・

エド・ランパートがメイシーズ株の大量購入に動くという噂があったのだそうです。
もう一つ、KKRも買う意思があると言われているそう。

メイシーズ買収の噂で株価高騰で、なるほどこういう企業は買われやすいなと感じたことをエントリーしましたが、ランパートが買うということも、なるほどありえるなあ、とうなってしまったのでした。

ちなみにKKRはブラックストーンについで上場する予定のもよう。プライベートエクィティ(またはバイアウト)がいまアメリカでは全盛です。

>>エントリー数が今回で500となりました。メルマガの流通eニュースの発行は10年を超え、毎週1本ずつなのでつまりこちらも500本以上書き続けてます。チリも積もれば山となる・・・継続は力なり・・・飽かずに続けるつもりです。

鈴木敏仁 (04:10)


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2007年7月 9日
「コンテナストアによる資本売却」Vol.11,No.28

アメリカ流通eニュース

 コンテナストアという極めてユニークなコンセプトを持ったチェーンストアが存在する。商品集荷のコンセプトは、'家の中の物をコントロールする'すべてのもの、または日本人の我々の見方だと'収納'するもの、これを核としてMDを拡大したスペシャリティ型の専門店チェーンである。
 低価格を前面に押し出しておらずディスカウントストアの範疇には入らないのだが、鋭利な刃物のような切れ味を持ったカテゴリーキラーだと私は考えている。
 この企業が7月2日に、資本をバイアウト企業に売却することを発表した。2月の時点で売却を考えていることを表明しており既定路線ではあるのだが、優良企業と言われているだけに、バイアウトさせる理由についていろいろ考えてしまうのである。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:06)


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2007年7月 3日
テリー・リーヒー卿 vs 渥美俊一

ちょっと過激なタイトルですが、こういうことです。

6/28のウォルーストリートジャーナル紙がテスコCEOのテリー・リーヒー卿の独占インタビュー記事を掲載していたのですが、これがなかなかおもしろい。テーマは海外進出で、もちろん米国に関する話がメインなのですが、ついでに日本について話しているので、はしょらず訳します。

#####
日本市場は非常に難しい。バリューシステムという意味において非常に良い意味での顕著な特徴を持った社会だからである。そして消費者はとても自信に満ちている。

(カルフールのように)大きく入って行くことはしない。(市場が)複雑であることは分かっていた。(アメリカ同様に)日本でも、日本の家に住み、3年間を調査に費やしている。

我々のフォーマットを持ち込むようなことはしない。カルフールはフランスのハイパーマーケットを持ち込んだ。我々はコンビニエンス業界に属する小さなジネスを持ち込んだが、これは日本の買い物環境にぴったりだと思っている。日本では小さいことが美しい。西洋のような、広い、大きい、エキストラバリュー、は日本では機能しない。
#####

さて一方興味深いのは、チェーンストアエイジ誌6/15の20ページ、「今なぜ小型SMなのか不可解」で渥美俊一さんが、小型SMに対する疑問を呈してます。「どう考えても150坪や200坪の小型SMを計画することは、品揃え上も作業システム上も無理なことなのです。それは世界で、すでに実証済みの経験法則だからです」と語っている。

つまり、リーヒー卿は日米同時に小型店舗に勝機を見出し、これに対して渥美さんは'違う'と言い切っているわけです。
外野として見ちゃってますけど、おもしろいですよねえ。
商売人が正しいか、コンサルタントが正しいか。
数年後には結果が出ることでしょう。

少なくともアメリカにおいては、小型店舗に対する回帰現象という一つのトレンドがあり、、トレーダージョーズやセブアロットなど小型SMが実際急成長してますから、150坪や200坪の小型SMが無理だというロジックはあてはまりません。

>>7月4日が国民の祝日(独立記念日)のため、5日と6日と合わせて休暇をとります。じっくり充電し、来週月曜日から再開します!

鈴木敏仁 (11:52)


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2007年7月 2日
アップル、ミュージックリテーラーとしてのシェア3位へ

NPDというリサーチ企業の調査によると、アップルのシェアが10%となり、アマゾンの6.7%を抜いて3位となったことが分かりました。1位はウォルマートの15.8%、2位はベストバイの13.8%だそうです。

アップルという企業の革新性というものを思わず考えてしまいます。いまやあたりまえになりつつありますが、ハードとしてのプレーヤと、ソフトとしてのミュージックを、ネットでつなげてしまうという、それまで思いもつかなかったことを普及させてしまったわけです。
iPhoneの投入で、また新たな何かが起ころうとしているようにも感じます。

ちなみに専門店としてのアップルは、単位面積あたりの売上高が全米一番。
最近私はイノベーションということをいろいろ考えているのですが、アップルこそイノベーティブな企業と言う名称がふさわしいと思ってます。

鈴木敏仁 (01:40)


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2007年7月 2日
「ショッパーズドラッグマートに見るビューティケア強化の新たな方向性」Vol.11,No.27

アメリカ流通eニュース

 先々週に某メーカーさんの米国研修で、カナダに本拠を置くショッパーズドラッグマート(SDM)というドラッグストア(Dgs)の店舗と本社を訪問する機会があった。地続きで、白人系がマジョリティを占め、言葉も英語が通じるため、アメリカと同じ感覚で訪問してしまうのだが、良く見るとすべてが微妙にアメリカとは異なり、カナダはアメリカに長い外人の私には実に興味深い国である。
 その理由は、イギリス系(またはアングロサクソン文化)の影響色濃いアメリカに比べると、フランス系(またはローマ文化)の影響が強いからだ。ざっくりと言ってしまうと、アメリカとヨーロッパの中間ぐらいに位置するのがカナダである。
 建築デザインやカラースキームといったパッと見た目も微妙に違うのだが、アングロサクソンよりもセンスが良いように個人的には感じ、そういう意味ではカナダの小売企業もベンチマークすべきだと思った。
 さてこの企業、ビューティケア強化に近年取り組んでいるのだが、なるほどこういう手もあるのかと合点がいったのである。

鈴木敏仁 (01:04)


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